【トレンド調査】レペゼン地球運営の「チキュウWi-Fi」Webサイトが広告でユーザー急増|2021年6月急上昇サイト

【トレンド調査】レペゼン地球運営の「チキュウWi-Fi」Webサイトが広告でユーザー急増|2021年6月急上昇サイト

2021年6月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はDockpitを使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2021年6月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年6月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2021年6月の前月比上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

こちらは、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析機能を用いて、Webサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。

インターネット回線サイトが連続ランクイン

それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。

2位:地球WiFi/チキュウWiFi | とにかくツナガル!

2位にランクインしたのは「地球WiFi (チキュウWiFi)」の公式サイトでした。地球WiFiとは、YouTubeのチャンネル登録者数250万人越えのDJ集団「Repezen Foxx(レペゼン地球)」が新事業として手がけるモバイルWi-Fiサービスです。

急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2021年5月〜2021年6月の「地球WiFi」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

6月はディスプレイ広告による流入が大半を占めていました。広告塔のDJ社長は、若者を中心に高い知名度を誇る人気ユーチューバー。コンテンツのインパクトから、興味本位で流入する訪問者が多かったのではないでしょうか。

11位:AiR-WiFi

11位も同様のモバイルWi-Fiサービス「AiR-WiFi」の公式サイトでした。AiR-WiFi は2021年3月にサービスを開始したクラウドSIM型のポケットWiFiです。

2021年5月〜2021年6月の「AiR-WiFi」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

こちらも2位の「地球WiFi」と同様に、ディスプレイ広告によって訪問者を急拡大させていました。

AiR-WiFi の100GBプランは業界最安級と言われており、実質料金が非常に安いことが特徴です。比較的新しいサービスですが、料金体系の安さからサイトに訪問する人が多かったのではないでしょうか。

6月は2位の「地球WiFi」と3位の「キャッシュ光」、11位の「AiR-WiFi」などインターネット回線サイトが2ヶ月連続で上位にランクイン。5月はSoftBank Airを取り扱うネット回線サイトが複数ランクインし、新生活需要の影響が伺えました。一方で6月は、長引く自粛によるリモートワークの拡大やインターネット回線業界の競争激化が影響していると考えられます。

クラウドファンディングや還元キャンペーンを実施したサイトも

15位:ドミニクドゥーセの店

15位は三重県鈴鹿市にあるパン屋「ドミニクドゥーセの店」の通販サイトでした。

急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。

2021年5月〜2021年6月の「ドミニクドゥーセの店」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

ソーシャルからの流入が急増したことが分かります。ソーシャル構成を詳しく確認するとTwitterからの流入が大半を占めていました。

2021年6月の「ドミニクドゥーセの店」のソーシャル構成(「Dockpit」競合分析より)

ドミニクドゥーセの店では2021年5月24日にカヌレ自社工場が全焼。復活を目指してクラウドファンディングを始め、Twitterを通じてクラウドファンティングの支援者を募集していました。

1992年に三重県鈴鹿の地に店舗を構えて以来、多くの人に愛されているドミニクドゥーセ 。中でもカヌレはその看板商品です。店の存続の危機を救おうと多くの人がサイトに流入して支援しようとしたのではないでしょうか。

17位:Kyash

17位にランクインしたのはデジタルウォレットアプリ「Kyash」の公式サイトでした。これは株式会社Kyashが提供する、決済・送金アプリです。アプリからVisaプリペイドカードを発行することができ、クレジットカードなどからKyash残高にチャージします。Kyashはポイントの多重取りができるため還元率が高いという特徴があります。

Kyashでは6月18日から「ネット決済限定!はじめての決済で20%還元キャンペーン」を開催。こちらはKyashの新規ユーザーを対象に、Kyashでネット決済すると初回決済金額の20%がキャッシュバックされるというものです。

こうしたキャッシュバックキャンペーンをフックに訪問者を急増させたと考えられます。

27位:シャープエネルギーソリューション株式会社

27位は「シャープエネルギーソリューション株式会社」の公式サイトでした。シャープエネルギーソリューション株式会社は、創エネ・蓄エネ・省エネのトータルソリューションを提供しています。

どのようなページに注目が集まったのか、コンテンツランキングで確認しましょう。

「シャープエネルギーソリューション株式会社」WEBサイトのコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

圧倒的にUU数を稼いだ1位のページは、以下のような「COCORO POWER」のページでした。

COCORO POWERとは、新築住宅向けの太陽光発電定額サービスです。初期費用ゼロで太陽光発電システムや蓄電池を設置し、太陽光で発電した電気を定額で利用できます。

ではどのような経緯で流入したのか集客構造から確認しましょう。

2021年6月の「シャープエネルギーソリューション株式会社」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)

外部サイトからの流入が大半を占めていることが分かります。さらに次に外部サイトの流入元内訳を確認すると、親会社であるシャープ株式会社からの流入がほとんどでした。

2021年6月の「シャープエネルギーソリューション株式会社」の集客構造・外部サイトランキング (「Dockpit」画面より)

シャープエネルギーソリューション株式会社は5月18日にCOCORO POWERを発表し、6月30日にサービスを開始。その間、親会社のシャープ株式会社がサイト内でCOCORO POWERについて宣伝した結果、当サイトに流入する人が急増したのではないでしょうか。

太陽光発電システム市場は、「住宅用の太陽光発電などの再生可能エネルギーで作られた電力を国が定めた価格で電力会社などが一定期間買い取る」というルールを定めた『固定価格買取制度(FIT制度)』の影響から2015年度にピークを迎えたものの、現在は縮小傾向に。その一方で、COCORO POWERのような住宅向けの自家消費型は増加傾向にあります。(参考:『太陽光発電システム・太陽電池の市場を調査(富士経済)』)

金額ベースでは市場全体は伸び悩むと予想されていますが、脱炭素化や導入コストの低下などから太陽光発電への需要は伸び続けると考えられます。こうした背景の中、シャープエネルギーソリューション株式会社がCOCORO POWERを発表したため、注目を集めたのではないでしょうか。

まとめ

最後に6月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。

6月は前月に続きインターネット回線サイトが上位に目立ちました。2位の「地球WiFi」や11位の「AiR-WiFi」はいずれもディスプレイ広告経由の訪問者が急増。5月は新生活需要の影響が伺えましたが、6月は長引く自粛によるリモートワークの拡大やインターネット回線業界の競争激化が急上昇の要因にあるのかもしれません。

クラウドファンディングによって急上昇したサイトもありました。15位の「ドミニクドゥーセの店」では5月にカヌレ自社工場が全焼し、6月にTwitterを通じてクラウドファンティングの支援者を募集。その結果、クラウドファンティングのページへの訪問者が急増しました。

また、27位の「シャープエネルギーソリューション株式会社」は太陽光発電定額サービスのCOCORO POWERに注目が集まりました。背景として、脱炭素化や導入コストの低下によるから住宅向け自家消費型太陽光発電システムの需要増加が影響しているのではないでしょうか。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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この記事のライター

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