Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2020を発表!ステイホームでYouTube利用大幅増、非接触推奨でキャッシュレス決済アプリが日常化

Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2020を発表!ステイホームでYouTube利用大幅増、非接触推奨でキャッシュレス決済アプリが日常化

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、2020年1月~10月のWebサイトのアクセス数、スマートフォンのアプリの起動数を調査し、ランキングを作成。前年との比較や、年代別での利用傾向に関しても分析をおこないました。


2020年の年間トップWebサイトは昨年と同じくGoogle、2位にAmazon、3位に楽天市場

2020年、最も多くのユーザーがアクセスしたWebサイトはどこなのか、各Webサイトの訪問者数を調査し、ランキングを作成しました(図表1)。1位は検索エンジンの「Google」、2位に「Amazon.co.jp」、3位は「楽天市場」となっており、トップ3の顔ぶれ、順位は2019年の調査と変動がありませんでした。Amazonと楽天市場のユーザー数も依然として拮抗しています。

4位には動画配信サービス「YouTube」が入りました。上位10サイトのユニークユーザー数がほぼ横ばいの中で、YouTubeは前年比110.4%と顕著な増加を見せています。コロナ禍のステイホーム期間に余暇を楽しむコンテンツとして需要が伸びたことが一因と考えられます。

新型コロナウイルスの影響は他にも出ており、20位の宅配便「ヤマト運輸」は前年比110.9%に増加。背景として、巣ごもりによる通販サービスの利用者増がうかがえます。18位「Googleヘルプ」(前年比118.7%)、26位「Google Docs」(前年比146.7%)などGoogleサービスの伸長も、在宅勤務やリモートワークの増加が関連していると言えるでしょう。

図表 1 2020年 Webサイト訪問者数ランキング

図表 1 2020年 Webサイト訪問者数ランキング

2020年のアプリ利用者のトップはLINE、2位にTwitter、3位にInstagramが入る

スマートフォンのアプリについても、2020年1月~10月の起動ユーザー数を調査することで、“実際によく使われているアプリ”をランキングにしました(図表2)。

2020年、最も利用されていたアプリは「LINE」でした。前年比は94.3%と昨年をやや下回るものの、2位の「Twitter」には大差をつけています。「Instagram」は前年比109.1%と3位に入る健闘をみせ、トップ3はいずれもSNSのアプリとなりました。一方、「Facebook」は8位で前年比90.1%と若干マイナスになっています。

注目すべきは、5位の「PayPay」。前年比154.6%と上位30アプリの中でも最も高い伸び率を示しています。キャッシュレス決済サービスは、17位に「d払い」(前年比140.6%)、28位に「au PAY」(前年比117.9%)と、いずれも通信キャリア系アプリがランクインし、前年比も大幅増加。新型コロナウイルス対策で非接触決済の推奨も追い風となり、キャッシュレス決済アプリの利用が日常化している様子がうかがえます。

また、厚生労働省が2020年6月19日にリリースした「COCOA -新型コロナウイルス 接触確認アプリ」も、利用開始からまだ半年も経っていませんが、27位に入っています。

図表 2 2020年 アプリ利用者数ランキング

図表 2 2020年 アプリ利用者数ランキング

年代別では20代でnoteが躍進。YouTube、PayPayは60代以上のシニア層にも普及

前述のWebサイトやアプリの利用者数について、各年代別でも集計を行いました。図表3,4は、20代、40代、60代以上のランキングになります。

全体ランキングで4位に入った「YouTube」は20代では3位に、そして40代、60代以上の層では前年比が110%を超えるなど、若年層のみならず幅広い年代で利用が進んでいることがわかりました。

また、20代においては17位の「note」が前年比156.2%と集客を大きく伸ばし躍進。noteはブログのように個人がテキスト、画像、音声などを情報発信できるメディアですが、コンテンツを有料販売することもできます。新型コロナウイルス対策で加速した働き方の変化に伴い、副業への関心も高まっており、今後の伸びも期待されます。

ECサイトに目を向けると、20代では2位に「Amazon.co.jp」、40代と60代以上では1位が「楽天市場」となっていました。ミドル・シニア層では、楽天市場の人気が高いようです。

図表 3 2020年 年代別Webサイト訪問者数ランキング

図表 3 2020年 年代別Webサイト訪問者数ランキング

一方、アプリの年代別ランキングをみてみると、全体ランキングでも5位に入り高い伸び率を示した「PayPay」がいずれの年代でも上位にランクイン。特に60代以上のシニア層ではLINE、Yahoo!に続く3位で、前年比も169.0%と大幅なユーザー増となっており、幅広い年代にキャッシュレス決済アプリが普及していることを裏付ける結果となりました。

