BNPLの次はSNPLがトレンドに?スマート積立アプリ「IDARE」の利用者数が急増中

BNPLの次はSNPLがトレンドに?スマート積立アプリ「IDARE」の利用者数が急増中

クレジットカードに代わる新しい後払いの決済方法として、Z世代に注目を集めているのが「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」。ただ、若年層に人気がある「BNPL」にはリスクもあるため、今後は貯蓄してから購入する「SNPL(セーブ・ナウ・ペイ・レイター)」がフィンテックのトレンドになりつつあるようです。今回は「BNPL」と「SNPL」の違いや、利用者が急増しているスマート積立アプリ「IDARE(イデア)」ついて調査・分析し、ご紹介します。


「BNPL」と「SNPL」の違いとは?

BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」は、“今買ってあとで払う”、いわゆるツケ払いサービスです。PayPayのあと払いやZOZOTOWNのツケ払いなどがこれに該当します。
利用者は主にクレジットカードがない人や与信が低い若年層となっており、彼らにさらなる消費を促す仕組みとなります。その為か、後払いは支払期限に遅れが発生したり、負債を抱え込んだりするリスクが避けられないため、デメリット面も目立ちます。

こうした「BNPL」のマイナス面をカバーしてくれる手堅い決済方法として、「SNPL」に最近、関心が寄せられているようです。

SNPL(セーブ・ナウ・ペイ・レイター)」は、“貯蓄して後から払う”という「BNPL」とは逆の決済サービスです。自分自身の力でしっかり積み立てたお金で購入することを重視しています。
近しいサービスを挙げるとすると大手百貨店で導入されている友の会サービスがこれに該当します。友の会が昔から利用されているように、「SNBL」は意外と馴染みやすく一定の広がりを見せるのではないでしょうか。

スマート積立アプリ「IDARE(イデア)」とは?

「IDARE(イデア)」は株式会社Fivotが提供する、目標達成をサポートしてくれて、ボーナスがもらえるスマート積立アプリです。

利用方法は非常にシンプルで、
 STEP① 目標を立てる(積立する目標と目標金額を設定)
 STEP② 積立ルールを決める(積立額と頻度を設定)
 STEP③ 放っておく(勝手に積立してくれる)

しかも、毎月の平均保有残高に対し年率2%相当のボーナスを付与
貯めた残高は、Visaが使えるお店やオンラインストアで利用可能となっています。

ちなみに、「IDARE」は2022年2月のリニューアルで『オンライン完結型のモバイルSNPLアプリとして日本初』と謳っており、欲しかったものや実現したいことに向けて、お得に積み立てができることから、注目を集めています。

スマート積立アプリ「IDARE(イデア)」

「IDARE」ユーザー数は2022年11月から急増

ここからは、ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」で「IDARE」アプリの直近1年間のユーザー数推移を見てみましょう。

2022年11月から右肩上がりで上昇していることがわかりました。これは、2022年10月26日~11月26日の期間中にリアルカード発行を申込むと、リアルカードの発行費用分(900円)がアプリ内ボーナスでキャッシュバックされるキャンペーンを実施していたことが影響していることが推察されます。

また、2023年に入ると、40万人を超えて推移しており、順調にユーザー数が増加していることがうかがえます。

アプリユーザー数推移

アプリユーザー数推移

期間:2022年3月〜2023年2月
デバイス:スマートフォン

「IDARE」利用者は20代~30代の男性が中心

次は、アプリ利用者の属性を見てみましょう。

性別では、男性割合が8割を超えており、男性の方が関心を持っている人が多いことがわかりました。

アプリユーザー属性:性別

アプリユーザー属性:性別

期間:2022年3月〜2023年2月
デバイス:スマートフォン

年代別で見てみると、20代~30代の若年層が多く、これらで全体の半数を占めていることがわかりました。中でも30代が最も多く3割を超えていました。

使う・貯める・借りる、のすべてがスマホで完結する利便性の高さを軸に、若年層を中心とした幅広いユーザーに利用してもらう』とプレスリリースで謳っていることもあり、狙い通り若年層とマッチしていることがうかがえました。

アプリユーザー属性:年代別

アプリユーザー属性:年代別

期間:2022年3月〜2023年2月
デバイス:スマートフォン

マネー関連アプリに高い関心を示す

最後は、「IDARE」ユーザーが他にどんなアプリに関心があるかを分析していきます。

「auじぶん銀行」や「楽天銀行」などのネット銀行や、「Google Pay」や「楽天ペイ」などのスマホ決済アプリが多く目立っていました。

他には、「Kyash(キャッシュ)」や「Revolut」などの資産管理アプリ、「メルカリ」などのフリマアプリ、「家計簿プリカB/43」の家計簿アプリなどのマネー関連アプリがラインナップしていました。

「IDARE」を利用するにあたって、「Kyash(キャッシュ):以下、Kyash」を使ったチャージを推奨しているブログ投稿などが多々あることから、関心アプリのトップには「Kyash」がランクイン。

また、「IDARE」のボーナスを効果的にもらうには、毎月「Kyash」などのクレカを使って残高をチャージしつつ、チャージした分を「Revolut」など他の決済サービスへ移すのが良いとも言われているようで、「Revolut」も上位にランクインしています。

ユーザーは複数のアプリを併用して、賢くボーナスを獲得していることがうかがえました。

関心アプリ:リーチ差優先で分析

関心アプリ:リーチ差優先で分析

期間:2022年3月〜2023年2月
デバイス:スマートフォン

まとめ

「BNPL」の次のフィンテックトレンドとして、注目されている「SNPL」について調査しました。中でも昨年末頃からユーザーが急増しているスマート積立アプリ「IDARE」について掘り下げました。

アプリ利用者は、主に20代~30代の男性となっており、マネー関連アプリを好んで利用していることもうかがえました。

今後の日本において、「BNPL」の普及もこれからですが、「SNBL」の方は意外と馴染みやすく一定の広がりを見せると思われます。ユーザーのニーズや実態、目的やターゲットを正しく理解し、利用者の心をしっかりキャッチして、よりよいコンテンツ制作やワード選定に「Dockpit」をお役立ていただけたら幸いです。

▼今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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分析概要

・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログと属性情報にもとづき「Dockpit」で分析
・行動ログ分析対象期間:2022年3月~2023年2月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:スマートフォン

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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