2023年2月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2023年2月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2023年2月の急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、注目のサイトをいくつかご紹介します。
近年大注目の少額不動産投資サービス。効果的なメルマガ施策で集客増
■11位: i-Bond/お金第3の置き場|株式会社マリオン
11位にランクインしたのは、不動産サービスを提供する株式会社マリオンが運営する「i-Bond/お金第3の置き場|株式会社マリオン」でした。「i-Bond」は、大勢の投資家が出資し、不動産商品1室又は1棟を購入する不動産クラウドファンディング型の投資を取り扱っています。このクラウドファンディング型の不動産投資は、利回りの高い商品を1口1万円からWeb上で簡単に購入できることから、近年注目を集めているようです。
それでは、今月「i-Bond」のサイト流入が急増した要因をDockpitの競合分析で調べてみましょう。
初めに、何をきっかけにサイトへ訪れたのか、集客構造を見てみます。
「i-Bond」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
メールからの流入が過半数を占めており、そのほかノーリファラ―以外だと自然検索から6%、ソーシャルから1.6%の流入があることが分かりました。
サイトに訪れたユーザーはどんな情報を求めているのでしょうか。ランディングページを見てみましょう。
「i-Bond」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
特徴的だったのは、1位のマイページ、3位4位のログインページ、5位の出資口座入力ぺ―ジへ多くのユーザーが流入している点。既存会員向けに利用促進を目的としたメルマガ施策を実施したことが想定されます。
不動産クラウドファンディングは少額でかんたんに始めるユーザーが多い一方、運用期間が比較的短く競合企業も多いため、顧客の囲い込み・利用継続を促す施策が今後も重要になってくると言えそうです。
競合の多いオーディオブックサービスの中、集客成功させた理由とは?
■16位: audiobook.jp
16位は、ナレーターや声優が朗読した本を聞くオーディオブックサービス「audiobook.jp」でした。このサービスは、1冊ごとにコンテンツを購入できるほか、1万5千点以上のコンテンツを聞き放題できるプランもあり、効率よく好きな本を楽しむことができます。日本のオーディオブック市場は近年急成長しており、「audinbook.jp」もさまざまなニュースメディアで紹介されています 。
それでは今月ランクインした要因を、Dockpitで調べてみましょう。
「audiobook.jp」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、外部サイトから51%、メールから42%の流入があることが分かりました。
どんなサイトを経由しているのでしょうか。外部サイトを調べてみます。
「audiobook.jp」外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
最も流入元として多かったのは、1位の「SHARP」でした。6位の「ビッグカメラ.com」や10位の「コジマ・ドット・ネット」など、家電関連のサイトからの流入が多いことも分かりました。
何を目的にサイトへ訪れているのか、ランディングページを見てみましょう。
「audiobook.jp」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
1位・2位の「SHARPコラボキャンペーン」への流入が1番多く、外部サイトの中でも比較的流入が多かった5位の「ビッグカメラ.com」や10位の「コジマ・ドット・ネット」もaudiobook.jpとのコラボキャンペーンを実施していることが分かりました。
audiobook.jp×SHARP コラボキャンぺーン
2月中SHARP製品を購入・継続利用するCOCORO MEMBERS会員を対象にオーディオブックを30日間無料体験できるキャンペーンを実施しています。イヤホン などオーディオ機器を取り扱う複数の企業とコラボキャンペーンを実施したことが、今月急遽ランクインした要因と言えそうです。
世界中のエンジニアが注目するAPIサイトの流入が増加!
