radiko、2年間でユーザー数倍増の軌跡

radiko、2年間でユーザー数倍増の軌跡

NHK効果で50代ユーザーを獲得


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、アクセスログに基づき、IPサイマルラジオサービス「radiko」の利用動向を分析しました。
2010年のリリース以来着実に対象放送局を増やし、2018年5月現在で民放102局のうち92局をカバーする一方、2019年3月末までの期間限定ながらNHKラジオ第1・第2・FMの3局も聴けるようになったradiko。スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズで利用できる機能「スキル」のランキングでは2017年12月~2018年2月の3ヶ月とも1位に選ばれました。 進化を続けるradikoは、どんなユーザーを取り込んでいるのでしょうか。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2016年5月から2018年4月のネットユーザーの行動を分析しました。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニタ(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得
※サイトカテゴリはヴァリューズが独自に定義

考察サマリ

eMark+のアプリランキングでradikoアプリユーザー数を確認したところ、2年前の200万人弱から約450万人へ、倍以上に増加していることがわかります。特に直近では、NHKラジオ第1・NHKラジオ第2・NHK-FMの実験的配信が関東広域及び福岡県、宮城県、広島県、愛媛県の5エリアで始まった2017年10月、同実験的配信地域が全国対象に拡大された2018年4月に著しい増加が認められます。
2010年10月の「タイムフリー聴取」と「シェアラジオ」実験開始、2017年3月の「radikoプレミアム」対象局拡充時に大幅なユーザー増を記録してきたradikoですが、NHK効果でさらに伸長が後押しされたといえそうです。

50代以上が増加を牽引、20代ユーザーを上回る

eMark+のアプリランキングで直近3ヶ月と前年同期のユーザー数変化を属性別に確認したところ、50代以上のシニア層の伸びが顕著でした。特に50代は対前年同期比で約1.5倍と急増し、20代ユーザーを抜き去って全体の2割を占めるまでに拡大しています。

ニュースとスポーツ好きが支持

eMark+Target Focusで、直近1ヶ月にradikoアプリユーザーがスマートフォンで使ったサイトを見てみると、「Yahoo! ニュース」や「日本放送協会(NHK)」といったニュース系サイトはモニター全体よりもradikoユーザーの利用が多い傾向です。「日刊スポーツ」「スポニチアネックス」も上位に入り、スポーツ好きともいえそうです。

アプリでは「Twitter」「Instagram」や「Yahoo!」のリーチ率が一般ユーザーより高くなっています。「AbemaTV」や「スポナビ プロ野球速報」も上位で、音声で情報をキャッチしつつも、画像や動画にも一般ユーザーより関心が高い、高アンテナ層といえるかもしれません。「Amazon Shopping」も一般ユーザーより1割程度リーチ率が高く、スマートフォンで情報収集もお買いものも済ませる傾向です。

「オールナイトニッポン」「NHKラジオ」の指名検索が多い。 男性は「番組表」、女性は「ラジオ体操」の検索も。

ユーザーはラジオに関してどんな検索をしているのでしょうか。eMark+ Keyword Finderの指定キーワードランキングで、「ラジオ」を含むタイトルのページに流入した際のキーワードを属性別に確認しました。
グラフ全体を見ると、「ラジオ」関連検索は男性側に寄っており、ラジオへの関心は女性よりも男性が高いことが見て取れます。特に「TBSラジオ」は男性の検索割合が多いようです。「オールナイトニッポン」や「NHKラジオ」も指名での検索ボリュームが大きいです。他方、特定局の指名検索でないキーワードでは、男性は「番組表」、女性は「ラジオ体操」の検索が多くなっています。
「結婚式」や「婚姻届」など、結婚関連のキーワードから流入したサイトを見ると、NIWAKAの運営するメディア「結婚スタイルマガジン」のQ&Aコーナー「結婚ラジオ」でした。こちらのサイトはラジオ番組の公式サイトではなく、結婚関連の情報発信のためのメディアに「結婚ラジオ」という名前がつけられているようです。

図表5 「ラジオ」関連検索キーワードの属性別マップ(円の大きさはユーザー数)

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