SEO分析で抑えるべき2つの施策
SEOの分析では検索キーワードの属性をまとめたり、CVに繋がる検索キーワードを分類する必要があります。SEO担当者として抑えるべき最低限の施策なので確認の意味も込めておさらいしておきましょう。
この記事を書いている成瀬はSEO分析を3年ほどしています。実際にWebサイトに対してSEO対策を実施して上位表示させたり、SEOを含めたブログ運営もしているため、SEO分析に対して分かりやすく解説することも可能です。まずはSEO分析で最低限やっておくべき施策と考え方だけ解説します。
■検索者の属性をまとめよう
SEO分析ではターゲット読者と検索キーワードの属性とのマッチ度合いが重要です。自社のジャンルに関するキーワード検索をしてもそのキーワードを検索する人が「自社と親和性が高い」とは限りません。
例えばWeb行動ログ分析ツールDockpit(ドックピット)では特定のキーワードから属性別にマップを表示できますが、性別を見て検索キーワードが異なるのは明らかです。
Dockpitのキーワード分析による属性別マップ(「転職」検索の例)
■CVに繋がる検索キーワードか明確にしよう
SEO分析をする前提として検索上位にあればCVに繋がるかといえばそうとは限りません。SEO対策をしているのにCVが頭打ちになるWebサイトは、競合の流入キーワードやCVキーワードを明確にする必要があります。
流入キーワードは多いけれどCVキーワードが少ない場合は、タイトルとコンテンツの内容にギャップがある可能性があります。CVキーワードに対してタイトルを変更していくのも施策としてありでしょう。
SEO分析に最低でも必要な3つの対策
SEO分析をするなら競合サイトと自社の比較、詳細なキーワード選定、定期的なサイトの見直しの3つの対策が必要です。ここで解説するのは最低限で必要なSEO対策と考えておいてください。
■競合サイトと比較して不足コンテンツを見つけよう
SEO分析では競合サイトと比較して自社サイトに足りない情報を明確にして、競合サイトに掲載されていない新たなコンテンツを展開します。まずはSEOで上位表示を狙っているキーワードに対して上位に位置する競合サイトの確認です。その後に自社サイトと競合サイトで比較して分析をしましょう。
比較する内容としてはどんなコンテンツをWebサイトに掲載しているのか、どんなキーワードで上位表示しているのか、ドメインパワーはどの程度か、などになります。
■キーワード選定で自社の内容に合わせよう
続いて明らかになった情報からSEOで上位表示を狙うキーワード選定をします。キーワード選定はユーザーの満足度を上げたり疑問の解決につながるため、自社が運営するWebサイトに合ったものを選定すべきです。
■定期的な見直しで低評価を回避しよう
最後は定期的に効果測定をして改善を繰り返していきます。選定したキーワードに基づいてコンテンツを作成したら、SEO評価を得られているのか定期的に見直すのが重要です。定期的に見直せば実施している施策の効果が出ているか分かります。
定期的に見直す期間はサイト全体のリニューアルや新規ページ追加の場合は3~6ヶ月、既存ページのリライトや修正をした場合は2ヶ月程度がおすすめです。
ただし2ヶ月で結果が出なかったとしても6ヶ月後に成果が上がることもあるので、あくまで目安として考えておいてください。
SEO分析とはWebサイトに対する読者層の明確化
SEO分析とは自社で運営しているWebサイトに集客数がどのくらいあるか、どの検索キーワードからの流入が多いのかなどを明らかにして、分析結果から新しい施策を実行していくことです。
SEO分析をすれば現在の施策によって成果が出ているかを確認できるため、今後の方針を決めるときの判断材料になります。
SEOで評価を上げるには正しい方法でSEO対策をしていかなければなりません。したがって定期的にSEO分析をして振り返ることで今の対策が有効か無効か判断しなければいけません。
■SEO分析が必要な理由
SEO分析はSEO評価の向上、競合の傾向を知る、結果からの検証という3つの理由から必要とされています。それぞれの理由を具体的に解説していきましょう。
