トヨタの「ライズ」が大躍進!興味を持っているのはどんな人?

トヨタの「ライズ」が大躍進!興味を持っているのはどんな人?

近年、自動車業界において人気のSUVですが、その中でも小型のSUVに注目が集まっています。2019年11月5日に発売したトヨタの新型コンパクトSUV「ライズ」は、2020年1月の登録車の車名別販売台数でトヨタ「カローラ」を抜きトップとなり、2020年2月も引き続き首位をキープしており人気となっているようです。今回はトヨタ「ライズ」の公式サイトに接触した人が、検索前後3時間内でどんなネット行動をしていたかについて調査し、どのような人たちの関心を集めているか考察します。


トヨタ「ライズ」とは?

トヨタが発売した「ライズ」は『SUVに乗りたい、荷物をたくさん積みたい、でも運転しやすいコンパクトなサイズがいい(※1)』というユーザーの要望に応えたコンパクトSUV。
(※1)トヨタ自動車株式会社の公式企業サイトから一部抜粋

トヨタ「ライズ」の特徴は
 ・全長4m以下の5ナンバーサイズで、取り回しがしやすいコンパクトSUV
 ・車両本体価格167万9000~228万2200円と、SUVなのにリーズナブルな価格設定
 ・先進安全装備17種類も搭載されている商品性能の高さ
 ・荷室容量が369Lと広く、大容量スペース&利便性の高い室内空間を実現

と、かなり魅力的な車両概要となっています。

発売月の11月が訪問者数のピークに

まずは、トヨタ「ライズ」の公式サイトの訪問者数推移を見てみましょう。トヨタ「ライズ」はダイハツ「ロッキー」のOEM供給となっているので、併せてダイハツ「ロッキー」の公式サイトの訪問者数推移も見てみました。

両者とも発売月の2019年11月がピークとなっており、翌月以降は減少傾向にありました。発売月の11月はトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」のユーザー数はほぼ同程度、翌月の12月以降はトヨタ「ライズ」の方が上回っている結果となっています。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している販売台数では、トヨタ「ライズ」に軍配が上がっていました。ただ、ダイハツ「ロッキー」も販売台数は好調のようで、ダイハツの稼ぎ頭にまで成長しているようです。

トヨタ「ライズ」、ダイハツ「ロッキー」の公式サイトのユーザー数推移

トヨタ「ライズ」、ダイハツ「ロッキー」の公式サイトのユーザー数推移

※2019年11月~2020年3月

一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している販売台数

コンパクトカーでありながら男性比率が8割

次に、トヨタ「ライズ」はどのようなユーザーが興味を示しているのでしょうか?トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人を分析してみました。

性別は圧倒的に男性が多く8割弱となっていました。コンパクトカーと言えば女性を想起させますが、男性比率が高いことは意外な結果となりました。

年代別ではどの年代もほぼ均等で、最も高くて40代の24.7%となっていました。幅広い年齢層に興味をもたれていることがうかがえました。

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人の属性:性別、年代別

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人の属性

※2019年11月~2020年2月

また未既婚で見てみると、興味関心が高いのは既婚者で約6割。子供有無では子供なし世帯の方が若干上回っていますが、双方に人気があるようです。

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人の属性:未既婚、子供有無

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人の属性

※2019年11月~2020年2月

ボディタイプよりも価格帯を重視?

続いて、トヨタ「ライズ」のブランドサイトに訪問した人が、訪問前後で検索していたキーワードをランキングで見てみましょう。多くランクインしていたキーワードは「ライズ」に関連するメーカー名の「トヨタ」や「TOYOTA」車名の「ライズ」や「RAIZE」でした。

購入の際、比較検討をしていると考えられる兄弟車の「ダイハツ」や「ロッキー」も上位を占めていました。また、「ライズ」のデザインは“ミニRAV4”と言われていることもあり、トヨタの「RAV4」もランキングにあがっていました

トヨタ「ライズ」はSUVの中でも比較的リーズナブルな価格で、求めやすい価格設定となっていることもあり、ランキングには同じ価格帯の車種があがっていることも特徴的でした。ボディタイプも様々で、セダンのトヨタ「カローラ」、コンパクトカーのトヨタ「ヤリス」、ミニバンのトヨタ「シエンタ」、小型SUVのスズキ「クロスビー」などが検索されていることから、ボディタイプよりも価格帯が重視されていることが考えられます。

発売未定のSUVのトヨタ「TJクルーザー」にも関心が寄せられているようです。

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人のキーワードランキング

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人のキーワードランキング

※2019年11月~2020年2月

情報はメディアサイトから収集する傾向

最後に、「ライズ」のブランドサイト訪問前後に閲覧していたサイトを、ランキングで見てみましょう。トップはメーカー公式サイトの「トヨタ自動車」で、次いで兄弟車「ロッキー」を発売している「ダイハツ工業」のメーカー公式サイトとなっていました。

メーカーの公式サイト以外で多くランクインしていたのは「carview!」や「Car Watch」、「ベストカー」、「web CG」などの自動車情報サイトとなっていました。メディアサイトが多くランクインしていることから、ユーザーからは車両スペック以外の情報を少しでも多く収集したい気持ちが読み取れました。

