2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2022年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのWebサイトおよび各都道府県公式観光情報サイトについて、2022年と2021年の年間推計閲覧者数を集計し比較を行った。さらに、2022年の1年間において、PCにて推計閲覧者が多かった都道府県公式観光情報サイトへの流入ワードを集計した。
※ランキング表内の「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義している。
※サイト推計閲覧者数や推計検索者数はPCおよびスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズが保有するモニタ内での出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推測した。
※一部の各都道府県公式観光情報サイトについては、リニューアル等に伴い、2022年と2021年でサイト名称やURLが変更されている場合があるが、2022年現在のサイト名称を掲載した。

観光関連サイトの大半が前年比110%超え、昨年に比べアクセスが増加

ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのサイトについて、2022年の1年間における閲覧人数を集計したところ[図1] [図2]、PCでは大半、スマートフォンでは全てのサイトが、前年比110%以上となりました。ランキング上位にある「じゃらんnet」(前年比PC109.0%・スマートフォン127.1%)、「楽天トラベル」(PC114.6%、スマートフォン138.9%)といった個人旅行を中心としたオンライン旅行会社に加え、「日本旅行」(PC157.8%、スマートフォン158.6%)、「JTB」(PC133.6%、スマートフォン146.4%)などオンラインに加え店舗を有する旅行会社についても推計閲覧者数は前年から回復傾向にあり、旅行会社サイトの推計閲覧者数は全般的に回復傾向にあります。
また、旅行会社同様コロナ禍で大きな影響を受けた交通機関のサイトについても、推計閲覧者数は昨年に比べ回復傾向にあり、「旅行・交通」カテゴリのサイト全般でこの傾向が見られます。

都道府県別の公式観光情報サイトでは、昨年に引き続き大阪府と三重県が上位2位にランクイン

続いて、都道府県公式観光情報サイトの中で推計閲覧者数を集計しました[図3] [図4]。
PCでは2021年と同様、1位は大阪府「OSAKA-INFO」、2位は三重県「観光三重」となっており、スマートフォンにおいては2021年と首位が逆転し、1位が三重県「観光三重」、2位が大阪府「OSAKA-INFO」となりました。
前年に比べた推計閲覧者数の伸び率では、PC・スマートフォンともに見られるのが、神奈川県「観光かながわNow」の大躍進です。PCでは前年比413.8%と圧倒的な伸びを見せ、推計閲覧者数第3位にランクイン。スマートフォンでも前年比299.3%と、両デバイスで前年比が最も高いサイトとなっています。神奈川県以外の推計閲覧者数上位サイトでは、PCでの前年比2位が兵庫県「HYOGO!ナビ」(309.0%)、3位が大阪府「OSAKA-INFO」(259.0%)、スマートフォンでは前年比2位が三重県「観光三重」(236.1%)、3位が兵庫県「HYOGO!ナビ」(233.8%)となりました。

ランキング上位のサイトでは県民割・全国旅行支援等の施策による影響も顕著にみられる

では、2022年の神奈川県の大躍進には、どのような背景があったのでしょうか。
推計閲覧者数のベースが高かったPCにおける、上位5サイトへの流入キーワードを、セッション数順にランキング化しました[図5]。
大阪府「OSAKA-INFO」および三重県「観光三重」は、都道府県名と「観光」との掛け合わせや、「新世界」「伊勢神宮」など観光スポット名検索が目立ちます。一方で、大きな伸びを見せた神奈川県「観光かながわNow」や、同様にいずれのデバイスでも前年比が高かった兵庫県「HYOGO!ナビ」については、県民割や全国旅行支援のキャンペーン名が大半を占めていることがわかります。
消費者にとって魅力的な割引施策が、推計閲覧者数の増加に大いに貢献したといえるでしょう。

推計閲覧者数はコロナ禍前(2019年)をほぼ回復、全国旅行支援の影響も顕著

コロナ禍前(2019年)との推計閲覧者数を比較すると、旅行・交通カテゴリの上位サイトは、平均するとPCでは1.1倍、スマートフォンでは横ばいとなっており、サイトにより多少の増減はありますが、概ねコロナ前に戻りつつあると言えそうです([図6] [図7])。

続いて、都道府県公式観光情報サイトの中で推計閲覧者数を集計しました[図8] [図9]。こちらは、全都道府県で平均するとPCで約2倍、スマートフォンでは1.7倍と大きく推計閲覧者数が伸びており、県民割や全国旅行支援の施策影響が顕著にみられます。

