注目のコスメサイト @cosme、C CHANNEL、LIPSを比較調査!

注目のコスメサイト @cosme、C CHANNEL、LIPSを比較調査!

各メーカーからほぼ毎月のように発売される化粧品ですが、コスメ市場においては商品量が多すぎることもあり選択することに迷ってしまうことも多いのではないでしょうか?昨今では、化粧品を購入する前にクチコミサイトやInstagramなどのSNSから情報を得ることも多くなっているようです。そこで、今回は注目されているコスメサイトを3つピックアップして調査します。


「@cosme」はユーザー数もページビュー数もトップ!

今回、分析の対象としたコスメサイトは以下の3サイトです。

コスメ・美容の総合サイト
@cosme(アットコスメ)

動画ファッションマガジン
C CHANNEL(シーチャンネル)

コスメ・メイク・化粧品のクチコミ検索アプリ
LIPS(リップス)

最初に、ユーザー数について比較してみましょう。直近1年間で見てみると、「@cosme」が常にトップで2位の「LIPS」の約1.6倍のユーザー数で推移していることはわかります。

ただ「LIPS」は2020年1月からユーザー数を増やしており、2020年4月には「@cosme」に迫る勢いにまでなっています。

ユーザー数推移

コスメサイト ユーザー数推移

デバイス:PC+スマートフォン(アプリ含む)

また、ページビュー数でみても「@cosme」が圧倒的に多いことがわかりました。1人あたりページビュー数も50~60ページとなっており、「@cosme」ユーザーは他のサイトユーザーと比較するとより多くのページを回遊しているようです。

広告の観点から見るとページビュー数のボリュームは、より多くのユーザーにリーチできることとなり、「@cosme」は広告価値のある媒体と言えるのではないでしょうか。

ページビュー数推移

コスメサイト ページビュー数推移

デバイス:PC+スマートフォン

1人あたりページビュー数推移

コスメサイト 1人あたりページビュー数推移

デバイス:PC+スマートフォン

「@cosme」は直帰率も30%前後と低いことも魅了的な1つとなっています。

直帰率推移

コスメサイト 直帰率推移

デバイス:PC+スマートフォン

「C CHANNEL」と「LIPS」は新規率が高く、約半数が新規ユーザーとなっているようです。逆に「@cosme」の新規率は2割程度となっており、リピーターから支持されていることがうかがえました。

直帰率推移

コスメサイト 新規率推移

デバイス:PC+スマートフォン(アプリ含む)

「C CHANNEL」は『アプリのみ』ユーザーが多い結果に

次に、スマートフォンのブラウザとアプリの内訳を見てみました。どのサービスも『ブラウザのみ』が8割前後となっており、ブラウザ利用が多いことがわかりました。

『アプリのみ』利用者は「C CHANNEL」が20.1%、「lLIPS」が13.5%と「@cosme」よりも倍以上高い結果となりました。「C CHANNEL」は動画マガジンで、アプリの方がスムーズに閲覧できることもあり高くなっていることが考えられます。

スマートフォンユーザーの内訳

スマートフォンユーザーの内訳

デバイス:スマートフォン
集計期間:2019年5月~2020年4月

「LIPS」はクチコミページが人気!

続いて、直近半年間の各サイトのPCの流入元を見てみたところ、最も多かったのが『自然検索』となりました。特に「@cosme」関連のキーワードがトップ10のほとんどを占めており、高いブランド認知度をあらわしています。

また、「@cosme」は『Webメール経由』や『お気に入り/履歴』が多いことから、リピーターからの支持が高いことを裏付ける結果ともなりました。

流入元比較

コスメサイト 流入元比較

デバイス:PC
集計期間:2019年11月~2020年4月

『自然検索』が特に多かった「@cosme」と「LIPS」について検索ワードを見てみたところ、検索されているワードに大きな違いがありました。

「@cosme」はブランドワードが大半を占めているのに対し、「LIPS」はトップはブランドワードでしたが2位以下は“アイシャドウ”や“シャンプー”、“化粧下地”などのように化粧品の種類の検索ワードが多いことが特徴的でした。

流入元比較(自然検索)

「@cosme」と「LIPS」の流入元比較<自然検索>

デバイス:PC
集計期間:2019年11月~2020年4月

また、各サイトのLP(ランディングページ)をディレクトリ単位で見てみると、「@cosme」と「C CHANNEL」の1位はサイトトップページとなっているのに対し、「LIPS」はトップページをおさえ、上位には“コスメ一覧”や“クチコミ”、“ランキング”ページがランクインしていました。

ランディングページランキング

コスメサイト LP(ランディングページ)ランキング

デバイス:PC
集計期間:2019年11月~2020年4月

中でも特筆すべきなのは「LIPS」のクチコミページです。画像を上部に配置しているUIデザインも大きく関係しているものの、クチコミページと言うよりは“ブログ”を連想させる作りとなっていました。

また、どのユーザーもハッシュタグで多くのキーワードをタグ付けしていて、検索ユーザーをマッチングさせやすくなっていることからクチコミページがLPの上位にランクインしていることが考えられました。

「LIPS」のクチコミ例

「LIPS」のコンテンツランキングをディレクトリ単位で作成したところ、ここでもクチコミページは2位にランクインしていました。

「LIPS」はヒト軸を重視しており、他のユーザーをフォローすることでタイムライン上でコスメ情報を得ることができることもクチコミページが人気の理由のようです。

コンテンツランキング

「LIPS」コンテンツランキング<ディレクトリ単位>

デバイス:PC
集計期間:2019年11月~2020年4月

「C CHANNEL」と「LIPS」は20代ユーザーが多い

最後に各サイトのユーザー属性について見てみました。性別はどのサイトも女性が8割弱となっていました。化粧品サイトですが、男性も2割程度おり、男性も化粧品に興味関心があることがうかがえました。

ユーザー属性比較(性別)

コスメサイト ユーザー属性比較<性別>

デバイス:PC+スマートフォン

年代別では、「@cosme」はどの年代もほぼ均等。「C CHANNEL」は動画ファッションマガジンということもあり、20代が最も多く4割弱。「LIPS」もターゲット層である20代が一番多く3割となっていました。

ユーザー属性比較(年代別)

コスメサイト ユーザー属性比較<年代別>

デバイス:PC+スマートフォン

まとめ

今回はコスメサイトについて調査しました。「@cosme」は老舗サイトということもあり、ユーザー数やページビュー数の多さを維持していました。「C CHANNEL」は動画メディアということもありアプリのみユーザーが2割と多かったです。「LIPS」はヒト軸を重視していることから、特にクチコミページに強みをもっているようでした。

サイトごとの特徴を把握して、サイトの特性を活かした施策が重要になると思われます。

また、ユーザー数で「@cosme」に迫る勢いとなっている「LIPS」が、今後どこまでユーザー数を伸ばせるかも楽しみです。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2019年5月~2020年4月のネット行動ログデータを分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。

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