「花粉症」ユーザーが気になっている“検索ワード”や“Webサイト”は?

「花粉症」ユーザーが気になっている“検索ワード”や“Webサイト”は?

少しずつ暖かくなり、過ごしやすい季節がやってきました。それと同時に花粉症の人にとっては辛い季節となります。「花粉症」と検索しているユーザーは2月から増え始め3月にピークをむかえます。そこで、今回は「花粉症」で検索した人が、検索前後3時間内でどんなネット行動をしていたかについて調査しました。


「花粉症」を検索した人の性別・年代

まずは、「花粉症」を検索した人の属性を見ていきましょう。性別では、男性が若干多いものの男女比はほぼ半数となっていました。年代別では20代が最も高く3割を超えており、次いで30代、40代となっていました。「花粉症」と検索している人は若年層が多く、年齢があがるにつれ割合が下がっていくことがわかりました。

「花粉症」検索ユーザーの属性

「花粉症ナビ」などのメディアサイトが注目集める

次に「花粉症」検索前後によく利用されているサイトをランキングにしてみたところ、トップは花粉症情報サイトである「花粉症ナビ」を提供している『協和キリン株式会社』でした。

また、7位の『花粉なう』や、8位の『花粉症レスキュー隊』も花粉情報やお役立ちコンテンツが掲載されているメディアサイトとなっており、花粉症の症状に悩んでいるユーザーにとってメディアサイトは人気のようです。

「花粉症」検索ユーザーのサイトランキング

また、最も多くランクインしていたのは製薬会社の公式サイトでした。

2位はジェネリック医薬品の『沢井製薬株式会社』、3位はアレルギー専用鼻炎薬アレジオンが有名な『エスエス製薬』、5位は久光製薬株式会社の『アレルギー専用鼻炎薬アレグラFX』の商品サイト、6位はドラッグストア『DRUGユタカ』の公式サイト、10位は目薬、眼科薬、点眼薬などを製造・販売している『参天製薬株式会社』となっていました。

男女比はどのサイトもほぼ半数となっている中で、『参天製薬株式会社』は女性比率が高めとなっていました。

医薬品キーワードが多い中、話題の「じゃばら」もランクイン

「花粉症」検索者の検索キーワードクラウドを見ても、『薬』や『目薬』、『アレグラ』、『市販薬』、『花粉症対策』などのキーワードが目立つことから、少しでも花粉症の症状を軽減したいというニーズが顕著に出ています。

「花粉症」検索ユーザーの検索キーワードクラウド

「花粉症」検索者のキーワードランキングを見てみましょう。

トップは「花粉症」のビッグワードとなりました。次に『薬』や『目薬』、『アレグラ』、『花粉症薬』、『注射』などの医薬品に関するワードが多くランクインしていました。花粉症の人にとって鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を少しでも緩和したいという思いが強く表れた検索結果となっているようです。

また、『花粉症に効果がある』と口コミで広まりテレビでも取り上げられたことによって、近年とても注目されている柑橘類の一種『じゃばら』も9位にランクインしていました。

「花粉症」検索ユーザーのキーワードランキング

じゃばら

和歌山県原産の「じゃばら」は柑橘類の一種で強い酸味と苦みがあるが、
飲みやすいドリンクやサプリで販売されている

さらに年齢と性別を掛け合わせた属性マップにすると、女性は検索ワードが多様で、“鼻づまり”や“目がかゆい”、“肌荒れ”、“眠くならない”など具体的なワードが多くみられました。

また、高年層は“じゃばら”や“乳酸菌”、“ヨーグルト”など花粉症に効くと言われている食べ物の検索ワードが目立ちました。性別や年齢によっても、検索ワードが異なるようです。

「花粉症」検索ユーザーの属性マップ

「花粉症」ユーザーのニーズをさらに深堀りすると?

最後に、「花粉症」ユーザーのニーズを深掘りするため、検索ユーザーを前後3時間のネット行動ログからクラスタ分類してみました。その結果、『咳』『塗るマスク』『花粉』『注射』『薬』『対策』の6つのクラスタに分類されました。

クラスタごとにキーワードクラウドを見ると、『咳』クラスタは“頭痛”や“鼻水”、“熱”など症状を検索しているユーザーが多くみられました。『塗るマスク』クラスタは花粉対策グッズということもあり“花粉症”や“花粉症対策”などのキーワードの他に、“喉痒い”や“頭痛い”、“体のかゆみ”など体の症状に関するキーワードが目立ちました

『花粉』クラスタは“じゃばら”や“ヨーグルト”、“乳酸菌”、“ヤクルト400”などが花粉症に効くと言われている食べ物が多くラインナップしていました。『注射』クラスタは“耳鼻科”や“レーザー”、“舌下免疫療法”など診療科や、受診内容について気になっているようです。

『薬』クラスタは “アレグラ”や“アレジオン”、“クラリチン”など具体的な医薬品名が多くあがっていました『対策』クラスタは“ワセリン”や“ビタミンD”などが対策グッズを検索しつつ、“目がかゆい”や“だるい”、“肌荒れ”など症状に関するキーワードも検索されていました。

