ダイエットに最適?中国の「代餐食品」(食事代替品)に迫る!|中国トレンド調査

ダイエットに最適?中国の「代餐食品」(食事代替品)に迫る!|中国トレンド調査

体に必要なすべての栄養素を手軽に補給できる「代餐食品」(食事代替品)が現在、中国で大人気です。中国最大級のECプラットフォームT-mallとJD.comの調査報告書によると、2019年「代餐食品」(食事代替品)のEC売上は10億元を突破しています。また、ユーロモニターの市場調査では、中国における「食事代替品」の市場規模は30%以上の成長率を示しており、2022年までに約1200億元に達すると予想されています。本稿では、中国における「代餐食品」ブームが生まれた理由とは何か、また、人気な「代餐食品」ブランドを調査していきます。


「代餐食品」(食事代替品)が人気を集めた理由とは

「代餐食品」(食事代替品)が人気を集めた一つ目の理由は、食事の時間を確保できず、「ご飯を軽めに済ませたい」と考える人が増えたからです。

885勤務(8AM出勤8PM退社5日勤務)や996勤務(9AM出社9PM退社6日勤務)の人が増加してきたことで、それに関連して、仕事を早く終わらせ、「食事代替品」を活用するサラリーマンが増加しています。

二つ目の理由は、肥満人口の増加です。
iiMedia Researchのデータによると、中国では肥満人口(BMI>30)が6000万人を超え、過体重人口(BMI>25)は2億人に上っているという現状があり、男女問わずに「ダイエット」ブームが続いています。

「代餐食品」の定義に関して、中国大人気の栄養機能食品ブランド「ffit8」を立ち上げた張光明さんによると、「future food」、「fast food」、「fashion food」が「代餐食品」の意味にはあります。

「future food」は若者を中心、「fast food」は手軽を中心、「fashion food」はトレンドを中心に展開しており、その中でも、機能的に主食の代わりになる「fast food」は「食事代替品」の一般的意味ですが、中国市場に進出した結果、様々なトレンドに合わせて多様な意味を持つようになりました。

「代餐食品」(食事代替品)の人気ブランドは?

中国国内の食事代替品市場で発売される商品は主に2つのコンセプトあります。
一つは、プロテインバーや栄養ドリンクなど「単品」形式で販売するもので、もう一つは、何日間の食事代替品をセットで販売する「ボックス」形式です。

「ボックス」形式はダイエットなど、特定の目的があり、短期間で痩せたい人を対象にしており、「単品」形式は一食のみ食事代替品に食事を置き換えたい消費者へのニーズに応えているため、作られました。

それではここで、最近中国で人気のブランド「ffit8」「Smeal」「若飯」について紹介していきたいと思います。

プロテインバー「ffit8」

食事代替品ブランド「ffit8」

「ffit8」では、「単品」形式で、タンパク質豊富のプロテインバーを発売しています。

GymSquareの調査によると、国際的な考え方では男性が一日70~110g、女性が65~90gのタンパク質摂取量が必要ですが、ご飯や麺類を中心に食事生活を過ごしている中国人は、平均のタンパク質摂取量が40gと大幅に基準を下回っていました。そのため、「ffit8」の商品はダイエットをしている人のみでなく、タンパク質摂取量が足りない人もターゲットとなります。

このように幅広い層の消費者をターゲットとする「ffit8」は、「中国最大のECセールの日」11月11日の前夜に、「2020年グルメブランド」の項目でトップ10に入ったことで注目を浴び、栄養ダイジェスティブビスケット部門で第1位に輝きました。

また、JD.com、T-mall、シャオミが展開するECプラットフォーム「小米有品」で、単月の売上が1000万元(約1億6000万円)を突破しました。

代替ミルクシェイク「Smeal」

食事代替品ブランド「Smeal」

「Smeal」では、「代替ミルクシェイク」と呼ばれるドリンク系の「セット」商品を販売しています。味は、「抹茶ラテ」、「トリュフ」、「キャラメルコーヒー」など、人気ドリンクと一緒ですが、「低カロリー」をキャッチフレーズにしています。

