「ビタミン」を調べているのはどんな人?
「ビタミン」について分析してみましょう。まずは検索者数の推移です。
なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用します。
Dockpit 「ビタミン」の検索者数推移
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
年間を通して高い検索者数です。「ビタミンの日」とされている12月13日を迎える、12月に少し下がっていることは気になるところです。
Dockpit 「ビタミン」の検索者数推移
(集計期間:2020年1月〜2022年1月、対象デバイス:PC&スマホ)
そこで調査期間を2年ほどさかのぼってみると、突出して検索が伸びているタイミングがあります。それは2020年5月頃で、新型コロナウイルスの感染拡大が著しく、緊急事態宣言が出ていた頃。ビタミンD・プロポリスの免疫への働きが注目されたことが影響していると考えられます。実際、サプリメントを販売するファンケルの2020年4月1日から23日までの通信販売でのサプリメントの売上は、前年同時期と比較して
・ビタミンD:218.3%増
・プロポリス:78.5%増
・ビタミンC:71.7%増
・マルチビタミン・ミネラル:52.6%増
と大幅に増加したことを同社は公表しています。
続いて検索者の属性についても見てみましょう。
Dockpit 「ビタミン」の検索者属性「未既婚」
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
未婚者の方が既婚者に比べ、「ビタミン」の検索が多いことがわかります。既婚者については、パートナーが食事の管理をする家庭の存在を考慮すると、栄養バランスの偏りを気にする人が未婚者に比べて少ないのかもしれません。
Dockpit 「ビタミン」の検索者属性「子供有無」
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
さらに、子供がいない人の方が「ビタミン」の検索が多いことがわかります。
子供が産まれると、自身の食事を摂る時間を確保することが精一杯なほど、忙しない毎日が始まります。自身の栄養は二の次になってしまう人が多いのかもしれません。もう少しデータを見ていきましょう。
注目のビタミンの種類は?
つぎは「ビタミン」と一緒に検索された「掛け合わせワード」です。
Dockpit 「ビタミン」の掛け合わせワード
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
「ビタミンC」の検索が最も多くなっています。老若男女問わず、美容と健康に良いというイメージが強いビタミンCの摂取については誰もが気になるところです。コロナ禍で「風邪を引きにくい=ビタミンC=コロナにもかかりにくくなるのでは」と注目が高まった、という背景もあるのかもしれません。
気になるのは、そのあとに続く「ビタミンD」「ビタミンE」です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、強い骨の維持に必要な栄養素です。ビタミンDの摂取が少ないと、骨が軟化し、細く、脆くなる恐れもあるようです。ビタミンEは強い抗酸化作用を持つことから、免疫機能を高めて、体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退してくれます。
このように、ビタミンを検索する目的としては、美容・健康・免疫向上など様々あることが伺えます。
年代ごとに興味のあるビタミンは異なる
続いては「属性別マップ」を見てみましょう。年齢と性別ごとに検索しているワードがわかるのですが、女性(右側部分)が圧倒的に多いことがわかりますね。検索数の多い女性のうち、高齢に近い層、若者に近い層で見ると、特に若い層の女性が多いこともわかります。
Dockpit 「ビタミン」の属性別マップ
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
Dockpit 「ビタミン」の属性別マップ(若者に近い層)
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
若者に近い層では、幅広く様々なビタミン・効果について検索されています。特に若くなればなるほど「ニキビ」や、「妊娠」中のビタミンについての関心が目立ちました。
Dockpit 「ビタミン」の属性別マップ(高齢に近い層)
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
高齢に近い層でも様々なビタミンが検索されていますが、特にビタミンDについては50代以上の検索が多いことがわかります。ビタミンDは不足すると骨粗鬆症などの可能性もあることから、関心を持った人が多いのではないでしょうか。さらに、「高濃度」といったワードが目立つのも高齢に近い層です。若者よりも効率よくビタミンを摂取したい気持ちがあることが伺えます。また若い層よりも可処分所得が多いことから、自身に投資できる余裕も生まれやすいのかもしれませんね。
ビタミンの働きと1日の摂取量への関心が高い
最後に検索者の検索意図を探るため、「ビタミン」検索後の流入ページを見てみましょう。
Dockpit 「ビタミン」の流入ページ
(集計期間:2022年3月〜2023年2月、対象デバイス:PC&スマホ)
「ビタミン〇〇はどのような働きをするか」そして「1日の摂取量はどのくらいが良いか」というページへの流入が全体を占めています。生活者の関心が最も高いのは、こうした効能と摂取量であることがわかります。何からどのようにしてどのくらい摂取するのが良いか?悩んでいる人が多いことが伺えます。また、同じサイト(森永・健康長寿ネット)が目立つことから、1つのビタミンについて調べたのちに別のビタミンについても同じサイト内でチェックされている可能性もあります。こうした健康への関心が高い層は、フックとして1つのビタミンがあり、そこから派生して別のビタミンなどにも興味を持ちやすい可能性も考えられますね。
まとめ
今回は「ビタミン」について調べました。どの年代・性別でも関心が強いと思われる「ビタミン」ですが、検索者のデータを見てみると、細かく年代や性別ごとに関心のあるビタミンが異なることがわかりましたね。商品などを販売する際にはその商品の細かいニーズに合わせ、アプローチ方法を意識してみてはいかがでしょうか。
▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。