12月の急上昇サイトは?
まず「eMark+(イーマークプラス)」を使って、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。
急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「eMark+」画面より)
1位にはキリンオンラインショップ。2位にはM-1がランクイン
それでは早速、ランキングの1位から3位を詳しく見ていきましょう。
■1位:キリンオンラインショップ
1位はキリンオンラインショップ、DRINX(ドリンクス)でした。
DRINXでは、クラフトビールやワイン、ウイスキーなどのアルコール類を主に販売しています。前月と比べてユーザー数が約656%上昇しましたが、どんな内容に注目が集まったのでしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。
「キリンオンラインショップ」のコンテンツランキング(対象デバイス:PC、「eMark+」画面より)
1位と2位のページが圧倒的なアクセスを集めていることがわかります。2位のページはサイトのトップページですが、1位のページは下記のキャンペーンページになっていました。
2019年12月5日から2020年1月9日にかけて、クラフトビールの対象商品を一定額買うと10%オフと送料無料になる「クラフトビールまとめ買いキャンペーン」を行っていました。
では、どのやってユーザーはこのページにたどりついたのでしょうか。流入元を見てみましょう。
「キリンオンラインショップ」のセッション数流入元(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
上図のように、一般広告からの流入が半分以上を占めています。広告を活用することで、ユーザーを集客するというキャンペーン設計であったことが分かりました。
■2位:M-1グランプリ公式サイト
2位は毎年年末に開催されるM-1グランプリの公式サイトでした。
毎年かなり注目を集める番組なので、公式サイトがユーザーを獲得することは納得できるかと思います。その中でもどのページに注目が集まったのでしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。
「M-1」のコンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より
1位にはトップページがランクインし、2位と3位には敗者復活戦に関連するページがランクインしました。敗者復活戦では、視聴者投票によって決勝に行けるコンビが決まるなど、視聴者が番組に参加できるような仕組みであったために訪問ユーザー数が増加したものと考えられます。
次にどのような経路でサイト訪問されているのかを見てみましょう。
「M-1」のセッション数流入元(対象はPC、「eMark+」画面より)
自然検索での流入が大半を占めていることが分かります。一体どのようなキーワードで検索されているのか確認してみましょう。
「M-1」の自然検索キーワード(対象はPC、「eMark+」画面より)
上位5つすべてでM-1かM1が含まれた検索による流入であることが分かります。ここから、M-1を目的とした検索による流入であることがわかり、トップページにたどりついた後に敗者復活戦のページへと流れていったと考えることもできるのではないでしょうか。
■3位:LINE MUSIC
3位はLINE MUSICでした。
LINE MUSICはLINEが運営している音楽ストリーミングサービスです。LINEのプロフィールに自分の好きな音楽を設定できるなど、LINEとの親和性の高さが特徴でもあります。
そんなLINE MUSICですが、12月はどのようなページに注目が集まったのでしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。
「LINE MUSIC」のコンテンツランキング(対象はAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)
1位のページのUU数が圧倒的です。実際にアクセスしてみると、以下のようなキャンペーンが行われていました。
このキャンペーンページでは、2019年1月1日から11月30日の間で、最も再生されたアーティストがランキング形式で発表されていました。また、2019年で1番印象に残ったアーティストを「#LINEMUSIC」「#あなたを幸せにしたアーティスト」をいう2つのハッシュタグをつけてツイートすると、抽選でプレゼントが当たるお年玉キャンペーンを行っていました。
これも、どのような経路で訪問ユーザー数を増加させたのか見てみましょう。
「LINE MUSIC」のセッション数流入元(対象はAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)
上図より、外部サイトからの流入が半分以上を占めていることが分かります。
次に、外部サイトの内訳を見てみましょう。
「LINE MUSIC」の外部サイト内訳(対象デバイス:Androidスマートフォン、「eMark+」画面より)
内訳を見てみると、「LINE MUSIC 公式note」からの流入が1位になっていることが分かります。ここから、オウンドメディアの活用に成功し、訪問ユーザー数の増加につながったと言えるのではないでしょうか。
