2023年4月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2023年4月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2023年4月の急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、注目のサイトをいくつかご紹介します。
自分らしい旅の楽しみ方を探せるアクティビティ予約サイトが1位に
■1位:旅のアクティビティ・マーケット【ハローアクティビティ】
今月最も急上昇したサイトは、1位の「旅のアクティビティ・マーケット【ハローアクティビティ】」でした。旅行客と国内外のアクティビティ主催会社を直接つなぐサービスで、旅行先のアクティビティサービスに特化した情報を掲載しています。定番のアクティビティだけではなく、旅のニーズが多様化する近年の傾向に沿ったサービスであることがうかがえます。
「ハローアクティビティ」のサイト流入が急上昇した要因は何だったのか、Dockpitの競合分析で調べてみます。まず、サイトへ訪れるきっかけを探るべく、集客構造をみてみましょう。
「ハローアクティビティ」Webサイト集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
ノーリファラ―以外だとメールから38%と1番多くサイトへ訪れており、次いでアフィリエイト広告、ディスプレイ広告から流入があることが分かりました。この結果から既存顧客と新規顧客、それぞれに向けた集客施策を行っていたことが想定されます。
サイトに訪れたユーザーは、どんな情報を求めているのでしょうか。ランディングページを調べてみます。
「ハローアクティビティ」Webサイトランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
1番多く流入しているのは、1位と5位の「【旅行のアクティビティ料金が半額!】ハロアクハンガク祭」キャンペーンページでした。
期間を4回設けて実施しており、第1弾は4月7日~5月7日にキャンペーンへエントリーしてアクティビティを予約したユーザーのうち、サイト内の口コミを投稿した先着2,500名を対象に、アクティビティ費用の半額がキャッシュバックされます。旅行費用を抑えることができるキャンペーンに、興味を持ったユーザーが多かったことがうかがえます。
ゴールデンウィークや夏休みなどの旅行を計画するユーザーが多い時期に、既存顧客、新規顧客それぞれに最適なチャネルを活用した集客施策で、サイト流入が急増したことが考えられます。
シニア向けサービスと連携した書籍D2Cサイトが集客増
■2位:春陽堂書店ネットショップ
2位にランクインしたのは、明治11年から創業している春陽堂書店の「春陽堂書店ネットショップ」でした。春陽堂書店は夏目漱石や芥川龍之介など、古くから有名な小説家の作品を数多く刊行しており、ネットショップでは既刊作品に加え書籍関連グッズも販売しています。
「春陽堂書店ネットショップ」が上位にランクインした要因をDockpitで調べてみましょう。初めに、サイトへ流入したユーザー属性の傾向を見てみます。
「春陽堂書店ネットショップ」Webサイトユーザー属性・性別(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
性別は、男性が63%と過半数を占めていることが分かりました。次に年代を見てみます。
「春陽堂書店ネットショップ」Webサイトユーザー属性・年代(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
60代のユーザーが最も多くサイトへ訪れていることが分かりました。春陽堂書店の書籍は、熟年層の男性に注目される傾向があると言えそうです。
続いて、集客構造を見てみましょう。
「春陽堂書店ネットショップ」Webサイト集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
ノーリファラ―以外だと、外部サイトからの流入が1番多く、次いで自然流入・ソーシャルからの流入もあることが分かりました。
どんなサイトを経由して流入してきているのでしょうか。外部サイトを調べてみましょう。
「春陽堂書店ネットショップ」Webサイト外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
多くのユーザーが、シニア向け健康生活応援アプリ「楽天シニア」を紹介するWebページを経由して、サイトに訪れていることが分かりました。
「楽天シニア」は、ウォーキングや運動・ゲームを楽しむことでポイントが貯まるアプリ。「春陽堂書店ネットショップ」への流入が多かったWebサイトでは、健康や金融・美容など日常のお役立ち情報や、シニア向けのキャンペーンを掲載しています。このことから「楽天シニア」サイトに「春陽堂書店ネットショップ」サイトへ誘導する広告又はコラムが、4月中に掲載されていたことが想定されます。
春陽堂書店のD2Cは、熟年層男性をターゲットに含む「楽天シニア」と連携することで、サイト集客が成功したと言えそうです。
万能調味料のソーシャルキャンペーンは、効果的な広告施策で認知拡大
■15位:サラダも料理もコレ1本!天才調味|理研ビタミン
15位は、食品やビタミン類の製造・販売を行う理研ビタミンのノンオイルシリーズ紹介ページ「サラダも料理もコレ1本!天才調味料|理研ビタミン」でした。このノンオイルシリーズは理研ビタミンの代表的な商品で、スーパーなどのドレッシング売り場で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。このサイトでは、全9種類の味を活かしたドレッシング以外の料理レシピの紹介や、キャンペーン情報を掲載しています。
では、ランクインした要因をDockpitで調べてみましょう。
「サラダも料理もコレ1本!天才調味料」Webサイト集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、ディスプレイ広告からの流入が大半を占めていることが分かりました。
サイトに訪れたユーザーは、どのような情報を求めているのでしょうか。ランディングページを調べてみます。
