【急上昇サイト】Yahoo!のウクライナ支援やフードロスなど社会問題関連サイトの訪問者数が急上昇|2022年6月

【急上昇サイト】Yahoo!のウクライナ支援やフードロスなど社会問題関連サイトの訪問者数が急上昇|2022年6月

2022年6月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2022年6月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2022年6月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2022年6月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。

6月はYahoo!のネット募金サイトが上位にランクイン!

それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。

2位:ウクライナの避難民支援に向けて| Yahoo! JAPAN / LINE

2位にランクインしたのは、Yahoo!JAPAN/LINEのネット募金「ウクライナの避難民支援に向けて」でした。6/14~6/19日までの間に、ヤフーで「ウクライナ支援」と検索された方1人につき10円を、ウクライナ避難民の支援活動を行う団体に寄付する取り組みです。期間中には計143万6,340人の方が参加し、ヤフーから1,436万3,400円の寄付が実現したそうです。

サイトに訪れた方は、どこでこの企画を知り、寄付に参加したのか、調べてみましょう。

「ウクライナの避難民支援に向けて」集客構造 (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「ウクライナの避難民支援に向けて」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

集客構造を見てみると、外部サイトからの流入が71%と一番多く、次いでメール・自然検索・ソーシャルからサイトへ流入していることが分かりました。

続いてどの外部サイトから訪れているのか、さらに調べてみます。

「ウクライナの避難民支援に向けて」外部サイト (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「ウクライナの避難民支援に向けて」外部サイト (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

調査結果を見てみると、1位から10位までYahoo!関連のページからの流入が中心となっていました。日常的にYahoo!を利用するユーザーが、募金に賛同したことが分かります。

今年3月も、Yahoo!/LINEのこれからできる東北支援として「3.11応援企画」サイトがランクインしていました。
▼関連記事:3.11応援企画が急上昇サイト上位に

【関連記事】楽天NFTのサイトユーザー数が急上昇!ダイハツや日清の特設サイトも|2022年3月急上昇サイト |

https://manamina.valuesccg.com/articles/1772#outline25

2022年3月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。

被災者を支援したい気持ちはあるものの行動に移せていない人にとって、検索行動が寄付につながる仕組みは心理的ハードルを下げることにつながり、気軽に取り組むことができます。同時にYahoo!のCSRにもつながる活動となっており、他社でも参考になる取り組みではないでしょうか。

10位:トクポチ

10位には、会員制通販サイト「トクポチ」がランクイン。「トクポチ」は、フードロスを削減するため、賞味期限間近などのワケあり商品を、定価の60%OFF以下で販売している、有料の会員サービスです。

2021年5月から2021年7月末まで、クラウドファンディングサイト「Makuake」で会員募集をスタート。その結果多くの方が応援登録し、2021年8月のサービス開始前までに各種メディアにも取り上げられて話題になりました。

近年はフードロスが社会問題として注目されているなか、産直ネット通販の「食べチョク」が業績を伸ばしたり、社会貢献型のショッピングサイト「KURADASHI」が話題になるなど、いくつかのサービスが存在感を示しています。

こうしたなかで「トクポチ」は、商品を定価より安く購入でき、最大無料で手に入るという金銭的メリットを差別化要因として置いているようです。今後どのようなポジションのフードロス系サービスが主流となっていくのか、要注目です。

【関連記事】フードロスを削減する「KURADASHI」の検索数が急増!「お得感」が人気の背景か

https://manamina.valuesccg.com/articles/1334

今年2月に大きく検索数が伸びた社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」。近年フードロス問題が深刻視され、国や地方自治体、民間企業によるフードロス削減の取り組みが広がる中、「KURADASHI」はいち早くフードロス問題に着目し、輩出されたサービスの一つです。2015年にリリースされた「KURADASHI」が、なぜ今年2月に急成長したのか?KURADASHI人気の要因や、フードロス問題の関心層を分析ツール「<a href="https://www.valuesccg.com/dockpit/" target="_blank">Dockpit</a>」を使って調査します。

SNSで話題「悟空のきもち」の姉妹サイトも上位に

14位:クリムゾンテクノロジー株式会社

14位にランクインしたのは、AI音響エンジニアリングサービスを提供する企業「クリムゾンテクノロジー株式会社」でした。クリムゾンテクノロジー株式会社は、独自の音楽コンテンツの制作や、音楽配信ストアへの一括配信業務の他、AIによる自動作曲技術や、音声をリアルタイム変換できるサービスを提供しています。

それでは、6月にランクインした要因を、Dockpitで調べてみます。はじめに、ユーザーはどんなきっかけでサイトへ流入したのか、集客構造を見てみましょう。

「クリムゾンテクノロジー株式会社」集客構造 (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「クリムゾンテクノロジー株式会社」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

自然検索が33%と一番多く、次いでノーリファラーと外部サイトからの流入が多いことが分かりました。
自然検索をした方は、どのような検索キーワードでサイトを訪れているのか、さらに調べてみます。

「クリムゾンテクノロジー株式会社」自然検索キーワード (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「クリムゾンテクノロジー株式会社」自然検索キーワード (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

