中国トレーディングカードの人気を調査

中国トレーディングカードの人気を調査

1980年代のアメリカで、煙草と飴の会社から生まれたトレーディングカード。日本では、二次元文化の人気と結びついて1990年代から「ポケモン」や「遊戯王」を始めとした多様なトレカが流行し、私たちにも馴染み深いほどにトレカ文化が浸透しています。さらにそのトレカブームは近年、中国においても巻き起こっています。この記事では、中国のトレカブームの様子とその背景について探っていきます。


ポケモンカードが大盛況

中国における最初のトレカブームは、実は日本とほぼ同じ 1990年代~2000年代にまで遡ります。当時流行していたのは、世界三大トレカと言われる「ポケモン」・「遊戯王」・「マジック:ザ・ギャザリング」、また国産のスナックブランドによる「水滸伝」などでした。
現在のトレカブームではさらに多くのコンテンツブランドが登場していますが、同時にこれらのコンテンツブランドもユーザーの支持を得ています。最も顕著なのは「ポケモン」です。ポケモントレーディングカード(PTCG)は2022年に簡体字版が発売され、2023年からは中国国内の主要都市でカードゲーム大会が行われています。2024年1月には、四川省成都で大会が行われ、全国各地から1429名のプレイヤーが参加しました。続けて同年3月には蘇州、4月には広州で開催され、7月の北京大会では約7000人が参加するなど盛り上がりを見せています。つい先日の10 月末日には、モバイル版ポケモンカードゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket」がリリースされ、オンラインでカード開封やゲーム対戦が可能になりました。中国のアプリストアにおける公式リリースはされていないものの、iOS等からアプリを入手したプレイヤーによってbilibiliやREDにプレイ動画が投稿されています。

bilibili(左)、RED(右)に投稿されたモバイル版ポケモンカードゲームの動画

カード市場業界の推移

このようなトレカブームの背景、カード市場業界の状況は以下のようになっています。まず、カード商品は「IPコレクションカード」と「スポーツ選手/芸能人カード」の二種類に大きく分かれています。
前者はポケモン、遊戯王といったコンテンツブランドで、カードデザインを好む消費者は39.5%、コンテンツの好きなキャラクターを目的にする消費者が38.9%となっています。また消費者のうち82.5%が定期的にカードパックを購入しており、そのうち43.4%が高額購入しているといいます。
後者の「スポーツ選手/芸能人カード」は、カードのデザインを好む消費者・好きな選手やアイドルを目的に購入する消費者がそれぞれ40%を超えています。また消費者のうち82.8%が定期的にカードパックを購入しており、そのうち44.5%が高額購入しているといいます。
市場全体を見渡してみると、艾瑞咨詢のデータでは2022年の中国IP(コンテンツブランド)カード業界の市場規模は86.7億元に達し、前年同期比34.9%増加となりました。さらに、2023年のコレクションカードの市場規模は、前年同期比40.5%増加の158.9億元になりました。また中国玩具およびベビー用品協会のデータによると2023年、オンラインショッピングプラットフォーム・天猫のコレクション玩具において、コレクションカードの売上幅が最大の64.5%を占める結果となりました。

カード市場発展の要因

以上のデータから、カード市場は拡大している傾向にあることがわかります。信達証券研究開発センターのデータによるとその発展の要因は、
①交流価値と収集価値
②消費者層の拡大
③オフラインチャネルへの浸透
④ライブ配信・販売チャネルの拡大
⑤ブラインドボックス・レアカード・中古流通価値
この5つであると指摘されています。

まず一つ目の「交流価値と収集価値」についてです。交流価値について、プレイヤーはカードゲームバトルやカードの収集・交換にあたって他のプレイヤーと交流し、それによってコミュニティの形成が促されて帰属感が生まれます。収集価値について、カードは歴史と情緒を感じさせる一種の文化記号になっており、プレイヤーは自身にとって思い出深いカードを収集したいという欲求を持っています。近年ではトレンド玩具コミュニティが同好プレイヤーに向けて交流プラットフォームを提供し、自身のコレクションをシェアするなどの交流価値・収集価値をさらに高める動きもあります。