これまで、乾燥食材や穀物をパウダー状に加工した「食事代替品」は35歳~40歳の消費者の中で一時的なブームを起こしましたが、現在の20代の若年層消費者が大半を占める「食事代替品」市場では、商品の「味」と「手軽さ」は勝ち残るためのポイントとなりました。粉末を水や牛乳に溶かして飲むよりも簡易化された「Smeal」の「NATOミルクシェイク」は、このような背景で生まれました。

シンプルなパッケージデザイン、工場からECに直売のビジネスモデルに加え、5000人のインフルエンサー、30人の芸能人とPR連携関係をとり、SNSマーケティングに力を入れた結果、一年間で6千万元(約9.6億円)の売上に繋がりました。

食事代替品「若飯」

食事代替品ブランド「若飯」

「若飯」が目指したのは、最も栄養な食事代替品でした。

プログラマー出身の創業者伯恩氏は、常に多忙な生活を送り、食事代替品を頻繁に口にしていました。しかし、満腹感や栄養バランスから、多くの商品は伯恩氏の期待に応じことが契機となり、「まるでご飯のよう」を意味する「若飯」というブランドを立ち上げ、ダイエットではなく、栄養摂取のためのドリンク系「食事代替品」を目指して商品の開発を進めてきました。

朝食バージョンから夕食バージョンを展開し、プロテインバー、液体ドリンク、パウダーセット三種類まで揃えた「若飯」は、大規模なPR活動こそ行っていませんでしたが、男性のサラリーマン、医者、警察など忙しい毎日を過ごしている職業の人々に大人気です。

まとめ

中国の人気ソーシャルECアプリREDでは、食事代替品に関する投稿が20万件を越えました。

ペプシコやネスレなどの海外ブランドもこの食事代替品ブームを狙って次々と新商品を発売し、多くの食品メーカーが「代餐食品」(食事代替品)」市場に進出してきましたが、消費者にとって圧倒的なトップの魅力を誇るブランドは未だ存在しないようです。

その理由は、「代餐食品」(食事代替品)と言えるものは、プロテインバーや栄養ドリンクの他、インスタントラーメン、果物などと種類が多岐にわたり、消費者認知によって「代餐食品」(食事代替品)が変わっていきます。

この「代餐食品」(食事代替品)ブームは、多様化したマーケティング 戦略や、ライフスタイルの変化によって人々に広く親しまれると予想できますが、「業界」として定義づけられていない現状もあります。

<参考文献>
1、「代餐有哪些消费趋势?听三家头部代餐公司说一说
https://www.toutiao.com/a6837286901842444807/

2、「“逆人性”的代餐,2个月融资数亿,是泡沫还是风口?」
https://www.toutiao.com/a6864489894971081229/

3、「喝了一年的代餐,这是我的体会」
https://www.toutiao.com/a6737185744361619975/

この記事のライター

中国出身の留学生。慶應義塾大学に在学中。

関連する投稿


より早いスピード感xリアル感!中国市場Web調査ツール「ValueQIC」写真調査機能のご紹介【第5回】

より早いスピード感xリアル感!中国市場Web調査ツール「ValueQIC」写真調査機能のご紹介【第5回】

トレンドの変化が速い、と言われている中国市場。「最近、中国市場の変化が掴めない。言語の壁もあり、中国人生活者の考え方がよくわからない。」という声も多く耳にします。従来の調査には1ヶ月以上の時間が必要ですが、Web調査ツール「ValueQIC(ヴァリュークイック)」なら、定量調査に加え、写真や動画を介して、迅速に、中国人の実態調査を実施することが可能です。第5回は、写真調査機能の特徴を事例とともにご紹介します。


中国シニア層に広がる“健康投資”志向〜1本6,500円の機能性オイルが売上拡大

中国シニア層に広がる“健康投資”志向〜1本6,500円の機能性オイルが売上拡大

上海の大型スーパーでは、淡い金色のパッケージが目を引く機能性食用オイルが、次々と棚から消えていきます。1本300元(約6,500円)という高価格にもかかわらず、購入しているのは主に60〜70代のシニア層です。近年、中国ではジアシルグリセロール(DAG)を含む高付加価値オイルの需要が高まり、“健康への投資”を重視するシニア消費の新しいトレンドとして注目を集めています。


【ValueQIC Q&A】中国人の「自分へのご褒美」に対する消費行動・価値観調査 (2025年12月)

【ValueQIC Q&A】中国人の「自分へのご褒美」に対する消費行動・価値観調査 (2025年12月)

2025年、「Treatonomics(ご褒美経済)」や「Self-Reward(自分へのご褒美)」という消費トレンドが台頭し、「自分にはそれだけの価値がある」という心理や「頑張る自分を労わるためのラグジュアリー」を肯定する消費が世界中で広く見られています。本レポートでは、新しいものへの反応が速く流行の変遷も早い中国人に着目し、「自分へのご褒美消費」に関する最新トレンドを把握、性別・世代別の消費傾向を調査しました。※本レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードいただけます。


中国の若者が「固形石鹸」に再注目、そのトレンドは?