Voidol」というサービス名を指名検索し、サイトへ訪れている方が多いことが分かりました。
次に、サイト内でよく閲覧されているコンテンツを探ってみます。

「クリムゾンテクノロジー株式会社」コンテンツ(Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「クリムゾンテクノロジー株式会社」コンテンツ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン)

調査結果を見てみると、1位はVoidolの商品ページ、2位はVoidolキャンペーンページで、指名検索でもっとも多かった「Voidol」に関する情報を求めてサイトを訪れていることが分かりました。

Voidolは同社が提供するサービス。自分の声をリアルタイムにキャラクターなど特定の音声へ変換し、ゲーム実況など配信コンテンツで利用できるというものです。このサービスは2022年6月15日から3カ月間、なんと無償で配布されています。

V-Tuberが利用するようなメジャーなソフトを期間中無料で楽しめるという点がユーザーの人気を集めているよう。SNSでも同サービスの感想が多く投稿・拡散されたことが、サイト急上昇につながったと考えられます。

18位:Wealth Wing

18位は、資産運用アプリ「Wealth Wing」でした。「Wealth Wing」は、Web版とiOS・Andoriodアプリ版があり、入金するだけで運用が始まる”おまかせ投資サービス”。ビックデータ解析でリターン率の高い銘柄を選定し、個別株のアクティブ運用ができる点が特徴的です。

2022年6月になぜサイトが急上昇したのか、まずDockpitの集客構造を見て要因を探ってみましょう。

「Wealth Wing」集客構造 (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

「Wealth Wing」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

集客構造の調査結果を見てみると、ノーリファラーの次に外部サイトからの流入が多いことが分かりました。
では、どんな外部サイトから流入しているのでしょうか。

「Wealth Wing」外部サイト (Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

「Wealth Wing」外部サイト (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

流入元の1位~4位と9位が楽天サイトになっており、その他は金融や投資に関するサイトが流入元として多く見受けられました。

サイトへ訪れた方は、どんな情報を見ているのでしょうか。ランディングページを調べてみます。

「Wealth Wing」ランディングページ(Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

「Wealth Wing」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

一番多く流入しているランディングページは、6月中に開催していた楽天ポイントキャンペーンのLPでした。

期間中にWealth Wingに口座開設し、15万円以上の入金した方の全てを対象にしているため、楽天サイトや他社ファイナンスサイトを利用している多くの方が同キャンペーンに興味を示したのではないでしょうか。

26位:悟空のきもち THE LABO

26位にランクインしたのは、予約の取れないヘッドスパで有名な「悟空のきもち」の姉妹サイト「悟空のきもちTHE LABO」でした。

「悟空のきもち」は施術スタッフとして女性を雇用し、頭の揉みほぐしに精通した技術と極上の手技で、ほとんどの人が10分程度で眠ってしまうことが話題になり、様々なメディアに取り上げられました。この「悟空のきもち」が実験ブランドとして立ち上げたのが、「悟空のきもち THE LABO」です。同サービスでは子どもの豊かな発想力に着眼し、実際に12歳〜21歳の子どもたちがプロジェクトに参加してサービス・商品の企画を行うという、ユニークな取り組みを行っています。

早速6月に急上昇した要因をDockpitで調べてみます。

「悟空の気持ちTHE LABO」集客構造(Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

「悟空の気持ちTHE LABO」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

集客構造を見てみると、自然検索が約40%と一番多く、次いでソーシャルや外部サイトからの流入も見受けられました。どのような目的でサイトに訪れているのか、ランディングページを見てみましょう。

「悟空の気持ちTHE LABO」ランディングページ(Dockpit競合分析より) (集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

「悟空の気持ちTHE LABO」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年4月~2022年6月 、デバイス:PC&スマートフォン

もっとも流入の多いランディングページは「さんぽセル/ランドセル用スティックキャリー」の商品ページ、2番目に多く訪れているランディングページ「さんぽセルクラウドファンディング」でした。

さんぽセルは、ランドセルが重いという長年の問題に対し、小学生がアイディアを出して生まれた商品。タイヤのついたスティックをランドセルに装着することで、キャリーケースのように持ち運べるので、持ち運びの不可を軽減できます。

2022年4月さんぽセル発売当初、大人たちから「ラクしている」「子供の筋肉が鍛えられない」など、1,000件を超える批判コメントがありました。そこで開発者の子供たちは「さんぽセルクラウドファンディング」を実施。学校や教育施設からの配布を希望する文科省・小中学校を募集し、クラウドファンディングで集まった寄付金をもとに、さんぽセルを提供することで、さんぽセルの普及を目指しました。

このクラウドファンディングは様々なニュースメディアに取り上げられ、SNSでの拡散もあって多くの方がさんぽセルページへ流入したことがわかりました。開発者の本来の目的は、小中学生の通学の荷物の負担を軽減すること。持ち運びする教材の軽量化が進み、さんぽセルのいらない社会も、同様に求めています。

まとめ

以上、2022年6月の急上昇サイトランキングを調査しました。 6月は「ウクライナ避難民支援」「フードロスの削減」「ランドセル症候群対策」と、社会問題に対する取り組みやサービスを発信するサイトが上位にランクインしている点が特徴的でした。企業だけではなく一人ひとりの日常に、持続可能性の意識が少しずつ浸透し始めているのかもしれません。

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