みんなはどんなプチプラアイテムを買っている?支持される「プチプラ」の特徴と傾向を分析

みんなはどんなプチプラアイテムを買っている?支持される「プチプラ」の特徴と傾向を分析

さまざまなものが値上がりしている2022年。いま、世間ではリーズナブルな価格をコンセプトとする「プチプラ」商品への関心が高まっています。今回は1年を通してどのような「プチプラ」へのニーズがあるのか、ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」のデータをもとに検証しました。


帝国データバンクが上場する食品メーカー主要105社に対して行った調査によると、2022年1月から9月末までに値上げされた品目は2万665品目にも上りました。10月になっても値上げの波はとどまるどころか勢いを増しており、2022年10月に新たに値上げされた品目は6699品目。食品を中心とした値上がりが続くなかで、ユーザーのプチプラへの関心はどのように動いているのでしょうか?

食品の値上がりによって化粧品への「プチプラ」欲が高まった

プチプラ_掛け合わせ

「プチプラ」との掛け合わせワード
(集計期間:2022年1月〜10月、デバイス:PC&スマートフォン)

「プチプラ」との掛け合わせワードにおいて上位10項目のうち「化粧水」、「アイシャドウ」、「ファンデーション」、「美容液」、「コンシーラー」、「下地」と6項目でコスメ関連ワードが占める結果となりました。

これは食品が値上がりする前から「プチプラコスメ」というワードの認知が広がっていたため、節約と考えた際にユーザーが「プチプラ」と結びつきやすかったと思われます。

食品が軒並み値上がりするなか、毎日使う化粧品をプチプラに置き換えることで、家計の負担が減っていきやすいのが想定できますね。

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20代・30代が注目するプチプラ。直近は40代も!

プチプラ_ユーザー年代

「プチプラ」を検索したユーザーの年代
(集計期間:2021年11月〜2022年10月、デバイス:PC&スマートフォン)

「プチプラ」に関心がある年代は通年を通して20代〜30代。しかし直近の8月から10月にかけての3ヶ月間で20代、30代、40代の割合が目まぐるしく変化しているのです。新たな値上げが行われた2022年10月の直後から20代のプチプラの検索ユーザーが増加しています。一方で、値上げ直前の2022年9月に増加している30代と40代。子どもや家族ができることが増えてくる年代であることから、事前に節約思考が働く30代と40代と事後に節約思考が働く20代という差なのかもしれません。

ここで「プチプラ」との掛け合わせワードでも5位に入った「40代」にも注目してみましょう。40代ともなると、そろそろ「プチプラ」を卒業する人もいるように思えますが、データでは40代が20代、30代と変わらない「プチプラ」への検索意欲があることを示していました。それだけユーザーのコスト意識が高まっていると考えられるでしょう。値上がりへの影響はさまざまな年代にまで影響していることがわかります。

季節によって変わる「プチプラ」への関心度と値上がりの関係

ここからは季節によって変わる「プチプラ」への関心度の変化と値上がりとの関係をデータから読み解いていきます。

11月から1月はクリスマスコフレと福袋に注目が集まる

プチプラ_季節11-1

「プチプラ」との掛け合わせワードの季節比較
(集計期間:2021年11月〜2022年1月、デバイス:PC&スマートフォン)

11月から1月で「プチプラ」と関連するワードは「クリスマスコフレ」や「福袋」でした。どちらもこの時期にしか入手できない「限定品」であることから関心が高まったものと思われます。

「クリスマスコフレ」にも「プチプラ」で購入できるものが少なくありません。 プチプラのクリスマスコフレには価格の幅は1000円以下から3000円まで幅広く用意されており、選択肢が豊富です。

興味深いのは実際に筆者が「プチプラ」と「福袋」で 検索した際、表示された検索結果がほぼ「コスメ」であったことです。もともとお得なプチプラコスメを福袋でさらにお得に、というユーザーの思考が見受けられます。

食品の値上がりで生活が圧迫されるなかで、ユーザーがお得な福袋に求めるのは「ここぞの贅沢」ではなく「毎日の生活の底上げ」なのかもしれません。

2月から4月のキーワードは「春」×「コスメ」

プチプラ_季節2-4

「プチプラ」との掛け合わせワードの季節比較
(集計期間:2022年2月〜2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)

2月から4月で「プチプラ」と関連するワードは「春」と「コスメ」でした。

寒い季節から暖かくなり始めるとお出かけ欲も高まっていくもの。お出かけ欲に重なって「コスメ」は季節ごとに新商品が発売されることから「メイクも春の季節に合わせて変えたい」と思ってしまいますよね。しかし値上がりが続くなかで、普段使いからは少し離れてしまう季節ものの出費は抑えたいところ。ここでもコストカットの思考が働き、プチプラ商品を考えるユーザー少なくないことがデータから読み取れます。