SEO評価の向上
1つ目の理由はSEO評価を向上させるためです。SEO分析では最終的な目標を「検索結果で上位表示させること」にします。しかしSEOで上位表示されるためにはSEO分析で適切なキーワードを選択してユーザーの悩みを解決できるコンテンツ作成を定期的におこなうべきです。
上位表示されることで多くのユーザーが目にしてWebサイトへの流入数が増加し、て商品やサービスの成約に結びつきやすくなるでしょう。
競合の傾向を知る
2つ目の理由はSEOで評価を得ている競合サイトの傾向を把握するためです。SEO分析では特定のキーワードで上位表示されているWebサイトの情報を得られるため、どんなWebサイトがSEOで評価を得ているか分かります。
そして上位表示されているWebサイトに共通する要素を明らかにすれば、運営するWebサイトの足りない部分の改善が可能です。
仮に評価を得ている競合サイトの傾向を知らずにSEO対策を進めたら時間をかけて作ったコンテンツでも、適切な評価を得られずに無駄なコストが発生してしまう恐れがあります。
効果の検証
3つ目の理由はSEO分析で現在おこなっている施策の効果を検証するためです。SEO対策は実施したらすぐ効果を得られるわけではありません。大半は対策と改善を繰り返すことで少しずつ成果が出てきます。なので定期的に効果を測定して施策に対する効果を検証していくべきです。
ちなみに測定時の指標は狙ったキーワードの順位やWebサイトへの流入数が挙げられます。
SEO分析で必要なツール10選+α
SEO分析ツールを内部対策、外部対策、キーワード選定、検索順位チェックの用途ごとに紹介をしていきます。SEO分析ツールは多数ありますが、用途ごとに分けて利用するのがおすすめです。
それぞれのツールで得意分野が異なるため自社コンテンツに必要な改善点に応じて必要なツールだけ使っていくのも良いでしょう、
■内部対策①パスカル
パスカルを使えば競合分析、コンテンツ分析、キーワード分析、ランキング取得が実現できます。特に競合分析では30~50位までの競合サイトを統計的に分析が可能です。分析する内容はページの文字数、関連キーワードの使用数、メタディスクリプションの文字数など、コンテンツSEOで重要な全50項目を分析してくれます。
コンテンツ分析では上位表示されているコンテンツに共通して使われている言葉、コンテンツ作成に欠かせない共起語の洗い出し、独自性の高さ、検索したユーザーが求めるトピックを明らかにしてくれます。コンテンツ分析の結果を使うことで自社や競合サイトとの比較ができるため自社に足りない部分の新たなコンテンツ作成や修正もできます。
キーワード分析では自社Webサイトに流入してくるキーワードを元に、より集客に対して効果の高いキーワードを自動で判別してくれます。またGoogleサーチコンソールとも連携ができるため対象のWebサイトをそのまま利用することが可能です。
ランキング取得では登録された1,000以上のキーワードに対してPCとモバイルでの検索順位を取得できます。他にも順位取得するエリアを指定したり順位変動があったタイミングで通知を送ることが可能です。
■内部対策②Deep Crawl
Deep Crawlでは自動的にWebサイトのトラフィック改善、Webページ内にある無効なリンクや内部リダイレクトの検出、Webサイトのページ深度の改善といったサイト構造の最適化を実現ができるツールです。多数の企業で導入されており「Lenovo」「Nestle」「IKEA」など有名なメーカーも利用しています。
チーム内でのタスク管理としても利用できるため、ツール上で検出された問題点の進捗管理も可能です。
プランとしてはベーシックプランとエンタープライズプランがありますが、エンタープライズについては応相談となっているのですぐに利用したいならベーシックプランがおすすめです。
■内部対策用③アナトミー
アナトミーはSEO分析とアクセス解析を同時に行ってくれるツールです。
SEO分析ではWebサイトへの流入キーワード検出、検索流入数の予測、検索順位を定期的に集計、競合分析、関連キーワード分析、検索ボリューム分析、タイトルとディスクリプションや見出しの分析、検索インデックスの比較、内部リンク分析、メタ情報の解析などの機能があります。
