【無料ダウンロード】デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編|ホワイトペーパー
https://manamina.valuesccg.com/articles/3770国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)
Z世代の利用率はYouTube約92%、ショート約83%、TikTok約59%
今回はアンケートで聴取したYouTube・YouTubeショート・TikTokの利用実態を、X・Y・Z世代間での比較という切り口で深堀り分析し、現役Z世代の著者なりに考察を加えていきます。なお世代の定義については、2023年12月時点で15~26歳をZ世代、27~41歳をY世代、42歳以上をX世代としています。
アンケート回答者全体の傾向については以下の記事で分析しています。是非あわせてご覧ください。
【調査リリース】YouTube・YouTubeショート・TikTok利用実態 TikTokの利用率は約4割 YouTubeは学び、TikTokはトレンドがキーワード
https://manamina.valuesccg.com/articles/3195高い利用率を誇るYouTubeに対し、YouTubeショートやTikTokといった短尺動画の利用率はどれだけの追い上げを見せているのでしょうか。それぞれでよく見られている動画や、生活の中での媒体の位置づけ、使い方や使い分けとは?商品の購買に一番繋がりやすいのはどの媒体?アンケートデータから、各媒体の利用実態を調査しました。
まず各媒体のZ世代の利用率(「全く利用していない」を全体から除いた割合)は、YouTubeで約92%、YouTubeショートで約83%、TikTokで約59%となっています。
特にYouTubeショートはZ世代とY世代との利用率の差が約18ポイントと大きく、YouTubeとYouTubeショートの利用率の差は、Z世代で約9ポイント、Y世代で約20ポイントです。Y世代以降の世代は、「YouTubeは使っているけれど、YouTubeショートには手を出していない」人の割合がZ世代よりも高いことがわかります。また、Z世代は約半数の回答者がYouTubeショートを「ほぼ毎日」利用すると答えており、いち早くこの媒体に馴染んでいる様子がうかがえます。
TikTokに関しては、利用率が半数を超えたのはZ世代のみとなりました。
※本文内では、ショート動画を含まないYouTubeの通常動画を「YouTube」と記載しています。
各媒体の利用頻度(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女
Z世代が積極的に短尺動画を視聴しているのは、上の世代よりも新しいものへの抵抗感が少ないことに加え、「好きなもの」を効率よく見つけられることも大きいのではないでしょうか。「好きなもの」が増えれば、帰属意識を持てる界隈も増え、居場所を感じられる場所が増えます。通常のYouTube動画のような長尺なものだと、そのクリエイターが好きかどうか判断するのに時間がかかってしまいますが、切り抜き動画など動画のハイライトが凝縮された短尺動画は新しい「好き」にテンポよく出会うことができ、マンネリ化も防ぎやすいと考えられます。
1日あたりの平均利用時間を見ても、いずれの媒体においても、Z世代は1日に30分以上は費やす人の割合が上の世代よりも高くなっています。
各媒体の1日あたりの平均利用時間(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
Z世代には「ゲーム実況」や「切り抜き動画」が人気!
では、Z世代は各媒体でどのようなジャンルの動画をよく見ているのでしょうか。回答者割合が高い順にランキング化し、上位15位までを掲載しました。
まずはYouTubeのランキングから。
YouTubeにおける普段の視聴ジャンル(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
※選択肢は以下の計33項目
美容・メイク・ファッション系、踊ってみた系、ライフスタイル系(Vlog/モーニングルーティーンなど)、バラエティ系(やってみた/クイズ/あるあるなど)、解説/考察系、心霊系、MV/音楽系、ゲーム実況、モッパン、自己啓発系(ビジネス/マインドセットなど)、ASMR系、お笑い・モノマネ系、ニュース番組、切り抜き系、ペット・動物系、料理系、専門知識・経験談系、アウトドア系(キャンプ/釣り/登山など)、カップル系、アニメ/ドラマ、教育系(英語/数学/塾講師の解説など)、ライフハック系、Vtuber、商品紹介系、大食い系、飲食店紹介系、スポーツ系、家族・子育て系、旅行/旅/地域・国紹介系、タレント系(芸能人/声優/アイドルなど)、フィットネス・トレーニング系、その他、分からない/覚えていない
最も多くのZ世代がYouTubeで見ているのは「ゲーム実況」で、約45%と圧倒的な票を獲得しています。「ゲーム実況」はY世代でも1位ですが、その割合は約27%。X世代では約7%で14位となっています。その他、上の世代と比べてZ世代がよく見ているのは「切り抜き系(4位 / 約21%)」「Vtuber(5位 / 約21%)」「ASMR系(9位 / 約13%)」です。
では、Z世代を男女で分けると、視聴ジャンルに違いは出るのでしょうか。
Z世代全体として特徴的だった「ゲーム実況」はZ世代男性の約50%、Z世代女性の約39%が視聴しており、男性ユーザーからの人気が目立ちます。「切り抜き系」は男女ともに5位で、大きな差はありません。「Vtuber」は男性割合がやや高く、「ASMR系」は女性割合がやや高くなっています。その他、Z世代女性は「MV/音楽系」が40%で1位となっており、Z世代男性の約27%と比べても高い人気を誇っていることがわかりました。
YouTubeにおける普段の視聴ジャンル(Z世代男女別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
※選択肢は前述の計33項目
YouTubeショートでよく見られている動画ジャンルを世代で比較しても、YouTubeと同様、Z世代では「切り抜き系」「ゲーム実況」「Vtuber」といったテーマが特徴的です。
YouTubeショートにおける普段の視聴ジャンル(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
※選択肢は前述の計33項目
■X・Y世代はTikTokで「料理系」「動物系」、Z世代はエンタメ系を視聴
TikTokの視聴ジャンルを見ると、Y世代・X世代は「料理系」「ペット・動物系」が上位ランクインしている一方で、Z世代は「切り抜き系」「アニメ/ドラマ」「MV/音楽系」といったエンタメ系が順に1~3位となっています。
TikTokは、忙しい子育て世代がスキマ時間にさっとレシピ情報を仕入れたり、束の間の癒し時間を過ごすのに使われやすいのかもしれません。
TikTokにおける普段の視聴ジャンル(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
※選択肢は前述の計33項目
TikTokのZ世代ユーザーを男女に分けると、視聴ジャンルは以下のようになりました。男女で比較すると、Z世代女性で「MV/音楽系」「美容・メイク・ファッション系」「タレント系(芸能人/ 声優/ アイドルなど)」「ペット・動物系」の人気が目立ちます。
TikTokにおける普段の視聴ジャンル(Z世代男女別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
※選択肢は前述の計33項目
■Z世代に「切り抜き系」「ゲーム実況」が人気の理由とは?
