Z世代全体ランキング TOP30
2023年、Z世代の間でヒットしたトレンドTOP5は、1位「アイドル」(アニメ「推しの子」の主題歌・Z世代の間で流行ったと実感されている数値は60.6%)、2位「推しの子」(アニメ・53.8%)、3位「ひき肉です」(YouTuber「ちょんまげ小僧」の台詞・52.3%)、4位「大谷翔平」(野球選手・51.0%)、5位「#なぁぜなぁぜ」(TikTokで流行った言葉・50.2%)となりました。
上位30位を見ると、アニメ「推しの子」関連のものは「アイドル」(アニメ「推しの子」の主題歌・60.6%)、「推しの子」(アニメ・53.8%)、「ピーマン体操」(アニメ「推しの子」の劇中歌・25.9%)「メフィスト」(アニメ「推しの子」のエンディング曲・23.9%)の4つがランクインしています。
他にも、「KICK BACK」(アニメ「チェンソーマン」の主題歌・27.2%)、「あの」(アニメ「チェンソーマン」のエンディング曲の『ちゅ、多様性。』を歌うアーティストano・29.0%)、「呪術廻戦第2期(24.0%)」、「美しい鰭」(劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の主題歌・24.6%)が入るなど、ヒットトレンドランキングTOP30にアニメ関連が8つ入る結果となり、今年もZ世代にとっては「アニメ」の年となりました。
なお、昨年2022年は上位30位のうちアニメ関連が7つランクインしています。
また、「大谷翔平」(野球選手・51.0%)「ヌートバー」(メジャーリーガー・33.7%)」「三苫薫」(サッカー選手・26.8%)が上位にランクインするなど、WBCとサッカーW杯が開催された影響で「スポーツ」にも注目が集まりました。
そして、コロナ禍が明け、対人関係が増えたことで、コミュニケーションに関するトレンドにも注目が集まりました。具体的には、直接言い難いことを和らげる表現である「#なぁぜなぁぜ」(50.2%)、加工ができないありのままの自分を発信するSNS「BeReal」(31.2%)が上位にランクイン。
また、昨年話題になった「蛙(かえる)化現象」はZ世代の間ではすでに定着していますが、「蛙化現象」のカウンターパンチとして今年新たに生み出されたのが、好きな異性のどんな部分も受け入れることを指す「蛇(へび)化現象」(36.4%)で、主にSNSを中心に流行しています。
ジェネレーションギャップランキング TOP10
Z世代(15~25歳以下)と上の世代(26~59歳以上)の回答の差(Z世代の数値-上世代の数値)のランキング「ジェネレーションギャップランキング」では、YouTube発とTikTok発の項目が多く並びました。
具体的には、YouTube発の「ひき肉です(差35.3%)」「スイカゲーム(差28.4%)」「みそきん(差28.1%)」。
TikTok発の「#なぁぜなぁぜ(差32.8%)」「蛇化現象(差23.7%)」「ヒス構文(21.1%)」「ファジーネーブル(20.2%)」「ピーマン体操(19.3%)」「友達がやってるカフェ(18.9%)」がそれに該当します。
YouTube、TikTokによってZ世代の間で流行りが生まれ、それがジェネレーションギャップを生んでいることが分かります。
各部門ランキング
■ヒットニュースランキング
若者の関心分野である「TwitterがXに改名(25歳以下42.0%・26歳以上23.3%)」「King&Princeメンバー脱退(25歳以下26.7%・26歳以上12.1%)」のほか、若い世代自身が関わるニュース「スシロー醤油事件(25歳以下33.7%・26歳以上23.8%)」「りゅうちぇる死去(25歳以下19.9%・26歳以上13.4%)」がランクインし、これらは上の世代よりも数値が高く、Z世代が自分に近い領域のニュースであれば関心を持ちやすいことが分かります。
逆に、「ジャニーズ性加害事件(25歳以下40.3%・26歳以上43.3%)」「ビッグモーター不正問題(25歳以下32.9%・26歳以上36.6%)」「新型コロナ「5類」引き下げ(25歳以下16.4%・26歳以上23.2%)」等、上の世代との数値差が比較的少ないものもあり、これらは世代問わず、今年、国民的に関心を集めたニュースということができます。
■言葉部門
言葉部門では、TikTok発の「なぁぜなぁぜ?(47.2%)」「蛇化現象(36.4%)」「かわちい(25.0%)」「ヒス構文(24.4%)」「犬系彼女(20.0%)」「うちゅくしい(19.4%)」「ちゅき(18.3%)」と、YouTube発「ひき肉です(52.3%)」のトレンドが上位10位のうち8つを占めました。TikTokとYouTubeの2つのメディアがZ世代の「流行語」を生み出していることが分かります。
一方、残りの2つである、元自衛官芸人・やす子のネタ「はい~(22.7%)」や、Google PixelのCMでのお笑いタレント・フワちゃんの台詞「消しゴムマジックで消してやるのさ(20.8%)」はテレビ発のものとなり、Z世代の間で流行る言葉の多くはYoutubeとTikTokから広がっていることが分かります。