図表 4 2020年 年代別 アプリ利用者数ランキング

図表 4 2020年 年代別 アプリ利用者数ランキング

新型コロナウイルス感染拡大の影響を色濃く受けた2020年は、Webサイト・アプリなどデジタルメディアの利用にも変化をもたらしました。ユーザーの裾野を広げた「YouTube」や、日常利用が進んだ「PayPay」などが今後もプラットフォームとして定着し、新たなニーズや市場をつくっていくのか、2021年に向けての期待が高まります。

【調査・分析概要】
全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、2020年1月~10月のネット行動ログを調査。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。Webサイトの「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。

関連記事

2019年を総まとめ!アクセス数が多いWebサイトランキング

https://manamina.valuesccg.com/articles/670

元号が「平成」から「令和」となった印象的な年、2019年も間もなく終了します。そこで今回は2019年1月~10月のサイトランキングTOP30を作成し、どんなサイトがランクインしているかを調査しました。また、前年と比較してユーザー数が伸びているサイトにも注目。今後のWebサイトのトレンドが垣間見えるかもしれません。

2019年のアプリ市場を振り返る!実際によく使われているアプリランキング

https://manamina.valuesccg.com/articles/673

2019年も間もなく終わります。そこで今回は、日常生活やビジネスシーンなどで欠かせないものとなっているスマートフォンのアプリについて振り返ってみました。2019年はどんなアプリが人気だったのでしょうか? 2019年1月~10月のアプリランキングTOP30と、前年と比較して利用者数が伸びているアプリについて紹介していきます。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「猫ミーム」は共感性がバズりの鍵?新興SNS「Bluesky」も(2024年2月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第16弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「猫ミーム」「Bluesky」「LYPプレミアム」の3テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。Z世代のSNSの使い方、猫ミームがバズった背景、LYPプレミアムの魅力とZ世代のサブスクの使い方など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「バレンタイン」×「推し活」、大学受験の「応援・ご自愛ニーズ」とは?(2024年1月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第15弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「バレンタイン」「大学受験」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。 お菓子の手作り・購入のみならず、推し活やファッションにも広がるバレンタイン市場の様子や、大学受験にまつわるマーケティング・消費行動など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


Gen Z reflects on 2023 with social media & online behavior data! Was 2023 the year of “self-promotion”? (VALUES x Sucle)

Gen Z reflects on 2023 with social media & online behavior data! Was 2023 the year of “self-promotion”? (VALUES x Sucle)

In this series, Gen Z analysts analyze Gen Z’s behavioral data. For the 13th installment, we welcome editorial team at Sucle. We use data from VALUES & Sucle & real Gen Z opinion to reflect on 2023 trends, like participatory exhibits, seasonal events, creative experiences, MBTI and BeReal., to study the needs of Gen Z.


2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

2023年のトレンド、あの後どうなった?2024年はどうなる?【Pokémon Sleep編】

大注目の中、2023年7月にリリースされた、画期的な睡眠アプリ「Pokémon Sleep」。マナミナではリリース直後にユーザー分析を行い、ポケモンが好きな人も、普段スマホゲームをしない人も利用していることがわかりました。リリースから半年経った現在、ユーザー層はどのように変化したのでしょうか。Dockpitとstory bankを使って分析していきます。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「紅白」「M-1」は他の動画を観ながら「つまみ食い」?(2023年12月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「紅白」「M-1」は他の動画を観ながら「つまみ食い」?(2023年12月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第14弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、FNS歌謡祭・レコード大賞・紅白などの「年末音楽番組」、「M-1グランプリ」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。 TVer(ティーバー)やYouTubeと並行したタイパ重視の音楽番組視聴方法や、SNSを用いたM-1のライブ感ある楽しみ方など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


最新の投稿


“質”重視の消費観がもたらす。2024年中国経済の新傾向

“質”重視の消費観がもたらす。2024年中国経済の新傾向

緩やかな回復を続けている中国経済では、人口の半数近くを占める「80後(1980~89年生まれ)」、「90後(1990~99年生まれ)」、「00後(2000年以降生まれ)」が消費の主力となっています。これらの年代の消費者は生活の質や精神的満足をより重視する傾向にあり、中国経済に新しいトレンドを生み出しています。


Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

Z世代はYouTube、TikTokなど動画主体のSNSの利用時間が長くなる傾向【CCCMKホールディングス調査】

CCCMKホールディングス株式会社は、全国16~24歳の男女を対象に『Z世代のSNS利用実態や生活満足度との関係性』について調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

Z世代にとってSNSは承認欲求を満たす場ではない?身近な人とのコミュニケーション手段としての利用が多数【SHIBUYA109 lab.調査】

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』にて、Z世代を対象に「Z世代の承認欲求に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

約6割の企業が法人向けデジタルギフト利用経験あり 利用シーンは「アンケート収集施策」が最多【DIGITALIO調査】

株式会株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」は、勤務先の業務で福利厚生やプレゼントキャンペーンなどの販促を実施する際にデジタルギフトを購入したことのある方を対象に「法人向けデジタルギフトに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