Webで消費者とのコミュニケーションに成功したサイトは…?公式note活用のLINE、ギフトマーケティングも台頭【20年9月急上昇サイト】

Webで消費者とのコミュニケーションに成功したサイトは…?公式note活用のLINE、ギフトマーケティングも台頭【20年9月急上昇サイト】

2020年9月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型の市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はeMark+を使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2020年9月の急上昇サイトは?

まず、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

9月の急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「eMark+」画面より)

ネット回答の効果?国勢調査オンラインが前月比で1位に

それでは早速、ランキングの1位から詳しく見ていきましょう。

1位:国勢調査オンライン

1位は国勢調査の公式ホームページ「国勢調査オンライン」でした。今回の国勢調査は9月14日から始まり、その影響でユーザーアクセス数が急上昇したと考えられます。

総務省は新型コロナウイルス対策で調査員との接触を減らすため、ネットでの回答を呼びかけていました。ネット回答を行う人が増加したことで、急上昇サイトにランクインしたと言えるでしょう。

2位:LINE MUSIC 公式note

2位にランクインしたのは「LINE MUSIC 公式note」でした。

同サイトはLINE運営の音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」の公式noteで、アーティスト情報やキャンペーン等の情報を配信しています。こちらのサイトは4月の急上昇サイトにもランクインしていました。

その際は人気占い師を登用したコンテンツで訪問者が増加しましたが、今回はどのようなページに注目が集まったのでしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。

「LINE MUSIC 公式note」のコンテンツランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

1位のページのUUが圧倒的に多いことがわかります。こちらのページに実際にアクセスすると、noteの投稿コンテストでグランプリを受賞されたライターとのコラボ作品が掲載されていました。

この企画の記事ではnoteの「スキ」数がどれも多く、人気作品であることが伺えます。

次に、どのような経路でサイトに訪問したのかを流入元を確認してみましょう。

「LINE MUSIC 公式note」の流入元セッション数(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

外部サイト流入の内訳を見てみると、LINE MUSICを抑えて外部サイト1位はnoteの公式サイトでした。

種々の投稿コンテンツを通じて次々に人気クリエイターが生まれているのがnoteというメディアの特徴でもあります。それを活かし、noteで人気のライターを起用することで、LINE MUSICユーザーだけでなく広くnoteユーザーの認知獲得に成功したのではないでしょうか。

3位:プレモノ Yahoo!JAPAN

3位はYahoo!JAPANが運営する「プレモノ」でした。プレモノとは、メーカーなどの企業から提供される商品のキャンペーンを紹介するサイトです。掲載されているキャンペーンに応募して当選すると商品がもらえます。

急上昇の原因をコンテンツランキングで探っていきましょう。

「プレモノ」のコンテンツランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

上位には人気商品のキャンペーンのページが多数ランクインしていました。実際、1位はコカ・コーラが提供する無料ドリンクチケットのキャンペーンページで、2位はイオンが提供するクーポン配布ページでした。

どのような経路でユーザーが訪問したのか流入元を見てみましょう。

「プレモノ」の流入元セッション数(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

外部サイトからの流入が多いことがわかります。

外部サイトの流入元詳細をみると、Yahoo! JAPANを始めとするYahoo!の関連サイトからの流入が目立ちました。

「プレモノ」の流入元・外部サイトランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

国内最大級の利用者数を誇るYahoo!は、アクティブユーザー数の多い関連サイトからの送客を武器に、プレモノの利用者を集めたのではないでしょうか。

giftee for Businessも上位にランクイン

その他の上位には、消費者や企業のニーズをうまく汲み取ったサービスのサイトが目立ちました。いくつか見ていきましょう。

7位:LINE Credit

7位は「LINE Credit」の公式ホームページでした。LINE Creditは個人向けスコアリングサービス「LINEスコア」と、信用スコアを活用したローンサービス「LINEポケットマネー」を提供しています。

「LINE Credit」のコンテンツランキング(対象デバイスはスマートフォン、「eMark+」画面より)

1位のページはUU数が圧倒的に多いです。こちらのページは、以下のようなお得なクーポンページでした。新規契約のユーザーにLINE Payクーポン50%OFFがプレゼントされたようです。

国外だけでなく国内でもスコアリングサービスが広がりを見せています。また、突然の出費に備えるための手軽なローンサービスへのニーズの高まりがあります。こうした背景から、LINE Creditは潜在ユーザー獲得のためにクーポンを配布したと考えられます。

9位:giftee for Business

9位にランクインしたのは「giftee for Business」でした。これはスタバやコンビニなど有名ブランド500種類以上の商品をノベルティとして活用できる、いま話題のキャンペーンツールです。

従来は煩雑だった有名ブランドを活用したノベルティ送付がデジタル上で簡単にできるため、企業がキャンペーン・アンケート・自社SNS登録等の集客を目的とする販促活動を行う際や、社内従業員向けに福利厚生の一部としてeギフトなどのインセンティブを渡す際の活用が進んでいます。

インターネットやSNSの普及にともない、消費者と企業間のデジタル完結のコミュニケーションが可能になってきています。「giftee for Business」は消費者とコミュニケーションを取りたい企業側のニーズをうまく汲み取っており、サービス自体が伸びているのではないでしょうか。

まとめ

最後に9月の急上昇サイトと、その増加要因をまとめます。

9月14日に始まった国勢調査が始まり、1位は「国勢調査オンライン」となりました。今回の調査では、新型コロナウイルス対策で調査員との接触を減らすため、ネットでの回答を推進した影響も大きいのではないでしょうか。

2位の「LINE MUSIC 公式note」と3位の「プレモノ」はどちらも大手企業運営のサイトでした。特に、LINEやYahoo!はアクティブユーザーを多く抱えているため自社の関連サイトを生かしたアプローチができたと考えられます。

その他の上位には時流に乗ったサイトが目立ちました。ローンサービスへの消費者ニーズの高まりをとらえた「LINE Credit」は、クーポンをフックに訪問者数を増加させたと言えるでしょう。また「giftee for Business」についても、消費者とリアルでのコミュニケーションが取りづらくなった企業に、オンライン上での接点を提供する点で時流に即したサービスと言えるでしょう。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのeMark+を使用しています。急上昇サイト分析機能は無料ですので、より詳細なデータを知りたい方はぜひ見てみてください。

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この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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