■有名人部門
有名人部門では、WBC出場選手「大谷翔平(51.0%)」「ヌートバー(33.7%)」「佐々木朗希(15.9%)」、サッカーW杯出場選手「三苫薫(26.8%)」、バレーボール日本代表「高橋藍(14.6%)」等、スポーツ選手が上位10項目のうち5項目を占め、今年は「スポーツ」に注目が集まった1年と言えます。
また、昨年2022年のヒットドラマ「Silent」で人気を集めた「目黒蓮(21.5%)」「鈴鹿央士(12.6%)」が、昨年から引き続きZ世代の間で人気になっていることも分かります。
■インフルエンサー部門
インフルエンサー部門では、昨年2022年12月にYouTubeチャンネルを開設し、今年8月21日に異例の速さでチャンネル登録者数100万人を突破したYouTuber「ちょんまげ小僧(43.8%)」が1位になりました。
2位以下は、「オムライス兄さん(15.4%)」、「かとゆり(上智)(9.1%)」、「ヴァンビ Spider_maaaaaaan(9.0%)」、「みか、ライスペーパーネキ(8.8%)」、「アノニマス【ストリートスナップ】(8.8%)」など、YouTubeやTikTokでショート動画を中心に配信しているインフルエンサーが注目を集めています。
但し、「ちょんまげ小僧」に比べ数値がかなり低く、Z世代の間で絶大な影響力を持つインフルエンサーが減り、彼らの好みが多様化していることが分かります。
■アプリ・WEB部門
アプリ・WEB部門では、1日に1回ランダムにアプリから通知がくると、2分以内に無加工の写真をその場で撮影して投稿しなければならない、無加工SNS「BeReal(31.2%)」が1位に。
2位は、FacebookやInstagramを運営するMeta社が提供するテキスト共有SNS「Threads(12.9%)」、3位は位置情報共有アプリ「Whoo(10.8%)」がランクインしました。
「BeReal」や、加工アプリでありながらiPhoneのノーマルカメラ風に撮影でき、「自然に盛れる」と話題の「BeautyCam iPhoneモード(6.9%)」のランクインから、「若者の加工離れ」が起きていることが分かります。
■X部門
X部門では、日本のイラストレーター・VTuberである、しぐれういの楽曲で、XやTikTokなどで動画を拡散・二次創作する投稿が多数見受けられた「粛清!!ロリ神レクイエム☆」に関する投稿が1位(16.7%)に。
2位は、漫画「呪術廻戦」のキャラクター・羂索(けんじゃく)の1コマの画像を用いた投稿「きっしょなんで分かるんだよ」がランクインし、二次創作画像も数多く投稿されました。
■TikTok部門
TikTok部門では、「ひひひき肉です(50.8%)」「ピーマン体操(25.9%)」「#首振りダンス(20.5%)」「#槇原ドリル(19.5%)」「#強風オールバック(18.7%)」「#カマキリダンス(18.0%)」「花火(14.3%)」など、ダンス関連の項目が上位にランクインしました。
これまでTikTokはダンス初心者でも挑戦しやすい簡単な振り付けのダンスが多かったですが、「#首振りダンス(20.5%)」「#槇原ドリル(19.5%)」「花火(aikoドリル)(14.3%)」など、難易度が高いダンスチャレンジが目立つようになっていることが分かります。
■音楽部門
音楽部門では、アニメ「推しの子」のオープニング曲「アイドル(60.6%)」、エンディング曲「メフィスト(23.9%)」、アニメ「チェーンソーマン」のオープニング曲「KICK BACK(27.2%)」、劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の主題歌「美しい鰭(24.6%)」、映画「THE FIRST SLAM DUNK」エンディング主題歌「第ゼロ感(21.6%)」、アニメ「呪術廻戦第2期」のOPテーマ「青のすみか(20.9%)」が上位を占め、Z世代の間で流行る音楽の多くがアニメの主題歌であることが分かります。
■アーティスト部門
アーティスト部門では、「オトナブルー」がヒットした4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」が1位にランクインしました。
しかし、アーティスト部門もアニメの影響が強いことが分かります。アニメ「チェーンソーマン」のエンディング曲がヒットした「ano(25.2%)」、アニメ「推しの子」のエンディング曲「メフィスト」がヒットした「女王蜂(20.0%)」、アニメ「呪術廻戦第2期」のオープニング曲「青のすみか」がヒットした「キタニタツヤ(15.5%)」が上位にランクインしました。
■コンテンツ部門
コンテンツ部門では、「東京リベンジャーズ2(18.7%)」「実写版ONE PIECE(14.1%)」「リトル・マーメイド(13.0%)」などアニメの実写化コンテンツが上位にランキングされました。