■18位: Open AI API
18位にランクインしたのは、2022年に公開され世界中で注目されているChatGPTの研究・開発を担うアメリカの非営利団体Open AI社の関連サイト「Open AI API」のログインページでした。Open AIのシステムを、外部システムに組み込み利用するためのインターフェイスとなるAPIに関する情報を掲載しています。
実際のサイト利用状況はどうだったのか、Dockpitの競合分析で調べてみましょう。まず集客構造から見てみます。
「Open AI API」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
ノーリファラ―以外だと外部サイトからの流入が1番多く、次いで自然検索やメール、ソーシャルからの流入もあることが分かりました。
どんなサイトから訪れているのか外部サイトを調べてみます。
「Open AI API」外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
1位のGoogleアカウントや2位~4位のOpen AI関連ページからの流入が比較的多い中、9位のChatGPT、10位のエンジニア向けコミュニティサイト「Qiita」からの流入も多いことが分かりました。多くのエンジニアがChatGPTのAPIの公開情報を求めて、サイトに訪れていることが分かります。
続いてどんなソーシャルチャネルから訪れているのか調べてみます。
「Open AI API」ソーシャル(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
YouTubeからの流入が多いことが分かりました。ChatGPTに関する動画投稿は非常に多く、詳細に関連するサイトへのリンクを掲載している動画も多いので、ChatGPTの最新動向や詳しい情報を求めるユーザーがYouTubeを利用していることがわかりました。
3月に入り、最新版モデル「GPT4」の発表もあったChatGPT。これからも多くの関心を集めそうです。
【関連】ChatGPTとは?マーケティング・ビジネス9つの影響【本人にも聞いてみた】
https://manamina.valuesccg.com/articles/2270ChatGPTとは、米OpenAI社が開発した対話型のAIチャットツール です。世界中で注目を集め、さまざまな機能を活用してビジネスに応用したサービスも登場しています。ChatGPTは便利なツールである一方で、マーケティング領域ではどのような影響をもたらすのでしょうか。本記事では、基本機能(できること・できないこと)に加え、ビジネス・マーケティングへの好影響とリスクをまとめています。
キャンペーン効果でサイト流入が急上昇!ギフトサービス2社がランクイン
■19位:いますぐ贈れるデジタルギフト(個人向け) | 選べるe-GIFT
19位にランクインしたのは、全日空商事株式会社が運営するデジタルギフトサービス「いますぐ贈れるデジタルギフト(個人向け) | 選べるe-GIFT」でした。送る側がプレゼント金額を設定し相手の連絡先を設定すると、ギフトを受け取る側は好きな商品を対象店舗から選び、オンラインチケットとして受け取ることができます。決済対象のクレジットカードが複数存在しますが、主にANAカード利用者を対象にしたサービスであることが想定されます。
早速今月ランクインした要因を、Dockpitの競合分析で調べてみましょう。
「選べるe-GIFT」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみるとノーリファラ―以外だとソーシャルとメールからの流入が比較的多いことが分かりました。ANAカード会員に向けて、ソーシャルやメールを活用した集客施策を行ったことがうかがえます。
次にランディングページを見てみます。
「選べるe-GIFT」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
多くのユーザーが訪れているページは「【期間限定】新規会員登録でAmazonギフトカードプレゼント200円分をプレゼント!」でした。
選べるe-GIFT プレゼントキャンペーン
キャンペーン内容を確認すると、2月1日から2月14日に新規会員登録をした全てのユーザーをプレゼント対象者としています。特典対象者の幅が広いことも魅力の一つとなり、短期間に多くのユーザーがサイトに訪れたことが考えられます。
■23位: お取り寄せグルメとスイーツの通販サイト「デリッシュモール」|Delish Mall
23位にランクインしたのは、全国のお取り寄せグルメ・スイーツの通販サービス「Delish Mall」でした。ご当地グルメや話題のスイーツに加え、テーブルウェアも取り扱っています。
早速Dockpitの競合調査で、サイトの利用状況を調べてみましょう。
どのようなユーザーがサイトへ訪れているのでしょうか。ユーザー属性を見てみます。
「Delish Mall」ユーザー属性 性別(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
性別は男性が61%と過半数を占めていることが分かりました。
続いて集客構造を見てみます。
「Delish Mall」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造は、アフィリエイト広告からの流入が1番多く、ノーリファラ―以外だと外部サイトや自然検索からの流入もあることが分かりました。
比較的流入のある外部サイトについて、さらに調べてみましょう。
「Delish Mall」外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
楽天銀行からの流入が最も多く、サイト内を詳しく調べてみると楽天銀行内の特集ページに広告掲載していることが分かりました。
楽天銀行 特集ページ
続いてランディングページを見てみましょう。
「Delish Mall」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年12月~2023年2月 、デバイス:PC&スマートフォン)
特徴的だったのは、10位の「ホワイトデー特集」への流入が多い点。バレンタインデーのお返しを検討する男性をターゲットにした広告施策が、今月ランクインする要因であることが考えられます。
まとめ
今月はメルマガや外部サイトからの流入増により、サイト流入が急上昇する企業が多く見受けられました。
不動産投資の中でもっとも注目されている少額不動産投資サービス「i-Bond」では、既存顧客向けにサイト集客につなげる効果的なナーチャリング施策が取られ、「audiobook.jp」では、新規顧客向けに複数のオーディオ家電関連企業とコラボキャンペーンが実施されていました。
これらのように、集客の目的を明確化しターゲットニーズを把握した集客施策こそ、サイト流入を急増させる重要なポイントであることを、改めて感じました。
▼『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。