【無料ダウンロード】デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編|ホワイトペーパー
https://manamina.valuesccg.com/articles/3770国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)
ヤクルト1000とは?
「ヤクルト1000」と呼ばれている商品には実は2種類あります。「Yakult1000」と「Y1000」です。
いずれもヤクルトが販売している飲料ですが、従来のヤクルトと比べ、ヤクルト独自の乳酸菌の「シロタ株」が1本に1,000億個(厳密には「Yakult1000」は1,000億個、「Y1000」は1,100億個)入っているというもの。これは歴代のヤクルト製品の中でも圧倒的に多く、それに伴いストレス緩和や睡眠の質を向上できる機能があると言われています。「シロタ株」は身体の環境変化やストレスによって発生する情報をつかさどる神経系に作用することから、効果が得られるとされています。
「Yakult1000」はヤクルトレディが届けてくれる商品で2021年4月に全国発売を開始、「Y1000」はスーパーやコンビニで一般販売されている商品で2021年10月に全国発売を開始しました。
研究結果などにより、ヤクルトのホームページでもはっきりと「ストレス緩和」「睡眠の質向上」と謳っているのが特徴で、その商品特性は確かに素晴らしいもののようですが、なぜここまでの大ブームにつながったのでしょうか?
2022年2月から検索数が急上昇!
Dockpitの検索キーワード分析を見てみると、まず顕著なのが検索ユーザー数推移の爆上がり具合。(※Dockpit(ドックピット)とは、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツールです)
「ヤクルト1000」検索ユーザー数推移
(集計期間:2021年5月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
それまでは月間数万人程度だったところが、2月以降ものすごい勢いで右肩上がりに。3月には12万人、4月には35万人と伸長しています。
「ヤクルト1000」季節比較
(集計期間:2021年5月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
季節比較で掛け合わせワードを見てみても、それまではおそらくヤクルトを好きで飲んでいる人が価格や効果について調べている程度だったと予想される状況が、2月以降は「どこで買える」「通販/Amazon/楽天」「あらゆる効果/眠くなる」など買える場所を知りたがっていること、そしてその効果について興味を持っている爆増したことがわかります。
「ヤクルト1000」季節比較2022年2月~4月
(集計期間:2021年11月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
中でも目立つのが「マツコ」というワード。2022年4月4日放送の「しゃべくり007(日本テレビ)」にゲスト出演したマツコ・デラックスさんが「最近さぁ、ヤクルト1000……あれ飲んでからすごく眠りが良くなった」「(1日)1本でいいって言われてるんだけど念のため2本飲んでる」と発言したことが話題になりました。その放送直後から、スーパーやコンビニでは欠品が相次ぎ、改めてマツコ・デラックスさんの影響力が話題になったのです。
さらに、過去にはマツコ・デラックスさん以外の芸能人もその効果をテレビやSNSで発信しています。華丸大吉の大吉さんはテレビで「寝れなかったが、人に勧められて飲んだらぐっすり寝れるようになった」と発言。
サカナクション山口一郎さんも「松任谷由実さんに勧められて飲んでいる」と発言。
ほかにも、ぼる塾の田辺さんや
高嶋ちさ子さん
など多くの芸能人が宣伝でもないのにこぞって紹介したことから、興味を持った人が多かったことがうかがえます。そして実際に飲んだ結果、効果を実感した人がどんどんネットで自分の体感した効果を投稿し、ブームとなったのではないでしょうか。
「ヤクルト1000」属性別マップ
(集計期間:2021年5月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
属性別マップを見てみると、興味を持っているのは女性が多く、その検索ワードは「お試し」や「お得な買い方・キャンペーン」、「買える場所」「効果」「飲む時間」など多岐に渡ります。男性は類似商品である「R-1」「カルピス」との比較や花粉症への効果が気になっている方がいるようですね。
「悪夢を見る」という噂もバズりの理由のひとつ?
季節比較の掛け合わせワードで「マツコ」というワードに続いて気になるのが「悪夢」というもの。買える場所や効果について調べる人が多いのは理解できますが、健康飲料で「悪夢」というワードが多く検索されるのはなぜなのでしょうか?
「ヤクルト1000」季節比較2022年2月~4月
(集計期間:2021年11月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
調べてみると、なんと口コミの中に「確かに睡眠の質は上がるが悪夢も見る」「悪夢を見て夜中に飛び起きることもあるがそれでも目覚めはすっきりしている」と言ったコメントが多いことから「どういうこと?!」と多くの人が気になり、話題になっている様子。
「すごく効果を感じる良い商品だった」というだけでなく、「人によっては悪夢を見ることもあるらしい」というギャンブル的な(?)ところも話題にしたくなる要素なのかもしれません。良いことでなくても「私の場合どうなるんだろう……試してみたい!」と思わせるネタがあること、そして「私はこうなったよ!」と報告したくなる要素はネット時代にバズるためには欠かせないポイントなのですね。
ちなみに、流入ページの上位にはAmazonでの販売ページがあり、多くの人が流入していることがわかります。
「ヤクルト1000」流入ページ
(集計期間:2021年5月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
しかし、Amazonの販売ページを見てみると、その価格は7本で3,300円(5月16日現在)……。「Yakult1000」はメーカー希望小売価格130円(税別)、「Y1000」はメーカー希望小売価格150円(税別)ですから、あまりにも高騰しています。入手困難とはいえ、ヤクルトの販売所での購入や、定期購入の申し込みで購入できるようです。不当な金額で購入してしまわないように注意しましょう。
まとめ
今回の「ヤクルト1000」の分析から、ブームを巻き起こすためには「火付け役として発信する存在」に加え、「自分も購入してその感想を発信したい」と思える要素があることが重要なのではと感じました。
商品の魅力はもちろん必須ですし、芸能人が宣伝してくれたら話題になるのは当たり前です。しかし、それに加え「自分も試したらこうなった」を伝えたくなる要素……今回の場合は「悪夢」もキーワードだったのではないかと思うのです。もちろん、「悪夢」のように一見マイナスに捉えられてしまうワードが良いとは限らず、ヤクルト側も意図したものではないでしょう。しかし、要素として地球グミの「ASMR」のように、「自分もやってみたい」と思わせる何かがあることはバズりのきっかけを作ってくれるかもしれません。
今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
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ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。今回、国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。
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恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。