Z世代の検索ワードランキング!「推しの子」「名探偵コナン」がトレンドに(2023年4月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代の検索ワードランキング!「推しの子」「名探偵コナン」がトレンドに(2023年4月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第6弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、2023年4月に話題となったエンタメ作品とGWを2大テーマにしてお送りします。 ただ観るだけではないエンタメ作品の楽しみ方や、GWの過ごし方など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代とミレニアル世代のニーズを読み解きます。


こんにちは、ヴァリューズの“Gen-Z調査隊”です!
私たちは、消費者の行動データをもとに、現役Z世代メンバーの視点から、“Z世代のリアル”を分析しています。

第6弾となる今回は、Gen-Z調査隊メンバーに加え、現役大学生のとりとり(01年生まれ・カフェ好き)も分析に参加し、本記事のライティングまで担当しています。

“Z世代”とは

“Z世代”は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代を指します。物心ついた頃にはインターネットが既に身近にあったため、“デジタルネイティブ”な世代とも呼ばれており、今後の経済を支える中心世代として注目を集めています。

対して、本記事でZ世代と比較していくのは、そのひとつ上の“ミレニアル世代”。1981年頃~1990年代半ばに生まれ、インターネットの発達とともに育った世代です。

※本記事では、2023年4月時点で16~26歳のモニターをZ世代、27~41歳のモニターをミレニアル世代として定義し分析を行っています。

Z世代とミレニアル世代の関心はどこに?

2023年4月における、世代ごとのトレンド検索キーワードランキングがこちらです。

Z世代とミレニアル世代の検索キーワードトレンドランキング
〈補足〉
キーワードごとの検索者数の前月比降順でランキングを作成
順位が「新規」になっているキーワードは、前月に検索していたモニター数が0であるキーワード
〈集計条件〉
集計期間:2023年4月(前月比は2023年3月と比較)
対象デバイス:スマートフォン
対象者:2023年4月時点で16~26歳(Z世代)・27~42歳(ミレニアル世代)のモニター





ばんちゃん:どちらの世代でも、「コナン」と「推しの子」を筆頭にアニメやゲーム、映画に関連したキーワードが多くランクインしているね。










とりとり:「名探偵コナン」「推しの子」のどちらも大きな話題になりましたね。両者がどんな作品で何が話題になったのか、Z世代がどのように楽しんでいるのかについて、後ほど詳しく見ていきましょう!










まろんZ世代のランキングに注目すると、3位「GW」5位「エイプリルフール」13位「ゴールデンウィーク」というように、季節イベントが多くランクインしているね。










たみー:これに対して、ミレニアル世代では季節イベント以外への関心が上回っているようだね。今回は、GWに向けたZ世代の動きについて、Gen-Z調査隊メンバーのリアルな声を織り交ぜて考えてみよう!




2023年4月にトレンドとなったエンタメ作品

「推しの子」とは?主題歌を用いた動画をSNSで発信するZ世代も

「推しの子」とは





たみーTVアニメの初回放送が90分拡大だったり、街中でトラック広告が走っていたりして、すごく話題になっているよね。『推しの子』ってどんな作品なの?










とりとり「推しの子」とは、漫画・アニメ作品です。原作漫画は2020年7月より「週刊ヤングジャンプ」に連載されており、アニメ化されて2023年4月12日よりTVアニメ放送が開始されました。TVアニメ放送開始に伴って、2023年4月のトレンドになったようです。










まろん:原作漫画は、「少年ジャンプ+(プラス)」で無料で読めるよ。『鬼滅の刃』『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』『チェンソーマン』もその例だけど、最近アニメ化されたジャンプ系の作品が流行るのは、アニメ放送に先行・後追いして原作漫画を無料で読めるツールがあるからかもしれないね。










たみー:そうなんだ!TVアニメは、「Amazonプライムビデオ」「Netflix」「Hulu」「U-NEXT」といった各種動画配信サービスでも観られるみたいだね。










せーら初回放送を見逃してしまっても、何話まで進んだか検索した上でそれまでの放送を動画配信サービスで視聴すれば、次の放送までに追いついて楽しめるというのも、今どきなエンタメ作品の楽しみ方なのかもしれないね。










ばんちゃん:私もよくそうします。Z世代のランキング24位に「何話」がランクインしていますが、これは「2023年4月期に放送がはじまったエンタメ作品を見逃してしまったが、その作品が話題になっているため自分も追いつきたい!」という心理の現れなのかもしれません。




