拡大中のメンズスキンケア市場を牽引するブランド「BULK HOMME」の強みとは?データからマーケティングコンサルタントが分析

拡大中のメンズスキンケア市場を牽引するブランド「BULK HOMME」の強みとは?データからマーケティングコンサルタントが分析

気になるブランドや商品についてヴァリューズのマーケティングコンサルタントが調査する企画。今回の調査は男性用化粧品市場で注目を集めているD2Cブランド『BULK HOMME(バルクオム)』についてです。BULK HOMMEがユーザーを増やしている理由は何なのか。他ブランドとの比較を交えながら考察していきます。


BULK HOMME(バルクオム)とは?

こんにちは。私はデータマーケティングの会社・ヴァリューズでコンサルタントを務めている伊東と申します。

株式会社ヴァリューズ マーケティングコンサルタント 伊東茉冬(いとう・まゆ)
新卒では出版社に就職。営業・社長秘書を務めたのち、ヴァリューズに入社。現在は事業会社に対してマーケティング支援を行っている。息抜きは欅坂46の動画を見ること。

気になるブランドや商品についてヴァリューズのマーケティングコンサルタントが調査する企画。今回は男性用化粧品市場で注目を集めている『BULK HOMME(バルクオム)』の戦略ついて、競合との比較やユーザー分析データから考察していきます。

BULK HOMME(バルクオム)とは、メンズスキンケアブランドであり、市場の拡大が期待されている男性用スキンケア市場において独自のポジションを築き上げています。また、D2Cブランドとして成功した事例としても注目を集めています。

BULK HOMME

https://bulk.co.jp/

「THE BASIC MENʼS SKIN CARE」をコンセプトに、確かなエビデンスから成る「瞬間的価値」と「⻑期的価値」を両⽴したプロダクトを提供する、メンズスキンケアブランドです。【brand site】https://bulk.co.jp/ 【amazon】http://goo.gl/gvZ6Ej

木村拓哉さんが出演しているCMに見覚えのある方も多いのではないでしょうか。筆者個人の印象としては、CM放映から一気に認知を拡大していったイメージを持っています。

富士経済の調査によると、2019年のメンズフェイスケア市場は前年比5.3%増の257億円となっており、市場が拡大傾向であることが伺えます。

富士経済、メンズコスメ・ヘアケア・ヘアメイクの国内市場を調査|週刊粧業オンライン

https://www.syogyo.jp/news/2020/06/post_027873

富士経済は、ボタニカルやオーガニック訴求商品が好調なヘアケア・ヘアメイクと、フェイスケアアイテムの使用率上昇により拡大が続くメンズコスメティックスの国内市場を調査した。

特に最近では様々なメーカー、ブランドから新規参入が続いており、これからますます市場シェアを巡って激戦となっていくことが予測されます。

今回はBULK HOMMEと競合となるメンズスキンケアブランドを比較しつつ、今後の男性用スキンケア市場についても考察していきます。

サイト訪問者急増のBULK HOMME、20代が約4割

まずはBULK HOMMEの公式サイトの分析データを見てみましょう。

公式サイトへの訪問者の推移を2018年9月から2020年8月の2年間で見てみると、2020年1月以降ユーザー数が急増していることがわかります。

BULK HOMME公式サイト閲覧ユーザー数推移 (2018年9月~2020年8月 PC/スマホデータ合算)

また、ユーザーの属性としては当然ではありますが、男性が84.2%と大半を占めており、年代では20代が約4割を占めていることが分かります。かなり若い年代の支持を集めていると言えそうです。

BULK HOMME公式サイト閲覧ユーザー属性 (2018年9月~2020年8月 PC/スマホデータ合算)

一方、サイト訪問者と比較し、「BULK HOMME(バルクオム)」検索を行ったユーザー数を見てみるとグラフのように変化していました。

2020年4月から5月にかけてユーザー数が増加していることが分かります。

「BULK HOMME」もしくは「バルクオム」検索ユーザー数推移(2018年9月~2020年8月 PC/スマホデータ合算)

木村拓哉さん出演のCMが2020年5月に放送でしたので、その影響でかなり検索ユーザーが増えたのではないかと考えられます。また、2020年1月にサイト訪問者が急増していたのはSNS上の広告施策によるものと考えられます。

