音声コンテンツ市場を調査。radiko利用者は700万人超、Voicyは若者に人気

音声コンテンツ市場を調査。radiko利用者は700万人超、Voicyは若者に人気

注目が集まる音声コンテンツサービス「radiko」「audible」「Voicy」の違いとは? ユーザー数とデモグラフィック属性を調べ、サービスの特徴を考察しました。


3つの音声コンテンツサービスを調査

音声コンテンツ市場が注目されています。

電車の中などで、イヤホンから何かを聴く人を見かけない日はありません。また、このメディア「マナミナ」の運営会社の新入社員はミレニアル世代のド真ん中ですが、その1人は常に何かを聞きながら作業すると話していました。

こうした状況を反映して、マーケティング業界でも「耳の暇」というテーマが話題になっています。

スマホ普及による「暇な感覚の拡張」目や耳が空いてると暇に思える感覚と、コンテンツの多重消費による音声コンテンツの可能性|アプリマーケティング研究所|note

https://note.mu/marketing/n/n4e87956e449e

最近「暇という感覚」が細分化していて、なんとなく「耳が暇」という感覚ってありませんか? ということについて書いてみました。

そこで、音声コンテンツ市場をリードする3つのサービス「radiko」「Audible」「Voicy」の利用状況を調査しました。PV数やMAU数、サービスごとのユーザー属性の違いを比較し、各サービスの特徴をつかんでいきます。

それではまず、分析する3つの音声サービスの概要を簡単に見ていきましょう。

1. ネットでラジオが聴ける「radiko」

1つ目の音声コンテンツサービスは「radiko(ラジコ)」です。

radikoはインターネットでラジオが聴けるサービス。各放送局のラジオ番組をパソコンやスマートフォンから無料で聴くことができます。有料会員になると「エリアフリー」や「タイムフリー」機能が付与され、時間に関わらず全国のラジオが聴けるようになります。

2. Amazonのオーディオブック「audible」

2つ目は「audible(オーディブル)」です。

これはAmazonが提供しているオーディオブックのサービス。機械ではなく人が朗読しており、読み手には俳優や声優を起用しています。

3. 新興音声メディア「Voicy」

比較する音声コンテンツサービス、3つ目は「Voicy(ボイシー)」です。

Voicyは「声のブログやトーク、ニュース、ラジオのような放送が聴ける新しい音声メディア」。コンテンツはビジネスやライフスタイルなど様々で、専門家や著名人・インフルエンサーの知見が音声で聴けるサービスです。

音声コンテンツサービス、ユーザー数の推移は

それでは早速、各サービスの2018年8月〜2019年7月の1年間のユーザー数の推移を見てみましょう。

※対象デバイスはPC&スマートフォン合算

3つのサービスのユーザー数を比較するとradikoが圧倒的に多く、平均して月に700万ユーザー以上が利用していました。

次に、audibleのユーザー数推移を詳しく見てみます。

※対象デバイスはPC&スマートフォン合算

audibleの利用者数は、この1年を通じて月間15万人〜35万人ほどで推移していました。

audibleではアプリインストールによるAmazonポイント還元のキャンペーン施策を実施しており、これが上下変動と関連している可能性があります。実際、キャンペーンは9月〜12月、3月〜5月にかけて行われていました。

では、Voicyのユーザー数推移も詳しく見てみましょう。

※対象デバイスはPC&スマートフォン合算

Voicyは月間約5万〜10万ユーザーほどを推移しています。規模はradikoのおよそ70分の1となっており、音声コンテンツ市場ではradikoの存在感が大きい状況だと言えるでしょう。

性別・年代のデモグラ属性は

では、サービスごとのユーザー属性にはどのような違いが見られるのでしょうか。まずは性別のユーザー割合を調べました。

※対象デバイスはPC&スマートフォン合算

図のように、どのサービスにおいても男性利用者の方が多いことがわかります。その中で、もっとも女性ユーザーの割合が多かったのは41.6%のVoicyでした。

次に年代別の比率を見てみましょう。

※対象デバイスはPC&スマートフォン合算

特徴としてはVoicyのユーザー年代の低さが挙げられます。およそ3分の1のユーザーが20代という結果になっており、30代も含めるとその比率は6割に達します。ブログやYoutuberの作るコンテンツに慣れた若年世代に対して求心力を発揮していると言えるのではないでしょうか。

逆に3サービスの中で最も20代ユーザー割合が少なかったのは、17.4%のradikoでした。

まとめ

以上の内容を踏まえて、3つのアプリの特徴をまとめます。

1.radiko
インターネットラジオサービスのradikoは、今回比較した音声コンテンツサービスの中で文字通り桁違いにユーザー数が多かったのが特徴的でした。ユーザーの年代別人口比を見ると若年層よりは高齢層の利用が多く、もともとラジオを利用していた層のユーザーが既存の慣れたコンテンツを「エリアフリー」「タイムフリー」でより便利に利用できるradikoに移行してきたためかもしれません。

2.audible
俳優や声優の朗読を聴けるサービスaudibleは、サービスの形こそ新しいものの、ユーザー体験としては古くからある読書や朗読を聴くことに近く、バランスよくあらゆる世代から支持されているようです。ほかのアプリと比べてユーザーの男性比率が高いのは、公式ページでも推奨されている通り通勤中の利用が多いからでしょうか。

3.Voicy
音声メディアのVoicyは、今回取り上げたサービスの中で最も新しいためか、ユーザー数は現時点ではそこまで多くありませんでした。しかし、ユーザーの年代に注目するとミレニアル世代によく利用されていることが分かります。YouTubeやブログなどのコンテンツになじみのある世代の方が親しみやすく感じるのかもしれません。

今回は音声コンテンツアプリ市場を概観しました。本記事の調査は、ヴァリューズのインターネット行動ログ分析ツール「eMark+」を用いて調査を行いましたが、2020年10月に新ツール「Dockpit(ドックピット)」がリリースされました。Dockpitの無料機能では、ユーザー数やデモグラフィック属性といった基本指標を簡単にチェックできます。今後の市場動向が気になる方は、ぜひご自身の手で確かめてみてください。

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分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、音声コンテンツサービス「radiko」「audible」「Voicy」のユーザー数とユーザー属性を調査、各サービスのポジショニングをメインにそれぞれの特徴を分析しました。

※対象期間:2018年8月~2019年7月
※ユーザー数:該当サイトを訪れたUnique User数
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

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この記事のライター

ウィーン大学への留学を経て京都大学文学部卒業。
外資系大手ITコンサルティング会社に勤務後、フリーランスライターに転向。

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