仮想通貨のユーザー動向を調査。bitFlyerやCoincheckの利用シェアは?

仮想通貨のユーザー動向を調査。bitFlyerやCoincheckの利用シェアは?

加速度的に存在感を増してきた仮想通貨や暗号資産。年々、流通量や時価総額が伸びていく中で、仮想通貨に対する日本国内の興味はどの方向へ向けられているのでしょうか。この記事では、いま仮想通貨やその取引サービスに対して寄せられている人々の関心事を、ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を使って調査します。


「仮想通貨」ワードの検索者数とビットコイン価格に類似点?

まず、「仮想通貨」というキーワードを検索した人について分析します。毎月更新される行動ログデータを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて、過去1年の検索ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「仮想通貨」の検索ユーザー数データ

「仮想通貨」の検索ユーザー数データ(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

上記グラフを見ると、検索ユーザー数は2021年2月~5月の間は月間60万ユーザー前後で推移していました。その後、夏場にかけて検索ユーザーが半数ほどに下降するも、2021年末~2022年年始にかけて再び上昇している、という状況です。

上記、「仮想通貨」の検索ユーザー数の推移は、仮想通貨の時価の変動と似た波形を描いているようです。以下は、仮想通貨の中で最も時価総額の大きい「ビットコイン」のチャートです。

Google.com

過去1年のチャートを先ほどのグラフと比較してみると、ビットコインの価格が高い時期は検索数が多く、価格が低い時期は検索数も下がる傾向にあります。両グラフは形状がとても似ており、価値と検索需要がある程度、相関している様子です。

ただし、検索数の増減と価格の上下は似た動きをするものの、両数値が完全な比例関係にあるわけではないと言えます。例えば、ともに検索ユーザー数の山が頂点に達している2021年5月と11月を比較すると、検索数は5月のほうの方が大きいものの、ビットコインの価格は11月のほうが高かった様子です。

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ウェルスナビや楽ラップ、folioをはじめとしたロボアドバイザーサービスのユーザー動向とは。本記事では投資信託と比較したロボアドバイザーサービスのユーザー規模の変化や、サービスごとのユーザー属性の違いについて調査します。

検索ユーザーの属性・興味関心は?

つづいて、「仮想通貨」と検索するユーザーのインサイトを探ってみましょう。
以下は、Dockpitで抽出した「仮想通貨」を検索するユーザーの各種属性データです。

「仮想通貨」のユーザー属性データ

「仮想通貨」のユーザー属性データ(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

上記、属性データから、仮想通貨に対して興味を持っているのは7割強が男性、かつ20~30代のユーザーだとわかります。居住地域は関東、特に東京都が多いです。

仮想通貨に対して興味関心を抱いている事柄も探っていきます。Dockpitで「仮想通貨」と掛け合わせて検索されている語句を、ワードネットワークで見てみます。

「仮想通貨」のワードネットワーク

「仮想通貨」のワードネットワーク(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

ワードネットワークでは検索ワードごとの相関を見ることができます。中央の「仮想通貨」から直接つながっている2階層目のワード(「チャート」や「取引所」など)が仮想通貨と関連性の強いワードです。さらにその下の階層のワードと、2階層目のワードとを見ることで、当該ジャンルに関するユーザーの興味を調べることができます。

上図から、検索者が仮想通貨に対して持っている主な関心分野が俯瞰できます。通貨の値動きを可視化する「チャート」においては、「リアルタイム」「分析」など、取引を検討するにあたっての情報収集ニーズが見て取れます。「RAY」や「TITAN」は、仮想通貨の銘柄です。

「取引所」や「おすすめ」は、どの仮想通貨をどの取引所で流通するか、という商品とサービスの比較検討に関するワードであると見られます。「ランキング」「比較」「違い」などの語句も登場していることから、多数の銘柄・多数の取引サービスから、自身に適したものを探したいという検索者です。

また、「確定申告」「税金」というワードへの関心が大きい様子もあります。仮想通貨によって得た利益が大きくなると確定申告を行わなければならなくなりますので、その計算や納税の方法を調べたいニーズも高いようです。

検索ユーザーの流入サイトはどこ?

