「ピスタチオ味」はなぜ流行った?検索データから消費者動向を調べてみた

「ピスタチオ味」はなぜ流行った?検索データから消費者動向を調べてみた

最近世の中に「ピスタチオ味」の商品が多いな……と気づいた方も多いのではないでしょうか。2020年~2021年にかけて、デザートやお菓子で「ピスタチオ」フレーバー商品が続々と登場しており、特に「ピノ ピスタチオ」は発売前から大きな話題となりました。なぜピスタチオはここまで流行しているのでしょうか?その理由について、検索ユーザーの行動パターンと、「ピスタチオ」フレーバー商品の販売動向から分析します。


ピスタチオが流行になる変遷は?検索数推移を見てみる

そもそも「ピスタチオ」とは、硬い殻に入ったナッツの種類。焙煎して塩味で食べることもできますし、ペースト状にしてスイーツに使用するなど用途が幅広いのが特徴です。濃厚かつ香ばしい独特の味わいはもちろん、その鮮やかな緑色はペースト状にすることで料理に彩りを加えてくれることもあり、世界各国で料理やデザート・製菓に使用されてきました。

そんな「ピスタチオ」の検索ユーザー数の2020年の推移をWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」で見てみると、下半期、特に2020年10月以降に検索数が急増していることがわかります。

2020年「ピスタチオ」検索ユーザー数推移

「ピスタチオ」検索ユーザー数推移
(集計期間:2020年1月〜2020年12月、デバイス:PC&スマートフォン)

日本で「ピスタチオ」関連商品が多く登場し始めたのは2019年~2020年頃。それまでにも無印良品(ピスタチオとバニラのクッキー)やDEAN & DELUCA(ピスタチオナッツクリーム)など大手企業が商品を販売していたものの、今ほど話題にはなっていませんでした。

しかし、2020年に入ると様々な企業から「ピスタチオ」フレーバー商品が販売されはじめ、8月には東京駅八重洲北口にピスタチオスイーツ専門店「PISTA&TOKYO(ピスタアンドトーキョー)」がオープン、行列ができるなど注目を集めるようになりました。そして秋冬からはコンビニエンスストア各社で立て続けに「ピスタチオ」フレーバー商品が販売されはじめます。特にコンビニエンスストアで商品を目にする機会が増えた頃から、気になって調べる人が増えたのではないでしょうか。

さらに、2021年に入ってからの「ピスタチオ」の検索ユーザー数の推移を見てみると、2020年には平均8万人程度だったのが12万人ほどに増え、注目度がより高まったことがわかります。特に2021年は検索数が著しく増えたタイミングが3回ありました。2021年1月、6月、そして10月です。

2021年「ピスタチオ」検索ユーザー数推移

「ピスタチオ」検索ユーザー数推移
(集計期間:2020年12月〜2021年11月、デバイス:PC&スマートフォン)

2020年12月から2021年1月にかけては、セブンイレブンで「ピスタチオ」フレーバー商品が急増したタイミングでもありました。「セブンカフェ ピスタチオクッキー」「小洒落た感じのピスタチオプリン」「小洒落た感じのピスタチオプリンアイスバー」「ピスタチオラッテ」「ピスタチオチョコレート」など、PB商品・NB商品を問わずとにかく店内がピスタチオジャックされていたことを記憶しています。それまで特別「ピスタチオが好き!」と意識していなくとも、たくさん目にするようになると、何だか気になってしまうものではないでしょうか。

これに拍車をかけるかのように、同6月にはローソンから「Uchi Cafe’ ピスタチオ ワッフルコーン」「ピスタチオケーキアイス」「ピスタチオの蒸しパン」、ファミリーマートから「トーラク 香ばしピスタチオのプリン」など多くの商品が登場。さらに10月頃からはコンビニエンスストア各社の商品のみならず、ブルボン「アルフォートミニチョコレートプレミアム ピスタチオ」などお菓子メーカーからも「ピスタチオ」フレーバー商品が続々登場し、ピスタチオブームが加速してゆきました。

ではもう少し、ユーザーを掘り下げて見ていきましょう。「ピスタチオ」検索ユーザーの属性を性別と年齢で見てみると、30代~40代の女性が多く検索をしていることがわかります。

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性<性別>

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性<性別>
(集計期間:2021年1月〜2021年11月、デバイス:PC&スマートフォン)

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性<年齢>

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性<年齢>
(集計期間:2021年1月〜2021年11月、デバイス:PC&スマートフォン)

「ピスタチオの濃厚な味をじっくりと楽しみたい」と興味を持ちやすいのは時間とお金に余裕がある年齢層の30~40代で、特に色鮮やかなピスタチオの「映え」効果には女性が惹かれやすいのでしょうか。2020年~2021年はコロナ禍だったこともあり、旅行や外出先での「映え」はなかなか難しかった背景もありました。スイーツだけど非日常な気分を味わえること・手軽にSNSを彩れることも要因のひとつかもしれません。