推し活やメイク動画など、アニメから影響を受けたSNS投稿も人気





せーら:アニメ作品自体もそうですが、「推しの子」はその主題歌「アイドル」でも話題になっていますよね。この曲は音楽ユニット「YOASOBI」の楽曲で、MVのYouTube再生回数は、公開から2ヶ月足らずで1.5億回(2023年6月9日時点)に上ります。










とりとり:TikTokでは、この曲のサビ音源を利用したダンス動画をよく見かけます。流行曲の「踊ってみた動画」をSNSで公開するのは、私が中学生だった10年ほど前から若い世代で根強い人気があるようです。










ばんちゃん:他にも、この曲のサビ音源をBGMとして自分の推しを紹介するショート動画もSNS上でよく見かけます。この動画のような動画テンプレートを使用すれば、手持ちの写真を当てはめるだけで手軽にショート動画を作れるんですよ。








とりとり:私の友人も「CapCut(キャップカット)」という動画編集アプリを使って推し紹介動画をつくっていました!スマホさえあれば誰でも簡単に動画がつくれるからこそ、Z世代ではTikTokやInstagramなどのSNSでショート動画をあげることが一般的になっているのかもしれませんね。








せーら:他にも、YouTubeやTikTokでは「推しの子メイク」の動画もよく見かけるよ。美容系YouTuber・TikTokerの「ハウスダスト(@tamukun_36)」さんを筆頭に、美容系の発信者が「〇〇メイク」系の動画を発信しているみたい。










とりとり二次元のキャラクターに寄せるメイク動画はコスプレイヤーへの需要もありそうですね。私はメイクのいろはを美容系YouTuberから学んだのですが、周りの友人もYouTubeでメイクを勉強したという人が多いです。





シリーズ歴代No.1の特大ヒット、劇場版名探偵コナン

キャラクターの人間関係が複雑だからこその魅力?





まろん2023年4月14日に公開された「名探偵コナン黒鉄の魚影(サブマリン)」、Z世代の新規(検索者数が前月比で急上昇したもののうち、前月に検索していたモニター数が0のキーワード)とミレニアル世代の21位にランクインしているね。
僕の会社の上司も観たとのことだったので、やはり名探偵コナンは幅広い世代に人気な国民的アニメなんだね。その興行収入は100億円を突破し、シリーズ歴代No.1の特大ヒットになっています。




劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』

https://www.conan-movie.jp/news26/1683080315.html

劇場版第25弾『名探偵コナン 黒鉄の魚影』お知らせ・新着情報のページです。





たみー:コナンって年々ストーリーが難しくなってる印象がない?キャラクターの人間関係が複雑に作り込まれた作品だからこそ、沼っちゃう人も多そうだね。










ばんちゃん:私もそう思います。特に最近のエンタメ作品だと、考察系というか、「実はこうだった」っていうどんでん返しがあるストーリーの方がZ世代に人気が出る印象がありますね。










とりとり:そういった複雑なストーリーをより楽しむために、「キャラクター相関図を確認してから映画を観ればよかった」という声もTwitter上でもちらほら見られます。




キャラクター相関図のイメージ





せーら:他にも、「U-NEXT」や「Hulu」などの動画配信サービスでは、これまでの24作品の劇場版映画を観られるようになっています。特に今回の映画は黒の組織がテーマになっているので、キャラクター相関図やこれまでの劇場版作品を通して黒の組織がどんなものかおさえておきたい人に需要がありそうですね。










ばんちゃん:とはいえ、コナンの主要キャラクターと設定は、Z世代でもミレニアル世代でも親世代でも誰もが知っているし、作画も美しくストーリー性も強いから家族みんなで観ても満足できるのが劇場版名探偵コナンの良いところだよね。特にここ数年でオタク層を獲得した印象があるけど、オタクもそうでない人もそれぞれに楽しめるアニメ映画作品ってなかなかないと思う。




映画と主題歌の相乗効果にも注目





まろん:今回主題歌となったスピッツの「美しい鰭」という楽曲も話題になっています。各種公式SNSで公開されたスペシャルムービーでは、主題歌にのせて本編の映像が公開されました。楽曲自体がリズミカルで中毒性のある神曲であるのはもちろん、楽曲と映画のストーリーの相性も完璧です。








とりとり:この動画のYouTubeコメント欄をみてみると、「スピッツが私の青春!」というミレニアル世代が主題歌をきっかけに映画を観に行ったというエピソードや、Z世代が「映画をきっかけにスピッツを知ってファンになった」というエピソードが見られます。スピッツファンがコナンファンになり、コナンファンがスピッツファンになるという相乗効果が生まれているようです。




GWに向けて、準備を進める人も





たみー:Z世代の2023年4月の検索トレンドランキングに「GW」がランクインしているね。4月の段階でGWの楽しみを計画していたということかな?