アクセス解析では最大300ページのデータを1画面に全て表示できて、PV、セッション、直帰率の検出、コンバージョン分析が可能です。
プランにはSEOコンサルを依頼できる契約もあるため、SEOの効果を確実にあげたいのであれば検討するのも良いでしょう。
■内部対策用④Light House
Light Houseはページの読み込み速度やページ内のユーザビリティが評価して、パフォーマンス改善に向けたアドバイスをしてくれるツールです。診断時のポイントはPerformance、ProgressiveWebApp、Accessibility、Best Practices、SEOの5つがあります。
Performanceは評価後にパフォーマンス改善に向けたアドバイスもしてくれる機能です。ここはスコアの低いコンテンツから対応するのがおすすめです。
ProgressiveWebAppは対象のWebサイトがPWAとして機能するか判定します。PWAとはiPhoneなどのモバイル端末でWebサイトをモバイルアプリのように利用できる仕組みです。PWA化すればWebサイトの更新時にモバイル端末へ通知させることができます。
Accessibilityでは検索エンジンを巡回するクローラーに向けて最適な作りになっているのかを診断してくれます。Best Practicesでは診断でなはくWebサイトのパフォーマンス向上に向けたアドバイスを提示する機能です。
SEOはWebサイト上にある要素でSEOの評価に影響を与える項目を検出してくれます。影響が出ているものはすぐに対処しないと過去に上位表示したコンテンツが下落してしまうので注意が必要です。
Chromeの拡張機能として提供されているものですが無料で利用できるツールなので、とりあえず使ってみるのがおすすめです。
■外部対策①ahrefs(エイチレフス)
ahrefsは被リンクのチェック、競合サイトの調査、キーワード調査ができるインストール不要なツールです。
被リンクのチェックでは世界最大級の被リンクデータ量を誇るデータベースを活用し被リンク数の把握ができます。競合サイトの調査は自社サイトに加えて様々な競合サイトの被リンク調査と上位表示コンテンツの確認が可能です。
キーワード調査では対象キーワードのボリュームやSEO対策の難易度を調査できます。1ワードの競合性も調査できるので検索キーワードからWebサイトへの流入につながるコンテンツを作成できるでしょう。
■外部対策②Majestic SEO
Majestic SEOは簡単に自社や競合他社の被リンク状況を確認できるツールです。利用方法は対象WebサイトのURLやドメインを記載するだけで、すぐに解析が開始されます。
解析する時は対象Webサイトが獲得している被リンク数や被リンク元のドメイン情報が分かり、Majestic SEOが独自で持つ指標が検出されます。この指標は2つあり「Trust Flow(トラストフロー)」と「Citation Flow(サイテーションフロー)」です。
Trust Flowは「リンクの品質」を表すもので、高いほど高品質のリンクであると判断します。Citation Flowは「リンクの量」を反映するスコアなのでリンクの品質まで判断していません。リンクの品質が分かると正しく被リンク獲得ができているか確認ができます。
プランはLITE、PRO、APIの3つがありますが本格的に使うのであれば「PRO」がおすすめです。
■キーワード選定①キーワードプランナー
キーワードプランナーはGoogleが提供しているキーワードの検索ボリューム、関連キーワードやロングテールキーワードの発見ができるツールです。利用する場合はGoogleアカウントと別にGoogle広告用のアカウントを作る必要があります。
リスティング広告などWeb広告の掲載を目的として利用される機会が多いですが、掲載に向けた入札単価やWebサイトの対策キーワードを調査ができるので、コンテンツSEOにも向いています。
【保存版】Google広告とGoogleアナリティクスの連携方法を画像付きで初心者向けに解説!
