小学館や小田急でんき、制汗剤「Ban」などのWebサイトが急上昇!Twitterやディスプレイ広告の影響か【21年1月急上昇サイト】

小学館や小田急でんき、制汗剤「Ban」などのWebサイトが急上昇!Twitterやディスプレイ広告の影響か【21年1月急上昇サイト】

2021年1月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はDockpitを使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2021年1月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年1月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2021年1月の前月比上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。

小学館や小田急でんき、制汗剤「Ban」などのWebサイトが上位に

まず、1位〜20位にランクインした注目のサイトをいくつかご紹介します。

1位:小学館

1位は「小学館」の公式ホームページでした。小学館の1月のユーザー数は約32万人。どのようなページに注目が集まったのか、コンテンツランキングで確認しましょう。

「小学館」WEBサイトのコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

1位のページが圧倒的にUU数を集めていることがわかります。こちらのページは藤子・F・不二雄氏の SF短編集「ミノタウロスの皿」のページでした。

小学館では、STAY HOME特別企画として「ドラえもん」をはじめとした藤子・F・不二雄作品を期間限定で無料公開。1月4日から1月7日まで「ミノタウロスの皿」が配信されていました。

ではどのようにユーザーをサイトに集客したのか、集客構造から探っていきましょう。

2020年12月〜2021年1月の「小学館」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

12月と比較してSNSからの流入が急増したことがわかります。次にSNSの流入元内訳を確認すると、Twitterが大半を占めていました。

2021年1月の「小学館」のソーシャル構成(「Dockpit」競合分析より)

Twitterではドラえもん公式アカウントが「ミノタウロスの皿」の無料公開を告知し、大きな反響を呼んでいました。

このツイートから「ミノタウロスの皿」に興味を持ったユーザーによるサイト訪問が、1月のユーザー数急上昇の要因のひとつだと考えられます。

3位:小田急でんき

3位にランクインしたのは「小田急でんき」。小田急でんきの1月のユーザー数は約29万人でした。

急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2020年12月〜2021年1月の「小田急でんき」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

12月と比較してディスプレイ広告とノーリファラーからの流入が急増しました。また、外部サイトからの流入も割合としては減っていますが、流入数自体は大きく増加しました。

外部サイトの詳細をみると、ポイントサイトやポータルサイトからの流入が目立ちました。

2021年1月の「小田急でんき」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)

1月は相次ぐ寒波や輸送の遅れの影響を受けて電気代の取引価格が高騰。市場連動型の電気料金プランでは請求額が平均で2~3倍になるなど、大きな打撃を受けました。こうした背景から、小田急でんきはポイントサイトやディスプレイ広告を活用して電力料金に関心の高いユーザーを取り込んだと考えられます。

7位:制汗剤デオドラントBan

7位はライオン株式会社が運営する「制汗剤デオドラントBan」の公式ホームページでした。Banの1月のユーザー数は約16万人となっています。

1月の急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2020年12月〜2021年1月の「制汗剤デオドラントBan」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

1月はノーリファラーと外部サイトからの流入が急増しました。外部サイトからの流入元内訳を見ると、生活情報サイト「Lidea(リディア)」からの流入が大半を占めていることがわかります。

2021年1月の「制汗剤デオドラントBan」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)

Lideaはライオンのオウンドメディアで、生活に役立つコンテンツやライオンの商品紹介が多数掲載されています。オウンドメディアによるコンテンツマーケティング施策が効き、「制汗剤デオドラントBan」の集客力を高めたと言えるでしょう。

力士やモルカーなど、1月に話題になったトピックも

9位:大相撲 佐渡ケ嶽部屋

9位は「大相撲 佐渡ケ嶽部屋」の公式ホームページです。大相撲 佐渡ケ嶽部屋の1月のユーザー数は約9万人でした。

1月は大相撲の佐渡ヶ嶽部屋に所属する序二段力士の琴貫鐡がSNSで引退を表明し話題となりました。この件と関連があるのか、集客構造の推移から調べてみましょう。

2020年12月〜2021年1月の「大相撲 佐渡ケ嶽部屋」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

1月は自然検索による流入が大半を占めていたことがわかります。さらに自然検索の検索ワードの詳細を見てみると、「琴貫鐵」が1位でした。

2021年1月の「大相撲 佐渡ケ嶽部屋」の集客構造・自然検索キーワードランキング (「Dockpit」画面より)

琴貫鐵は新型コロナウイルスの感染を懸念しTwitterで現役引退を表明。休場を申し出た琴貫鐵に対する日本相撲協会の対応も議論を呼びました。ニュースで話題になったことから、所属先の佐渡ケ嶽部屋のサイトに訪問者が急増したと考えられます。

18位:PUI PUI モルカー

18位にランクインしたのはテレビアニメ「PUI PUI モルカー」公式サイト。PUI PUI モルカーの1月のユーザー数は約65万人でした。PUI PUI モルカーは見里朝希氏が監督を務める子供向けのパペットアニメで、1月5日から放送が開始されました。

急上昇の原因を集客構造から探っていきましょう。

2020年12月〜2021年1月の「PUI PUI モルカー」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

1月に放送が開始されてから、自然検索とSNS経由での流入が大幅に増加しました。

PUI PUI モルカーは子ども向けのアニメですが、その魅力に大人たちがハマり、Twitterで一時トレンド入りするなど、 SNSを中心に大きな反響を呼びました。こうしてTwitterで話題沸騰になったため、自然検索やSNSを通じてサイトにアクセスする人が急増したのではないでしょうか。

20位:NTTマーケティングアクト

20位は「NTTマーケティングアクト」のウェブサイトでした。NTTマーケティングアクトの1月のユーザー数は約33万人となっています。同社はNTT西日本のグループ企業で、コールセンター、コンタクトセンターの構築・運用、人材派遣などの事業を展開しています。

