CROとは? Webマーケティングにおいて効果的な施策例を紹介

CROとは? Webマーケティングにおいて効果的な施策例を紹介

Webサイトのコンバージョン率を高めるCRO。CROは売上に直結する重要な施策です。この記事では、CROの目的や施策例、実践方法などについて詳しく解説します。Webサイトのコンバージョン率を高めたい方はぜひ参考にしていただければ幸いです。


CROとは

CROとは「Conversion Rate Optimization」の略称で、「コンバージョン率最適化」を意味します。

Webサイトを訪問したユーザーがコンバージョンに至る確率が上がれば、売上が向上します。そのため、企業にとってCRO施策を行うことが重要なのです。

CROはWebサイトのコンバージョン率を高めるためのマーケティング施策ですが、まずはCV(コンバージョン)とCVR(コンバージョン率)について解説します。

CV(コンバージョン)とは

コンバージョン(CV)とは、Webサイトを運営する上でのゴールに到達することです。

何をコンバージョンとするかはWebサイトの種類によっても異なり、身近な例としては以下のようなコンバージョンが挙げられます。

Webサイトの種類

コンバージョン

ECサイト

商品購入・会員登録

採用サイト

採用エントリー・問い合わせ

ポータルサイト

有料会員登録・メルマガ登録

BtoBサイト

製品問い合わせ・ホワイトペーパーダウンロード・カタログ請求

CVR(コンバージョン率)とは

コンバージョン率(CVR)とは、Webサイトにアクセスしたユーザーがコンバージョンに至った比率のことです。

例えば、採用サイトで採用エントリーをコンバージョンに設定していた場合、100ユーザーのアクセス中3名のエントリーがあればコンバージョン率は3%となります。

Web広告やSEOに力を入れてアクセスを集めても、コンバージョン率が低ければ収益にはつながりません。そのため、デジタルマーケティングにおいてはCROにも取り組む必要があるのです。

CROの目的

CROの目的について具体的に解説します。

集客の費用対効果を高める

Web広告に大きなコストをかけて集客をしても、サイト訪問者がコンバージョンしなければそのコストが無駄になってしまいます。

CROに取り組むことでコンバージョン率を上げられれば、コンバージョン1件あたりの広告費が抑えられ、集客の費用対効果を高めることができるでしょう。

商品やサービスの価値を伝える

Webサイトの訪問者がコンバージョンに至らない原因として、「探している情報が見つけにくい」「興味を惹かれる決定的な情報がない」といったコンテンツの問題が挙げられます。

CROではこうした課題を解決するため、商品やサービスの価値を分かりやすく伝えるための改善を行います。ユーザーのベネフィットや競合他社との比較などを盛り込むことで価値が伝わりやすくなり、サイト訪問者の興味や購買意欲を高められるでしょう。

Webサイトのユーザビリティを高める

「ページの読み込み速度が遅い」「会員登録の入力項目が多くて手間がかかる」といった使い勝手の悪さも、コンバージョン率を下げる原因となります。

そのため、CRO施策ではWebサイトのユーザビリティを高めることも目的としています。Webサイトのユーザビリティが高まると検索エンジンからの評価も上がるため、検索順位が上がるという効果も同時に期待できます。

CRO施策の事例9選

CRO施策の具体例を紹介します。

ランディングページを改善する(LPO)

ランディングページ(LP)とは、自然検索やWeb広告などから流入したユーザーが最初に訪れるページのことです。

LPが分かりづらいとユーザーにネガティブな印象を与えてしまい離脱につながります。そのため、読みやすいデザインや魅力的なコピーでコンテンツへの興味を高め、コンバージョンまで誘導できるよう改善する必要があるのです。

LPを改善してコンバージョン率を高めるための施策はLPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)と呼ばれます。詳しくはこちらの記事でも解説しています。