また、「THE FIRST SLAMDUNK(20.6%)」「ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー(19.3%)」「リトル・マーメイド(13.0%)」など、昔にヒットしたコンテンツの映画化もZ世代の心を掴んだことが分かりました。
また、恋愛離れしているZ世代ですが、「王様に捧ぐ薬指」と「わたしの幸せな結婚」など、政略結婚やメリット婚から愛を深めていくというラブストーリーがランクインしました。
■漫画・アニメ部門
漫画・アニメ部門では、「週刊ヤングジャンプ」連載の「推しの子(53.8%)」、「週刊少年ジャンプ」連載の「呪術廻戦第2期(24.0%)」「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(20.3%)」、「週刊少年マガジン」連載の「ブルーロック(22.5%)」、「別冊少年マガジン」連載の「進撃の巨人 The Final Season(22.4%)」など、少年・青年向け漫画雑誌に連載されている漫画、それらのアニメ化の人気が高いことが分かります。
また、イラストレーター・ナガノがXで連載した漫画作品「ちいかわ」や、昨年から人気のアニメコンテンツ「おぱんちゅうさぎ」を手掛け、YouTubeやXで活躍するクリエイター・可哀想に!の作品「んぽちゃむ(15.4%)」など、SNSやYouTube発のコンテンツも上位に入っていることが分かります。
■ゲーム部門
ゲーム部門では、「スイカゲーム(46.7%)」や「Only UP!(14.0%)」など、ゲーム配信者が発信して人気になったゲームが上位にランクイン。
「ポケットモンスター」シリーズも人気で、睡眠をテーマにした「ポケモンスリープ(18.9%)」、「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」などがランクインしました。
■食べ物・飲み物部門
食べ物・飲み物部門では、手に入りにくいと話題になったYouTuber・HIKAKINがプロデュースしたカップ麺「みそきん(45.8%)」が1位にランクイン。
2位は10円硬貨のような見た目で、割ると中のチーズが伸びる韓国発祥スイーツ「10円パン(34.1%)」、3位は丸亀製麺の食べる前にシェイクするテイクアウトうどん「丸亀シェイクうどん(29.6%)」がランクインし、チーズが伸びたり、シェイクをする様子をSNSに投稿するなど、飲食物には「動画映え」が重要になっていることが分かります。
■場所・イベント部門
場所・イベント部門では、店員が友達のように接客するカフェ「友達がやってるカフェ(23.5%)」、日常に潜む「いい人」のエピソードを集めた展示「いい人すぎるよ展(12.7%)」、接客態度の悪さをエンタメ化したレストラン「the LAZY HOUSE(10.8%)」が上位にランクインし、ユニークな「コミュニケーション」をテーマにした場所・イベントがZ世代の間で注目を集めていることが分かりました。
■美容・ファッション部門
美容・ファッション部門では、韓国コスメブランド「rom&nd」とローソンが共同開発した新ブランド「&nd by rom&nd(13.1%)」が1位に。
2位に「TIRTIRマスクフィットオーラクッション(12.5%)」、5位に「rom&nd×Sanrio(8.3%)」)と、Z世代にとって「美容・ファッション」領域では、韓流が根強く人気であることが分かりました。
調査概要
回答者:全国男女15歳~59歳 2,884サンプル(年代・学年・性別毎に均等割付)
Z世代(16~25歳)の高校生・大学生・社会人 1,256サンプル
26~59歳 1,648サンプル
調査期間:2023年11月13日(月)~ 11月14日(火)
調査手法:
①Z世代(16~25歳)30名への定性調査より計438の「2023年に流行した」調査項目の洗い出し
②インターネットリサーチ
設問:あなたが「2023年に流行った」と思うものをすべてお答えください(複数回答可)
調査項目数:
全体 438項目
ジェネレーションギャップランキング 438項目
ヒットニュースランキング 17項目
言葉部門 17項目
有名人部門 33項目
インフルエンサー部門 34項目
アプリ・ウェブ部門 15項目
X部門 15項目
TikTok部門 61項目
音楽部門 32項目
アーティスト部門 17項目
コンテンツ部門 34項目
漫画・アニメ部門 15項目
ゲーム部門 16項目
食べ物・飲み物部門 28項目
場所・イベント部門 50項目
美容・ファッション部門 38項目
雑貨部門 16項目 ※雑貨部門は回答数が少なかったため、以降の分析は割愛
出典元:株式会社サイバーエージェント
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