「中国の消費者が抱えている正直な意見を集めたい」
「中国でのEC販路を広げるために、商品に対する生の声を拾いたい」
…という考えをお持ちではありませんか?
年々拡大していく非常に巨大なマーケットである中国市場。
グローバル展開を考える企業やビジネスマンにとって、いまや中国市場での成功無くして生き残りをかけていくのは難しい、と言えるほどまでに成長を遂げています。
どのようなビジネスの成功にも、消費者のインサイトを深掘りするスキームが必要不可欠です。
「どうしたら中国本土のカスタマーから本音を聞き出せるか」と考えた末に、「ソーシャルリスニング」を1つの手段だと思い立つ方も多いのではないでしょうか。
そこで、本ページでは中国のソーシャルリスニングが効果的に行えるサービスを紹介していきます。
合わせて、中国のソーシャルリスニングを依頼する際に気を付けたい3つのポイントや、前提知識についても掲載しているので、ぜひ活用ください。
ソーシャルリスニングとは
「ソーシャルリスニング」とは、ソーシャルメディア(SNS)やCGMに日々投稿される消費者の書き込みを収集・分析し、マーケティングに活用する手法です。
ユーザーインサイトを探るために、同様に用いられる調査手段の代表例にはアンケート調査がありますが、アンケートではヒアリング元による恣意的かつ画一的な形式でのデータ収集となるため、なかなか消費者の本音が聞き出しづらい、というデメリットがあります。
その点、ソーシャルリスニングは対象テーマに絡んで自由投稿されている内容を収集するため、ユーザーの発するリアルな声を見つけることができるのが特徴です。
ソーシャルリスニングはTwitter・Instagram・Facebookなどのソーシャルメディア(SNS)を使って消費者の声を収集・分析してマーケティングに活かす方法です。消費者視点でのマーケティング戦略の立案や、自社が気づいていなかった指摘を得られるメリットがあります。
中国におけるソーシャルリスニングのための前提知識
実際に調査を行う前に、中国におけるソーシャルリスニング実施について、以下の前提知識を抑えておきましょう。
- 中国ユーザーのSNS利用状況は日本と大きく異なる
- 中国本土における口コミの影響力は非常に大きい
それぞれの項目を詳細に説明していきます。
■中国ユーザーのSNS利用状況は日本と大きく異なる
中国と日本のSNSの利用状況や、その規模は大きく異なります。
中国で利用者の多い、代表的なSNSは以下の通りです。
聞きなじみのないサービス、運営会社名がずらっと並ぶのがわかると思います。
日本国内で主流であるLINE、Facebook、Twitter…といったSNSとは全く違う顔ぶれです。
何よりも特筆すべきは、各SNSの月間利用ユーザー数(MAU)です。
日本で最大のMAUを誇るLINEですら8,400万人(2020年3月時点)という数字であることを踏まえると、中国の各SNSが非常に巨大なプラットフォームとであることを窺い知ることができます。
そして、世界で最も人口が多い国家である中国だからこそ、成立する数字だとも言えます。
このように、中国の各SNSの抱えるユーザー数は日本の比ではない、ということを頭に入れておきましょう。
■中国本土における口コミの影響力は非常に大きい
これも日本ではあまり知らない人が多いかもしれませんが、中国は言わば「口コミ大国」でもあります。
SNSだけに限りませんが、中国の人たちは口コミによる情報のキャッチアップを非常に重視しています。
これは、中国本土の国営放送や新聞などのマスメディア、出版物などに対しては、中国政府からの厳しい検閲が入っているからです。
政府介入によってもたらされる情報が、すべて正しいとは限りません。
そのため、中国の人は家族・知人・信頼できる人物などの発信する情報を確認したうえで、自身の判断材料とする傾向にあります。
また、強い人間関係を築く「圏子(チェンツ)」という考え方もあり、友人・知人の仲間内で情報のシェアをしたり、助け合ったりといった文化も存在しています。
このように、中国における口コミの影響力はとても大きいため、いわゆる"インフルエンサー"によるSNSでの発信は、日本とは桁違いの拡散力を持っています。
中国のソーシャルリスニングを依頼する際の3つのポイント
中国でのソーシャルリスニングを依頼する際に気を付けたい、3つのポイントを紹介します。
- 適切なプラットフォームが選択できる
- 適切な調査設計が行える
- 口コミの正確な翻訳が行える
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
■適切なプラットフォームが選択できる
価値のあるデータを取得するためには、そのデータを得るために最適なプラットフォームが選定できることが必要不可欠です。自由投稿された口コミをサンプルと据えるため、サンプルに適さないUGC(User Generated Content)が集まっても意味を成さないからです。
