「中国マーケットに事業展開するための市場調査を行いたい」
「越境ECを進めるうえで、中国へのアンケート調査を検討している」
…といった課題をお持ちではありませんか?
急進的な拡大を続ける中国市場への参入は、持続した成長を望むプレイヤーにとって無視できません。
しかし、実際に中国のマーケットで成功できるかどうかは、ビジネスの設計と戦略次第。
「どうすれば中国市場の有益な情報を収集できるか」と思案している方も多いのではないでしょうか。
そこで、本ページでは「中国市場へ効果的なアンケート調査を行う方法」を段階的に紹介していきます。
中国で効果的なアンケート調査を行うための要点や、実際に中国へアンケートが実施できる調査会社・サービスを見ていきましょう。
中国のアンケート調査を行う前に - アンケートの設計方法と進め方
実際にアンケートを実施する前に、そもそもアンケート調査というものはどういった流れで行うと効果的であるかを把握しておきましょう。
- アンケートの目的を明確化する
- アンケート方法の選択と設計を行う
- アンケート項目の設計を行う
- データの集計と分析を行う
- アンケートデータからわかったことをレポートにする
まず、アンケート調査は自身の目的に合わせたものを選び、必要なデータが得られるように設計しなければ意味を成しません。そのため、「どういったデータを得たいか」という目的部分と、「データを得るためにはどう集めるべきか」という設計が何よりも大切です。
次に大切なのは、「何を答えてもらうべきか」という実際のアンケート項目の設定です。
質問項目だけでなく、「選択式」・「自由記述式」・「順位回答方式」といった回答方式の設計もしっかりと考える必要があります。
アンケートが集まったら、データを集計して割合、セグメント別の傾向などを分析していきましょう。
データは「単純集計」や「クロス集計」などを行い、様々な形式でレポートにまとめておくと便利です。
なお、アンケート調査の詳しい進め方については、過去にマナミナ編集部にて公開している別記事を参考にしてみてください。
マーケティングの一環で行われるアンケート調査。調査対象の嗜好や行動を把握するため、一定期間の間に質問に対する回答を求め、データを収集します。アンケート調査の手法にはネットリサーチ、電話調査、会場調査などがあります。
それでは、上記の効果的なアンケート調査の方法を踏襲したうえで、中国でアンケートを行う際の要点についても順を追って紹介していきます。
中国市場の調査目的に合わせてアンケート方法を検討する
自身が中国に対して得たいデータから、最も有効なアンケート調査の方法を選ぶことが大切です。
アンケート調査の代表的な手段は以下のように様々あり、それぞれの調査で得られるデータの傾向や実施コストなどが異なるためです。
上記のように、「アンケートを取る」と言っても様々な調査方法があり、これらの中から自身が得たい情報を効率的に得られる方法を選択する必要があります。
■アンケート方法を選ぶ際の2つのポイント
自身が欲しい情報が得られるようにアンケートを実施するのであれば、以下の2点を選択の基準としましょう。
- 目的に合わせた情報が入手できる
- アンケートを行う予算やスケジュール内に収まる
例えば、あなたが国内で生活雑貨を扱うECサービスを運営しており、これから中国市場へ参入を考えている、としましょう。差し当たっての大きな課題には、「いま取り扱っている商品が中国でも売れるのか?」という点がありますよね。
もし、「中国ではどういった生活雑貨をECで購入することが多いか」という情報を得たいのであれば、Webアンケートや電話調査など定量的に情報が集まる手段を選ぶのが適切です。
幅広い商品から「どれをプッシュしていくか・在庫を増やすか」という販売戦略には、定量的かつたくさんのサンプルを集めやすい方法がベターだからです。
逆に、「特定のAという商品を中国で拡販するにはどうすればいいか」という情報を得たいのであれば、HUT(ホームユーステスト)やオブザベーション(行動観察調査)の活用が良いでしょう。
実際に商品を使ってもらったり、消費者が実生活で抱える悩みを知ったり、ということが商品仕入れの方向性や販売サイトでの打ち出し方に活かせるからです。
そして、それぞれの手段ごとに実施費用やアンケートデータが溜まるまでの期間が異なります。
これらの理由から、自身が求める情報を入手するのに最適な手段と、コスト・時間をどこまで投資できるか、という2点を考える必要があると言えるでしょう。
