フィンテックの市場規模は?注目サービス調査4選

フィンテックの市場規模は?注目サービス調査4選

フィンテックとは、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせた造語で、金融技術が絡んだあらゆるサービスのことを言います。スマホアプリでの送金やAIを活用した資産運用などがフィンテックにあたります。本記事では、フィンテックの市場規模や今後注目される主要サービス4選をまとめました。


フィンテックとは、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせた造語で、金融技術が絡んだあらゆるサービスのことを言います。例として、スマホアプリでの送金やAIを活用した資産運用などがフィンテックにあたります。

そんな革新的なフィンテックの市場規模がアジアを中心に伸び始めています。そこで本記事では、フィンテックの市場規模や今後注目される主要サービス4選をまとめました。

本記事を読めば最新のフィンテック事情を理解できるだけでなく、フィンテックの市場規模にあわせた新規事業戦略の立案につなげられます。

なお、本記事で紹介する調査内容や各主要サービスの検索ユーザー数などの数値は弊社株式会社ヴァリューズが開発・運営している3C分析(自社・競合・市場)を根拠のある数値から分析できるツール「Dockpit(ドッグピット)」を使用しています。

フィンテックの市場規模

アメリカの経営コンサルティンググループとベンチャーキャピタルが共同で発表したレポートには、「フィンテックの市場規模は2021年の2,450億ドル(約34兆円)から2030年までに1兆5000億ドル(約210兆円)と約6倍にまで成長することが見込まれています。

参考:フィンテック関連の市場規模は2030年までに1兆5,000億ドルに成長すると予測~BCG、QEDインベスターズ共同調査

現在は世界の金融サービスの収益規模が「12兆5,000億ドル(約1700兆円)で、その中の2%をフィンテック市場が占めていますが、市場規模の拡大により、最大7%まで拡大することが予想されています。

中でも、新興国である中国・インド・インドネシアを含むアジア太平洋地域では著しい成長が見込まれており、アジア太平洋地域におけるフィンテック市場の拡大は年平均で27%成長し、フィンテックの本場であるアメリカを凌ぐと予想されています。

フィンテック市場規模の拡大は世界人口のクレジットカード・銀行口座の所有率が関係している

前述したレポートによるとフィンテックの市場規模拡大が予想される根拠として「世界人口の中でクレジットカードや銀行口座を保有していない人が多い」ということを指摘しています。

というのも世界人口の約80億人のうち、クレジットカードを持っていない人口は28億人、銀行口座を持っていない人口は15億人も存在しています。クレジットカードや銀行口座を持っていない人口の半数以上は中国やインド、インドネシアなどのアジア太平洋地域にある新興国と言われています。

そこで注目されているのが、アジア太平洋地域のフィンテック市場規模の急速拡大です。アジア太平洋地域にはフィンテックを牽引する大手企業がいくつもあるだけでなく、テクノロジーに精通した若年・中間層の増加により市場開拓を行いやすい条件が揃っています。

フィンテック市場はアメリカを発信源として2009年から開拓され始めた市場ですが、まだまだ成長途中の市場です。各国の銀行やネオバンク(既存銀行と提携して金融サービスを提供する事業者)は、常に新たなフィンテックサービスの開発に取り組んでいます。

アジア太平洋地域でフィンテックの市場規模が拡大する中で、革新的なサービスを開発する企業に投資を行う日本企業も増えてきています。

例えば、日本のメガバンクである株式会社三菱UFJ銀行はインドネシアのフィンテック企業である「Akulaku(アクラク)に約260億円の出資を行っています。今回の出資は「Akulaku」の持つ「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」の取り組みを強化するための取り組みであると発表されています。

参考:Akulaku 社への出資について

このように資本力のある金融機関は自社顧客により良い体験やサービスを提供する「技術取得」のために、インドネシアやその他の新興国のフィンテック企業への出資・投資が活発化しています。