https://manamina.valuesccg.com/articles/1639Google広告とGoogleアナリティクスの連携方法が複雑で分からないと悩んでいませんか。Google広告とGoogleアナリティクスは年々と構造が変化して設定方法も変化しています。ここでは、Google広告とGoogleアナリティクスの連携方法とその後の指標に対する見方や考え方まで初心者向けに分かりやすく解説していきます。
■キーワード選定②Ubersuggest
Ubersuggestは無料で利用できるキーワード調査用のツールでキーワード選定や競合分析に活用できます。ほかにも検索ボリューム数、キーワードに対するSEOの難易度を数値化、クリック単価(CPC)、被リンクされた数値、サジェストキーワードの調査も可能です。
有料版もありますが無料アカウントを作成すると使える機能が増えるので、本格的にSEO対策をしたいのであれば迷わず登録しましょう。
■検索順位チェック①Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、無料で利用できる検索結果の確認とWebサイトの問題点を検出する分析ツールです。検索結果の確認では対象Webサイトの掲載順位、クリック数、CTR、リンク状況などを見れます。
Webサイトの問題点は表示速度が遅いWebページの把握やパンくずリストの実装エラーなどがありますがそれも判別が可能です。Googleが提供している検索順位チェックツールということもありますので信憑性は高いといえるでしょう。
■検索順位チェック②GRC
GRCはボタン一つで競合サイトと自分のWEBサイト情報の検索順位をチェックできる分析ツールです。2006年にVectorのベストオンラインソフトに選ばれた実績があります。
GRCは有料のツールですがベーシック、スタンダート、エキスパート、プロ、アルティメットなど料金プランによって使用できるURL数や機能に差が出てくるため自社の目的に応じて使い分けましょう。
■全て実現できる分析ツールはDockpit(ドックピット)
Dockpit
Dockpitでは自社だけでなく他社サイトのユーザー数とPV数、訪問者の属性を分類、流入元やその検索キーワード、よく見られているコンテンツをすぐ調査できます。
ちなみに国内の主要サイトの情報が分析できるのは、開発元のヴァリューズが独自保有する国内250万人規模の消費者パネルを使用しているからです。これにより花王やマガシークといった大企業に広告代理店など多くの導入事例もあります。
特定キーワードの調査と分析をしたい場合はDockpitの「キーワード分析」機能を使用するのがおすすめです。調べたいキーワードを指定すると関連するキーワードのユーザー数とセッション数、流入先サイト、流入ページが表示されるので、関連キーワードを探すならキーワードプランナーより便利かもしれません。
これ1つでユーザーニーズの分析からトレンドの把握まで!『Dockpit(ドックピット)』のキーワード分析機能まとめ
https://manamina.valuesccg.com/articles/1055ヴァリューズが開発し10月に正式リリースしたダッシュボード型マーケティングツール『Dockpit(ドックピット)』にはキーワード分析、競合分析、業界分析、トレンド分析の4つの機能が備わっています。今回はその中から「キーワード分析」に着目し、分析の流れから活用方法まで詳しくご紹介します。
SEO分析では定期的な見直しと不足コンテンツを見つけよう
SEO分析では定期的な見直しで不足コンテンツを見つけて新たなコンテンツを作成していくことが必要です。新しいコンテンツを増やすのも良いですが、SEOの観点から不足していたり低評価を受けているコンテンツを放置するのは避けましょう。
SEO担当が将来的にすべきことは検索エンジンのアップデートに対する低評価コンテンツの改善です。アップデートされた時期にどんなコンテンツが低評価を受けて、どんな内容が不足しているのか明確化して、改善の施策を効率的に実施していきましょう。
紹介してきた分析ツールDockpitでは流入キーワードの分析はもちろん、関連キーワードを探してマップ上に可視化することもできます。無料で利用できる機能もあるのでSEOの分析ツールに迷ったら1度使ってみるのがおすすめです。
フリーランスのライターです。SEOで1位を出してます。
ビジネス系の中ではtoB向けの執筆が得意です。
SEOコンサル・Webサイト運営・Webディレクション・Web広告運用の実績もあります。