中国の各マーケットに合わせたアンケートを設計する
中国の各市場に合わせたアンケート方法を選択するのも大切です。
中国の"各"市場と前述しましたが、中国という国の人口は2020年現在でおよそ14億人と日本の約10倍。国土はおよそ960万平方キロメートルで、こちらも日本の約25倍と非常に広大です。
これだけ大きな国ですから、ひとつの国と言ってもその中にたくさんのマーケットが存在し、それぞれの市場や地域ごとの水準にも差異が生まれています。
具体例を挙げれば、北京・上海といった大都市圏と農村部では大きな所得格差があるように、中国内の経済圏や都市ごとで消費者の生活水準やマーケットの状況は大きく異なります。
基本的には、内陸部よりも沿海部地域の住民の方のほうが所得が高く、消費行動も大きいとされています。
それぞれの地域の経済水準や、そこから派生する生活様式や消費行動といった差異を把握しておくことで、効果的なアンケート調査の設計をすることができます。
■中国国内の最新トレンドや生活様式にも目を向けておく
アンケートを実施するうえでは、中国の各都市の経済規模だけでなく、中国国内のトレンドや生活様式などについても、ある程度を把握しておくことが好ましいです。
実際にモニターとなる中国国内の情勢を深く理解するほど、適切なアンケート設計やデータ収集が可能になるからです。
中国の方の国民性や民族意識のような部分までを、深く理解しておく必要はありません。
しかし、いま中国でどのようなトレンドが起こり、消費行動や国民の生活へ影響していることは何があるのか、といったマーケットリサーチがアンケート設計に役立つのは確かです。
本「マナミナ」では、中国の最新トレンドについてのリサーチ記事も多数掲載しています。
以下に挙げるようなドキュメントから、大まかな今の中国の市場感や、国民の生活に関する知識を備えるのに活用ください。
「ミニマリスト」とは最小限(ミニマル)の物で暮らす人を意味しますが、アートトレンドの一つとして、必要不可欠な要素も含め全てを剥ぎ取る「ミニマリストデザイン」と呼ばれるものが存在します。禅と簡素さに満ちた日本のデザインやホワイトインテリアが有名な北欧がその代表例として挙げられます。中国でも、日本と北欧からの影響を受け、シンプルなデザインに憧れ、「モノを手放そう」というミニマリスト志向を持つ人が増えてきています。ここでは、衣食住の観点から中国の「ミニマリスト」について考察していきたいと思います。
なぜ中国で「銀髪経済(シルバー経済)」が好調?その実態に迫る|中国トレンド調査
https://manamina.valuesccg.com/articles/1000日本だけでなく、中国でも、高齢化が益々加速しています。2018年の国勢調査によると、60歳以上の人口が総人口の11.9%となりました。このような「高齢化社会」へ突入した中国では、高齢者のレジャーやケアのためのサービス、高齢者の買い物など、言わば「銀髪経済(シルバー経済)」が拡大し、資本力のあるネット企業も次々と参入してきました。ここでは、社会や暮らしの充実を図るための「銀髪経済(シルバー経済)」が発展してきた経緯、中国の高齢者の「新しい生活様式」について紹介していきたいと思います。
インバウンド、越境ECなど、高い成長率で注目を浴びる中国市場。中国人の消費意識や越境ECの実態、Web広告の現状などについて調査した事例をご紹介します。
中国へのアンケート調査ができるサービス3選
中国でのアンケート調査に関する要点をおさえたところで、実際にアンケート調査を依頼できるリサーチサービスを3つ紹介していきます。
■中国市場調査サービス | ヴァリューズ
本「マナミナ」を運営する株式会社ヴァリューズの提供する中国人の消費意識やWeb行動の実態を把握できる調査サービスです。
「アンケート・インタビュー調査」においては、最大650万人の中国内のモニターパネル会員に対してネットアンケートを実施可能です。
アンケート調査以外にも、オンラインチャットを使って遠隔で中国の消費者に直接インタビューができる調査など、中国市場分析のための様々なリサーチサービスを用意していますので、目的に合わせた調査設計をお手伝いできます。
<提供中の中国市場の分析サービス>
- アンケート・インタビュー調査
- ソーシャルリスニング分析
- 8大ECモール分析
- 広告出稿分析
中国市場調査サービス | ビッグデータ×マーケティングで事業の成長を支援|株式会社ヴァリューズ