二つ目の「消費者層の拡大」について、カード市場に新たなコンテンツブランドが参入することで新たなユーザー層の獲得が見込まれ、市場の多様化や創作性の発展が推し進められます。たとえば近年では「マイリトルポニー」(アメリカの玩具会社ハズブロが展開するキャラクターシリーズ)や「ディズニー」といったシリーズのトレカやコレクションカードが女性ユーザーの人気を得ており、女性向けのカード市場が徐々に開拓されています。またスポーツ選手の商業価値の向上によりスポーツ選手関連のカードが人気になってきています。2024年のパリオリンピック開催期間には関連企業が「2024中国体育・乾坤シリーズ」のコレクションカードを発売し、競技スポーツファンからの人気を得ました。

三つ目の「オフラインチャネルへの浸透」について、専門店やゲーム店、展示会といった場所がプレイヤーに実地体験や交流の機会を提供しています。直接の交流によって新しいカードに出会ったり、体験プレイに参加したりする機会が生まれ、購買チャンスがさらに上がります。また、ポケモンカード大会といった競技イベントやコミュニティの集まりによってプレイヤー間の交流関係が強められることで彼らの参加意識や帰属感が高められ、結果的に販売促進につながっています。

四つ目は「ライブ配信・販売チャネルの拡大」です。カード開封のライブ配信が新たな宣伝方法となっており、リアルタイムでの相互作用性によって視聴者に参加実感がもたらされます。ライブ配信プラットフォームには多様な層のユーザーが含まれるため、カード開封の配信によってさらに幅広い消費者層の獲得が期待できます。2024年にトレカ企業である卡游は、天猫における販売額が7500万元、抖音における上半期の販売額が2.5億元を超えました。

最後に五つ目の「ブラインドボックス・レアカード・中古流通価値」です。ブラインドボックスは購入時に中身が見えない仕様になっているため、プレイヤーはどのカードが当たるかがわからないという不確実性があります。これがプレイヤーの好奇心や購買欲求を刺激し、持続的な消費行動を形成しています。さらにレアカードの入手が目指すところとなっており、カードの収集価値や市場価値が高まっています。また、中古市場での取引によって、プレイヤーは不要なカードを欲しいカードに交換する機会を得られます。この制度はカードの使用価値や経済価値を向上させるため、プレイヤーにとってはブラインドボックス大量購入のリスクを下げることができます。また中古市場によってカードが持続的に流動するため、より多くのプレイヤーが市場に参与する可能性も持っています。ただ中古市場においてもレアカードの価値は高く、ポケモンカードにおいて人気のカード「リーリエ」の単価価格が1万元を超えるという例もありました。

まとめ

ここまで、中国におけるトレカブームについてまとめました。以前から人気を博していたポケモンなどのコンテンツブランドが現在も支持を得ており、カード市場全体としてもユーザーや売上といった規模の拡大が続いています。その背景には複数の要因が存在し、多方面からプレイヤーの消費行動が促進されていることがわかります。

【無料レポート】2026年 訪日インバウンド観光客調査〜中国・台湾・タイ・韓国|ダウンロードページ

https://manamina.valuesccg.com/articles/4873

2025年の訪日外国人客数(インバウンド)は、前年比15.8%増の約4,268万人となり、過去最高を記録した2024年を大幅に上回って過去最多を更新しました。背景には、大阪・関西万博の開催や円安による消費拡大も理由として考えられます。そんなインバウンド観光客の中でも、本レポートでは中国・台湾・タイ・韓国の観光客にフォーカスし、彼らの観光実態をアンケート調査しました。※本レポートは記事内のフォームから無料でダウンロードいただけます。

参考URL

卡牌,如何成为年轻人的精神按摩?
https://www.163.com/dy/article/JFU28IH505118DFD.html
3500亿元规模的全球卡牌市场,中国企业要怎么做?
https://www.bilibili.com/opus/991681044995375109
卡牌行业专题报告:热潮背后的IP效应与市场潜力 【信达传媒互联网&海外冯翠婷】
https://finance.sina.cn/2024-10-22/detail-inctkrfh1856408.d.html
新经济观察丨集换式卡牌游戏潮流重燃 宝可梦卡牌成都超级赛结果揭晓
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1788312255315786396&wfr=spider&for=pc
TCG赛道迎来新变 “”局: 最强 IP加持下,这款新游4天斩下1.05亿!
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1814937060879242284&wfr=spider&for=pc
2024集换式卡牌:不断破圈,群雄逐鹿,决胜于IP渠道
https://business.sohu.com/a/813837410_121948943

この記事のライター

早稲田大学在学中。

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