12月の急上昇サイトは?LINEヘルスケアの「感染対策を見据えた受診方法」コンテンツにユーザー集まる

12月の急上昇サイトは?LINEヘルスケアの「感染対策を見据えた受診方法」コンテンツにユーザー集まる

2020年12月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はDockpitを使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2020年12月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2020年12月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

12月の前月比上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。

2位LINEヘルスケアは新型コロナの影響か

1位:ヘパリーゼ

1位はゼリア新薬の栄養補助食品「ヘパリーゼ」の公式サイトでした。ヘパリーゼの先月の訪問ユーザー数は約35万人でした。健康サポート飲料であるヘパリーゼには、体の疲れや二日酔いへの効果があるとされています。年末の仕事疲れに重宝されたのではないでしょうか。

急上昇の原因はどのようなものなのか、Dockpitで集客推移を分析して探ってみましょう。

2020年11月〜12月の「ヘパリーゼ」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

11月には自然検索による流入が大半だったところが、12月にはディスプレイ広告と外部サイトからの集客が急増していました。Web広告によってユーザー数が飛躍的に伸び、集客の拡大に成功したと言えるでしょう。

2位:LINEヘルスケア

2位にランクインしたのは、LINEとエムスリーの合弁会社「LINEヘルスケア」の公式ホームページです。 エムスリーは医療ITにおいて高いプレゼンス力を誇っており、時価総額は一時1.5兆円を超えも。2位にランクインしたLINEヘルスケアでは、そんなエムスリーと共同してオンライン診断サービスを提供しています。

では急上昇の原因をコンテンツランキングから探っていきましょう。

「LINEヘルスケア」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

1位のページが圧倒的にアクセスを集めていることがわかります。こちらはコロナ禍において発熱した時の対処法について紹介したページでした。

12月は東京を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、GoToトラベルの全国一時停止が発表されました。また、12月はインフルエンザが流行する季節でもあります。こうした背景から、インフルエンザと新型コロナウイルスの症状の違いや医療機関の受診方法についてユーザーからの関心度が高く、サイト訪問者数が増加したと考えられます。

3位:Cheesecake HOLIC

3位にランクインしたのは、「Cheesecake HOLIC」の公式サイトでした。Cheesecake HOLICは、オープン半年で食べログ4.5点を超えの超予約困難店「長谷川稔」のシェフである長谷川稔氏が立ち上げたチーズケーキ専門店。お歳暮やお年賀などのギフトにもぴったりです。お歳暮準備の時期に広告で集客を行った結果、訪問ユーザー数を急増させたのではないでしょうか。

では、12月の急上昇の原因を集客構造から探っていきましょう。

2020年11月〜12月の「Cheesecake HOLIC」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

12月には紫色の「メール」から流入が増加しているとわかりました。その他のチャネルとしては、ノーリファラーを除くと外部サイトからの流入が目立ちます。外部サイトからの流入元内訳を見ると、ポイントサイトからの流入がメインとなっていました。

2020年12月の「Cheesecake HOLIC」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)

12月に同ブランドでは冬限定商品や福袋を販売しており、このような商材をポイントサイト広告やアフィリエイト広告で展開、集客を狙ったと考えられます。

注目の上位サイトをピックアップ

13位: EQWEL(イクウェル)チャイルドアカデミー

13位は幼児教室「EQWELチャイルドアカデミー」の公式ホームページでした。こちらは主に0歳~小学生までを対象とした幼児教育を専門に行う教室です。

集客構造の推移を確認すると、外部サイトやメールからの流入が11月と比較して非常に増加していました。

「EQWELチャイルドアカデミー」の集客構造の推移(「Dockpit」画面より)

さらに外部サイトの詳細をみると、ポイントサイトやポータブルサイトからの流入が目立ちました。

2020年12月の「EQWELチャイルドアカデミー」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)

ポータルサイトやポイントサイトを活用して自社サイトに誘導したと考えられます。その結果、外部サイトやメールからのアクセスが急増してサイト急上昇につながったため、集客効果は大きかったと言えるでしょう。

14位:ザ・グランドアルトバイエルン インスタントウィンキャンペーン

14位は伊藤ハムのウィンナー「ザ・グランドアルトバイエルン」のキャンペーン専用サイトでした。ザ・グランドアルトバイエルンを購入すると抽選で1000円分のギフトカードが当たるというものです。

集客構造の変化を確認すると、11月と比較してノーリファラーが急増していました。商品のQRコードからのアクセスだと考えられます。

「ザ・グランドアルトバイエルン」の集客構造の推移(「Dockpit」画面より)

22位:D-SCHOOLオンライン

22位は小中学生向けの英語とプログラミングスクール「D-SCHOOLオンライン」でした。マインクラフトやScratch、ロボットを使ってプログラミングを学べるのが特徴的です。

コンテンツランキングで人気のページを確認すると、トップページ以外に、人気ゲームマインクラフトを使ってプログラミング学習をしていくコースのページが注目を集めていました。

「D-SCHOOLオンライン」のコンテンツランキング(「Dockpit」画面より)

12月は小学校や中学校が終業式を迎える時期です。冬休みの間に子供にプログラミングを体験させたいと考える人が多いのかもしれません。

まとめ

最後に12月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。

上位には広告で集客に成功したサイトが目立ちました。1位の「ヘパリーゼ」は仕事疲れがたまる年末の時期にディスプレイ広告を実施。3位の「Cheesecake HOLIC」もお歳暮準備の時期に、人気商材を武器にポイントサイト広告やアフィリエイト広告によって集客を狙ったと考えられます。その結果、両サイトとも急上昇ランキングの上位に食い込んでくる結果となりました。

また、2位の「LINEヘルスケア」は新型コロナウイルスの影響でサイトが急上昇したと考えられます。インフルエンザと新型コロナウイルスの症状の違いや医療機関の受診方法についてユーザーからの関心度が高く、サイト訪問者数が増加したのではないでしょうか。

その他、10位〜30位では教育系サービスの公式サイトが複数ランクイン。終業式や春の新学期が見えてきたこの時期に、子どもの教育サービスを検討する人々が多かったのかもしれません。新型コロナの拡大に伴うリモートワーク化の影響も考えられるでしょう。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

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