プログラミング教育サービス動向調査

プログラミング教育サービス動向調査

SEOに強いコンテンツを活用し、自然検索からの流入を確保


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、プログラミング教育サービスの利用者動向について分析、調査しました。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2018年1月~12月の期間にプログラミング教育サービスを利用したネットユーザーの行動を分析しました。
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

考察サマリ

最多の利用者が訪れたのは「TECH ACADEMY」、最長の平均滞在時間は「Progate」

インターネットはもはや日常生活に欠かせないほど浸透し、ITはあらゆるサービスに活用されています。一方で、このような社会情勢の変化に追いつかずITエンジニアが不足。こうしてエンジニアが人気職種となり、エンジニアを目指す人々を支援するためのプログラミング教育サービスが興隆しています。その形態は対面でのスクール形式やオンライン教育、CtoCサービスと様々です。2020年度には小学校での必修化も決定したプログラミング教育について、「eMark+」を用いて調査しました。

今回はそれぞれ特徴が異なる、次の5つのプログラミング教育サービスを分析しました。

1.TECH ACADEMY・・・オンラインのみの有料スクール
2.侍エンジニア塾・・・マンツーマン対面型の有料スクール
3.Progate・・・オンラインのみの無料スクール
4.Udemy・・・CtoC型の有料オンラインスクール
5.プロエンジニア・・・エージェント型の無料オンラインスクール

まず、上記5つのサービスで2018年のユーザー数推移を見てみました【図1】。最も多くのユーザーを集めていたのは「TECH ACADEMY」で、最多の月は約110万人が訪れています。次が「侍エンジニア塾」で、月間UUは約60~70万人。「Progate」、「Udemy」、「プロエンジニア」は2018年を通じて月間約10~20万UUで推移していました。

一方、これら5つのサービスの平均滞在時間は「Progate」が圧倒的に長く、15~20分ほどを推移しています【図2】。ゲーム感覚で学習を進めていけることから、集中して長く滞在するユーザーが多いと考えられるでしょう。また、「Progate」の陰に隠れてはいますが「Udemy」の平均滞在時間も特徴的です。約4~5分を推移しており、この数字は通常のwebサービスよりも長いと言えます。

「Progate」では20代が6割弱を占めるが、シニア層もプログラミング教育に興味

次に、主要5つのプログラミング教育サービスの利用者属性について、「eMark+」のSite Analyzerを用いて比較します。まずは利用者の性別割合を見てみました【図3】。

最も男性割合が多かったのは「侍エンジニア塾」で、7割以上が男性を占めました。一方、最も女性割合が多かったのは「TECH ACADEMY」です。しかし「TECH ACADEMY」でも女性割合は4割に満たず、プログラミング教育サービスに興味があるのは男性が多いことが分かります。

次に年代別の割合を調べてみました【図4】。まず特徴的なのは、「Progate」で20代割合が約57%と半数以上に達している点です。お金をかけずにプログラミングを学び、仕事などに活かしたいと考えている若者像が浮かび上がります。また、プログラミングを学ぶ意欲があるのは30代以下が多いことがうかがえますが、50代以上の利用者も一定数存在することが分かります。「Udemy」や「TECH ACADEMY」では60代以上も約1割と、年齢を重ねても新しい分野に挑戦しようとしているシニア層が見受けられました。

「TECH ACADEMY」と「侍エンジニア塾」では自然検索からの流入が最も多い

では、これらのプログラミング教育サービスはどのように訪問者を獲得しているのでしょうか。そこで2018年に訪問者数が多かった「TECH ACADEMY」と「侍エンジニア塾」の2サービスに絞って、サイトの流入状況を調査してみます。

まず、この2つのサービスサイトへの流入元セッション数を見てみました【図5】。2サービスとも、最も多かったのは自然検索による流入です。この自然検索では「侍エンジニア塾」の方が「TECH ACADEMY」よりも多いという結果が見て取れます。一方、一般広告からのセッション数については、「TECH ACADEMY」は「侍エンジニア塾」の約10倍の数字となっていました。そこで「TECH ACADEMY」が行っている一般広告の内訳を見てみると、そのほとんどがcriteoリターゲティング広告であることが分かりました。

次に、セッションのうちの大部分を占めていた自然検索について詳細を調べるために、この2サイトに流入した際の自然検索ワードランキングを見てみます【図6】。すると、「PYTHON」や「コマンドプロンプト」、「API」などといった、ボリュームの大きいビッグワードでも流入を獲得していることが分かりました。このことから、2サイトともにSEOに強いコンテンツを有していることが想像されます。

この仮説を検証するため、上記2サイトにおける自然検索からのLPランキングを調査しました。まず、「TECH ACADEMY」のLPランキングを見てみると、1位は意外にもプログラミング関連ではなく「Photoshopで画像を切り抜く方法」というタイトルのコンテンツとなっています【図7】。そのほか、4位の「コマンドプロンプトの使い方」以外はすべてWordpress関連やExcel関連のコンテンツで、プログラミングに関するコンテンツはランクインしていませんでした。

一方、「侍エンジニア塾」のLPランキングでは、「Pythonとは何か」や「はじめてのPython」といったコンテンツが上位となっています【図8】。そのほか3位~5位もプログラミング関連コンテンツが並び、自然検索の流入から一定数のコンバージョンを獲得している可能性が示唆されました。

まとめ

今回の調査から、「TECH ACADEMY」と「侍エンジニア塾」の2サイトが多くのトラフィックを獲得している理由は、ともにオウンドメディアのコンテンツによる集客が成功しているからだと考えられます。また、これら2つの有料スクール以外でも、無料オンラインカリキュラムを提供する「Progate」で平均滞在時間が長く、若年層を中心に多くのユーザーに受け入れられている状況が分かりました。

この記事のライター

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