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性別マップ

「ピスタチオ」検索ユーザーの属性別マップ
(集計期間:2020年12月〜2021年11月、デバイス:PC&スマートフォン)

さらに、「ピスタチオ」検索ユーザーの属性別マップを見てみると、「効果」「効能」「栄養」「ダイエット」などのワードとともに検索をしている女性が多いこともわかります。ピスタチオは「ナッツの女王」と呼ばれるほど栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・良質な脂肪が含まれています。腸内環境を良くする効果や、肌や髪の美しさを保ち乾燥を防ぐ効果など、女性にとって嬉しい栄養素が含まれていることもブームの理由のひとつかもしれません。

季節ごとの消費者動向の変遷は?関心ワードで分析

さらに、もう少し細分化した月ごとの検索状況を見て、発売された商品とともに移り変わりを確認してみましょう。

「MOW」が注目浴びる|2020年11月〜2021年1月

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」
(集計期間:2020年11月〜2021年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

2020年下旬はコンビニエンスストアからピスタチオフレーバー商品が多く登場したこともあり、コンビニエンスストア名とともに検索している人が多いことがわかります。特に11月にセブンイレブン限定で販売されていた「MOW ピスタチオ&ミルク」、ミニストップから発売された「ピスタチオソフト」は大きな話題となりました。

ミニストップから発売された「ピスタチオソフト」

バレンタイン商戦の影響|2021年2月〜4月

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」
(集計期間:2021年2月〜2021年4月、デバイス:PC&スマートフォン)

その後バレンタイン商戦に向け、「チロルチョコ」や「ブラックサンダー」、「カレ・ド・ショコラ」からもピスタチオフレーバー商品が登場。ピスタチオへの注目度が高まっていたこともあり、いずれもネットニュースでも多く取り上げられ、SNSで話題となりました。

2021年1月に発売された「チロルチョコピスタチオ」

徐々にフレーバーだけでなくナッツ状態の「ピスタチオ」にも興味を持つ人が増えたのか、コストコで大袋で販売されている「ピスタチオ」を検索する人もいたことがうかがえます。

「ピノ」が大バズリ|2021年5月〜7月

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」
(集計期間:2021年5月〜2021年7月、デバイス:PC&スマートフォン)

大バズりした「ピノ ピスタチオ」

そして迎えた2021年5月は検索数も落ち着き、ブームももう終わりかけていたかなというタイミングで5月31日に森永「ピノ ピスタチオ」が発売。6月にかけて大バズりしました。

「ピスタチオ」検索ユーザーのワードネットワーク

「ピスタチオ」検索ユーザーのワードネットワーク
(集計期間:2021年6月、デバイス:PC&スマートフォン)

発売前からSNSで大きな話題となり品薄となったこともあり、6月の「ピスタチオ」検索ユーザーのワードネットワークを見てみると、「売ってない」「どこ」「どこで」と検索をした人が多かったことが明らかですね。

コメダ珈琲の新メニュー|2021年8月〜10月

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」

「ピスタチオ」掛け合わせワード特徴値「季節比較」
(集計期間:2021年8月〜2021年10月、デバイス:PC&スマートフォン)

加速したピスタチオブームが最高潮を迎えたのが2021年10月。コメダ珈琲店が「シロノワール ぜいたくピスタチオ」を販売開始。

コメダ珈琲店の「シロノワール ぜいたくピスタチオ」

「ピスタチオ」検索ユーザーのワードネットワーク

「ピスタチオ」検索ユーザーのワードネットワーク
(集計期間:2021年10月、デバイス:PC&スマートフォン)

もともと人気があったシロノワールのピスタチオフレーバーということもあり、気になって検索をした人が多いことがわかります。

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まとめ|ピスタチオ商品への消費者の反応を考察

ここまで見てきて、「ピスタチオ」フレーバー商品はネットで新商品情報が出る→話題となる、という流れがヒットの要因ではないかと考えられます。そのインパクトのある鮮やかな色味と映え具合がSNSとの相性もよく、濃厚な味わいから想起される「プチ贅沢」さ、それなのにコンビニで手軽に入手できる商品が多かったこともバズりの秘訣かもしれません。

「ピスタチオ」人気は一過性のブームで終わるのか、あるいはプチ贅沢需要を満たすフレーバーとして定番化していくのか、今後も注目したいと思います。

【調査概要】
・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報にもとづき分析
・行動ログ分析対象期間:2020年1月〜2021年11月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:PC・スマートフォンの両デバイス

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この記事のライター

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。

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