旅行業の目覚ましい復活!中国のGW「五一假期」を調査

旅行業の目覚ましい復活!中国のGW「五一假期」を調査

2023年4月29日から5月3日にかけて、中国では「五一假期」と呼ばれる連休がありました。今年の「五一假期」では、コロナ禍が収束して初の大型連休ということもあり、旅行業の著しい復活が注目されています。 本記事では「五一假期」における中国の国内、海外旅行業について紹介していきます。


中国国内旅行の復活

新型コロナウイルスの流行による規制が緩和された2023年、中国の人々は5月の大型連休にて、念願の国内外旅行を楽しむことができました。文化和旅游部数据中心のデータによると、「五一假期」における中国国内旅行客数は2.74億人を記録し、前年同期比70.83%の増加を見せました。また、国内旅行業の売上は1480.56億元にのぼり、前年同期比128.90%の増加を記録しました。旅行客数と売上はともに、コロナ禍以前である2019年の記録を超えています

驴妈妈旅游网联合奇创旅游集团が発表した「2023五一假期出游盘点报告(2023五一假期旅行調査報告)」によると、人気の国内旅行先都市TOP10は上海、北京、広州、成都、南京、杭州、武漢、深圳、蘇州、重慶でした。

また「2023五一假期出游盘点报告」によると、2023年の「五一假期」は女性旅行客が59%を占め、男性旅行客の41%を上回りました。さらに年代別に旅行客を観察すると、「80後」が36%、「90後」が28%、「95後」が14%、「00後」が9%を占めました。「80後」は1980年代生まれ、「90後」は1990年~1994年生まれ、「95後」は1995年~1999年生まれ、「00後」は2000年代生まれを指します。春節期間の旅行者割合と比較すると、「95後」と「00後」は割合を約5%増やすなど、Z世代の旅行客数が増加していることが分かります。

では、中国国内旅行ではどのような場所が旅行先として特に注目を集めているのでしょうか。以下では、「露营(キャンプ)」と「寺庙游(寺院巡り)」の、近頃急激に人気となった2つのトピックを取り上げ紹介します。

自然に触れたい、「露营(キャンプ)」を好む旅行客

近頃は「癒し系景色」の人気が高まっています。自然本来の姿が窺える景色や、静かな田野、花畑、森林や牧場、渓流などは2023年の「五一假期」における最も人気な行き先の選択肢となっており、旅行客から大きな好感を寄せられています。

2023年の「五一假期」で最も旅行客数が多かった省は浙江省です。浙江省は江南古鎮や花畑、癒し系民宿、古道ウォーキングなどが多くの旅行客の注目を集めました。また、浙江省湖州の世界郷村旅行小鎮では「野趣生活节(野趣生活節)」のキャンペーンを催しました。旅行客はキャンプでバーベキューなどの自然的なライフスタイルを体験することができます。このような野外活動は、旅行客の熱烈な歓迎を浴びました。

湖州の世界郷村旅行小鎮を満喫する旅行客の様子

「五一假期」ではキャンプ関連商品が大幅に売り上げを伸ばしました。蘇寧易購電商平台によると、キャンプ設備の商品の売り上げは前年同期比123%の増加を見せました。中でも人気の商品はテント、天幕、ハンモック、ビニールシート、折りたたみ椅子といった商品で、売上数は前年同期比110%の増加を記録しています。

若者世代に人気の「寺庙游(寺院巡り)」

「五一假期」における旅行先で特筆すべき点の一つとして、「寺庙游(寺院巡り)」が挙げられます。データによると、2023年以降、寺院及び関連観光地のチケット注文数は前年同期比310%の増加を見せています。寺院観光地のチケットを予約した観光客の年代別割合において、1990年代以降生まれ(2000年代生まれを含む)の割合は50%近くにまで上りました。寺院巡り旅行は若者世代が流行の中心を担っていることが分かります。

小紅書(RED)で「寺庙」の2文字を検索すると、70万件以上の投稿と、9000件近くの関連商品(数珠など)を見つけることができます。若者はSNSを通じて寺院巡り旅行の体験と感想をシェアし、人気を推し広げているのです。さらに小紅書(RED)は「寺庙漫游指南(寺院巡り旅行指南)」の公式コラムも開設し、ユーザーに寺院巡り旅行の攻略法を教え、若者の寺院巡りへの熱をさらに高めています。

