マスク着用でマウスウォッシュが話題に!中でも「リステリン」が注目されている理由を検索データから探ってみた

マスク着用でマウスウォッシュが話題に!中でも「リステリン」が注目されている理由を検索データから探ってみた

新型コロナウイルスの影響でマスクの着用が常態化している昨今。長時間のマスク着用などで自分の口臭が気になっている人が増えているのではないでしょうか。最近では、マスク着用という新生活様式に伴い、エチケットの一環としてマウスウォッシュなどの口臭ケア用品を取り入れている人も多いようです。そこで今回は「口臭」に関連するキーワードに着目して調査・分析をしてみました。


口臭対策への意識から「オーラルケア」と検索するユーザーが増加

まずは、「口臭」と検索したユーザーが直近1年間でどの程度いるのかを見てみましょう。検索ユーザー数は2020年1月をピークに徐々に下降しています。逆に、「口臭」をケアするワードの「オーラルケア」を検索しているユーザーは2020年5月から増加していることがわかります。

マスク着用の日常が普通になり、気温の上昇とともに口臭対策や予防について意識が高くなってきたことがうかがえます。

「口臭」検索ユーザー数推移

「口臭」検索ユーザー数推移

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

「オーラルケア」検索ユーザー数推移

「オーラルケア」検索ユーザー数推移

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

「マウスウォッシュ」と検索しているユーザーは1.4倍に

では、どんな口臭対策にニーズがあるのでしょうか?検索データを調べてみたところ、「マウスウォッシュ」や「洗口液」などのケア用品を探していることがうかがえました。特に「マウスウォッシュ」に関しては1年前と比較すると1.4倍にまで検索ユーザー数が伸びていることがわかります。

「マウスウォッシュ」とは、口に入れてすすぎ、吐き出すだけで歯ブラシによる歯みがきを行う必要がない商品ということもあり、マスクの着用前に手軽に口臭予防ができることもあり、今の時代の新しいエチケット方法になりつつあるようです。

「オーラルケア」、「洗口液」検索ユーザー数推移

「オーラルケア」、「洗口液」検索ユーザー数推移

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

また、「マウスウォッシュ」を検索しているユーザーの関心ワードを見てみたところ、特徴的なワードとしては『リステリン』がトップとなっており、次いで『歯磨き』、『うがい』となっていました。

複数あるマウスウォッシュの中で『リステリン』が指名されていることから、『リステリン』の認知度や関心度合いが高いことが考えられます。

「マウスウォッシュ」関心ワード/特徴値TOP10

「マウスウォッシュ」関心ワード/特徴値TOP10

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

検索ユーザーのデモグラフィック

年間の検索ユーザー数が最も多いのは「リステリン」

マウスウォッシュには「リステリン」の他に、「モンダミン」や「GUM」など各メーカーから様々な商品を販売しています。

今回は以下の5つの商品に絞って検索ユーザー数や属性を見てみたいと思います。

ジョンソンエンドジョンソン「リステリン」

https://www.listerine-jp.com/

薬用マウスウォッシュ(洗口液・液体歯磨き)リステリン®のホームページです。リステリン®はバイオフィルムに浸透殺菌!歯垢の沈着、歯肉炎、口臭を予防します。

アース製薬「モンダミン」

https://www.earth.jp/mondahmin/

お口トラブル(口臭・歯肉炎・むし歯など)の原因となる食べカスやミクロのよごれ、ネバネバをしっかり洗い流すマウスウォッシュ(洗口液・液体ハミガキ)の「モンダミン」公式サイト。悩みに合わせて選べる豊富なラインナップでお口の健康を守ります。

ライオン「クリニカ」

https://clinica.lion.co.jp/product/quickwash.htm

歯磨きできない時も、すすぐだけで酵素が歯垢(プラーク)を分解・除去。「クリニカクイックウォッシュ」をご紹介します。予防歯科から生まれたクリニカ。

サンスター「GUM」

https://jp.sunstargum.com/

G・U・M(ガム)は、歯周医学から生まれた最新のアプローチで、歯周病菌とたたかうトータルケア製品です。歯周病リスクからあなたを守り、「健康を支えるライフブランド」として進化し続けていきます。

ライオン「NONIO」

https://nonio.lion.co.jp/lineup/mouth_wash.htm

長時間殺菌処方でクリアな息をキープするNONIOマウスウォッシュのラインアップから製品特長までをご紹介します。

直近1年間で、最も検索されていたのは「リステリン」で、次いで「クリニカ」、「GUM」、「モンダミン」、「NONIO」となっていました。

ただ、「クリニカ」や「GUM」、「NONIO」はマウスウォッシュの他に、歯ブラシや歯磨き粉、デンタルフロスなどがあることを考えるとマウスウォッシュのみの商品を提供している「リステリン」の検索数は非常に多いと言えそうです。

各キーワードの年間ユーザー数

各キーワードの年間ユーザー数

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン
※各キーワードはブランド名の単語一致で集計

「クリニカ」は女性との親和性が高い

次に、検索ユーザーの属性を見てみましょう。性別では、全体的に男性比率が高くなっている中で「クリニカ」だけは女性比率が10ポイント程高くなっていることから、「クリニカ」は女性との親和性が高いと言えそうです。