市場を牽引するアジア企業のフィンテックサービス事例

前述した通り、これからのフィンテック市場を牽引するのは中国・インド・インドネシアなどのアジア太平洋地域にある新興国と言われています。

ここでは、フィンテック関連の新規事業立ち上げを検討している方に向けてアイデア発想のきっかけになるよう、アジア太平洋地域で活躍するフィンテック企業と代表的なサービス・特徴について解説します。

企業

主なサービス

特徴

インド

Paytm

(ペイティーエム)

決済アプリ

利用者はインド国内で3億人以上が利用している。決済だけでなく航空券の購入や食品配達も利用できる。

インドネシア

Akulaku

(アクラク)

・決済アプリ

・キャッシュローン(BNLP)

基本的な決済はもちろん、キャッシュローンや商品購入後の後払いができるBNLPも提供している。

中国

腾讯控股

(テンセント)

決済アプリ

利用者が中国国内で11億人を超える決済アプリ。メッセージアプリ(WeChat)も備わっており、友達同士での送金やアプリ内で買い物もできる

フィンテックサービスでシェアを獲得している企業は、決済アプリを皮切りに、顧客ニーズに寄り添った機能を拡充しています。

例えば、インドのフィンテック企業「Paytm(ペイティーエム)」では、決済アプリを提供するだけでなく、銀行口座を持たない1億9000万人のユーザーにオンライン上で管理できるデジタル銀行口座を用意したり、金融状況に乏しい中小企業に対して、融資機能や簿記管理機能を提供しています。

フィンテックの注目サービス4選

日本国内でもフィンテック企業が多く、様々なサービスが開発・運営されています。フィンテックの注目サービスは以下の通りです。

  1. 仮想通貨
  2. ロボアドバイザー
  3. 決済アプリ
  4. BNPL・SNPL

なお、本記事ではフィンテックの主要サービスにおけるユーザーの検索動向についてもまとめています。

1. 仮想通貨

仮想通貨とは、ブロックチェーン技術(取引内容を鎖のようにつなげ正確な取引を維持する仕組み)を活用した、インターネット上で取引のできる通貨のことです。

日本国内の仮想通貨関連のフィンテックサービスといえば、コインチェックやビットフライヤーなどがあります。国内では仮想通貨での取引は少ないものの、一部の国では列車のチケットやオンラインショップの取引などに活用されています。

仮想通貨のフィンテック要素は正確な取引を可能にしているブロックチェーン技術であり、生産・製造元を特定したフェアトレードの実現やデジタル物に所有権を持たせることができます。

実際に、ヴァリューズが開発・提供するWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」で調査したところ、「ブロックチェーン」というキーワードの検索ユーザー数は年間で26万人を超えることから、関心がもたれている分野であることがわかります。

「ブロックチェーン」の検索キーワード分析
期間:2022年7月〜2023年6月
対象デバイス:PCおよびスマートフォン

なお、マナミナでは仮想通貨についての性別ごとの興味関心や国内の仮想通貨取引上の利用動向を詳細にまとめた記事も公開しています。

仮想通貨に関する検索動向について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:仮想通貨のユーザー動向を調査。bitFlyerやCoincheckの利用シェアは?

2. ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、AI技術や専門家の分析データを元に、利用者に対して資産運用のアドバイスや運用をお手伝いするサービスです。

ユーザーの資産目標や許容できるリスクを共有することで、ユーザー個人に最適な投資プランを提案してくれたり、資産運用を代行してもらうことも可能です。

ロボアドバイザーの魅力は、投資のプロでなくても賢くお金を運用できる点です。「お金の心配はあるけど、なにからはじめたらいいかわからない」というユーザーがプロ目線で投資を行えるため、近年注目を浴びつつあるサービスになります。