このことから、WEB上の広告施策でサイト訪問者を増やしつつ、CMで認知をアップさせたという戦略が浮かび上がってきます。

競合と比較したブランドの強みとは

メンズスキンケアブランドとしてはニベアメン(花王)やUNO(資生堂)が思い浮かびますが、それ以外にもオルビスやDHC、THREEといったブランドからも男性向けのアイテムが発売されています。これらブランドと比較したBULK HOMMEの特徴や強さについて考察しました。

男性を主役に

これまでスキンケア含む化粧品は女性向けに作られていることが当たり前でした。男性でスキンケアをしていた人は男性用スキンケア市場が盛り上がる前にもいたとは思いますが、一般的に女性用として販売されている商品を利用する人がほとんどだったのではないでしょうか。

そういった状況の中で、BULK HOMMEは明確に男性専用であることを押し出すことでスキンケアに関心のある男性を取り込んでいったと考えられます。

様々なブランドから男性用のスキンケア商品が売り出されてはいても、既存の女性向けブランドからラインナップとして男性用が売り出されていることが多く、どうしても男性用は「おまけ」感が出てしまいます。

そうではなく、BULK HOMMEはあくまで男性専用であり、男性のために作られたブランド、ということがユーザーの心を掴んだのではないでしょうか。

スキンケア商品が主軸

BULK HOMMEの主軸がスキンケア商品であることも、ブランドイメージを「スキンケアブランド」として確立させることに一役買っているのではないかと考えられます。

競合で、女性向けブランドではなく男性向けブランドとして存在しているブランドであっても、もともとヘアカテゴリ商品など他のカテゴリを販売していたブランドからスキンケアもラインナップとして出されていることが多いと感じます。

そうすると、やはりもともとあった商品カテゴリ=ブランドイメージに繋がってしまい、スキンケア商品をそのブランドで買う、という想起や行動に結びつきにくくなる可能性もあります。その点、BULK HOMME=スキンケア商品のイメージが確立されていることは1つの強みではないでしょうか。

オンライン発信で若い世代の取り込みに成功

BULK HOMME公式Instagramアカウント(https://www.instagram.com/bulkhomme_jp/

BULK HOMMEはSNSを活用したオンラインでのブランディングや情報発信が強さとしてあります。特にInstagramに力を入れており、コンテンツの内容は商品紹介ではなくライフスタイルの発信や、男性モデルの方々とコラボした内容が多く投稿されています。

男性にとって憧れとなるようなライフスタイル情報の発信を商品と絡めて行うことで、洗練されたBULK HOMMEブランドのイメージを消費者に与えられていそうです。また、SNSでリーチしやすい若年層を獲得できているというのは、サイト訪問者の属性を見ても明らかです。

今後の男性用スキンケア市場を概観

現状の男性用スキンケア市場について、今回の内容をふまえたポジションをまとめてみるとこのような形が考えられます。

女性向けブランド、男性向けブランドを横軸、売り場としてオンラインが強いか量販店(ドラッグストアやスーパーなど店舗)が強いかを縦軸にした場合の、それぞれのブランドのポジションを図示しています。

今回取り上げたブランド以外にも多数メンズスキンケア商品には新規ブランドが参入してきていますので、今後勢力図がどのように変化していくのか注目していきたいところです。

また、男性がスキンケア商品を選ぶ際に影響してくるのは、同居している女性であったり、付き合っている女性だったりすることも考えられます。

BULK HOMMEは男性が自分のために自分で選ぶ、という傾向が強いのではないかと感じますが、女性ブランドから派生した男性向けスキンケアブランドは、男性に影響を与えやすい女性を取り込む、というのがひとつ戦略としてあるかもしれません。

そのためにはまず男性ラインがあることを認知してもらう必要がありますので(私も今回の調査で初めて男性ラインがあることを知ったブランドもありました)、プレゼントを選ぶ際に候補に挙がるような訴求を考えるのも1つ方法としてはありそうです。

まとめ

本記事ではBULK HOMMEの動向とブランドとしての強さに着目し、分析を行いました。

中でも
男性を主役にしたこと
スキンケア商品が主軸であること
オンライン発信で若い世代の取り込みに成功したこと
が成長を続ける要因として考えられます。

拡大が見込める男性用スキンケア市場ですが、ひときわ強さを誇るBULK HOMMEがどのような展開を行っていくのか、今後も注目していきたいと思います。

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この記事のライター

株式会社ヴァリューズ マーケティングコンサルタント 伊東茉冬(いとう・まゆ)
新卒では出版社に就職。営業・社長秘書を務めたのち、2019年にヴァリューズに入社。現在は化粧品、日用品、住宅業界などの事業会社に対してマーケティング支援を行っている。

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