健康消費を牽引する中国若者層の実態

健康消費を牽引する中国若者層の実態

2024年は中国において「消費低迷の年」とされました。しかし、危機の中にも新たなチャンスが隠れており、この一年でさまざまな新興消費トレンドが現れました。特に健康消費ブームの中で、中国のZ世代はますます「健康的なライフスタイル」を重視するようになり、健康消費の新しい担い手となっています。彼らの健康への意識は、単なる病気の治療だけではなく、日常生活における小さな健康実践にも焦点を当てるようになっています。本稿では、現在中国で流行している健康消費のトレンドについて詳しく紹介します。


健康消費とは?

健康消費とは、消費者が自分の経済的余裕の範囲内で、効用の最大化を追求して行う消費活動のことです。あるいは、人々が健康を維持、向上するために行う投資とも言えます。中国の都市や農村部の住民の一人当たり収入が大幅に増加し、消費水準が向上するにつれて、消費構造も高度化しました。過去は基本的な衣食住のニーズを満たすことが中心でしたが、現在は健康消費へとシフトしており、中国の人々は健康に対する関心が高まり、健康のためにはお金を惜しみなく使うようになっています。

若者が熱中している健康的な実践とは?

■低糖質・低カロリーの健康的な食生活

数年前まで中国では食品安全問題が頻繁に起きていましたが、中国の食品に対して「不健康」「不衛生」という印象を今も持つことは、少し時代遅れかもしれません。実際、社会の発展や意識の変化により、現在の中国の若い消費者は食べ物の栄養価や安全性、衛生管理に強い関心を持っています。

彼らは糖分やカロリーといった数値に非常に敏感であり、食べ物を選ぶ際にはとても厳しくチェックします。そのため、近年では多くの中国の飲食ブランドが食品パッケージに「無糖」「低カロリー」「ゼロ脂肪」といった広告を表示し、若者の注目を集めようとしています。

中国の人気飲料ブランド、「元気森林」

スーパーフードも若者の間で非常に人気があり、特に最近では「ヨーグルトボウル」が継続的な注目を集めています。

ヨーグルトボウルは低脂肪、栄養バランス、そして高い満腹感が特徴であり、健康志向のトレンドの中で、多くの人々の健康的な食事への需要を満たしています。特に、ダイエットやフィットネスに励む人々から絶大な支持を受けています。

ヨーグルトボウルの人気が高まるにつれ、多くの飲食ブランドが新たにヨーグルトボウルのメニューを開発し、ヨーグルトボウルを専門とする新ブランドも登場しています。例えば、2024年6月にはヨーグルトボウルを専門に扱う新ブランド「GOOOLDEN」が上海にオープンし、多くのネットユーザーが訪れる話題のスポットとなりました。現在では上海で最も人気のある「インスタ映え」する店舗の一つとなっています。

上海にオープンした「GOOOLDEN」

ヨーグルトボウルが若者の間で爆発的に人気となった理由は、その健康的な機能性だけでなく、ファッショナブルな見た目にもあります。おしゃれな盛り付けと写真映えするビジュアルは、Z世代の「SNS映え」への欲求にも応えています。つまり、Z世代の健康的な食事へのニーズは健康的な生活を追求する心理だけでなく、ソーシャルニーズにも支えられていることがわかります。

■アウトドアスポーツのブーム

中国のSNSでは、フィットネスやアウトドアに夢中になる若者がますます増えています。日本とは異なり、中国におけるアウトドアスポーツの歴史は比較的浅く、「アウトドア」と聞くと、多くの中国人は「中産階級」、つまり裕福層の娯楽活動を連想します。

しかし近年、経済の発展やアウトドアブランドの台頭、装備コストの低下により、中国のアウトドアスポーツは少数派の活動から大衆的なものへと変わりつつあります。多くの一般の人々もこのアウトドアブームに参加するようになりました。

中国国家体育総局が2024年10月28日に発表した『中国アウトドアスポーツ産業発展報告(2023-2024)』によると、アウトドアスポーツは日常生活に溶け込み、全民化が進み、国民の新たなライフスタイルとなり、新しい消費トレンドを形成しています。80年代、90年代生まれがアウトドアスポーツの消費の中心となり、アウトドア愛好者は1つの活動に対する年間平均消費額が2000元から5000元に達しています。

