じわじわ人気拡大の大豆ミートとは?
大豆ミートは、大豆を主原料に作られた、お肉を一切使わずに、お肉のように見立てた植物性の食材。ベジタリアンやビーガン(菜食主義者)向けのお肉の代替品として重宝されてきましたが。最近は美容・健康食としても人気を集めています。
大豆は「畑のお肉」と呼ばれるほど高たんぱくで、さらに大豆ミートは大豆の油分を搾油し、加熱・加圧してで作られるため、脂肪分が少なく低カロリー。ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養が豊富で、ヘルシー志向の人に重宝される食材のひとつです。
昨今の健康志向の高まりから、大豆ミートを取り入れたメニュー(商品)が拡大。ハンバーガーチェーンやコンビニでも大豆ミート商品が並ぶようになってきました。市販される大豆ミートも、これまでは水で戻す乾燥タイプが一般的でしたが、レトルトや冷凍タイプなども登場し、形状もブロック、フィレ、ミンチなど、ラインナップの拡充が進んでいます。
また、大豆はお肉よりも生産時の資源量やCO2排出量が少なく、環境負荷が小さい食材。SDGsで世の中が「持続可能な社会づくり」に目を向ける中、栄養面に加え、環境にも配慮したサステナブルな食材であることも、大豆ミートが今注目される理由の一つでしょう。
では、大豆ミートはどのように世の中に浸透しトレンド化してきているのでしょうか。まずは「大豆ミート」または「大豆肉」の検索数の推移を見てみます。
分析ツール:「Dockpit」、分析期間:2020年7月〜2021年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン
ここ1年で、じわじわと検索数が伸びてきています。2021年2月に大きく伸びているのは、経済ドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」で大豆ミートを販売する企業が取り上げられたことをはじめ、メディアでの露出が影響していると考えられます。また、セブンイレブンで「ソイまん」(お肉の代わりに大豆ミートを使用した肉まん)が発売され、新商品の話題も豊富な時期でした。
続いて、ユーザー層の傾向をチェックします。
分析ツール:「Dockpit」、分析期間:2020年7月〜2021年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン
性別比率を見てみると、女性が7割近くを占めています。大豆ミートに期待される効果効能が、健康・美容・ダイエットなど、女性が関心が高いテーマと関連しているためでしょう。
「大豆ミート」に関して何を知りたい?検索ワードを調査
では、大豆ミートを検索するユーザーは、具体的に大豆ミートの何を知りたいのでしょうか。「大豆ミート」と一緒に検索される掛け合わせワードのランキングを見てみます。
分析ツール:「Dockpit」、分析期間:2020年7月〜2021年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン
掛け合わせキーワードを見てみると、1位、2位がそれぞれ「レシピ」「作り方」で、大豆ミートを使った料理に興味があることが分かります。
レシピに続く上位キーワードは「ハンバーグ」。大豆ミートを使った料理の中でも、ハンバーグを作ろうと考えている人が多いようです。
また、「セブンイレブン」や「ドトール」といった大豆ミート商品を提供する店名の検索も目立ちます。セブンイレブンは「大豆ミート」を使用した商品の発売を2020年夏から開始しており、おにぎりや、弁当、惣菜など幅広いカテゴリーで展開。「大豆ミート使用」の専用マークが貼り付けられ、店頭で見つけやすい工夫が施されています。
セブンイレブン・ジャパンのプレスリリース『大豆を使用した”持続可能”な食材をもっと身近に、もっと美味しく 「大豆ミート」等を使用した商品11品を発売』より
ドトールコーヒーでは、大豆ミートを使ったサンドを提供。バンズには全粒粉を使用し、野菜を贅沢に使ったヘルシー商品として展開しています。
ドトールコーヒーのメニュー「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」
そのほか、コンビニではファミリーマートも大豆ミートを使った商品を取り扱っており、今年6月には麺類などのラインナップを拡充。モスバーガーやフレッシュネスバーガーも大豆ミートのハンバーガーを提供するなど、コンビニやハンバーガー・カフェチェーンでの商品展開がここ数年で急速に広がっています。
属性別の興味ワードに違いは?
また、こちらは、属性別のマップです。大豆ミートと関連する関心ワードが、属性別に示されています。
分析ツール:「Dockpit」、分析期間:2020年7月〜2021年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン
これを見ると、ハンバーガーに興味を持つのは若年層(平均23.2歳)、「冷凍」「添加物」など保存法やより詳しい情報に興味を持つユーザーは女性が多いことが分かります。また、スーパーやドトール、セブン、無印などは比較的男性の関心も高く、裾野の広がりが感じられます。
検索者はどんな記事を読んでいるのか?流入ページランキング
最後に、「大豆ミート」検索での人気コンテンツをチェックしてみましょう。
分析ツール:「Dockpit」、分析期間:2020年7月〜2021年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン
1位は、味噌を中心とした大豆製品を販売する「マルコメ」のHP内の、大豆ミートの使い方記事でした。マルコメが提供するレトルトタイプ、乾燥タイプ、冷凍タイプについて、それぞれの大豆ミートのそれぞれの使い方とレシピが紹介されています。
2位以降も、レシピ系のサイト(コンテンツ)が多くランクインしています。掛け合わせワードでレシピが上位だったように、「大豆ミートを使ってどんな料理を作れるか」にユーザーは興味があると分かります。
まとめ:マクドナルドも大豆ミート?市場への浸透が進む
健康志向の高まりや環境への配慮の観点から、じわじわと注目が高まる大豆ミート。一過性の話題ではなく、じわじわと時間をかけて世の中に浸透しています。取り扱い店や商品が続々と広がり、ハンバーガーチェーンのマクドナルドも、2021年に大豆ミートを使ったハンバーガーを一部店舗で発売すると発表しています。このように身近なお店で大豆ミートが使われていくことで、女性や若年層など特定の層に限らず、社会全体で定着が進むのではないでしょうか。大豆ミートの今後の広がりに注目です。
<分析概要>
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「Dockpit」を使用し、2020年7月~2021年6月のネット行動ログデータを分析しました。※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
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植物性食品・大豆ミートの認知度調査レポート~興味関心層/購入者層の特徴を分析し今後のマーケティング戦略を考察する
https://manamina.valuesccg.com/articles/1211環境に優しく健康的であるという理由で人気が高まりつつある植物性食品。大豆ミート・植物性ミルク等の植物性食品の認知度、興味関心、購入経験などをアンケートとWeb行動ログの両軸から調査した『植物性食品・大豆ミートに関する調査』レポートをリリースしました。(ページ数|25p)
▼新しい食スタイルとして、環境保全やヘルシー志向など様々な角度から注目を集める「ヴィーガン」について、興味を持つ人の動向や最新トレンドをヴァリューズのリサーチャーが記事にまとめました。こちらも併せてご覧ください。
新しい食スタイルの最新動向と具体的な対策方法|ヴァリューズ×ベジプロジェクトジャパン共催セミナーレポート
https://manamina.valuesccg.com/articles/1296新型コロナ感染拡大に伴う自粛期間が長引く中でのダイエット効果への期待、ヘルシー志向のトレンド、環境保全への配慮など、様々な角度から注目を集めている「ヴィーガン」食スタイル。菜食主義者だけでなく一般消費者層からも関心が高まり、大手食品メーカーや飲食店も商品開発に参入するなど、盛り上がりをみせつつあります。話題の植物性食品の市場・商品動向を分析し、トレンドの背景にある消費者心理を読み解きました。
フリーランスPRおよびライターとして活動中。二児の母。