「会社の課題について議論することになったから、その材料となるデータを用意してほしい、明日の会議までにだ!」
あなたがある小売店のマーケティング担当だとして上司にいきなりこんな依頼をされたらどうするでしょうか。
恐らく多くの方が「急に言われても…」と困惑されることと思います。
会社全体の指標は定期的にモニタリングされていると思いますが、いざ課題を見つけるとなると、より深堀りした分析が必要になります。
このような深掘り分析の依頼は突発的に発生することもありますが、その都度データを出力して、Excelで何回も集計を繰り返して、レポートを作成して…となると日常業務も抱えている担当者としては身体がいくつあっても足りなくなってしまいます。
そもそも、手がかりが無い状態で何をどういう切り口で見ていけばよいのか?と考えながら作業をするのは非効率的ですし、心理的なハードルも高くなってしまいます。
そんな時は前回ご紹介したTableauを使ったOODAループの考え方で分析を始めるとよいでしょう。
まずデータをTableauに突っ込んでみる
時間の無いあなたが今すぐに使えるのは売上を出力したExcelファイルです。
実際に中身を見てみましょう。
手元で使えるデータ
※サンプルデータとなります。実在の人物や団体などとは関係ありません
データの内容はいつ誰が何を買ったというような情報が入っているいわゆる「購入明細データ」です。
思わずピボットテーブルや関数で集計をしたくなりますが、今は「何が課題かわからない」状態なのでそもそも何を軸に集計すればよいのかが曖昧な状態です。
また、明細データということでデータのボリュームも非常に多く、Excelだと集計結果が返ってくるまでに都度時間がかかってしまいます。
ここではExcelの事は一旦忘れて、まずTableauにデータを取り込んで観察するところから始めてみましょう。
手元のPCでTableauを立ち上げ、Tableauの画面内に分析するExcelファイルをドラッグアンドドロップします。
Tableauの画面に分析するファイルをドラッグアンドドロップする。
ドラッグアンドドロップするとTableauがExcelファイルの中身を読み込む。
TableauにExcelファイルを読み込ませることに成功しました。
これで準備は完了ですので、早速分析に入っていきたいと思います。
Tableauで分析する軸を探っていく
ExcelデータをTableauに読み込ませた後、分析画面の作成用シートに移動します。
画面の右側にデータの項目名(列名、カラム名などとも言いますがここではあえて項目名とします)が一覧で表示されていることが確認できます。
項目名が一覧で表示されている。
ここで読まれている項目は冒頭のExcelで紹介したデータの先頭行がそのまま表示されています。
Tableauはこの項目を一つ一つの材料としてドラッグアンドドロップで組み合わせことで簡単に集計ができます。
例えば顧客毎のカテゴリ別売上を知りたい、という事であれば「顧客ID」「カテゴリ」「売上」と三つの材料を組み合わせることで瞬時に集計ができます。
Excelのようにピボットテーブルや関数を組む必要はなく、項目名をドラッグアンドドロップで画面上に配置することで簡単に分析ができるようになっています。
ただ、今回の場合はまだ何が課題かわかっていない状態なので決め打ちで分析することはできません。
なのでまずは会社にとって最も重要な指標である「売上」から分析を始めていきたいと思います。
売上の項目を画面上に表示させます。
売上の情報を表示させる。
すると会社全体の「売上」が集計された状態で画面が表示されます。
少し半端な状態になっていますが、今回の内容は一旦ここまでとさせていただきます。
あとはこの「売上」と様々な項目を組み合わせて会社の課題を発見していきたいと思いますが、それについてはまた次回にご紹介していきます。
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新卒でソフトウェアベンダーに入社しBIツールを使ったシステム構築やデータ分析の他、顧客向けのトレーニングやセミナー講師を担当。
その後、WEB系事業会社のWEBマーケティングの担当として新規顧客獲得や広告運用の業務を担当した後ヴァリューズに入社。
現在はお客様が持っているデータを活用してマーケティングの支援を行う他、WEBマーケティングデータとBIツール「Tableau」を組み合わせた新たなサービスの開発にも従事。