Tableauを学ぶシリーズ、最終回です
こんにちは、船田です!マナミナの企画として、BIツールのTableauを1から教えていただくことになり、その模様を連載でお伝えしています。前回は、Tableauでの様々なビジュアライズ方法について学びました。
Tableauでデータを可視化し複数のワークシートを作る!BI初学者がTableauを1から学びます【第4回】
https://manamina.valuesccg.com/articles/1207/来年から株式会社ヴァリューズに入社予定の船田くんがTableauを1から学んでいきます。講師はTableauの公式パートナーであるヴァリューズで、Tableauセミナーも行っている若林さん。第4回は、Tableauでの様々なビジュアライズの方法を学びます。Tableauを使って社内データの活用などを考えている方、ぜひ船田くんと一緒に勉強していきましょう。
そして、第5回目となる本稿が、本連載の最終回となります!
最終回は、地図データを使ったワークシートとダッシュボードの作成を学びます。本連載で作成してきたグラフや図を一つのダッシュボードにまとめ、Tableauを最大限に活用したデータの可視化の方法を習得しましょう。
最終的に、本連載で作成した図をまとめたダッシュボードを、Tableau publicへアップロードしたいと思います!
地図データを使って利益を視覚的に把握
若林さん:ついに最終回となりましたが、今回もよろしくお願い致します。最初は、前回に学んだ様々なビジュアライズ方法の続きとなる、地図データを使った都道府県別利益のワークシートを作っていきましょう。
船田:よろしくお願いします!
若林さん:それでは、まず新たなワークシートを出してください。
若林さん:ディメンションを見ていただくと、「国/領域」「都道府県」「市区町村」といった住所に関する地理的データがあることが分かると思います。このように地理的なデータを持っていると、Tableauの中で地図を作ることが出来ます!
船田:すごいですね…!
若林さん:ディメンションの「国/領域」の左側を見ていただくと、「Abc」となっているのがわかるでしょうか?これは「国/領域」のデータを、テキスト型で保持しているということを示しています。テキスト型の状態では、地図データにはできないので、データの型を変えていきましょう。
船田:地図データにするためにはどうすればよいのですか?
若林さん:ディメンションの「国/領域」の所で右クリックをしてください。ポップアップに、「地理的役割」と書かれていますのでクリックをします。さらにポップアップが出てくるので、「国/地域」を選択します。
船田:このような感じでしょうか?
若林さん:それで大丈夫です。続いて、都道府県も同様に、右クリックで「地理的役割」⇒「都道府県/州」を選択しましょう。最後に、市区町村も、「地理的役割」⇒「市区町村」でデータ型の変換を行いましょう。
船田:できました!
船田:先ほどまで、「Abc」となっていたところが、地球儀のようなアイコンに変わりました。
若林さん:そのアイコンになれば、Tableauで地理的データとして読み込むための準備はOKです!それでは、ディメンションの「国/領域」をダブルクリックしてください。
船田:地図が出てきました!
若林さん:列と行の所を見ていただくと、自動で「緯度」「経度」が入れられているのがわかると思います。サンプルデータの中には、日本のデータしかない為、地図は日本だけに点があります。同様に、都道府県をダブルクリックしましょう。
船田:今度は都道府県単位でプロットができたようです!
若林さん:そうですね!最後に、市区町村をダブルクリックしましょう。
船田:さらに市区町村ごとにプロットができました!
若林さん:今回は市区町村レベルの細かい分析ではなく、都道府県レベルでの分析を行っていきたいと思いますので、マークの中の「市区町村」は消してしまいましょう。それではメジャーの「利益」をドラックし、マークの中の「色」にドロップしてください。
若林さん:そうすると都道府県ごとに、利益の大きさに応じて色塗りされた図が表示されたと思います。
船田:利益の大きい都道府県が青色、利益が小さい都道府県がオレンジ色に近くなる色で表示されているのですね!この図を見ることで、都道府県で利益がどうなっているのかが一目瞭然ですね。
若林さん:地理的データを持っていると、Tableauの中で簡単に、ほかのデータと連携してデータを可視化することができて非常に便利ですよ。では、シート名は「都道府県別利益」に変更しましょう。
船田:はい、できました!