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人のサイトランキング

トヨタの「ライズ」ブランドサイトに訪れた人のサイトランキング

※2019年11月~2020年2月

また、6位にはトヨタ自動車が2019年2月から開始したサブスクリプションサービス「KINTO」の公式サイトもランクイン。「KINTO」は頭金が不要で、車両代や任意保険、自動車税、登録諸費用、車両メンテナンスがパッケージ化された月額定額サービスということもあり、お得なプランも検討材料の1つになっているようです。

まとめ

今回はトヨタ「ライズ」について調査しました。コンパクトカーでありながら男性比率が8割弱と男性からの支持も高く、さらに幅広い年齢層にも興味を持たれていることがわかりました。

「ライズ」は“リーズナブルな価格”を訴求していることもあり、ユーザーはSUVというボディタイプよりも価格帯を重視して比較検討していることもうかがえました。

SUVブームの波に乗り、他社も含めて今後のコンパクトSUV市場の動向に注目したいです。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2019年11月~2020年2月のネット行動ログデータを分析しました。
※訪問者数推移、販売台数の調査対象は2019年11月~2020年3月
※ネット行動ログは検索前後180分の行動ログを抽出して分析

※この記事には英語版もあります(This article also has an English version. Click on the link below.)

Toyota's "RAIZE" is making great strides! Who are interested in it?

https://manamina.valuesccg.com/articles/1526

The "RAIZE", Toyota's new compact SUV launched on November 5, 2019, surpassed Toyota Corolla to become the top-selling vehicle in January 2020 and continued to be the top-selling vehicle in February 2020. In this article, we will examine the online behavior of people who visited official website of Toyota's "RAIZE".

関連記事

自動車業界5社をマーケティング視点で企業研究!現役大学生のデータドリブン就活【第1回】

https://manamina.valuesccg.com/articles/636

競合分析ツール「eMark+」を使って、就職活動に役立つコンテンツをお届けする企画を始めます。第1回は自動車業界の主要5社、トヨタ・ホンダ・日産・マツダ・スズキをWebサイトの集客状況から分析し、企業の強みや違いをまとめました。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

いすゞの「だれでもトラック」エルフミオは変革を起こすか? Webサイト訪問者データで初動を分析

2024年7月、いすゞ自動車は新型トラック「ELFmio」を発表しました。普通自動車免許で運転でき、「だれでもトラック」と銘打たれるこのトラック。狙いは物流を担うトラックドライバー不足の解決です。そんなエルフミオのインパクトを、Webサイト訪問者データを通じて分析しました。


ライドシェア解禁を受けて配車サービスの利用実態はどう変化した?行動データから考察

ライドシェア解禁を受けて配車サービスの利用実態はどう変化した?行動データから考察

ライドシェアサービスは、運送する人と運送してほしい人を専用プラットフォームでマッチングする仕組みであり、日本語では「相乗り」を意味します。これまで日本では自家用車を使った有償運送が原則禁止されていましたが、2024年4月から限定的に解禁されました。これにより、一般ドライバーが特定の地域や時間帯で自家用車を使って旅客を運べるようになり、タクシー運転手不足の解消が期待されています。この記事では、「ライドシェア」の検索結果や主要サービスを調査し、関心や利用実態を考察していきます。


カーシェアの市場規模や利用者数を調査。主要サービスの公式サイト訪問データから考察

カーシェアの市場規模や利用者数を調査。主要サービスの公式サイト訪問データから考察

カーシェアは車を共同利用するサービスで、日本にシェアリングエコノミーの考え方が広がるとともに普及しました。今回は国内の主要な13のカーシェアサービスのWebサイトを訪問した人のデータから、カーシェア業界の市場規模やどのような層が関心があるのかを調査していきます。


Hyundai, South Korea's largest automobile manufacturer. Investigating the reaction to their new EV "KONA"

Hyundai, South Korea's largest automobile manufacturer. Investigating the reaction to their new EV "KONA"

Hyundai re-entered the Japanese market in 2022 and began selling its compact SUV KONA EV in November 2023. It attracted attention for its relatively affordable price (3,993,999 yen) among other EV SUV models. Based on KONA web page visitors, we’ll analyze the interest segment, other manufacturers, and traffic sources.


HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

2022年に日本市場に再進出したHYUNDAI(ヒョンデ)は、2023年11月にコンパクトSUVのEV「KONA(コナ)」の販売を開始しました。SUVのEVでありながら、車体価格が399万3,000円からと、他の高額なモデルと比較して手頃な価格であることが注目されています。今回は ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の調査を行い、どのような人が関心を持っているかや比較対象となるメーカー、集客構造を調査していきます。


最新の投稿


博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

株式会社博報堂は、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立したことを発表しました。


【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が運営する「ランクエスト」にて、SEO対策で実際に失敗を経験した担当者に対し、その原因や対策についてアンケートを実施し、結果を公開しました。


ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

株式会社ゴンドラは、カスタマーサクセス、CRM、CXデザイン業務経験者を対象に、顧客エンゲージメントに関するアンケート調査を実施しました。


SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が提供する「ランクエスト」にて、動画コンテンツ活用者を対象に、SEO対策としての動画の有効性について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