お花のサブスク2強。「ブルーミー」VS「HitoHana」
■ユーザー数およそ300万UUの人気サイト
まずはお花のサブスクサービスのユーザー数から分析していきます。2強は「ブルーミー」と「HitoHana」。
Web行動ログ分析ツール「Dockpit」で調査を行ったところ、ユーザー数は「ブルーミー」は月平均346万UU、「HitoHana」は273万UUと、他社を寄せ付けない圧倒的強さを見せています。
「ブルーミー」のサービス開始は2016年、日本初の花のサブスクリプションサービスとして注目を浴びました。その後2020年に、植物ECとして高い実績のあった「HitoHana」がサブスクに進出、一時は「ブルーミー」を上回るユーザー数で業界を牽引しました。
分析対象サービス
「ブルーミー」/「HitoHana」/「LIFULL FLOWER」/「FLOWER」
お花のサブスクサービス4サイト ユーザー数推移
対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ
ブルーミー(bloomee)ときめきが続く、お花の定期便 | お花のサブスク
お花の定期便 | HitoHana(ひとはな)
【LIFULL FLOWER】毎月届く季節の花の定期便
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■ディスプレイ広告効果の「ブルーミー」と自然検索の「HitoHana」
業界を牽引する「ブルーミー」と「HitoHana」ですが、集客方法が大きく異なることがわかりました。
自然検索による集客をメインとする「HitoHana」に対し、「ブルーミー」はディズプレイ広告による集客に成功しています。
また、外部サイトとSNSによる集客では「FLOWER」が好調です。
お花のサブスクサービス4サイト 集客構造比較
対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ
さらに、「ブルーミー」と「HitoHana」について、サイト訪問のきっかけとなった検索キーワードを比較しました。その結果、下表のように、「ブルーミー」はお花のサブスクサービスの検索がきっかけに、一方の「HitoHana」は観葉植物(ウンベラータ、パキラ、ドラセナなど特定の植物名も多く含む)の検索がきっかけになっていることがわかります。
「ブルーミー」および「HitoHana」流入キーワードランキング
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ
お花のサブスク、ユーザー属性の違い
続いて、お花のサブスクサービス4サイトのユーザー属性を比較します。
性別は4サイトとも女性が過半数を超え、「ブルーミー」「LIFULL FLOWER」については8割以上が女性でした。
年代を比較すると、「FLOWER」は若年層が多く、20代が最多でした。集客方法が外部サイトやSNS経由が多いことも頷けます。
一方で、「ブルーミー」は40代が最多、50代、60代のユーザーも見られました。
お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/性別
対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ
お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/年代
対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ
お花のサブスクユーザーの関心ごとを調査
お花のサブスクサービスは幅広い年代で興味を持たれていることがわかりました。
次に、お花のサブスク業界トップ2社である「ブルーミー」または「HitoHana」のサイトに接触のあった人(n=4,541人)について、その他の興味関心について分析します。分析には、検索やサイト閲覧などの特定アクションを任意に設定し、前後のWeb行動を可視化することで、消費者ニーズを分析できるツール「story bank」を使用します。
■花、植物、ガーデニングが好き
「ブルーミー」または「HitoHana」のサイトに訪問したユーザーが、 訪問前後3時間内に他のどのようなサイト、アプリをみているかを表したのが以下の表(上:訪問サイト、下:訪問アプリ)です。
サブスクの利用検討のみならず、植物や花にもともと興味があり、趣味としているユーザーが多いことがわかります。
また、前後に接触したアプリの顔ぶれからは、「暮らしを素敵に丁寧に。」をコンセプトにしたライフスタイルメディア「キナリノ」やECメディア「北欧、暮らしの道具店」などナチュラルで心地よい生活に興味のある人、「女性向け減量アプリ - 自宅でワークアウト」など健康やダイエットに興味のある人、「ミュゼパスポート」「ORBIS」などスキンケアやコスメに興味のある人であるようです。お花のサブスクを利用しようとする人の傾向がよく表れています。
サイト訪問前後3時間以内の訪問サイトランキング
対象:「ブルーミー」または「HitoHana」の訪問ユーザー(n=4,541人)
期間:2020年4月〜2021年3月
分析ツール:story bank
※特徴値:対象者が、一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するサイトを可視化するための指標
サイト訪問前後3時間以内の訪問アプリランキング
対象:「ブルーミー」または「HitoHana」の訪問ユーザー(n=4,541人)
期間:2020年4月〜2021年3月
分析ツール:story bank
※特徴値:対象者が、一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するアプリを可視化するための指標
まとめ
今回はお花のサブスクサービスについて分析しました。
同サービスにおいて業界を牽引しているのは、「ブルーミー」と「HitoHana」です。
この2社は集客方法が異なり、「ブルーミー」はディズプレイ広告による流入が多く、「HitoHana」は自然検索による流入が多いことがわかりました。また、検索キーワードですが、「ブルーミー」は“お花のサブスク”や“定期便”を検索しているのに対し、「HitoHana」は主力商品の一部である観葉植物を検索していることがわかりました。
お花のサブスクサービス4社のユーザー属性も比較しました。4社とも女性比率が高く、「ブルーミー」は40代が最多、SNSからの流入が多い「FLOWER」は、20代が最多でした。
お花のサブスクユーザーの興味関心について、「story bank」を用いて分析した結果、ナチュラルで心地よい生活に興味のある人、健康やダイエットに興味のある人、スキンケアやコスメに興味のある人が多いことがわかりました。
分析概要
今回の分析には、マーケティング分析ツール『Dockpit』および『story bank』を使用し、ユーザーのデジタル行動を分析しました。
『Dockpit』は、競合サイト分析や消費者のトレンド調査にとても役立ちます。もし宜しければ、無料版もありますので、下記よりご登録ください。
フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。