Tableauのダッシュボードを作る
若林さん:さて、これでワークシートによるデータ可視化はすべて完了しました!最後に、本講義で作った4つのワークシートを使ってダッシュボードを作成していきましょう!これまで使っていた「新しいワークシート」アイコンの右隣りの、「新しいダッシュボード」を押してください。
船田:ダッシュボードを作成する画面が表示されました!
若林さん:ダッシュボードは、複数のワークシートを並べて、1つの画面の中でそれぞれワークシートを連動させて分析をすることができるものです。それぞれのサイズが小さいので、左側の「サイズ」をクリックして、「固定」から「自動」に変更しましょう。
船田:シートのサイズが、画面に合わせて大きくなったようです。
若林さん:左側に、4つのワークシートが並んでいると思います。それを、1つずつシートにドロップしましょう。
船田:こう…ですか?
若林さん:はい、合っていますよ。ただし、このままでは見づらいので配置を変えていきましょう。各グラフを一度クリックしてから上部中央にカーソルを合わせると十字の表示が出ますので、そのままドラックして移動させましょう。
船田:こんな感じでよいでしょうか?
若林さん:はい!厳密にダッシュボードを作る際は、もう少し配置や大きさなどを工夫しますが、今回はこれで大丈夫です!ただ、このままではワークシートが並んでいるだけで、ダッシュボードとして機能していません。
船田:…どういうことでしょうか?
若林さん:では、試しにカテゴリ別売上推移のグラフから赤色の折れ線をクリックしてみて下さい。
若林さん:現状では、売上推移のグラフの中で赤い線が選択されただけで、他の3つのシートは何も変化はありませんよね。ダッシュボードとして表示するのであれば、赤い線を選択した際に、他の3つのシートも同様のカテゴリでフィルターがかかるようにしたいです。
船田:なるほど…!どうすれば設定できるのですか?
若林さん:カテゴリ別売上推移をクリックすると、右上に4つアイコンが縦に並んでいますので、その上から3つ目「フィルターとして使用する」のアイコンを押してください。
船田:ほかの3つのワークシートが連動して表示内容が変わりました!
若林さん:今回は全部のワークシートを連動させたいと思いますので、フィルターの設定を他のシートにも適用させてみてください。それでは、ダッシュボードを使った分析の一例として、「2019年〜2020年で家具の売り上げが落ちている」状況を深堀りしてみましょう。まず、カテゴリ別売上推移の青い線(家具)の2019年の部分をクリックしてもらえますか。
船田:わかりました!
若林さん:さらに、家具の中で売り上げと利益の一番高い製品を詳しく見たいと思います。
船田:製品散布図の右上の点を選択すればよいでしょうか?
若林さん:その通りです!
若林さん:カテゴリー別売上推移から、この商品も2020年に売上が減っていることが分かりますね。例えば、この家具を買った顧客に対してDMを打ってみたいということであれば、右上の顧客一覧のシートを利用してDM送付用のリストを作成できます。
また、右下の地図を見ると関東と他の一部に販売地域が限定されているのがわかるため、他の都道府県にも販促していこうといったことが施策として浮かびますね。このように、ダッシュボード内で複数のワークシートを連動させ、条件を絞ったりすることで、具体的に売上を増加させる施策を考察することができます。
船田:簡単な操作だけで、これほどの細やかな分析をできるのはすごいですね!
若林さん:そうなんです!今回は講義ということで、簡単なサンプルデータを使って分析を行いましたが、Excelなどで同じ分析をしようとすると、かなりの時間を要すると思います。
それでは、以上で本講義の分析はすべて終わりとなりますので、このワークブックを保存したいと思います。左上の「ファイル」⇒「名前を付けて保存」と進みましょう。
若林さん:名前は自由に決めて頂いて大丈夫ですが、ファイルの種類をパッケージドワークブック(.twbx)に変更して、保存してください。
船田:保存できました!
Tableauダッシュボードをチームメンバーと共有しよう
若林さん:ここまで、実際にTableauのファイルを作ってきましたが、このままでは船田くんしかこのファイルを見ることが出来ません。しかし、ビジネスの現場では色々な人とファイルを見ながらディスカッションをしたり、Tableauが見られない人とファイルの内容を共有したりする場面が多々あります。最後に、そのような場合にどうするのかを説明していきます!
船田:よろしくお願いします!
