2020年1月の急上昇サイトは?
まず、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。
デバイスはPCとスマートフォンの合算。ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に即して推計。
確定申告関連や宝くじ当せん発表サイトが上位に
それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。
1位:国税庁 確定申告書等作成コーナー
2020年1月のユーザー数増加率1位は、国税庁ホームページの確定申告書等作成のための特設ページでした。確定申告の時期と急上昇の時期が一致するので、時期的なものと考えられます。流入元を確認してみましょう。
「国税庁 確定申告書等作成コーナー」の流入元セッション数(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
流入元ランキングを見てみると、サイト内からの流入が多いことがわかります。同サイトは確定申告書の作成のためステップごとにページ遷移する設計となっていることが要因でしょう。
他に外部サイトからの流入について見てみると、訪問ユーザー数前月比ランキング2位の「e-tax 国税電子申告システム」からの流入が最も多いことがわかります。また、「国税庁」のホームページからの流入も多くなっています。
「国税庁 確定申告書等作成コーナー」の流入元外部サイトランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
e-Taxはユーザー数急上昇サイト2位にランクインしていました。次で詳しく見ていきましょう。
2位:e-tax 国税電子申告システム
まず、2位「e-tax 国税電子申告システム」も流入元を確認してみます。
「e-tax 国税電子申告システム」の流入元(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
こちらは国税庁サイト確定申告書等作成コーナーと異なり、自然検索が顕著に多くなっています。検索のキーワードを確認してみましょう。
「e-tax 国税電子申告システム」の検索キーワードランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
検索キーワードランキングを見ると、ほとんどのキーワードが何らかの形で「e-Tax」という単語を含んでいます。検索者がすでにe-Taxの存在を知った上で、確定申告をするために能動的にこちらのサイトを利用している様子が読み取られます。
また3位、6位のキーワードを見ると、急上昇ランキング1位の国税庁サイト「確定申告書等作成コーナー」を検索し、こちらのe-Taxのサイトにアクセスする人も多いようです。
次にどのような外部サイトからの流入が多いのか見てみましょう。
「e-tax 国税電子申告システム」の流入元サイトランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
1位は前出の「国税庁 確定申告書等作成コーナー」、2位も国税庁のホームページとなっています。4位は「マイナポータル」で、マイナンバーを利用して各種行政手続きがワンストップで行えるウェブサイトです。マイナポータルはマイナンバーを紐づけて利用するため、ここからe-taxのサイトに移動すると、一部の個人情報の入力を省略できるというメリットがあります。また、クラウド会計ソフト「freee」からのアクセスも見られました。
では、続いて3位以降を詳しく調べてみましょう。
3位:速報ナビ:宝くじ当せん番号案内
3位「速報ナビ:宝くじ当せん番号案内」は、その名の通り各種宝くじの当選番号を発表するサイトです。12月の「年末ジャンボ宝くじ」や、年賀はがきの当選発表など大きな発表が1月に集中していることが要因と思われます。流入元を確認してみましょう。
「速報ナビ:宝くじ当せん番号案内」の流入元(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
圧倒的に自然検索が多いことがわかります。どのような検索キーワードが用いられたのでしょうか。キーワードランキングを確認していきます。
「速報ナビ:宝くじ当せん番号案内」の検索キーワードランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
ランキングTop10の結果を見ると、10位の「年末ジャンボミニ」を除くすべてが年賀はがきに関する検索ということがわかります。年賀はがきは、普段宝くじを購入しない人ももらう機会があり、そういった人々の検索がユーザー数の前月比増に反映されていると推測できます。
ラグビー人気定着?テニスも根強い人気
他にはどのようなサイトが人気を集めていたのでしょうか。5位の「スポーツナビ」を見てみましょう。
「スポーツナビ」は、スポーツ関連のニュースサイトです。どういったニュースが注目を集めていたのか、コンテンツランキングで確認していきましょう。
「スポーツナビ」のコンテンツランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)
これを見ると、ラグビーのトップリーグと大学選手権、そしてテニスの全豪オープンに注目が集まっていたことがわかります。
1位、2位をラグビー関連ページが占めているのは、日本で開催された2019年のワールドカップにより注目を集めた影響があるのでしょうか。
芸能ニュースに集まった注目
サイトキャプチャ画像は3月末のもの。新型コロナの話題がトップを占める
1月の急上昇ランキングの中でも訪問ユーザー数が多かった、10位の「週刊女性PRIME」ではどのようなコンテンツに注目が集まったのでしょうか。コンテンツランキングを見てみましょう。
「週刊女性PRIME」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)
コンテンツランキングによると、俳優の東出昌大さんと唐田えりかさんの不倫、および木下優樹菜さんの不倫騒動に関する記事が注目を集めていたことがわかります。いまや新型コロナウイルスの話題が占めるなか、1月はセンセーショナルな芸能ニュースが話題となっていました。
まとめ
最後に2020年1月の、訪問ユーザー数急上昇サイトとその増加要因をまとめます。
1.確定申告と年賀はがき
1月のユーザー数急上昇サイトは、確定申告関連やお年玉当選発表のサイトでした。どちらもこの時期に特徴的なイベントで注目度が高まることは予想できますが、確定申告関連サイトがWeb行動ログ分析上でここまで如実に結果が現れるのは、意外に思われたのではないでしょうか。
煩雑な手続きを踏まなければいけなかった確定申告をオンライン上で完結させることができるようになり、利用者は来年以降も増加すると考えられます。
2.時事ネタ
芸能ニュースや人気スポーツなどの時事ネタを扱ったサイトも、大きなイベントの追い風を受けてユーザー数を増やしていました。年明けの時期だったことも訪問ユーザー数の増加に寄与したかもしれません。
調査は競合・市場分析ツールeMark+を用いて行いました。今回の急上昇サイトランキングはeMark+の無料機能で見ることができます。この機会にぜひ登録してみてはいかがでしょうか。取り上げたトレンドや他社事例を活用し、キャンペーン施策立案などのマーケティング活動に活かしてみてください。
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2020年1月に訪問ユーザー数が前月比で急上昇したサイトを分析しました。
※対象期間:2020年1月
※ユーザー数:該当サイトを訪れたUnique User数
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
ウィーン大学への留学を経て京都大学文学部卒業。
外資系大手ITコンサルティング会社に勤務後、フリーランスライターに転向。