コロナ影響下での2021年大型消費動向を調査。昨年買い控え層が予算減少ながらもリベンジ購入予定

コロナ影響下での2021年大型消費動向を調査。昨年買い控え層が予算減少ながらもリベンジ購入予定

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女9,998人を対象に、住宅・旅行・家電といった高額商品の2021年の購入意向および予算・購入時期をアンケートにて調査しました。また、ヴァリューズが保有する約250万人の独自パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて、旅行や家電などに関する消費者の年間検索動向も分析しました。


2020年に購入を見送った高額商品、2021年に購入予定の高額商品を調査

まず、2020年に新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済縮小の影響で購入を見送った高額商品を聴取しました。旅行の見送り率が最も高くなる中、習い事や結婚式などライフイベントを延期した層も一定数いたようです。

2021年に購入予定の高額商品では、こちらも旅行が最も高くなる中、スマホや白物家電などの家電カテゴリ商品の購入予定率も2割を超えていました。

図1) 2020年コロナ影響で購入を見送った高額商品

図1) 2020年コロナ影響で購入を見送った高額商品

図2) 2021年に購入予定の高額商品

図2) 2021年に購入予定の高額商品

2021年に “リベンジ購入”する予定の高額商品は?

2020年に購入を見送った高額商品の中で、2021年には購入予定とされた商品を調査しました。

“リベンジ購入”される割合として最も高かったのは国内旅行で、7割が2021年には実施すると回答。
家電の中ではスマートフォン等の携帯通信機器が6割超となりました。
高額商品の中でも比較的低価格帯の商品は2021年に消費が戻りやすいようです。

図3) 2021年に“リベンジ購入”する予定の高額商品

図3) 2021年に“リベンジ購入”する予定の高額商品

高額商品の年間検索動向をキーワードごとに調査

旅行、家電、住宅・自動車カテゴリについて、ヴァリューズが保有する約250万人の独自パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用し、キーワードごとの検索ボリュームの年間動向を分析しました。

旅行では特に海外旅行の検索数急落が目立つものの、政府のGoTo事業開始に伴い国内旅行は前年以上の水準に回復していました。また、20年4月から6月の間に旅行と掛け合わせて検索されたキーワードでは、国内旅行でGoTo事業の補助に関する関心が目立ち、海外旅行で渡航可能時期への関心が多く見られました。

図4) 高額商品の年間検索動向<旅行>

図4) 高額商品の年間検索動向<旅行>

一方家電ではコロナ影響による検索数変動は少なく、逆に緊急事態宣言下は自宅で過ごす時間が増えたからか前年以上の検索数を記録していました。

また家電と掛け合わせて検索されたキーワードでは、テレワーク需要を反映したキーワードや消毒に関する関心が増えていました。

図5) 高額商品の年間検索動向<家電>

図5) 高額商品の年間検索動向<家電>

次に住宅・自動車では、ともに緊急事態宣言下で激しく検索数が落ち込みましたが、その後持ち直し前年以上の推移を見せるも新車の検索だけは減少以降横ばいになりました。

また掛け合わせて検索されたキーワードでは、コロナ影響で自動車税の納付や中古車販売価格の下落に関心が集まっていました。

図6) 高額商品の年間検索動向<住宅・自動車>

図6) 高額商品の年間検索動向<住宅・自動車>

2021年に“リベンジ購入”予定も予算は減少

2020年に購入を見送り、2021年に購入を予定している高額商品の予算を聞いたところ、ほぼ全ての商品で購入予算が減少していました。スマホや家電で予算減少が目立つ結果となりましたが、旅行予算は変動が少ないようです。

図7) 2021年 高額商品の購入予算増減

図7) 2021年 高額商品の購入予算増減

高額商品の情報収集は店頭からネットに移行

高額商品の情報を、店頭含むどの媒体(チャネル)で収集するか聞いたところ、全ての高額商品で店頭<ネットという結果となりました。

特に住宅や旅行は従来ショールームや旅行販売代理店での検討をする方が一定数いましたが、ネットでの情報収集に移行が進んでいるようです。

図8) 高額商品の情報収集媒体<店頭 vs ネット>

図8) 高額商品の情報収集媒体<店頭 vs ネット>

調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2020年12月1日~12月8日に、スマートフォンによるアンケート調査を実施(回答者9,998人)。性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
Webサイトのユーザー数はPC・スマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

調査レポートダウンロード【無料】|2021年 大型消費展望調査レポート

詳細な調査レポートを無料でダウンロード頂けます。
資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。
ご登録頂いた方にはVALUESからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


新興テック企業「Nothing」。2年で7倍成長の理由を世代別に分析

新興テック企業「Nothing」。2年で7倍成長の理由を世代別に分析

ロンドン発、今注目のテクノロジーブランド「Nothing(ナッシング)」。2020年の設立以来、スマートフォンやオーディオ製品を中心に、透明感ある唯一無二のデザインと高い性能で、多くの大企業がひしめくテック業界で急速に存在感を高めています。そんな革新的なNothing製品は、どのような人々に支持されているのでしょうか。本記事では、Nothingのサイト訪問者データをもとにユーザー像を分析し、なぜNothingが注目を集めているのかを年代別に考察していきます。


【2025年版】人気キャラ図鑑|ヒットしたミャクミャク・ラブブ等の注目度、次来るキャラは?

【2025年版】人気キャラ図鑑|ヒットしたミャクミャク・ラブブ等の注目度、次来るキャラは?

2025年、たくさんのかわいいキャラクターが流行りました。今回の記事では、2025年で人気が急上昇したキャラクター10選をご紹介します。また、ちいかわ・ミャクミャクなどの人気キャラの経済効果にも迫ります。最後には、2026年に人気が上昇するキャラクターを予想しました。


食べ放題ファンの生態。ケンタ・ミスド・かっぱ寿司の食べ放題って知ってる?

食べ放題ファンの生態。ケンタ・ミスド・かっぱ寿司の食べ放題って知ってる?

好きなものを好きなだけ選べる「食べ放題」は、友人や家族との食事で人気の選択肢です。焼肉やしゃぶしゃぶといった定番に加え、近年はさまざまなジャンルで食べ放題を展開するお店が増えています。本記事では、「食べ放題」を検索するユーザーを分析し、今注目の食べ放題を紹介します。


おじさん構文、おぢポ、無課金おじさん...なんで“おじさん”ってバズるの?

おじさん構文、おぢポ、無課金おじさん...なんで“おじさん”ってバズるの?

おじさん特有のLINEの文面「おじさん構文」、軽装備のオリンピック選手「無課金おじさん」など、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。ポイ活アプリ「おぢポ」は250万ダウンロード、「おじさん構文」をテーマとした楽曲は3,000万回再生というようにバズっています。なぜ数々の「おじさん」は流行するのでしょうか?この記事では、おじさんがヒットの要因となる理由を探ります。


Threadsユーザー数1,000万人突破。ヒットの要因と未来予測

Threadsユーザー数1,000万人突破。ヒットの要因と未来予測

「Threads(スレッズ)」は、「Instagram」や「Facebook」で知られるMeta社が提供するテキストベースのSNSプラットフォームです。2023年7月にサービス開始したThreadsですが、ここ2年でユーザー数を大きく伸ばしていることをご存じでしょうか。本記事ではThreadsユーザー増加の背景と、今後の推移について分析します。


ページトップへ