各キーワードの属性:性別

各キーワードの属性:性別

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

「NONIO」は20代からの支持が多い

年代別では、全体的に40代が最も多く「NONIO」だけは20代が多いことがわかりました。「NONIO」は若年層に人気があるようです。

各キーワードの属性:年代別

各キーワードの属性:年代別

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

ブランドごとに異なる利用者層

次に、掛け合わせワードをユーザー属性別(縦軸:年齢、横軸:性別)にマッピングしてみたところ、以下の結果となりました。

▼リステリン
ほとんどが男性で、特に若年層が多い。
「使い方」や「効果」、「ホワイトニング」との掛け合わせが目立つ。

▼モンダミン
比較的男性が多く、中年層が多い。
「プレミアムケア」や「効果」、「センシティブ」との掛け合わせが目立つ。

▼クリニカ
比較的女性が多く、若年層が多い。
「アドバンテージ」や「歯ブラシ」、「歯磨き粉」との掛け合わせが目立つ。
男性は女性とは逆で高年層が多い。
「フッ素メディカルコート」や「ネクストステージ」、「ハミガキ」との掛け合わせが目立つ。

▼GUM
男性が多く、特に高年層が多い。
「サンスター」、「歯ブラシ」、「歯間ブラシ」との掛け合わせが目立つ。

▼NONIO
若干男性が多く、特に若年層が多い。
「ハミガキ」や「マウスウォッシュ」、「舌専用クリーニングジェル」との掛け合わせが目立つ。

掛け合わせワードまで細分化して見ると、商品によって性年代の特徴が見られました。

各キーワードの属性マップ

各キーワードの属性マップ

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

「リステリン」を検索しているユーザー数は1.8倍に

最後に、「リステリン」の検索ユーザー数がなぜ増加したのかを探ってみましょう。

年間の推移を見ても「リステリン」以外はほぼ横ばい又は微増なのに対し、「リステリン」は1年前と比較すると1.8倍にまで伸びており、特に2020年4月と8月に急増しています。

2020年4月には東京歯科大学が「リステリン液」はウイルスを不活化させると発表していること、2020年8月には米国感染症学会の機関紙「Journal of Infectious Diseases」で市販の口内洗浄液(リステリン・クールミント)で新型コロナウイルスを不活性化できるという研究結果が発表され、これらが各メディアで報道されたことが注目を集め、検索数が急増した要因だと考えられます。

各キーワードのユーザー数推移

各キーワードのユーザー数推移

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

念のため、「リステリン」検索ユーザーの掛け合わせワードの季節比較を見てみたところ、2020年2月までは掛け合わせワードとして『コロナ』関連のワードは登場しておらず、2020年4月から目立っていることがわかります。

4月に発表された資料には『アルコール』や『消毒』、8月には『クールミント』や『うがい』などのキーワードが含まれており、ユーザーは敏感に反応して検索していることが読み取れます。

「リステリン」は新型コロナが起因して検索数が急増したことが考えられますが、直近では『歯周病』や『ホワイトニング』、『口内炎』などの掛け合わせがワードも増えており、コロナきっかけで口腔内の病気などを気にする人も多くなったと推測されます。

「リステリン」季節比較

「リステリン」季節比較

分析期間:2019年11月〜2020年10月
デバイス:PC、スマートフォン

まとめ

今回は、「口臭」に関連するワードについて調査しました。抽象的な「口臭」というワードではなく 、より具体的な口臭対策として「オーラルケア」への注目が高まっているようです。また、口臭対策として「マウスウォッシュ」にも興味関心が高いようで、検索数が増加傾向にありました。

特にマスク着用が常態化した現在では、「リステリン」など手軽に口がゆすげるマウスウォッシュのニーズが高まっていくと思われます。マウスウォッシュも商品によって性年代に偏りがあるようなので、各社がどのようにユーザーを囲い込むかも注目したいところです。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2019年11月~2020年10月におけるユーザーの行動を分析しました。

「Dockpit」は、過去どのような変化があったのか、消費者のトレンド調査にとても役立ちます。もし宜しければ、無料で利用可能な機能もありますので、下記よりご登録ください。
dockpit 無料版の登録はこちら

リステリンが注目されている理由に関するFAQ

「リステリン」とは?

リステリンは、お口の3大トラブル「口臭」「歯垢の沈着」「歯肉炎」を予防する医薬部外品のマウスウォッシュ用品です。ジョンソン&ジョンソンが開発・販売しています。

「リステリン紫」の「殺菌力」「No.1」とは?

リステリンのラインアップのうち、「リステリン トータルケア+」はパッケージの色から「リステリン紫」と呼ばれています。「リステリン紫」の「殺菌力」とは殺菌に有効な成分が含まれていることを、「No.1」は日本のマウスウォッシュ市場で売上No.1であることを示しています。殺菌力がNo.1ではありません。

「リステリン紫」が新型コロナウイルス感染症対策に有効と過信するのは危険!

リステリンの公式サイトで、ジョンソン&ジョンソンは、コロナの原因菌を死滅させる効果について「いいえ。リステリン®マウスウォッシュはコロナウイルス株に対する試験を一切行っていません。リステリン®マウスウォッシュは手指の消毒剤または表面の殺菌剤としての使用を意図しておらず、それに対して有益とは思われません。」としています。詳しくは公式サイトをご確認ください。

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この記事のライター

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