まろん:特に2023年のGWは、2020年以来はじめてコロナによる行動制限がないGWだったからこそ、「やっとGWを楽しめる!」という気持ちが強かったのかもしれないね。










とりとり:コロナ直前の2019年のGWは受験勉強に専念、大学入学以来の3年間はコロナで遠出できなかったので、私は4月から2023年のGWをすごく楽しみにしていました!サークルのイベント後の大人数宴会が特に印象的です。大学4年生になってはじめて大人数の飲み会を経験できて、「ああ、これが普通の大学生か…」としみじみしちゃいました。










まろん:僕は地元に帰って友人の結婚式に参加したんだけど、大人数で集まれるって嬉しいよね。










ばんちゃん:私の場合、4月の序盤にGW中の旅行が決まって、4月中ずっと旅行でどこへ行くか何をするかの計画を立てていました。特にGW中は宿が取りづらいので、宿が取れるのを第一優先にして旅行先を考えました










たみー:私も旅行に行ったんだけど、事前にあまり計画しない派だなー。










せーら:私は、社会人になってからリモートワーク中心で外に出る機会が少なくなり、大型連休をきっかけにゆっくりお弁当を準備してピクニックがしたくなったので、GWが見頃になるネモフィラの開花情報をTwitterで事前リサーチして、都内の公園でピクニックをしました。










とりとり:いいですね〜。GWのおでかけといえばネモフィラ鑑賞というイメージがあります、友人のInstagramのストーリーでもよく見かけました。「ネモフィラ」はミレニアム世代の検索ランキングでもトレンド入りしていますね。世代を問わず、「ネモフィラ」はGWの外出目的になるようです。










たみー社会人だと「貴重な連休、何しようかな」とGWに出かける予定を立てることが多いんだけど、学生だとどう?










とりとり:学生だと人によって捉え方が違う気がします。出かける人もいれば、授業やバイトがない普通の平日に出かけることにして、GWは稼ぎ時としてバイトを詰め込む人もいますね。GWだとバイト先によっては給料が上がったり、フェスの運営手伝いなどの単発バイトも多い印象があります。




まとめ

今回は、2023年4月の検索キーワードトレンドランキングをもとに、エンタメ作品・GWに対するZ世代のニーズと具体的な楽しみ方について分析・考察を行いました。

では、結果と見えてきた仮説をおさらいしていきましょう!


結果①
2023年4月には、当月にテレビ放送が開始された「推しの子」と映画が公開された「名探偵コナン」が検索トレンドになりました。

仮説①
動画配信サービスをよく利用するZ世代には、アニメの放送や映画の放映に合わせて過去の作品をイッキ見するというニーズがあるのかもしれません。

仮説①’
主題歌を用いた動画をZ世代がSNSで公開したり、主題歌アーティストのファンが作品の新たなファンになったりと、エンタメ作品の主題歌は、作品がヒットしトレンドになるために重要な要素となっているようです。

結果②
2023年4月には、当月末から次月頭にかけての長期休暇である「GW」が検索トレンドになりました。

仮説②
GWに向けた外出計画を4月の段階ではじめる人もいるようです。特に2023年では、「コロナによる行動制限がないGW」という認識も影響してか、GWを楽しみにしていた人も一定数見られるようです。

仮説②’
同じZ世代でも、社会人か学生かによって過ごし方は異なるようです。


Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。
今後の連載にも、ぜひご注目ください。

この記事のライター

現役Z世代による"Z世代の行動データ"分析ラボ Gen-Z調査隊®
株式会社ヴァリューズで2022年10月に発足。個性豊かなZ世代のメンバーが集まりました。
意識調査データやWeb行動データを活用し、"Z世代のリアル"を分析・発信していきます。
〈メンバー紹介〉
まろん(98年生まれ・エンタメコンテンツ好き)・ばんちゃん(99年生まれ・二次元キャラ好き)・こと(97年生まれ・観葉植物好き)・まなてぃ(01年生まれ・TikTok好き)・ロン(00年生まれ・テレビ好き)・まりん(02年生まれ・音楽好き)

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