https://www.valuesccg.com/service/omd/china-research/国内250万人規模の消費者行動から 確実に成果につながるデータ マーケティングを導き出すSaaSを提供する企業 VALUES。無料から有料アップグレードで ネット広告の市場+効果、キーワード調査、集客施策などの分析も可能。今すぐOODAを実現させましょう。
ライオンが中国の生活者の意外なインサイトを掴んだオンラインチャット調査とは? 越境ECの取り組みを聞いてみた
https://manamina.valuesccg.com/articles/927伸長する中国市場への越境ECを伸ばしていきたい国内各社ですが、中国消費者の購買行動や嗜好をつかむのに手間取り、適切な商品開発やマーケティングができていない場合も多い状況。そこでライオン株式会社ではヴァリューズの中国オンラインチャット調査を使用し中国の生活者の実態把握を行いました。ライオンでリサーチ業務に携わる高木優さん、ヴァリューズの姜に取材します。
■Bo Japan | アライドアーキテクツ
在日中国人の会員を活用した口コミ拡散のプロモーションサービスです。
キャンペーン形式で応募者を募り、アンケートやインタビュー、体験会を行う事も可能です。
在日中国人の口コミで自社商品をプロモーション | BoJapan
https://www.aainc.co.jp/service/bojapan/日本商品への理解が深い在日中国人女性コミュニティとの対話や深いブランド体験を通じて、プロモーションアイディア作りから口コミ発生、拡散まで実現します。
■行楽読者マーケティング | 行楽ジャパン
日本好きな中国人の中~高所得層を会員に持つ旅行メディア。
会員に対して各種アンケートやインタビューをかける事も可能です。
行楽読者マーケティング|行楽ジャパン【中国人富裕層向けインバウンドメディア・訪日観光客向けPR】
https://kouraku-japan.jp/business_reader.html読者向けオンライン調査や、お客様のニーズに合わせて行楽が考案したプレミアム体験ツアーなどのプランニングと販売・運営についてご紹介します。
中国のアンケート調査結果の事例
最後に、当「マナミナ」にて過去に行った中国のアンケート調査の例を紹介していきます。
どういったアンケート調査を行えば良いかの参考として閲覧ください。
中国人の白物家電/自動車購買実態と購買意識を調査 ~ 日本ブランドは高収入女性が白物家電購入、自動車のアフターサービスに高評価
https://manamina.valuesccg.com/articles/1117インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、中国の20~40代の男女600人を対象に、中国人の白物家電/自動車購買実態と意識に関するアンケート調査を実施しました。
中国人のリアルな購買行動の実態をオンラインでインタビュー調査!安全な日本製品はパッケージを重視。コロナ後はEC利用が9割に
https://manamina.valuesccg.com/articles/892新型コロナにより日本経済は甚大な打撃を受け、感染拡大も油断ならない状況が続く一方、中国は収束に向かい、経済の活性化が予想されています。国内の経済状況が不安定な中、中国マーケットへの進出を検討する企業も増えているのではないでしょうか。しかし、中国人の嗜好や効果的なマーケティング手法が分からなければ、手探り状態に陥るリスクもあります。 それらの大きな手助けとなるのが、どのような商品が現地で好まれるのか?どのような購買行動を取るのか?などのリアルな声(データ)です。本稿では、ヴァリューズが開催した中国市場調査セミナーをご紹介。中国でのビジネス展開に役立つ定性調査として、現地人を対象にしたインタビュー調査の模様をお届けするセミナーです。
“美”をテーマにした中国人女性へのマーケティングでは、世代間の差に要注意。
資生堂、SK-Ⅱが日本ブランド2トップ。韓国3ブランドがSK-Ⅱを超える認知率。
国内大手の採用メディア制作部を経てフリーライターとして独立。現在はWebマーケティング、就職・転職、エンタメ(ゲーム・アニメ・書籍)等の各種メディアにて記事制作を担当。「マナミナ」では一人でも多くの読者に楽しく読んでもらえるマーケティングコンテンツを提供していきます。