【関連】LPOとは何?最適化をすることでコンバージョン率を向上させる

https://manamina.valuesccg.com/articles/494

Webメディアを運営していると、広告をクリックされるのにコンバージョン数の向上が見られないという現状に悩むこともあるでしょう。そんなときは広告の運用方法を見直す他にも、LPOを行うことが効果的かもしれません。では、そもそもLPOの具体的な意味や方法はどのようなものでしょうか?LPOに関する基本的なポイントや、効果のあるLPOについて解説します。

入力フォームを改善する(EFO)

問い合わせや資料請求などの入力フォームを改善するEFO(Entry Form Optimization=エントリーフォーム最適化)もCRO施策のひとつです。

入力フォームの段階で入力しなければならない項目が多いなどのストレスを感じると、コンバージョンの手前でユーザーが離脱してしまう恐れがあります。

入力項目は最小限に抑え、入力例を記載したり、自動入力機能を搭載したりするなどユーザーにストレスを感じさせない作りに改善しましょう。

CTAボタンを改善する

CTA(Call to Action)ボタンとは、「購入する」「問い合わせる」「資料を請求する」などコンバージョンに直結する行動を喚起するためのボタンのことです。

CTAボタンのデザインや周辺に記載するコピーを改善することで、コンバージョン率を高められる可能性があります。

CTAボタンの改善策には以下があります。

  • ボタンのデザインを改善する(配色や動きで目立たせる)


  • ボタン上に具体的な行動を記載する(「無料で会員登録する」「問い合わせる」など)


  • ボタン周辺のコピーでユーザーの得られるメリット、手軽さや安全性を訴求する

(「〇〇部門のDXに最適」「登録は無料です」など)

ボタンを押すとどうなるのかが具体的にわかるようにすれば、ユーザーの抵抗値を下げることができるでしょう。

ページの読み込み速度を改善する

ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまいます。

Googleの調査によると、読み込み速度が1秒から3秒になると直帰率(ページを閲覧せずに別サイトに移動してしまう割合)が32%増加し、1秒から5秒になると90%増加するというデータが明らかになっています。

CVRを高めるためには、たとえわずかな時間でもユーザーのストレスを減らせるよう、ページスピードを改善することが大切です。具体的な対策としては、アニメーションや高画質画像などを減らすこと、コンバージョン測定タグなどを整理して不要なタグを減らすことなどが挙げられます。

【参考】Think With Google|New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed

Web接客ツールを活用する

Webサイトを訪問したユーザーは、その時に抱えている疑問をその場で解決できなければ離脱してしまう可能性が高まります。

チャットボットやポップアップなどのWeb接客ツールを使えば、簡単な問い合わせに対応したり、ユーザーに最適なページへのアクセスを促したりすることが可能です。

Web接客ツールを用いてユーザーごとにコンテンツを最適化することで、コンバージョン率の向上につながるでしょう。

導線を見直す

導線とは、Webサイトの訪問者がコンバージョンに至るまでの経路のことです。

コンバージョンに到達したユーザーの経路を見直し、どういった経路でコンバージョンに至ったユーザーが多いのかを分析することが重要です。

コンバージョン率の高い経路がわかれば、コンテンツの改善やリンクの設置を行うことで、より効果的な誘導が可能となるでしょう。

コンテンツを見直す

Webサイト内のコンテンツで、商品やサービスの価値を適切に伝えられているかを見直すことも大切です。

価格やサービス内容を明確に伝えることに加え、以下のポイントを見直すと良いでしょう。

  • ユーザーにとってのベネフィットが書かれているか

  • ユーザーに適した言葉遣いや表現になっているか

  • 情報量や順番は適切か

  • 競合他社との違いが明確になっているか

  • ユーザーの不安を払拭できているか(個人情報の取扱、Q&Aなど)

あくまでユーザーの視点で、興味を惹かれる内容になっているかを見直すことが大切です。

CVの内容を見直す

コンバージョンの内容自体がユーザーにとってハードルの高いものになっていると、コンバージョンにつながりにくくなってしまいます。

高額な商品にもかかわらず、コンバージョンの内容が「購入」のみだとユーザーがやや抵抗を感じてしまうため、まずは「サンプル請求」「メルマガ登録」といったハードルの低い内容から訴求すると効果的です。

