どの「転職サイト」が人気?2019年の転職市場を振り返る

どの「転職サイト」が人気?2019年の転職市場を振り返る

1月~3月は年度の切り替え時期前ということもあり、転職市場が活発化すると言われています。そこで、今回は数ある転職サイトの中から2019年の年間訪問者数上位5サイトに絞って、ユーザーの動向や人気のコンテンツなど「eMark+」を使って調査・分析します。


年間訪問者数トップは「リクナビNEXT」

まずは、2019年の各転職サイトの訪問者数を見てみましょう。(今回は、主に正社員向けの転職・求人情報サイトを対象としました)

年間トップは「リクナビNEXT」となり、2位は「マイナビ転職」、3位は「DODA」、4位は「エン転職」、5位は「type」という結果になりました。「リクナビNEXT」に関しては、年間を通じて常に首位をキープしており、ユーザーからの根強い支持があることがうかがえました。また、「エン転職」は2019年10月以降で訪問者数を伸ばしています。

デバイス:PC+スマートフォン合算

続いて、各公式サイトの新規ユーザー率を見たところ、「エン転職」は2019年10月以降で新規率が高くなっており、前月の9月と比較すると9ポイントほどUPしていることがわかります。訪問者数の急伸は新規ユーザーを獲得できたことが大きく関係していると思われます。

また、「type」は他のサイトと比較すると新規率が低いことから、リピーターに支持されているようです。

デバイス:PC+スマートフォン合算

さらに、アプリのユーザー数も見てみました。アプリでも「リクナビNEXT」がトップとなっていました。「マイナビ転職」と「エン転職」はほぼ互角となっており、「DODA」はユーザー数が2019年8月から少しずつ伸びていることもあり、これからに期待したいところです。

デバイス:スマートフォン(アプリ)

流入ワードの上位は指名検索や『職務経歴書』『履歴書』がランクイン

次にどんなキーワードで検索され流入しているかを見てみました。“リスティング広告”や“自然検索”のキーワードに関しては『DODA』や『リクナビネクスト』などの指名検索が上位を占めており、次いで『職務経歴書』や『履歴書』などのワードがランクインしていました。

人気コンテンツも履歴書関連ページ

次は各転職サイトのコンテンツランキングを見てみたところ、複数のサイトで履歴書に関するコンテンツが上位にランクインしていました。

転職時の採用選考で最初の関門となるのが書類審査ということもあり、魅力的な履歴書の書き方についてユーザーの興味関心が高いことが考えられます。また、「リクナビNEXT」は、書類選考なく面接に進める求人に応募できたり、お気に入りの求人情報がメールで届くなどが可能な『気になるリスト』というページが人気となっていました。

性別は男性がやや高く、年代別はサイトとアプリで大きく異なる結果に

最後に各転職サイトの訪問者属性を集計しました。まずはPCとスマートフォン合算の性別を見てみたところ、総じて男性比率がやや高めになっていました。

デバイス:PC+スマートフォン合算

一方でアプリの性別では、5サイト中3サイトは男性比率が6割を超えている中、「マイナビ転職」と「エン転職」は女性比率が高めになっており、他社のアプリと比較すると女性支持が高いことがわかりました。

デバイス:スマートフォン(アプリ)

次に年代別でみたところ、PCとスマートフォンの合算はどのサイトも20代から40代はほぼ均等となっていました。それに対し、アプリは20代・30代が半数以上を占めていました。

中でも「DODA」は20代・30代で8割を超えており、若年層からのが支持が特に高いことがわかりました。また、「type」は他のサイトと比較すると30代・40代の割合が高く、中年層からの興味関心が高いようです。

デバイス:PC+スマートフォン合算

デバイス:スマートフォン(アプリ)

まとめ

サイトとアプリともに「リクナビNEXT」がトップとなりましたが、サイトでは「エン転職」が2019年後半から訪問者数が増加していたり、アプリでは「DODA」が少しずつユーザー数をのばしていることがわかりました。今後、どんなコンテンツでユーザーに訴求するか、またどんなプロモーションでユーザーを獲得するかが楽しみです。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2019年1月~12月のネット行動ログデータを分析しました。
※調査対象は2019年1月~12月の訪問者数上位5サイト(PC・スマートフォン合計)
※アプリ起動ユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測

この記事のライター

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