年賀状関連サイトが軒並みランクイン
12月は年賀状関連のサイトが3つランクインしたので、それぞれについて紹介していきます。
■4位:フジカラーポストカード
4位には、フジカラーポストカードがランクインしました。このサイトからは、自分が持っている写真を使ったポストカードを注文することができます。ネットで注文した後、コンビニ受け取りや自宅まで宅配してくれる点も特徴です。
それでは、どのページに注目が集まったのか、コンテンツランキングで確認してみましょう。
「フジカラーポストカード」のコンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)
1位のページをにアクセスしてみると、下記のようなページになってました。
このページは、年賀状作成ができるページになっていました。フジカラーポストカードの年賀状の特徴として、デザインが豊富であったり、ミッキーなどの有名キャラクターを使用できます。それに加えて、富士フイルムの高い技術力を活かした綺麗な仕上がりが特徴となっています。
次に、どのような経路でサイトに訪問したのかを確認してみましょう。
「フジカラーポストカード」のセッション数流入元(対象はPC、「eMark+」画面より)
流入元を見てみると、外部サイトと自然検索からの流入が上位2つを占めています。外部サイトの内訳を見てみましょう。
「フジカラーポストカード」の外部サイト内訳(対象デバイス:Androidスマートフォン、「eMark+」画面より)
上記を見てみると、上位5つ中4つを富士フイルムが占めています。このことから、他の富士フイルムのサービスのサイトからの流入が多かったと言えるでしょう。
また、自然検索の流入が多いのは、年末に毎年放映されているCMの影響もあるのかもしれません。
■5位:カメラのキタムラ
5位にはカメラのキタムラがランクインしました。
こちらもコンテンツランキングを使って、どのようなページに注目が集まったのか確認してみましょう。
「カメラのキタムラ」のコンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)
1位と2位のページに注目が集まっていることがわかります。1位のページを詳しく見てみましょう。
1位のページは年賀状のプリントサービスのページでした。カメラのキタムラの年賀状プリントサービスでは、フジカラーポストカード同様に、豊富なデザインや有名キャラクターを使用することができます。また、最短1時間仕上げや全国送料無料などが特徴的です。
今回は、カメラのキタムラで年賀状を購入するとT-POINTが当たるキャンペーンが行われていました。
■6位:Brother Online
6位には家庭用プリンターなどで有名なブラザーのサイトがランクインしました。このサイトでは、プリント素材のダウンロードができる他、製品サポートや、各種キャンペーンなども随時行っています。
それでは、今回はどんなページに注目が集まったのかコンテンツランキングで確認してみましょう。
「Brother Online」のコンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)
上記1位のページを確認してみましょう。
1位は年賀状特集のページになっていました。こちらでは、年賀状テンプレートのダウンロードができる他、年賀状カタログのダウンロードができるようになっていました。また、年賀状の作り方のページを用意するなど、わかりやすさを重視していた点が特徴的です。
前述した2つのサイトとの大きな違いとしては、年賀状印刷におすすめのプリンターの紹介をするなどして、自社の家庭用プリンターの購買へと誘導していた点が挙げられます。
まとめ
最後に12月の急上昇サイトと、その増加要因をまとめます。
12月はキャンペーンからの訪問ユーザー数増加につなげたサイトのランクインが目立ちました。キリンオンラインショップ「DRINX」の10%オフや、LINE MUSICのお年玉キャンペーンなど、インセンティブをフックにして集客に成功したと言えるでしょう。
もうひとつ注目が集まったのは、年末年始恒例のコンテンツです。M-1は敗者復活戦を通して、視聴者が番組に参加できるといった点でアクセスを増やしました。
また、年賀状関連ページでは3つのサイトがランクインしています。フジカラーポストカードやカメラのキタムラは年賀状のプリントサービスの販売を目的に、またブラザーは年賀状を通して家庭用プリンターの販売を目的にしていたと言えるでしょう。
本リサーチの結果をぜひトレンド把握やキャンペーン設計に活かしてみてください。
■調査概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2019年12月に訪問ユーザー数が前月比で急上昇したサイトを分析しました。
※対象期間:2019年12月
※ユーザー数:該当サイトを訪れたUnique User数
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。前月からのユーザー数の伸び率がわかる「サイトランキング」は、PCのデータであれば無料で利用することができます。特定の業界に絞ってみることも可能です。
まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。
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