車のサブスクリプションとは?
車のサブスクリプションとは、月々定額で新車に乗れるサービスのことです。
用語としての「サブスクリプション」とは、英語で「定期購読」を意味し、商品に購入代金を払って「所有する」のではなく、定額料金を支払うと一定期間「利用できる」ビジネスモデルのことを指します。所有にこだわらない消費者意識の変化は「モノの所有から利用へ」とも言われます。
サブスクリプションは、音楽や動画の配信サービスなどネットサービスを中心に一般的になってきていますが、高級消費財の車にも、その流れは及んでいます。矢野経済研究所の調査によれば、個人向けオートリース車両保有台数は、2018年3月時点で前年度比2割増の25万台に達し、その結果2022年度には93万台規模に成長すると予測しています。
このような流れを受けて、トヨタなどのメーカー系も、月々定額で新車に乗れる車のサブスクリプションサービスに参入しています。法人利用のイメージが強いカーリースに対して、個人利用が主体のサブスクリプションという棲み分けがされているようです。
サブスクリプションとは?ビジネスモデルや具体的なサービス事例をわかりやすく解説
https://manamina.valuesccg.com/articles/732最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」方式。定期購読に代表される定額で一定期間利用できるサービスです。この記事ではサブスクリプションの定義や、具体的なサービスの事例を紹介していきます。
車のサブスクリプションの特徴
■特徴1:初期費用を抑えられる
ローンを組むと頭金の用意が必要な新車購入とくらべ、月々定額の車のサブスクリプションは、車に乗るための初期費用を抑えられます。
この特徴は、若者や話題の新車にすぐ乗りたい方など、手元に頭金がない方にメリットがあります。「若者の車離れ」と言われるなか、自動車メーカーが参入する理由の一つです。
■特徴2:車の乗り換えが簡単
一般に車の所有期間は7〜8年程度ですが、車のサブスクリプションでは3年・5年・7年などそれより短い契約期間が設定されています。数年ごとに新しい車に乗り換えたい方や、カップル時代、結婚して夫婦のみ、子どもが生まれてファミリーカーなど、ライフステージの変化に柔軟に対応できるメリットがあります。
また、車を買い換えるには、前の車を処分する必要がありますが、この点でも車のサブスクリプションなら契約期間終了後に返却するだけなので、手間を省けます。
■特徴3:定額料金に諸費用コミコミで諸手続きが楽
新車を購入し、維持していくには色々な費用がかかります。車の登録時の諸費用や車検代、自動車税などが代表的ですが、車のサブスクリプションでは一通りの費用がコミコミのため、自分でそれぞれの手続きをする必要がありません。
個人利用の場合は毎月定額なので突発的な出費が減る、法人なら従来個別に経費処理していたものが一本化されるなどのメリットがあります。
カーシェア/レンタカー/カーリースとの比較
車を借りる選択肢には、車のサブスクリプションのほかに、カーシェア/レンタカー/カーリースなどの選択肢があります。ここでは、それぞれの特徴と違いについて説明します。
■15分単位など、短時間の利用に向く「カーシェア」
カーシェアはサービス提供者の車を一時的に借りて利用できるサービスで、利用時間は15分から数時間程度の短時間が想定されています。カーシェアは車の利用頻度が低く、かさばる買い物や近距離のドライブなどに使われています。
■1日から数日利用に向く「レンタカー」
旅行など数日間集中的に車を使いたい、あるいは引っ越しで大きな荷物を運ぶ必要があるなどのときに便利なのがレンタカーです。
カーシェアやレンタカーでは、借りている車であることを示す「わ」ナンバーになる点に注意が必要です。「モノの所有から利用へ」という流れがあるとは言え、デート相手や取引先に「わ」ナンバーを見られたくない、という意識はまだあるのではないでしょうか。
■月・年単位の利用に向く「カーリース」
カーリースもサービス提供者の車を借りる点ではカーシェアと同じですが、月・年単位などある程度長期間の利用が想定されています。法人の営業車や単身赴任先の足として利用されていますが、最近では個人向けカーリースも伸びを見せています。
カーシェアとの違いとしては、カーシェアでは借りたカーポートへ都度返却する必要がありますが、カーリースでは自宅や自社の駐車場などに置けるため、好きなときに所有車のように使えます。また「わ」ナンバーではないので、ナンバーからは借りた車であることがわからない点もポイントです。
車のサブスク事例:トヨタの「KINTO」
「KINTO」は、トヨタが2019年に開始した車のサブスクリプションサービスです。トヨタ車やレクサス車など20車種以上をラインアップしているのに加え、RAV4など新型車の取り扱いも早い特徴があります。
また、カーリースとの違いとしては、カーリースでは別途契約が必要な任意保険が月々の定額料金に含まれていたり、カーリースでは基本的に認められていない中途解約に対して、あらかじめ中途解約金を明示している、ネットで申し込みから契約まで完結する、などカーリースの不便さを解消しています。
KINTO ONEはトヨタとレクサスの新車をコミコミ定額で楽しめるサブスクリプションサービスです。頭金なし、任意保険料、メンテナンス料込み。 トヨタ、レクサスの正規販売店でメンテナンスが受けられ、新車の安全装備を快適にご利用いただけるサービスです。
■車のサブスク事例:ホンダの「Honda Monthly Owner」
「Honda Monthly Owner」は、ホンダが2020年に開始した車のサブスクリプションサービスです。トヨタが年単位の契約となっているのに対し、ホンダでは1ヶ月以上〜最長11ヶ月と、より短期間の利用が想定されています。
また、最大の特徴はホンダは中古車であることで、新車を取り扱うサブスクリプションサービスが多いなかレアです。中古車で月単位と利用額が小さいため、クレジットカード払いで審査も不要と、利用開始の手続きも簡略化されています。
2020年10月現在、埼玉県と愛知県の2店舗のみのため利用できるエリアは限定的ですが、2020年中に全国の主要都市を中心に展開エリアの拡大を進めるとしています。
最短1ヵ月29,800円からクルマを所有できる定額制サービス、Honda マンスリーオーナー。スマートフォンやパソコンから登録、予約をして必要な書類を送ったら後は店舗に取りに行くだけ!利用したい分だけ所有できる、気軽なサブスクリプションサービスです。
■車のサブスク事例:「おトクにマイカー 定額カルモくん」
「おトクにマイカー 定額カルモくん」はTV CMも行っている車のサブスクリプションの大手サービス。トヨタやホンダと異なり、幅広いメーカーの車種から選べるメリットがあります。
また、マーケターにとって注目すべきなポイントは、SEOに強いナイル社が運営していることで、「カーリース」などのビッグワードで検索結果1位を取って流入につなげています。
マイカーリースならおトクにマイカー 定額カルモくん 新車が格安 月々定額1万円から
https://carmo-kun.jp/【CM放映中!】定額カルモくんのカーリースは、新車に格安で乗れる、NHKなどでも話題の個人向け自動車リースサービスです。全国産メーカー全車種をラインナップ!税金・手数料コミの月額定額料金でおトクに新車にお乗りいただけます。
車のサブスクリプションについてのまとめ
「モノの所有から利用へ」と消費者の意識が変化するなか、ローンを組んで購入するものだった高級消費財の車でも、複数のサブスクリプションサービスが始まっています。
月々定額で新車に乗れる車のサブスクリプションサービスには、初期費用を抑えて乗りたい車にすぐ乗れる、数年単位で車の乗り換えが簡単、諸費用コミコミで手続きが楽などのメリットがあります。
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