※(参考)2021年観光関連サイト閲覧者数ランキング

2021年観光関連サイト閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは大阪、三重が二強

https://manamina.valuesccg.com/articles/1661

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2021年の観光関連Webサイトの年間閲覧者数を調査しました。

▼ヴァリューズでは、リリースに掲載されていないランキングデータもご用意しています。調査や分析のお問合せは、下記ボタンよりお気軽にご相談ください。

調査データのお問い合わせはこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

コロナ禍を経て活況が戻った観光業において、データドリブンの施策を展開する広島県観光連盟(HIT)。本稿では「圧倒的な顧客志向」を掲げるHITでの、VALUESのデータ分析伴走支援サービスを通じたチャレンジに迫ります。


ニューツーリズム ~ 光と影

ニューツーリズム ~ 光と影

コロナ禍を経て落ち着きを取り戻しつつある今、世界中の人々が世界各国へ向けて足を運び出しました。その受け入れ先として日本も数多くの人々に選ばれています。特に昨今の円安が後押ししているのは皆さんもご存知の通りでしょう。しかし、復活しつつあるインバウンド景気に両手をあげて喜んでいるだけでは済まない事情も存在しています。その一つにオーバーツーリズムという問題が挙げられます。本稿では、「ニューツーリズム」というキーワードを元に、今、旅行業界を取り巻く光と影の部分について、株式会社創造開発研究所所長を務める渡部数俊氏が解説します。


「Gut Health」「タトゥーツーリズム」など...海外トレンドに見るビジネスの種(2023年10月)

「Gut Health」「タトゥーツーリズム」など...海外トレンドに見るビジネスの種(2023年10月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、アメリカ出身の著者が、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、新しいウェルネストレンド「Gut Health」や、旅行先でタトゥーを入れる「タトゥーツーリズム」、日本でも徐々に広がりを見せている「ジェンダーレスファッション」に注目しました。


2023年夏の旅行トレンド調査。旅行者層別に価値観を分析|ホワイトペーパー

2023年夏の旅行トレンド調査。旅行者層別に価値観を分析|ホワイトペーパー

新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けた旅行業界ですが、コロナ禍の終息に伴って少しずつ回復の兆しを見せています。そして2023年3月15日にはマスク着用が任意となり、いよいよコロナ以前の状態に戻ることが期待される夏を迎えました。そんな2023年夏の旅行にはどのようなトレンドがあるのか、2万人以上へのアンケートとWEB行動ログデータを基に分析しました。(ページ数|21ページ)


How to solve the labor shortage in agriculture? Focusing on “casual experiences” and “potential needs in urban areas”

How to solve the labor shortage in agriculture? Focusing on “casual experiences” and “potential needs in urban areas”

Labor shortage in agriculture is a big issue today. Agriculture is vital to achieving the SDGs. Its weakening can result in an unstable food supply and economic decline in rural areas. Using online behavioral data, we will analyze the segment with potential interest in agriculture and ways to solve the labor shortage.


最新の投稿


GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

GWに10連休を取得する人は約2割!連休の予定はインバウンドの影響か「国内旅行」が下降し「家事」が上昇【mitoriz調査】

株式会社mitorizは、消費者購買行動データサービス「Point of Buy®」の会員に対し「大型連休に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

Supportive fans are willing to spend money? “Oshikatsu” insights & applying it to marketing strategy

“Oshikatsu” stimulates consumption in Japan. In fact, more than 80-90% of teens answered that they have an “Oshi.” We will deepen our understanding by investigating the current state of the “Oshikatsu” market, behaviors like time and money spent on “Oshikatsu,” and its connection with collaborations, etc. in marketing.


三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産、ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始

三井不動産株式会社は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIOとともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始したことを発表しました。


【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

【TVドラマランキング】共感性や独自性が話題に。「不適切にもほどがある!」「君が心をくれたから」など

近年動画配信サービスが普及し、時間や場所にとらわれず様々なジャンルの動画を手軽に視聴できるようになりました。テレビ離れが幅広い年代で囁かれている時代、話題になるテレビドラマとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、2024年1月~3月に放送されたドラマについて、認知度や視聴方法、満足度、満足理由などをランキング化。その実態を探りました。


配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

配膳ロボットの認知率は約9割、現在利用率は6割 1年後には利用率1.4倍伸びる!?【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、今と近未来の流行予想を目的として「配膳ロボット」にかんする流行予想調査を実施し、その結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