若林さん:本来であれば、以前紹介したTableau OnlineやTableau Severといった商用の有償で使えるサーバーにアップロードをして、共有をしていくところですが、今回は代用として無償で使えるTableau Publicにアップロードをしていきたいと思います。まずは、下のURLからTableau Publicに登録しましょう。
Tableau Public is free software that can allow anyone to connect to a spreadsheet or file and create interactive data visualizations for the web.
若林さん:リンクに飛べたら、右上のオレンジの「登録」ボタンを押してください。すると、プロフィールの登録を求めるポップアップが出てきます。Tableau Publicに登録するために必要な情報となりますので、画面の指示に従って入力しましょう。
入力が正常に完了すると、右下の「マイプロフィールの作成」のボタンがアクティブになりますので、そのボタンを押してください。
船田:入力が完了しました!
若林さん:プロフィールの作成ができたようですね。先ほど入力した、メールアドレス宛にアカウント認証のメールが届いていると思いますので、認証をして登録すれば完了です。
船田:アカウントの認証まで無事にできました!
若林さん:では、Tableauのダッシュボードをアップロードしていきましょう。ファイルはTableau Desktopからアップロードしますので、Tableau Desktopで作成したファイルを開いてください!
船田:開けました!
若林さん:さっそくアップロードといきたいところですが、Tableau PublicはTableau社の環境ですので、データの接続が「ライブ」のままではアップロードができません。なので、左下の「データソース」をクリックし、画面右上のラジオボタン(データの接続設定)を「抽出」に切り替えて、保存をしましょう。
船田:保存をすると、抽出ファイルの作成を求められましたが、作成してよろしいでしょうか?
若林さん:はい、作成してください!
船田:抽出ファイルの作成が出来ました。
若林さん:それでは、アップロードをする準備が整いましたので、Tableauファイルをアップロードしていきましょう。
若林さん:下部の「ダッシュボード1」をクリックしてから、Tableau Desktopの上部の「サーバー」⇒「Tableau Public」⇒「Tableau Publicに保存」をクリックしてください。
船田:わかりました!
船田:Tableau Publicへのログインが求められました!
若林さん:先ほど登録した、メールアドレス・パスワードを入力しログインをしてください。
船田:はい!ログインすると、Tableau Publicへのアップロードが開始されました。
若林さん:アップロードに多少時間がかかる可能性がありますが、アップロード完了の表示が出るまで待ちましょう。完了すると自動でTableau Publicが開きますので、アップロードされているか確認してください。
船田:わかりました!
船田:おお〜〜!アップロードが完了し、マイプロフィールにTableauファイルが追加されています!これで、僕がアップロードしたファイルを他の人も見ることができるのでしょうか?
若林さん:はい、見られますよ。Tableau Publicで船田くんのユーザー名を右上の検索窓から検索することで、先ほどTableau Desktopで船田くんが見ていた画面が表示されます。
船田:なるほど…!手元でダッシュボードを作成して、そのままチームメンバーにすぐ共有できることも納得できました!
若林さん:そうなんです。以上で本講義の内容はすべてお伝えしましたが、Tableauでデータ可視化を直感的に行えることや、共有の方法、ビジネス活用のイメージまで見えてきたのではないでしょうか。短い時間ではありましたが、ここまでありがとうございました。
船田:ありがとうございました!
本連載のまとめ
まだまだTableauの魅力についてお伝えしたいところですが、本連載はこれで終わりとなります。
連載では、Tableauとはそもそも何か?という基礎から始まり、Tableauのセットアップ方法、データの接続、データの可視化の方法について、実際にTableauに触れながら学んできました。
私はBIツール初学者ですが、Tableauはとても操作が簡単で、特にドラック&ドロップを中心とした直観的な操作が非常に魅力的でした。また、データへの接続も容易かつ多様で、Tableauの活躍する場面は非常に多いのではないかと思いました!
本企画を通じて読者の皆様にTableauの魅力を少しでも多く伝えることができたのであれば、うれしい限りです。
今後、データの活用スキルはより一層重要な能力、かつ必須のスキルとなっていくと思われます。そのスキルを身に着ける第一歩として、Tableauは非常に有用でありとても強力なツールです。ぜひ、今日からTableauを本格的に始めてみてはいかがでしょうか?
▼ヴァリューズではTableauの導入支援も行っております。BIツールの導入でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
2021年4月ヴァリューズに新卒入社。
大学でデータ分析について学びながら、ヴァリューズでインターンとして働いていました。