5月から7月は日焼けに対する関心が高い

プチプラ_季節5-7

「プチプラ」との掛け合わせワードの季節比較
(集計期間:2022年5月〜2022年7月、デバイス:PC&スマートフォン)

5月から7月で「プチプラ」と関連するワードには「UV」や「紫外線吸収剤不使用」、「シミ」といった「日焼け対策」に関するものがありました。日差しが強くなり、日焼け対策への関心が1年の中で最も高まる季節ゆえの検索結果といえるでしょう。

「崩れない」「リキッド」「ファンデーション」という気温の高い季節ならではのワードにも注目です。

プチプラ_掛け合わせ5-7

「プチプラ」との掛け合わせワード
(集計期間:2022年5月〜7月、デバイス:PC&スマートフォン)

この時期のワードとしても上がっていた「ファンデーション」は、「プチプラ」との掛け合わせワードにおいて全体の4位、さらに月別を見ても5月がもっと検索ユーザーが伸びていることがわかります。汗でメイクが崩れやすくなる季節には「プチプラ」かつ「崩れない」「リキッド」タイプの「ファンデーション」を探しているユーザーが少なくないと考えられそうです。

価格にもコスメの機能にも妥協せず、季節ごとに新しい「プチプラ」コスメの情報を探し続けるユーザーの姿勢がうかがえます。

プチプラ_掛け合わせ1-10

「プチプラ」との掛け合わせワード
(集計期間:2022年1月〜10月、デバイス:PC&スマートフォン)

ここでもう1つ注目したいのが全体の掛け合わせワードでも2位に上がってくる「化粧水」。日焼け対策といえど、外出をすれば完璧に避けることは難しいですよね。うっかり紫外線にあたってしまった場合でも、すばやくケアすることが美肌を保つため秘訣。化粧水をたっぷり使いケアしていくことが大切です。だからこそプチプラでお財布の負担を減らしたいところ。化粧水は7月頃をピークに8月にかけて勝負を仕掛けたい商品と言えるのではないでしょうか。

8月から10月は「水分」への関心が上がる時期?

プチプラ_季節8-10

「プチプラ」との掛け合わせワードの季節比較
(集計期間:2022年8月〜2022年10月、デバイス:PC&スマートフォン)

8月から10月で「プチプラ」と関連するワードには「水」がありました。

夏の日焼けでやられてしまった肌のダメージが気になったり。またこの時期は高温多湿の夏から空気が乾燥する秋への季節の変わり目にあたることから保湿の対策が始まります。夏の修復と秋や冬への備えという点で、肌への水分不足がもっとも気になってしまう時期といえるのかもしれませんね。

「プチプラ」で検索されたワードとして他に「結婚式」や「マットメイク」、「ヘアオイル」なども気になるところ。出費のかさむイベントへの参加をプチプラの化粧品やファッションで乗り切ったり、季節に応じたマットメイクへ切り替えたり、肌だけでなく髪の毛の乾燥も気になったり……と他の月と比べて多方へ意識をまわさなければならない忙しい時期といえそうです。

さらに美容を教える化学の先生としてSNSで人気の「かずのすけ」も検索ワードが増えていることから、ユーザーが美容に対しての学びを深めようとする姿勢も見られます。

まとめ

データからは、食品を中心に「プチプラ」以外のものが続々と値上がりするなかで「プチプラ」へのニーズがより高まっている様子が伺えました。「プチプラ」のなかでもとくにニーズが高いのは、値上がりが始まる前から認知度が高かったコスメ関連用品のようです。

さらに季節ごとにユーザーが「プチプラ」に求めるものが細かく入れ替わることを、データは示しています。
冬は「プチプラ」×「クリスマスコフレ、福袋」、春は「プチプラ」×「春の新作コスメ」、夏は「プチプラ」×「日焼け対策」、秋は「プチプラ」×「水分・イベント・学び」となっています。

化粧品の容器や原材料が値上がりしていることから、いずれ「プチプラ」コスメにも値上がりの波が波及してくると思われます。「プチプラ」が「値上がり」したとき、メーカーが量を減らすのか、価格を上げるのか、そしてユーザーがメーカーの姿勢をどのように受け止めるかに注目です。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

1978年長崎県生まれ。1男の母。プログラマを経て現在フリーランスのライターとして活動中。不惑の年齢にしてK-popにハマり、韓国語勉強中。食育アドバイザー、薬膳コーディネーター、野菜スペシャリスト。

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