2024年9月時点で、中国のアウトドア関連企業は17.7万社を超え、そのうち2024年1月から9月までに新たに4.2万社が設立されました。2024年上半期には多くのアウトドア用品企業が急速な成長を維持し、アンタ(ANTA)、特歩(XTEP)、361°、探路者(Toread)といった中国のスポーツブランドの上半期の売上高は前年同期比で10%以上の増加を記録しました。これらのブランドの知名度と影響力もさらに向上しています。

このように、経済の低迷が続く2024年においても、中国ではすべての産業が低下しているわけではありません。健康に関連する産業は急成長しており、中国のZ世代が生活の質を追求していることが反映されています。また、中国が消費のアップグレード段階にあることも反映されています。

レッド(小紅書)におけるアウトドアに関する投稿
2024年12月17日に閲覧

さらに、若者がアウトドアスポーツに夢中になる理由は、体を鍛える利点だけではなく、社交を目的とした関わりも大きくあります。

マーフォンウォー(馬蜂窩)の『2022アウトドアレジャートレンドレポート』によると、41.1%の若者が友人や同級生と一緒にアウトドア活動を楽しんでおり、各種スポーツがアウトドアレジャー活動の大部分を占めています。同じ趣味を持つ仲間と一緒に楽しむことを好む傾向が強く、反対に単独行動を選ぶ若者は14.9%に過ぎません。

また、SNS上ではアウトドア関連の話題が常に高い人気を維持しています。2024年12月17日時点で、RED(小紅書)における「アウトドア」に関連する投稿は2539万件、「アウトドアスポーツ」に関連する投稿は615万件に達しました。 このことからも、アウトドアスポーツはSNS上の「バズルキーワード」にもなっていることがわかります。

■睡眠経済

睡眠経済とは、睡眠の質の低下や不眠などに悩む人々の需要によって生まれた経済のことを指します。

iiMedia Researchのデータによると、中国の睡眠経済市場は拡大し続けており、2016年の2616億元から2023年には4956億元に増加しました。さらに、2027年には6587億元に達する見込みです。

年齢層の分布を見ると、睡眠経済の消費者層は23歳から40歳の若年層および中年層に集中しており、全体の83.2%を占め、他の年齢層を大きく上回っています。具体的には、23歳から30歳の消費者が34.9%、31歳から40歳の消費者が48.3%を占めています。

iimedia.cnの記事をもとに、ヴァリューズが翻訳

中でも、スチームアイマスクや抱き枕は消費者から非常に人気があります。

例えば、2017年に広州で設立された「funmelon」抱き枕ブランドは、全年齢層を対象にした抱き枕製品を展開し、たびたび天猫(Tmall)の売れ筋ランキングに登場しています。iiMedia Researchのデータによると、2023年におけるfunmelonの抱き枕は中国全体で30.9%のシェアを占め、中国トップブランドとなりました。

急速な経済成長と高強度な労働環境により、中国の若者たちは精神的なストレスや感情面での問題に直面しており、それが不眠症を引き起こす要因となっています。近年では、中国の若者たちも自身の健康をますます重視するようにもなってきました。

人口が非常に多い中国において、睡眠経済は今後も大きな発展の可能性を秘めていると言えるでしょう。

参考資料

http://www.linkshop.com/news/2024519685.shtml
首店播报|茉酸奶新品牌GOOOLDEN全国首店亮相上海
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_27897105
喜欢健康餐的年轻人又捧红了酸奶碗!静安这里接连开出两家酸奶碗首店
https://www.sport.gov.cn/n20001280/n20067608/n20067635/c28206840/content.html
中国户外运动产业呈现十大特点 ——《中国户外运动产业发展报告(2023-2024)》发布
https://www.woshipm.com/it/5692188.html
解锁千亿户外社交新姿势,年轻人都爱这么玩!
https://report.iimedia.cn/repo12-0/43591.html
艾媒咨询|2024年中国睡眠健康产品创新及消费洞察报告

この記事のライター

広東省出身の中国人留学生。現在は名古屋大学でメディアを専攻している。

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