アメリカでホットなフードトレンド「Swicy(スワイシー)」とは?
米国スターバックスのスパイシーレモネード
現在アメリカの若い世代を中心にスパイシーな味付けへの人気が高まっています。そのニーズに応えるため、食品メーカー各社は辛い味付けの新商品を次々に発表しています。そんな流行の中、新たに誕生した言葉が「Swicy(スワイシー)」です。
「Swicy(スワイシー)」とは、Sweet(スイート)とSpicy(スパイシー)を掛け合わせた造語で、甘辛い味を意味しています。甘辛い味と聞いただけではあまり目新しく感じられないかもしれませんが、Swicyトレンドの商品には面白い組み合わせも多数登場しています。
甘辛味のチキンやピザといった食べ物だけでなく、スパイス入りのレモネードやコーラといった意外性のあるドリンクまで登場し、まさに一味違うトレンドとして盛り上がりを見せています。
バーガーからアイスクリームまで!バラエティ豊かな今年のSwicy商品
では、Swicyを取り入れた商品にどのようなものがあるのか見ていきましょう。
■スターバックス
スターバックスは、2024年4月にSwicyトレンドから影響を受けた期間限定商品を発表しました。まず、レモネードにチリパウダーを加えたドリンクです。スパイシードラゴンフルーツ、スパイシーパイナップル、スパイシーストロベリーの3つのフレーバーで展開しました。
また、アイスドリンクのカスタマイズとして、チリパウダーが入ったフォームも登場しました。他のドリンクにこのフォームを自由に追加することでSwicyな味を楽しめるというものです。
米国スターバックスのホットハニーアフォガートとエスプレッソマルティーニ
さらにスターバックスリザーブ(シカゴ、ニューヨーク、シアトルの3店舗)では、ホットハニーアフォガートやホットハニーエスプレッソマルティーニといった、はちみつとチリペッパーを掛け合わせた商品を期間限定で提供しました。
■バーガーキング
米国バーガーキングのスパイシーメニュー
バーガーキングは、2024年7月にモッツァレラチーズフライ、チキンフライ、チキンバーガーなどを新たな期間限定スパイシーメニューとして発表しました。
それぞれの商品に辛さレベルが1から5までランク付けされており、激辛が苦手な人も含め幅広い層が満足できるように展開しています。Fiery Strawberry & Spriteと呼ばれるストロベリー味の炭酸ドリンクは、TikTokを通じて人気が沸騰した「ダーティソーダ(Dirty Soda)」(ソーダにフレーバーシロップやクリームを混ぜたもの)のトレンドの影響も受けています。
■シェイクシャック
米国シェイクシャックの韓国風スパイシーメニュー
シェイクシャックは、2024年1月から韓国料理に影響を受けたバーガーとフライドポテトを期間限定で販売しました。甘辛いコチュジャンを使用した韓国フライドチキンのバーガーや、韓国バーベキュー味のチーズバーガー、そしてキムチ味のフライドポテトには韓国バーベキューソースが添えられています。
■マイクズホットハニー
米国アイスクリーム店コールド・ストーン・クリマリーのアイスクリーム(マイクズホットハニーを使用)
マイクズホットハニー(Mike’s Hot Honey)は、チリペッパー入りはちみつのブランドです。2010年にボトル入り商品を発売してから、様々な食べ物や飲み物と組み合わせて楽しまれています。
ピザにかけて食べるスタイルが最も一般的ではありますが、2024年はスイーツのコラボ商品もいくつか登場しました。クッキー店のインソムニア・クッキーズ(Insomnia Cookies)や、アイスクリーム店のコールド・ストーン・クリマリーとコラボし、Swicyなスイーツを展開しています。
若い世代からのスパイシーフード人気が追い風に
アメリカにおけるスパイシーフード人気の背景には、若い世代を中心にますます人種の多様化が進んでいることや、海外の食文化への関心の高まりが関係していると考えられています。特に昨今のK-POPなど韓国のカルチャー人気がコチュジャンなど韓国食材を使用した食べ物の人気にも繋がっていると言われています。
では具体的にどれくらいの人がスパイシーなものを好んで食べているのでしょうか。アメリカにおけるタバスコなどのホットソース需要に関するNCSolutionsの調査(※)によると、回答者の7%は全くホットソースを食べられないと回答した一方で、残りの93%は辛さレベルに違いはあれどホットソースを食べられると回答しました。実際に、回答者の51%は週に1度以上ホットソースをかけているとのことでした。また、回答者の72%がSwicyなフードやドリンクを食べてみたいという回答結果もでています。
※Hot Sauce Market Trends: How Gen Z is Redefining Hot Sauce Culture
https://ncsolutions.com/the-goods/hot-sauce-market-trends/
2024年4月〜5月の調査。アメリカの1,114人が対象。
アメリカにおけるホットソース需要の調査結果
それぞれの世代で辛いものへの関心度の差も生まれています。「世界一辛い唐辛子を食べてみたいか」という質問に対して食べてみたいと答えた人の割合は、回答者全体の37%、世代別ではZ世代の60%、ミレニアル世代の47%でした。特にZ世代で高い割合の人が興味を示しており、辛いものへの関心の高さがうかがえます。
このようなスパイシーフード人気を踏まえながら、幅広い人に食べてもらえるように展開されているのがSwicy味の商品と言えるでしょう。
ますます食の多様化が進むアメリカで、今度もどのような面白い商品が出てくるのか楽しみです。
大学ではポルトガル語と言語学を学び、様々な外国文化や言語に興味がありました。
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趣味は、海外エンタメ情報の追っかけとおうちでラテアート修行をすることです。