中国の若者が「固形石鹸」に再注目、そのトレンドは?

ボディケア用品というと現在の主流は液体の製品ですが、近年中国の若者の間では固形石鹸が人気を集めるようになっています。その背景には 、例えば、さまざまな市場において情緒的な消費トレンドが成長している中、石鹸のニーズにおいても単に洗浄力などボディケアの側面だけでなく、感情的な価値をもたらす側面へと広がっていることが挙げられます。この記事では、固形石鹸の消費が拡大している要因とその様子を紹介します。


物価高での消費行動調査2025|3人に1人が食料品を「代替品」へ移行。「バター→マーガリン」が代替1位に!

物価高での消費行動調査2025|3人に1人が食料品を「代替品」へ移行。「バター→マーガリン」が代替1位に!

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の18歳以上の男女33,276人を対象に、直近2年間の物価高による消費行動変化に関する消費者アンケート調査を実施しました。また、WEB行動ログを使用し、WEB上における興味関心を分析しました。※本レポートは記事末尾のフォームから無料でダウンロードできます。


最新の投稿


WEBデザイナーの約7割が週に複数回以上AIツールを利用!AIを活用しながら「人間ならではの価値」を高めていく姿勢が主流に【日本デザイン調査】

WEBデザイナーの約7割が週に複数回以上AIツールを利用!AIを活用しながら「人間ならではの価値」を高めていく姿勢が主流に【日本デザイン調査】

株式会社日本デザインは、WEBデザインの実務または学習に取り組んでいる方を対象に、WEBデザインにおけるAI活用実態と意識に関する調査を実施し、結果を公開しました。


TikTokは「検索プラットフォーム」として定着へ!若年層の過半数が利用経験あり。購買行動の起点としての存在感が拡大【ZIK調査】

TikTokは「検索プラットフォーム」として定着へ!若年層の過半数が利用経験あり。購買行動の起点としての存在感が拡大【ZIK調査】

株式会社ZIKは、全国15歳〜30歳の男女を対象にTikTokの利用状況に関する調査を実施し、結果を公開しました。


忍び寄る危機 ~ 静かな災害・緊急事態

忍び寄る危機 ~ 静かな災害・緊急事態

「災害」は自然や環境起因のものばかりではありません。「静かな災害」と題して、本稿で提示するのは「人口減による国力の低下」を指します。まさに日常的にじわじわと進む事態と言えるこの「忍び寄る災害」そして「危機」について、様々な環境の変化や世界で起きている人命危機の状況なども踏まえ、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が解説します。


都民のデート先、3位が横浜?東京都民・神奈川県民のデート先ランキング

都民のデート先、3位が横浜?東京都民・神奈川県民のデート先ランキング

日本の首都である「東京」と、港町の情緒や観光地が揃う「神奈川」は、どちらもデート先に困りにくいエリアです。 一方で、選択肢が多いからこそ「結局みんな、どこに行くのか」が見えにくい面もあります。今回は、Web上の検索データを分析し、東京都民と神奈川県民が選ぶデートスポットの傾向を調査しました。日本有数の都市であるこの2つのエリアに住む人々は、普段どのような場所でデートをしているのでしょうか。


オトナル、国内最大規模のインターネットラジオ「radiko(ラジコ)」に運用型音声広告を実装

オトナル、国内最大規模のインターネットラジオ「radiko(ラジコ)」に運用型音声広告を実装

株式会社オトナルは、株式会社radikoが運営するインターネットラジオサービス「radiko(ラジコ)」に対してSSP(Supply-Side Platform)を接続し、そちらを介してプログラマティック(運用型)広告として、広告主や広告代理店の持つDSP(Demand-Side Platform)から運用型の広告枠の購入が可能になったことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