YouTube・YouTubeショート・TikTokのいずれもZ世代で上位ランクインした「切り抜き系」。なぜここまでZ世代に切り抜き動画が人気なのでしょうか。
それには、Z世代が「ゲーム実況」をよく見ていることが関係しているかもしれません。日頃からゲーム実況の動画を見ていると、ショート動画でも様々なクリエイターの実況動画の切り抜きがサジェストされやすくなります。ゲーム実況はフル動画の尺が長くなりやすく、1つのゲーム作品に対して動画本数も多くなりがちなため、切り抜き動画が作られやすいという背景もあるでしょう。そんな中、Z世代の多くはもともとゲーム実況というジャンル自体への興味関心が高いので、動画が当てられたら見る、という人も多いでしょうし、腰を落ち着けてじっくり見たい、自分が本当に好きなゲーム作品や実況者の動画以外は、切り抜き動画でハイライトだけ見てタイパよく面白いところ取りしたい、という人もいるかもしれません。また、推し活に近いモチベーションで、好きな作品や実況者の動画のハイライトを、既にフル動画を見たものであっても繰り返し見たい、という心理もあるのではないでしょうか。
では、なぜZ世代はゲーム実況が好きなのでしょうか。実況動画は、ゲームを買うお金や、プレイするための集中力・体力無しにゆるく作品を楽しむことができます。要は省エネでゲームを楽しめるということです。その上、実況者や他の視聴者、特にコメント欄に書き込んでいるユーザーと一緒に遊んでいる感覚も楽しめます。「このゲーム実況者界隈」というコミュニティや推し活に近い感覚かもしれません。またそもそも、大学生で長尺動画を見るだけの時間が作りやすいことや、単身世帯だからこそ、自分が好きな長尺動画を思うままに楽しめるという人も多いと考えられます。
ショート動画からフル動画など、媒体間の遷移は特にZ世代男性で盛ん
続いて、YouTubeショートから通常のYouTube動画、YouTubeからTikTokといった、媒体間の移動について見てみましょう。
いずれもZ世代、特にZ世代男性の媒体間移動が盛んであることがわかります。そもそもZ世代はショート動画を上の世代よりも積極的に視聴していることや、「切り抜き系」の動画を見る人が多いことが影響していそうです。
他媒体への遷移(世代別)
実査期間:2023年12月20日~2023年12月27日
対象者:15歳以上の国内男女(各媒体の利用者)
ここまで、世代別の利用率や人気の動画ジャンル、媒体間移動について調査してきました。<後編>では、各媒体の利用スタイルやFA(自由回答)の結果などから、その使い分けについて深掘り。プロモーションに対する反応など、購買行動についても調査しています。
▼<後編>の目次一覧
Z世代は「クリエイターを応援したい」「共感や連帯感を得たい」?
Z世代女性は約半数が、飲食店・旅行先探しにTikTokを活用
YouTubeで推しのライブ配信、ショートで推しのオフショット、TikTokで推しのファンアート
プロモーションに敏感なZ世代、SNS広告の効果は?
購買回数が最も多いのはZ世代男性でYouTube、Z世代女性でTikTok
Z世代は口コミのインプット・アウトプットが盛ん
是非<前編>とあわせてご覧ください。
Z世代のYouTube・YouTubeショート・TikTokの利用実態をX・Y世代と比較!利用率や使い分け、広告の効果は?<後編>
https://manamina.valuesccg.com//articles/3215Z世代は、学生時代から動画を楽しむことが当たり前な世代。短尺動画もいち早く取り入れているイメージが強いのではないでしょうか。今回は、Z世代が動画のSNS媒体をどのように使いこなしているのかを、X・Y世代と比較しながら深掘り分析。それぞれでよく見られている動画や、媒体の生活の中での位置づけ、使い方や使い分け、商品の購買に一番繋がりやすい媒体はどれかなど、各媒体の利用実態、および購買意識を徹底調査しました。
【調査・分析概要】
YouTube・YouTubeショート・TikTokの利用について、全国のヴァリューズモニター(15歳以上男女)を対象として、2023年12月20日~2023年12月27日にアンケート調査を実施(回答者 27,519人)。
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
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ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。今回、国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。
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データ分析のヴァリューズ、 「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」を公開をチェック
大阪大学でポルトガル語とブラジル社会学を、カナダのビクトリア大学でビジネスを学び、2021年に新卒でヴァリューズに入社。データアナリストを経て、現在はマナミナのコンテンツマーケティングと自社の海外PRを担当しています。