小紅書(RED)が開設した「寺庙漫游指南(寺院巡り旅行指南)」公式コラム

では、なぜ寺院巡りがこれほどまでに若者世代の人気を集めているのでしょうか。艾媒咨詢の調査データによると、「SNSで寺院巡りがトレンドになっているから」という理由以外に、「文化、観光、交流、消費が一体となっているから」、「不安定な社会において、若者は参拝を通じて新しく希望を見つけたいから」といった考えが、若者の参拝する理由として考えらえると判断する意見が多くありました。

記事をもとに、ヴァリューズが作成
出典:聚焦五一:寺庙成年轻人旅游新宠,“寺庙经济”透视消费新动向

上記グラフ内の、「寺院がオリジナル商品を提供している」という項目の「オリジナル商品」とは、例えば数珠や香嚢、置物といったアイテムや、寺庙珈琲(寺院コーヒー)などを指します。寺院の運営はより若者向けになり、若者の消費やニーズに焦点を当てたオリジナル商品の開発がなされていることが分かります。

寺庙珈琲の例。杭州の永福寺の寺庙珈琲

このように、現在の中国では若者世代を中心に寺院巡りが流行しており、「五一假期」ではその傾向が際立って見られたことが分かりました。今後、夏季の長期休暇期間においても、この人気は衰えないだろうと考えられます。

海外旅行先はアジアが人気

国内旅行と同様に、海外旅行の規模も復活しました。携程が発表した「2023年“五一”出游数据报告(2023年“五一”外出データ報告)」によると、海外旅行注文数は前年同期比700%の増加を記録し、航空券、宿泊施設予約数は前年同期比で900%、450%増加。共にコロナ禍以前の水準を上回りました

海外旅行先は、中国から距離の近いアジアの国と地域が人気です。70%近い海外旅行客が旅行先に東南アジアを選択しました。2023年「五一假期」における最も人気な海外旅行先はタイで、次いで日本、マレーシア、インドネシア、韓国、ベトナム、イタリア、シンガポール、フィリピン、オーストラリアが並びました。

2023年「五一假期」における人気の海外旅行先TOP20。TOP10までの国は上記の通り

支付宝(Alipay)のデータによると、2023年「五一假期」の海外旅行にて旅行客が消費した平均金額は、コロナ禍以前の2019年の同期間と比べ40%増加しました。また、微信支付(WechatPay)の海外での1日平均消費金額は2019年の同期間と比べ75%増加し、特に日本での中国人旅行客の1日平均消費金額は、2019年の同期間と比べ141%増加しました。

まとめ

新型コロナウイルス流行に伴う規制が緩和されてから、初の大型連休となった「五一假期」では、旅行業がコロナ禍以前の2019年の水準を上回るほどの回復を見せました。国内旅行では、女性や若者世代の旅行客数が増加しています。
中でもキャンプや寺院巡りが若者世代を中心に人気を集めており、今後も勢いが続いていくことが見込めます。
海外旅行では距離の近い東アジア、東南アジアが旅行先として人気が高く、中国人旅行客の消費金額も増加しています。復活を遂げた旅行業は、夏季の長期休暇期間においても高い人気を維持し続けると予測できます。

レンタカー予約数が前年の7倍に!EV利用意向は?注目の「中国ドライブ旅行」市場を調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/2411

コロナ禍の感染防止ニーズを受け、中国のドライブ旅行市場は急成長を遂げました。そのトレンドは、コロナが落ち着きつつある現在も続いているようです。今回は、今後も市場成長が期待される中国ドライブ旅行をテーマに、車選びの重視点など、生活者の実態を調査しました。

参考URL

2023年“五一”假期出境游人数与境外消费反超疫前水平
https://www.163.com/dy/article/I47M4G5O0518UU72.html
驴妈妈联合奇创发布《2023五一假期出游盘点报告》
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1764952637909668286&wfr=spider&for=pc
2023五一旅游大数据报告
https://finance.sina.com.cn/stock/stockzmt/2023-05-05/doc-imysrutm3304535.shtml
“五一”假期 露营热度不减
https://www.sport.gov.cn/n20001280/n20067608/n20067635/c25573796/content.html
聚焦五一:寺庙成年轻人旅游新宠,“寺庙经济”透视消费新动向
http://k.sina.com.cn/article_1850460740_6e4bca44019010cry.html#/

この記事のライター

横浜国立大学、早稲田大学を卒業後、2024年に新卒でヴァリューズに入社。
海外領域のリサーチャーとして、中国、東南アジア、アメリカなどの地域において、定量調査だけでなくSNS分析などの技術型調査手法を活用し、これまで家電、食品、飲料、小売系の企業様のマーケティング支援に携わる。

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