日本国内のロボアドバイザーサービスとしては、ウェルスナビや楽ラップなどがあります。

Dockpitで調べると「ロボアドバイザー」の検索ユーザー数は年間で約6万人と仮想通貨ほどのレベルではありませんが、徐々に認知度を高めつつあるサービスです。

「ロボアドバイザー」の検索キーワード分析
期間:2022年7月〜2023年6月
対象デバイス:PCおよびスマートフォン

マナミナでは、検索ユーザーのロボアドバイザーに対する興味関心や、投資信託というキーワードで検索するユーザーとの比較、競合や市場分析をレポートした記事も公開しています。

ロボアドバイザーについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:投資のロボアドバイザーサービスの利用者はどんな人?Web行動ログで調査

3. 決済アプリ

決済アプリは、スマートフォンを使って商品の支払いをするためのアプリケーションです。店舗での買い物だけでなく、オンラインショッピングや公共料金の支払いにも利用できます。

日本国内の主な決済アプリには「PayPay」や「LINE Pay」などがあります。

Dockpitで調べると「決済アプリ」を検索するユーザー数は年間で約3万人とそれほど多くはありませんが、これはすでに認知度が高くユーザーの中では決済アプリが浸透しつつあることが予想されます。

「決済アプリ」の検索キーワード分析
期間:2022年7月〜2023年6月
対象デバイス:PCおよびスマートフォン

マナミナでは、業界別のスマホ決済アプリのユーザー動向やトレンド分析、スマホ決済アプリの利用ユーザー数をまとめたレポートも公開しています。

決済アプリについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:【2022年】スマホ決済アプリの最新ユーザー数を調査!PayPay手数料の有料化の影響は?

参考:【業界別アプリ利用動向】スマホ決済アプリ&ファストフードアプリのコロナ後~現在までの利用者数推移を公開

4. BNPL・SNPL

クレジットカードのような「後払いサービス」の代わりとして、BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)やSNPL(セーブ・ナウ・ペイ・レイター)が注目されています。

「BNLP(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」は、「今かって後で払う」ツケ払いができるサービスです。PayPayやZOZOTOWNの「後払いサービス」がこれに該当します。与信の低い若者やクレジットカードを持てない層の消費を促すサービスで便利な一方、ついついBNLPを利用しすぎて、ツケを払いきれないといった問題も増えています。

その問題を解決すべく注目されているサービスが「SNPL(セーブ・ナウ・ペイ・レイター)」です。SNLPは「貯蓄してから払う」というサービスで、積み立てたお金で商品を購入することを目的としたサービスです。

SNPLのサービスとしては、スマート積立アプリの「IDARE(イデア)」などがありますが、日本国内で普及しているサービスは少ない状況です。

マナミナでは、BNLPやSNLPの違いやIDAREの利用ユーザー数、今後の動きを分析したレポートを公開しています。

詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:BNPLの次はSNPLがトレンドに?スマート積立アプリ「IDARE」の利用者数が急増中

まとめ

この記事では、金融とテクノロジーが結合したフィンテックの市場規模や主要サービスについて解説しました。

フィンテックの市場規模は、2021年の約34兆円から2030年までに約210兆円にまで成長すると予測されており、その背景には、世界人口の中で銀行口座やクレジットカードを保有していない人々が多いということが関係しています。特にアジア太平洋地域の新興国では、これらの未保有者が多く、これがフィンテック市場の拡大につながっています。

日本の大手金融機関でも、新興国のフィンテック企業への出資や投資が進んでいます。これにより、新たな技術取得やサービス改善に繋がり、フィンテックの更なる発展が期待されています。

今後もフィンテックの動向に注目し、目新しいフィンテック関連サービスを調査し続けることで、新規事業戦略や投資・出資先の検討につながるはずです。

なお、今回の記事で紹介したデータは、ヴァリューズが開発・運営する「Dockpit(ドッグピット)」を使用しています。

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この記事のライター

Webライター。BtoB系の案件メイン担当。主に上位表示を目指したSEO記事の作成を担当。これまでに、コーポレーションサイトやオウンドメディア、求人広告など2,000記事以上を執筆。

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