■スピーカー紹介
図:スピーカー紹介
■Agenda
シニアのWeb行動全般の特徴
・<サイト>利用の若年層との違い
・<アプリ>利用の若年層の違い
エリアで見るシニアのWeb行動の違い
・シニアの中での、エリアごとの利用<サイト>の違い
・シニアの中での、エリアごとの利用<アプリ>の違い
時間帯で見るシニアのWeb行動の違い
・シニアの中での、時間帯ごとの利用<サイト>の違い
シニアのWeb行動全般の特徴
■<サイト>利用の若年層との違い
年代別のサイト利用割合
株式会社ヴァリューズ 竹久真也(以下、竹久):「こちらは2021年12月から2022年2月までのWeb行動ログによるデータです。
まずは若年層(20〜30代)とシニア層(65歳以上)の利用割合の多いサイトの違いを見てみます。
若年層と同様にしてシニア層にも多く利用されているのは、Amazon・楽天・YouTube・Googleとなっています。
しかし、利用率の値を細かく検証すると、Googleの利用割合が少なく、Yahoo!系の利用が多いといった差分も見られます。」
図:シニアのウェブ行動特徴<サイト>|年代別のサイト利用割合
シニア層の方が利用の多いサイト
竹久:「引き続きサイトの利用状況の内容を見ていきます。こちらは、シニア層の方が利用の多いサイトのランキング表です。
シニア層が若年層に比べ特に利用が多いサイトは、PCのデフォルト設定となっているサイトやサポートサイト、初期設定に多いYahoo!関連のサイト、スポーツ情報などマスコミ系のメディアサイトなどとなっています。
一方で、シニア層が若年層に比べ特に利用が少ないサイトは、Google系サービス、サブカルやゲームなど、エンタメを楽しむサイトとなっていました。
シニア層は若年層に比べ、Webをビジネスに活用したり、エンタメを楽しむために利用することが少ないと考えられそうです。」
図:シニアのウェブ行動特徴<サイト>|シニア層の方が利用の多いサイト
■<アプリ>利用の若年層との違い
年代別のアプリ利用割合
竹久:「続いてはシニア層のアプリの利用状況の違いを見てみます。
シニア層も若年層同様、LINEの利用頻度は高く、次いでYouTubeとなっています。
しかし、若年層との違いはTwitterやInstagramといったSNSの利用頻度はまだ低いという点だと言えそうです。」
図:シニアのウェブ行動特徴<アプリ>|年代別のアプリ利用割合
シニア層の方が利用の多いアプリ
竹久:「アプリに関してもシニア層の方が利用頻度が高いものを見てみましょう。
一見して、ニュースサイト関連が目立ちます。そのほか、Yahoo!系のサービスや歩数計のアプリも利用が多いようです。
このランキングを見ても、若年層に比べると、TwitterやInstagramのランクインは見られず、シニア層にとっては、これらSNS系のアプリの利用は顕著に少ないと言えるでしょう。同様に、若年層の利用に多いサブスクや漫画のサービスの利用もかなり低いと考えられます。」
図:シニアのウェブ行動特徴<アプリ>|シニアの方が利用が多いアプリ
エリアで見るシニアのWeb行動の違い
■シニアの中での、エリアごとの利用<サイト>の違い
竹久:「今度は、エリア毎でシニア層が利用するサイトの違いが出るのかを検証したデータをご紹介します。先のデータと同様に、2021年12月から2022年2月の3ヶ月間のWeb行動ログデータを集計し、ヴァリューズ内で、エリアごとに利用割合が大きく違うサイトを発見するための指標を用いて作成したグラフです。赤いセルが高頻度に利用されているサイトを示しています。
エリアごとに利用者の割合が大きく異なるサイトがどのようなサイトか見てみると、地域の電力や銀行、コープなど、特定のエリアにサービスエリアを限定したサイトなどが確認できました。」
図:シニア間の、エリア別利用サイトの違い
■(一例)シニア間の、エリア別利用<サイト>の違い【北海道】
竹久:「一例として、北海道のシニア層が利用しているサイトにフォーカスし、詳しく見てみます。
よく利用されているサイトとしては、どうしんウェブ、UHB北海道文化放送など、北海道系メディアの閲覧割合が多いことが分かります。ほか、地域柄飛行機利用が多いためか、JALなど航空関連のサイト利用の傾向なども目立っています。いずれも地域性が強く出ていると言えるでしょう。」
図:シニア間の、エリア別利用サイトの違い
■(一例)シニア間の、エリア別利用<アプリ>の違い【北海道】
竹久:「こちら、北海道内のシニア層が利用しているアプリの状況も見てみましょう。
北海道独自性がうかがえるのは、セイコーマートやどうぎんアプリなど、地元に根付いた店舗のサービスアプリ利用が目立ちます。ツルハドラッグなどの利用も多いようです。」
図:シニア間の、エリア別利用アプリの違い
時間帯で見るシニアのWeb行動の違い
■シニアの中での、時間帯ごとの利用<サイト>の違い|年代別比較
竹久:「それではシニア層は一体どの様な時間帯にWeb行動を行っているのでしょうか。
こちらは、2022年2月の1ヶ月間における、年代別の一人当たりのセッション数をグラフ化したものです。
赤い折れ線がシニア層となっており、こちらを見ると特徴的な利用状況が現れました。
シニア層の利用は朝方(9〜11時)と夕方前(15〜17時)であり、多年代の利用が多くなる夜(18時〜23時以降)には利用が少なくなるという傾向があるのが分かります。」
図:年代別のサイト利用時間の違い
■シニアの中での、時間帯ごとの利用<サイト>の違い|時間帯別の閲覧サイトの違い
竹久:「まずは朝方のWeb行動でのアクセス内容を見てみます。
朝方(9〜11時)のアクセスが特に多いサイトとしては、証券会社など金融機関のサイトや経済関連のサイトが目立っています。市場が開くタイミングなどで、金融情報などをチェックする習慣があるユーザーが一定数いるものと思われます。」
図:時間別の閲覧サイトの違い(朝)
竹久:「参考までに、夕方(16〜19時)はどんなサイトを見ているのか見てみます。
目につくのは、クラシル、クックパッドなどのレシピサイト、そして、Yahoo!テレビ、FNNなどのテレビ情報、阪急旅行、一休といった旅行情報など、日々の生活に即した情報や余暇を楽しむ行動をしていることがうかがえます。」
図:時間別の閲覧サイトの違い(夕方)
まとめ
竹久:「ここまで、シニア層によるWeb行動の特徴を見てきました。
概要をまとめますと、サイト利用については、ニュースサイト、主に経済系が多そうだということが分かりました。そしてアプリに関しては、若年層と比較すると、いまだエンタメや発信系SNSには利用が少ないということが言えそうです。
また、居住エリアによって、利用サイト及びアプリに大きな差があり、地域に根付いたサイトやアプリに強みを感じられました。
そのようなシニア層のWeb行動時間帯としては、9〜11時と15〜17時。特徴的なのは、朝の経済情報や金融関連サイトへの訪問が多く見られることなどが挙げられます。
このようにシニア層のWeb行動の傾向をさらに分析することで、一層シニア層に特化した有効なマーケティング施策を検討できるのではないかと考えます。」
図:サマリー
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マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。