急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2020年12月〜2021年1月の「NTTマーケティングアクト」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

1月はディスプレイ広告による流入が大半を占めていたことがわかります。ではディスプレイ広告からどのようなページにユーザーが訪問したのかコンテンツランキングで確認しましょう。

「NTTマーケティングアクト」のコンテンツランキング(「Dockpit」画面より)

圧倒的にアクセスを集めた1位のページは、以下のようなCXコンサルティングの紹介ページでした。

NTTマーケティングアクトは、CXコンサルティング業務を訴求するディスプレイ広告によって訪問者数を急増させたと考えられます。

生活様式の変化やビッグデータ活用技術の発展といった社会背景から、マーケティングにおいてCXの重要性が増しています。そのためCX向上に課題意識を持つ企業も多く、NTTマーケティングアクトはそうしたニーズをうまく取り込んだのではないでしょうか。

Twitterやディスプレイ広告がユーザー数急上昇の一因

最後に12月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。

上位にはSNSを中心に話題になったサイトが目立ちました。1位の「小学館」はドラえもん公式アカウントのTweetが大きな反響を呼び、Twitterからの流入数が急増。9位の「佐渡ケ嶽部屋」も所属する力士の琴貫鐡がSNSで引退を表明しニュースになりました。

また、18位の「PUI PUI モルカー」も放送開始されてからTwitterの公式アカウントのフォロワーが30万人を突破するなど大きな話題となりました。その結果、3サイトとも急上昇ランキングの上位に食い込む結果となりました。

他にも、Web広告やオウンドメディアを活用して集客に成功したサイトもありました。3位の「小田急でんき」はポイントサイトやディスプレイ広告を活用して訪問者数を急増させたと考えられます。1月は電気代の取引価格が高騰したため、電力料金に関心の高いユーザーが多かったのではないでしょうか。また、ライオン株式会社が運営する7位の「制汗剤デオドラントBan」はオウンドメディアのLideaを活用して集客力を高めたと考えられます。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「イマーシブ・フォート東京」「変な家」のプロモーションを考察(2024年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「イマーシブ・フォート東京」「変な家」のプロモーションを考察(2024年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第17弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「イマーシブ・フォート東京」「変な家」「新生活」の3テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。イマーシブ・フォート東京が刺さるのはどんな人?映画化で話題の「変な家」と、マンガ広告が生み出す購買活動とは?、Z世代のニーズに刺さる家電のサブスクリプションとは?など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Chinese and Taiwanese manufacturers have been growing their market share and number of users, and they are expected to compete with Japanese companies. We will analyze the current sales trends of HUAWEI, Xiaomi, and ASUS in Japan and predict their future while comparing with Japanese brands.


海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

近年、世界で着実にシェアを伸ばしつつある中華圏メーカー。日本においてもその製品の利用者は増加しており、日本企業と競合していくことが予想されます。そこで今回は日本にも進出している代表的な3つの中華圏メーカー、HUAWEI、Xiaomi、ASUSについて、日本における現時点での販売動向を分析し、国産ブランドとも比較しながら3社の今後を占っていきます。


推し活実態2024!「沼落ち」プロセスとは?推し活のインサイトとマーケティング活用

推し活実態2024!「沼落ち」プロセスとは?推し活のインサイトとマーケティング活用

日本の消費を活気づける「推し活」。実は10代の8~9割以上が「推し対象あり」と回答しているという結果も。本ホワイトペーパーでは、推し活市場の現状や、推し活にかける時間・金額などの行動実態、コラボ企画といったマーケティングとの接続について調査し、推し活への理解を深めていきます。


最新の投稿


約4割がメルマガきっかけでの商品購入経験あり/もっとも読まれやすいのは「19~20時台」【ラクス調査】

約4割がメルマガきっかけでの商品購入経験あり/もっとも読まれやすいのは「19~20時台」【ラクス調査】

株式会社ラクスは、「メルマガを読む時間帯」や「読みたいと思うメルマガの内容」など、一般のメール受信者を対象としてメールマガジンに関する調査を実施し、結果を公開しました。


BitStar、2024年1-3月「インフルエンサーパワーランキング」を発表!アニメとコラボレーションした楽曲が高視聴数を記録

BitStar、2024年1-3月「インフルエンサーパワーランキング」を発表!アニメとコラボレーションした楽曲が高視聴数を記録

株式会社BitStarは、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「BitStar Match」のデータに基づき、2024年1月~3月に活躍した動画クリエイターや動画チャンネルのランキングを発表しました。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「イマーシブ・フォート東京」「変な家」のプロモーションを考察(2024年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!「イマーシブ・フォート東京」「変な家」のプロモーションを考察(2024年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第17弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「イマーシブ・フォート東京」「変な家」「新生活」の3テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。イマーシブ・フォート東京が刺さるのはどんな人?映画化で話題の「変な家」と、マンガ広告が生み出す購買活動とは?、Z世代のニーズに刺さる家電のサブスクリプションとは?など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


【5/16(木)開催セミナー】ファミリーマートと考えるヒットを生み出す「マーケティングリサーチの効能と技法」

【5/16(木)開催セミナー】ファミリーマートと考えるヒットを生み出す「マーケティングリサーチの効能と技法」

「マーケティングリサーチ=コスト」という意識が根強く残る中、リサーチをしたくても、その有用性を会社や上司に示せず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは、リサーチ会社から事業会社へ転籍し、リサーチ及びアナリティクス組織を立ち上げ、マネジメントを行ってきた2人が、事業会社やマーケティング支援会社双方の視点から、マーケティングリサーチにどう向き合うべきか議論を交わします。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