「花粉症」検索ユーザーのクラスタ分類

まとめ

「花粉症」ユーザーにとって、少しでも花粉症の症状を軽減できる手段や情報をネットで探しを求めていることがわかりました。市販薬や効果のあると言われている食べ物、情報を網羅しているメディアサイトなどが特に需要が高く、また、年齢によっても検索ニーズが異なるようなので、よりターゲットを意識したコンテンツ作りが重要となってくると思われます。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2019年1月~5月のネット行動ログデータを分析しました。
※調査対象は2019年1月~5月
※ネット行動ログは検索前後180分の行動ログを抽出して分析

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第16弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「猫ミーム」「Bluesky」「LYPプレミアム」の3テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。Z世代のSNSの使い方、猫ミームがバズった背景、LYPプレミアムの魅力とZ世代のサブスクの使い方など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2024/03/04〜2024/03/10)

みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2024/03/04〜2024/03/10)

ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」をもとに、週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているキーワードを取り上げます。


低価格ジムとして急成長したchocoZAPを早期に検索していたアーリーアダプターの特徴とは?

低価格ジムとして急成長したchocoZAPを早期に検索していたアーリーアダプターの特徴とは?

「コンビニジム」という呼び名としても知られるchocoZAPは、RIZAPが展開する24時間経営のジムです。2022年7月にサービスを開始してから、低価格かつ全国どこでも利用できることに加え、脱毛器やエステがセルフで利用できたり、入会で便利な機器がもらえたりと、多様なサービスによって多くの人の支持を集めています。急成長を続けるchocoZAPですが、サービス開始当初にはどのような人が興味を持っていたのでしょうか。chocoZAPというワードを早期に検索していた人を対象に、ユーザー属性を調査していきます。


「睡眠」ブームの裏にある悩みとは?現役サラリーマンの幅広いアプローチに注目

「睡眠」ブームの裏にある悩みとは?現役サラリーマンの幅広いアプローチに注目

三大欲求の一つにも数えられる「睡眠」ですが、日本人の平均睡眠時間は世界でもトップクラスに短いと言われています。ゲームアプリ「Pokémon Sleep」の人気もあり、睡眠への関心が高まっている昨今。「睡眠」検索者が知りたがっていることやその実態を、行動データから調査してみました。


みんなが気になっているのは何の「始め方」「やり方」? 検索エンジンとYouTubeで比較

みんなが気になっているのは何の「始め方」「やり方」? 検索エンジンとYouTubeで比較

新年度の始まりを控える3月。この時期に新しく何かを始めようと考えている人も多いのではないでしょうか?近年では、XやInstagramなど各種SNSの普及が進み、SNSアプリ内で必要な情報を検索することも増えてきました。SNSは端的な言葉や画像・動画を用いた説明を得意とするのに対し、Googleなどの検索エンジンでは、文章でしっかりと説明している公式サイトや記事に辿り着くことができます。今、消費者はどんなトピックに関して「始め方」「やり方」が気になっているのか、検索ワードから分析をしていきます。


最新の投稿


Z世代の音声メディア利用率は約3割 ラジオやポッドキャストを"ながら視聴"で【僕と私と調査】

Z世代の音声メディア利用率は約3割 ラジオやポッドキャストを"ながら視聴"で【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、株式会社ニッポン放送と共同で全国のZ世代を対象に、ラジオやポッドキャストなどの音声メディアに関する意識調査を実施し、その結果を公開しました。


職場のデジタル化に遅れを感じる人は約6割 進まない原因に「経営上位層の認識遅れ」や「古いシステムの継続利用」などの声も【TOA調査】

職場のデジタル化に遅れを感じる人は約6割 進まない原因に「経営上位層の認識遅れ」や「古いシステムの継続利用」などの声も【TOA調査】

TOA株式会社は、全国の20~50代の働く男女を対象に「職場環境・デジタル化の実態に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


YouTube, Shorts & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 2>

YouTube, Shorts & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 2>

Gen Z has been enjoying videos since their school days and known as one of the first to adopt short-form videos. We’ll analyze how they use video-format social media and compare with Gen X and Y. This analysis will cover medium usage, popular content, daily integration, purchasing behavior, and awareness.


BtoBデジマに取り組む約8割が成果を実感 年間予算は5,000万円未満の割合が約7割 【リーディング・ソリューション調査】

BtoBデジマに取り組む約8割が成果を実感 年間予算は5,000万円未満の割合が約7割 【リーディング・ソリューション調査】

株式会社リーディング・ソリューションは、BtoB企業に勤務する経営者・役員、会社員の中でも、デジタルマーケティングに関与している方を対象に、「BtoBデジタルマーケティング実態調査」を実施し、結果を公開しました。


“質”重視の消費観がもたらす。2024年中国経済の新傾向

“質”重視の消費観がもたらす。2024年中国経済の新傾向

緩やかな回復を続けている中国経済では、人口の半数近くを占める「80後(1980~89年生まれ)」、「90後(1990~99年生まれ)」、「00後(2000年以降生まれ)」が消費の主力となっています。これらの年代の消費者は生活の質や精神的満足をより重視する傾向にあり、中国経済に新しいトレンドを生み出しています。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