「UV」検索者が最も多いのは5月
UVケアについて関心を持つ人について、さまざまな角度から調査を行いました。
今回の調査で使用したツールは、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」です。
「UV」を検索している人の数がどのように変化しているか、2021年6月~2023年5月の期間で調査を行いました。その結果、「UV」検索者数が1年で最も多くなるのは、5月となりました。紫外線が強くなる時期は全国的におおむね6月~8月であり、この期間も「UV」は比較的多く検索されています。しかし紫外線が強くなる前の3~5月にかけて、検索者数が増加していくことを踏まえると、この時期に「今年のUV対策をどうするか」が検討されていることがうかがえます。
「UV」検索者数の推移
集計期間:2021年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
UVと関連の深い「日焼け」についても見てみます。日焼けはUVとは違い、検索数のピークは7月となっています。UVは本格的な日焼けシーズンの前に対策をするため、日焼けは肌が焼けた後のケアについて検索するために検索されていると言えそうです。
「UV」「日焼け」検索者数の推移
集計期間:2021年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
日焼け予防が気になる年代は40代がピーク
次に年代について見てみます。「UV」を検索する人の割合は、40代をピークに、30代も高くなっています。60代以降となると、UVは関心事となりにくくなるようです。
「UV」検索者 年代の割合
集計期間:2022年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
また「UV」「日焼け」を検索している人の割合を比較してみると、20代では「UV」よりも「日焼け」、50代では「日焼け」よりも「UV」の割合が高くなっていました。20代は肌が焼けた後のケア、50代では日焼けする前の予防により注力していることがうかがえます。
「UV」「日焼け」検索者 年代の割合
集計期間:2022年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
次に、UVとともに検索されているキーワードを見てみます。
「UV」検索キーワード ランキング
集計期間:2022年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
検索キーワードとして挙がってきたのは、主に下記のワードです。
・ビオレ、キュレルなどスキンケア商品を扱っているメーカーおよびアイテム名
・ユニクロ、ワークマンなどUVケア商品を扱っているファッションブランド
・パウダー、リップといったカテゴリ
・WAVEなどコンタクトレンズ(目のケア)
・LEDライトのうち、UVが出るタイプのもの
ほか
これらのなかから、UVケアをスキンケアに絞り、低価格帯~中価格帯の商品を販売しているビオレ、キュレル、ニベア、オルビス、ミノンについてさらに調査しました。
ビオレ、キュレル、ニベア、オルビス、ミノン
UVとともに検索された、ビオレ、キュレル、ニベア、オルビス、ミノンについて、検索者の年代の割合を示したグラフが下記となります。
「UV」掛け合わせワード 「ビオレ」「キュレル」「ニベア」「オルビス」「ミノン」年代の割合
集計期間:2022年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
■【ビオレ】幅広い層に認知された確かなブランド
ビオレは花王の代表的なブランドです。5ブランドのなかでは、20代~50代の割合のバランスが良い結果となりました。
ビオレのアイテム名としては「アクアリッチ ウォータリーエッセンス」が前述の検索キーワードランキング上位に挙がっています。体にも化粧下地にも使える軽さが特徴で、比較的安価となっています。
花王|製品カタログ|ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーエッセンス
https://www.kao.com/jp/products/bioresarasarauv/4901301413246/花王 ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーエッセンスの特長や成分などを紹介しています。
■【キュレル】乾燥性敏感肌向け・20~40代に支持
キュレルは20代~40代がそれぞれ3割近い結果に。キュレルはビオレと同じく花王のブランドで、「乾燥性敏感肌」の人に向けた商品を揃えています。
■【ニベア】50代の知名度高・歴史の長さは信頼の深さ
ニベアは50代に支持されています。ニベアはビオレと同じく花王が販売しており、ドイツ発のブランドで日本に来て50年以上という歴史の長いブランドです。年代的にも50代への割合が高く、息の長さがうかがえます。ニベアには、「肌にうるおい」というキャッチフレーズが使われるように、保湿をアピールしている商品があります。なお20代については、5ブランドの中で最も低い割合でした。
■【オルビス】リブランディング成功?40代に支持
オルビスは、40代の割合が多くなっていました。オルビスは老舗美容ブランドのポーラの通販部門から始まり、中価格帯の商品を販売しています。40代の割合が高い背景には、エイジングケアライン「オルビスユー」の展開もあるのかもしれません。
■【ミノン】20代の敏感肌に悩む人が選ぶ
ミノンは第一三共ヘルスケアのブランドで、「敏感肌に悩む人」がターゲットです。検索する人の割合は、5ブランドのなかでも20代が突出しています。ミノンは石鹸やボディケア洗浄料のブランドとして長く販売されてきましたが、2009年にフェイスケアの「アミノモイスト」シリーズを開始しました。5ブランドの中では、ミノンのスキンケア商品は比較的新しい部類に入ります。
また「敏感肌」について検索している人は、20代~40代に多い傾向にありました。この傾向は「ミノン」と「UV」を掛け合わせて検索する人の割合の傾向と似ています。このことからミノンは、ターゲットである敏感肌に悩む人へ、認知が届いていると見ることができます。
「敏感肌」検索者 年代の割合
集計期間:2022年6月~2023年5月
デバイス:PC・スマートフォン
敏感肌向けの「ノンケミカル」とは
ここでさらに、敏感肌向けのUVケア商品について考察してみます。
■ケミカルとノンケミカルの違い
UVカットのスキンケア商品には、紫外線防止剤として紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が使われています。俗に紫外線吸収剤が「ケミカル」、紫外線散乱剤が「ノンケミカル」と呼ばれています。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、別のものに変換することで紫外線の影響を防ぐ目的で使われているものです。塗りやすさにメリットがありますが、紫外線を吸収するために刺激を感じる人もいるようです。一方の紫外線散乱剤は肌の上で紫外線を跳ね返す(散乱させる)役割を持ちます。こちらが敏感肌向けのスキンケア商品によく使われる成分です。
ビオレUVでは複数の商品があるなかで、「ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーエッセンス」がケミカル(紫外線吸収剤使用)の商品、「ビオレ UV バリア・ミー ミネラルジェントルミルク」がノンケミカル(紫外線散乱剤使用)の商品となっています。
前述の通り、「敏感肌」を検索している人は20代~40代の割合が高くなっていました。
「UV」と「ノンケミカル」の掛け合わせ検索者数は現状まだ多くないものの、敏感肌の関心層に新しいもの好きな若年層が多いとすれば、ノンケミカルなUVケア商品も試してみよう、というトレンドが今後若い人の間で起こってくるかもしれません。
【調査概要】
・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報にもとづき分析
・行動ログ分析対象期間:2021年6月〜2023年5月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:PC・スマートフォンの両デバイス
▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
IT企業にシステムエンジニアとして10年あまり勤務。結婚・出産を経てお声がかかり、あっという間にライター・編集が主たる業務になりました。IT系記事と一般家庭向けの役立つテーマをメインに、今さら聞けない人でもしっかり参考にできる、わかりやすい記事を心がけています。