現状のコンバージョンよりもハードルの低い内容で訴求できるものはないか見直してみましょう。

広告文やクリエイティブ画像を見直す

広告文やタイトル、クリエイティブ画像などを見てWebサイトを訪問したユーザーは、遷移先ページの中身が期待していたイメージとズレていればすぐに離脱してしまいます。

そのため、広告文やページタイトルはページの中身と一貫性のあるものにすることが大切です。ユーザーが知りたい情報を広告文やページタイトルに含め、ページの中身と一致させます。

クリエイティブ画像などのデザインもコンセプトを統一し、親和性を高めると良いでしょう。

CRO実践の4ステップ

CROを実践する際の手順を解説します。

STEP1 仮説を立てる

最初のステップは、現状を正しく認識して仮説を立てることです。

Webサイトの訪問ユーザー数やコンバージョン数、CVRや直帰率などの数値を調べ、コンバーションに至らなかった原因、逆にコンバージョンに至った要因について客観的な仮説を立てていきます。

時にはユーザーにヒアリングを行い、Webサイトの使いやすさや広告の印象などについて意見を聞くことも有効でしょう。

STEP2 ABテストを行う

仮説を立てて改善策を考えたら、実際にABテストをして数値を比較します。

ABテストとは、Webサイト内や広告のテキスト、画像、CTAボタン、ポップアップの内容など改善の対象となる一部だけを変更した2種類以上のパターンを用意し、どちらがより良い結果になるのかを比較するテストです。

STEP3 テスト結果を解析する

ABテストが終わったら、数値をもとにデータがどのように変化したかを分析します。

ABテストでは、計測期間などの要因で有効な数値が出ない場合もあるため、どのような場合でも「なぜそうなったか」を追求することが大切です。

STEP4 改善しながら繰り返す

データが集まったら再び改善点を洗い出し、仮説を立ててテストを繰り返します。

市場の動きやユーザー心理は刻々と変わっていくため、CROも1度で終わらせずに継続して実施していく必要があります。何度も仮説の検証を繰り返していくことで精度が上がり、CVRの向上につながるのです。

CROを効果的に進めるポイント

CROを効果的に進めるために気をつけたいポイントについて解説します。

自社の課題を洗い出す

コンバージョン率が上がらない原因はそれぞれのWebサイトによって異なります。CROと一口に言ってもさまざまな施策があるため、自社にとっての課題を明確にし、優先順位をつけて取り組んでいくことが重要です。

サイト分析ツールなども活用しながら自社サイトにおける課題を洗い出し、自社に適した目標数値を定めてCROに取り組みましょう。

【関連】サイト分析ツールってどんなものがあるの?おすすめ6選

https://manamina.valuesccg.com/articles/467

より効果の高いサイトにするためにはどうすればいいのか? サイト運営者の方は常にこう考えているのではないかと思います。そのために必要なのが、コンテンツやサイト構造を分析して改善すること。このとき、自社サイトの分析だけでなく競合サイトも含めたサイト分析が必要です。そこでこの記事では、サイト分析に役立つツールを紹介しましょう。

長いスパンで成果を目指す

CROは実施すればすぐに効果が出るというわけではありません。さまざまな原因がある中で一つずつ改善し、継続的にPDCAサイクルを回すことで成果に結びつくものです。

一度効果が出ても、ユーザーや市場の変化に合わせて改善し続けていく必要があるため、長期的な展望をもって取り組むことが大切です。

まとめ

Webサイトのコンバージョン率を高めるCROは、収益に直結する重要な施策です。

CROにはページ読み込み速度の向上やCTAボタンの改善、ランディングページや入力フォームの見直しなどさまざまな施策があります。まずは自社サイト課題を洗い出し、仮説を立てたうえで長期的に改善を繰り返していくことが大切です。

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この記事のライター

フリーライター。JRグループ会社にて経理・総務として勤務。
子育てとの両立のためWebライターに転身。3児の母。
バックオフィス業務関連の記事を中心にBtoBライティングを手がける。

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