中国は人口が多く、オンラインで提供されている媒体数も多岐にわたります。
そのため、自身が欲しいと考えるマーケティングデータを得るためには、メディア選択の幅が広く、かつ適切なメディア選定を行ってくれるサービスを選びましょう。
■適切な調査設計が行える
前述したプラットフォームの選択と合わせて重要なのが、欲しいデータを得るための適切な調査設計が行えるか否か、という点です。
せっかくデータ取得に最適なメディアを選定できても、「どういった条件で口コミを取得するか」という設計ができなければ、ソーシャルリスニングは徒労に終わります。
商品に対する消費者の反応を探りたいのか、ブランドイメージを知りたいのか、ターゲット層はどこか…といった、インサイトを探るための調査設計を行えるサービスであるかを判断しましょう。
■口コミの正確な翻訳が行える
3つ目のポイントは収集した口コミを正確に翻訳できるサービスであるか、という点です。
口コミデータの取得後に調査結果として昇華させるためには、中国語を正しく邦訳できる必要があるからです。
日本語と中国語では言葉の微妙なニュアンスや、文章の持つ潜在的な感情表現に差が生まれるケースがあります。
そのため、例えば訪日中国人のスタッフが在籍しているようなサービスを選択できれば、口コミを正確な意味合いを保ったまま翻訳してもらえるでしょう。
中国ソーシャルリスニング分析サービス | ヴァリューズ
最後に、本サイト「マナミナ」の運営元である株式会社ヴァリューズが提供する、中国のソーシャルリスニングサービスを紹介します。
本サービスによるソーシャルリスニングは、主に以下の調査パターンをご用意しています。
■①「Weibo」、「RED」等のSNSの口コミ分析
中国の主流SNS上で投稿されている口コミデータの収集、分析を行う調査パターンです。
特定のテーマに関して口コミを分析し、ブランドイメージや商品・サービスの利用実態、関心などを明らかにします。
(キャプション)SNSの口コミ分析の概要
■②中国ECモールの口コミ分析
「T-MALL(天猫)」や「JD.com」といった中国のECモールに投稿される商品レビューから、消費者の反応を調査するパターンです。
レビュー内容の形態素解析を行い、商品やブランドごとのイメージ、消費者の関心事をデータに起こすことができます。
以下は、ECモールの口コミ調査をデモで行った結果です。
日本メーカー、海外メーカーの製造するシャンプーについて、それぞれの商品の購入者が持ったブランドイメージを抽出しています。
(キャプション)ブランドイメージ・ターゲットの関心を分析
■③「WeChat」の企業公式アカウント分析
「WeChat」内の企業アカウントやそのフォロワーを分析し、フォロワーの特性や投稿内容のポジネガ分析を実施するパターンです。
WeChatは中国で最もポピュラーなメッセージアプリで、日本におけるLINEのような使用感を持つツールです。
本調査パターンでは投稿内容のポジティブ・ネガティブ度合の計測をすることで、SNSを活用したマーケティング施策の効果検証やPDCAの実行に活用されます。
■④ネット上の掲示板やニュースサイトの内の口コミ分析
中国のネット掲示板(BBS)や、ニュースサイトに投稿されたコメントの分析を行う調査パターンです。
日本のYahoo!知恵袋にあたるようなQ&Aサイト(知乎:Zhihu)や育児系サイト(宝宝樹:baybytree)において、身体や育児の悩み等で中国の消費者がどのような事を投稿しているかを分析するなどの例があげられます。
■口コミ翻訳・ペルソナ分析
上述した調査パターンに付随して、口コミの翻訳と傾向分析も実施可能です。
中国人スタッフによる邦訳を行った上で、口コミ投稿者の持つ傾向・特徴などをレポーティングします。
(キャプション)ポジネガ分析に付随して、特徴的な口コミを翻訳して分析
また、口コミに基づいた消費者のペルソナ作成も可能です。
投稿された口コミを分析することで、どのようなプロフィールを持ったカスタマーがプラットフォームに存在しているかも推定することができます。
(キャプション)口コミにもとづくペルソナ作成の例
中国のソーシャルリスニングを検討されている場合は、ぜひヴァリューズへお気軽にご相談ください。
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国内大手の採用メディア制作部を経てフリーライターとして独立。現在はWebマーケティング、就職・転職、エンタメ(ゲーム・アニメ・書籍)等の各種メディアにて記事制作を担当。「マナミナ」では一人でも多くの読者に楽しく読んでもらえるマーケティングコンテンツを提供していきます。