「仮想通貨」と検索する人たちがどういったWebサイトへ流入しているか、というデータも見ていきましょう。Dockpitによって、流入サイトTOP10を調べてみます。

「仮想通貨」の流入サイトデータ(「Dockpit」画面キャプチャ,上位10サイト)

「仮想通貨」の流入サイトデータ(「Dockpit」画面キャプチャ,上位10サイト)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

1位「CoinMarketCap」、2位「coindesk JAPAN」、3位「フィスコ」まで、流入サイトの上位は仮想通貨のチャートや関連ニュースなどを掲載しているサイトです。その他、「CoinPost」なども仮想通貨や投資情報を発信している金融メディアなので、仮想通貨取引における情報キャッチアップの重要性が感じ取れますね。

4位「bitFlyer」、5位「GMOコイン」、9位「Coincheck」は仮想通貨の取引所(取引サービス)です。これらサービスについては、次章で利用状況の差異を探っていきます。

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bitFlyerやGMOコイン、Coincheckの利用シェアは?

「bitFlyer」「GMOコイン」「Coincheck」のユーザー数推移

「bitFlyer」「GMOコイン」「Coincheck」のユーザー数推移(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

どのサイトへのユーザー数推移も概ね、冒頭に掲載した「仮想通貨」検索ユーザー数の動きと近しく、昨年初夏までは好調→夏に下落→年末年始にかけて増加…というグラフになっている様子です。

過去1年、3サービスの中で最もユーザーが多かったのはCoincheckでした。また、bitFlyerとGMOコインは同水準のユーザー数で推移していますが、何らかの要因で2021年末以降はbitFlyerの訪問ユーザーが急増しているのも見て取れます。とはいえ、いま時点ではどこかのサービスが突出して訪問者を集めているという状況ではないようです。

続いて、ユーザー属性のデータを見てみましょう。

「bitFlyer」「GMOコイン」「Coincheck」のユーザー属性

「bitFlyer」「GMOコイン」「Coincheck」のユーザー属性(「Dockpit」画面キャプチャ)
期間:2021年2月〜2022年1月
デバイス: PC・スマートフォン

性別を見ると、女性ユーザーの訪問が最も多いのは「Coincheck」です。年代別ではGMOコインがやや、仮想通貨のメインの層である20~30代の割合が低く、50代以上の訪問ユーザーが多い様子です。

居住地域は3サービスともやはり、関東に集中していますが、各都道府県で見た場合に訪問ユーザーが多いサービスには特色があります。関東・関西はGMOコイン、中部地方ではbitFlyerへのアクセスが多いようです。

まとめ

今回は仮想通貨に関心を寄せる検索ユーザーについて探ってきました。結果としてわかったことをまとめると、以下の通りです。

• 仮想通貨への世の中の興味関心度合い(検索数)と、通貨の価格の動きは似た波形を描く
• 現状で仮想通貨に興味関心を寄せているメインの層は20~30代の関東住みの男性
• チャートや関連ニュースなど取引に必要な情報と税申告に関する事柄を知りたがっている

過去数年で一気に市場が拡大した仮想通貨。性別や年代のデータを見て、まだまだ関心を寄せているユーザーの層は限られている印象を持ちました。また、取引所を比較しても、突出したWeb集客を得ているサービスはまだ無い様子です。限定されている興味関心層だけでなく、どれだけ様々な層へリーチを拡大していけるか、という点が、今後の国内の仮想通貨業界では肝になってくるのではないでしょうか。

本調査が、皆さんのマーケティング業務や市場調査などに役立ちますと光栄です。

Top Photo by Adobe Stock

【調査概要】
・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報にもとづき分析
・行動ログ分析対象期間:2021年2月〜2022年1月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:PC・スマートフォンの両デバイス

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

国内大手の採用メディア制作部を経てフリーライターとして独立。現在はWebマーケティング、就職・転職、エンタメ(ゲーム・アニメ・書籍)等の各種メディアにて記事制作を担当。「マナミナ」では一人でも多くの読者に楽しく読んでもらえるマーケティングコンテンツを提供していきます。

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