「サラダも料理もコレ1本!天才調味料」Webサイトランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
1位~5位・7位のキャンペーンページへ訪れているユーザーが多いことが分かりました。詳しく調べてみると、4月3日からTwitterキャンペーンを実施していました。
Twitterキャンペーン(現在終了)とは、公式アカウントにフォロー後、キャンペーンツイートをリツイートしたユーザーにノンオイルシリーズ全9種類が抽選で当たるというもの。このキャンペーンに興味を持ったユーザーが多かったことが感じ取れます。
広告を効果的に活用しサイト集客に成功した認知施策が、5月からの購入促進・ソーシャル拡散を促すキャンペーンにどんな影響を与えるのか、今後の動向にも期待です。
グリーンシーズン向けの集客施策が成功した峰山高原のリゾートホテル
■19位:星空の見えるリゾートホテル、峰山高原ホテルリラクシア
19位は、「星空の見えるリゾートホテル、峰山高原ホテルリラクシア」でした。峰山高原は大自然を生かしたリゾートエリアで、冬はスキー場として、夏はアウトドアアクティビティやキャンプを楽しむことができます。このエリア内にある「峰山高原ホテルリラクシア」は、ホテル以外にコンテナ泊・テント泊プランがあるほか、キャンプグッズを全てレンタルできるので、初心者でも大自然を満喫できるサービスが充実した施設となっています。
2022年12月の急上昇サイトランキングでも、16位にランクインした「峰山高原リゾートのスキー場|ホワイトピーク」に外部サイトの「峰山高原ホテルリラクシア」から多くのユーザーが訪れ、サイト集客急増の要因の一つになったことを取り上げました。
では「峰山高原ホテルリラクシア」は、今月どのようにサイト集客を成功したのか、その要因を調べてみます。
「峰山高原ホテルリラクシア」Webサイト集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、ディスプレイ広告からの流入が大半を占めており、自然検索や外部ページからの流入もあることが分かりました。
次に、ランディングページを見てみます。
「峰山高原ホテルリラクシア」Webサイトランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
2位~5位の「キャンプ|星空の見えるリゾートホテル、峰山高原ホテルリラクシア」ページへの流入が多いことが分かりました。
コロナ以降キャンプ人気が継続しており競合サービスも多い中、サイト流入を急増させた「峰山高原ホテルリラクシア」は、グランピングからテントキャンプまで幅広いニーズに応える自社の強みを訴求し、効果的な広告施策で認知を拡大していることが想定されます。
前澤氏が企画するSNSで話題のキャンペーン効果でサイト流入が急増
■21位:arigatobank| 楽しいコトが、お金に変わる
21位にランクインしたのは、企業経営者の前澤友作氏(以下、前澤氏)が出資する株式会社ARIGATOBANKが運営するFintechアプリの紹介サイト「arigatobank|楽しいコトが、お金に変わる。」でした。アプリ内のキャンペーンに参加したりゲームで遊ぶとお金(残高)がもらえるサービスで、もらったお金(残高)は世界中のVisa加盟店でお買い物に使えたり、アプリ内のプロジェクトに100円から支援することもできます。
「arigatobank」の前身となる「kifutown」は、2021年12月にマナミナのスマホインストールランキングで1位になり、前澤氏が個人で企画した「全員お金贈りfrom宇宙」キャンペーンのアクセスが集中し、話題にもなりました。
「arigatobank」のサイト流入が急上昇した要因に何が関係しているのか、Dockpitで調べてみましょう。
「arigatobank」Webサイト集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、ソーシャルからの流入が1番多く、ノーリファラ―以外だと外部サイトや自然検索で多くのユーザーがサイトを訪れていることが分かりました。
続いて、流入元として1番多かったソーシャルについて調べてみます。
「arigatobank」Webサイトソーシャル(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2023年2月~2023年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
Twitterからの流入が圧倒的に多く、YouTubeから流入するユーザーが一定数いることが分かりました。
「arigatobank」のTwitter公式アカウントを調べてみると、前澤氏の個人企画で反響が大きかった「前澤じゃんけん」のリニューアルが4月28日に告知されており、「インプレッション・リツイート・いいね」の件数が、他のツイートに比べて多かったことがわかりました。
前澤じゃんけんとは、アプリからじゃんけんで連勝すると獲得賞金が上がり、最大1,000万円分の賞金(電子マネー)を貰うことができる企画。前述の「arigatobank」のTwitter公式アカウントだけでなく、前澤氏の公式Twitterアカウントからもリニューアルの告知もあり、ツイートを見て企画に興味を持った多くのユーザーが「arigatobank」のサイトへ訪れたことが考えられます。
まとめ
4月は旅行関係のサイトが上位に2サイトランクインしており、ゴールデンウィークや夏休みの旅行需要を感じる結果になりました。
国内外のアクティビティ予約に特化した1位の「ハローアクティビティ」は、新規・既存それぞれの顧客に最適なチャネルを活用した集客施策によりサービスへの認知・利用促進を図り、19位の「峰山高原ホテルリラクシア」は効果的な広告施策を実施し、多くのユーザーへ自社独自の魅力を訴求していました。
コロナを経て変化した旅行ニーズが顕著になり、それらに対してサービスの独自性を活かした集客施策が成功のカギになっていることを感じる結果になりました。
▼『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。