企業の生成AIの導入に8割が課題感あり!9割の満足度と相反する「使ってみて分かった課題」とは?【Helpfeel調査】

企業の生成AIの導入に8割が課題感あり!9割の満足度と相反する「使ってみて分かった課題」とは?【Helpfeel調査】

株式会社Helpfeelは、有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者を対象に、「企業の生成AI導入」に関する実態調査を実施し、結果を公開しました。


生成AIを導入・活用している部署TOP3は「情報システム」「マーケティング」「営業」

はじめに、7,712人に「所属している企業では有料の生成AIを導入していますか?」と質問したところ、1,557人が『はい(20.2%)』と回答しました。

次に、1,557人に「有料の生成AI導入におけるあなたの立場を教えてください」と質問したところ、467人が『導入立案者(30.0%)』、540人が『運用担当者(34.7%)』、550人が『いずれもあてはまらない(35.3%)』と回答しました。

これ以降は、生成AI導入における導入立案者と運用担当者合わせて1,007人にさらに質問を行いました。

「あなたが所属する部署を教えてください」と質問したところ、『人事・総務(16.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『営業(16.6%)』『情報システム(16.4%)』と続きました。

「社内で生成AIを導入・活用している部署を教えてください」と質問したところ、『情報システム(34.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『マーケティング(29.8%)』『営業(29.3%)』と続きました。

約9割が生成AIの導入に満足している一方で、約8割が課題を感じている

「社内に生成AIを導入した理由を教えてください」と質問したところ、『リサーチ・分析のため(33.4%)』が最も多く、次いで『顧客対応の自動化のため(32.5%)』『メール・企画書などの文書作成のため(29.6%)』と続きました。

生成AIは、特にリサーチ・分析、顧客対応、文書作成の効率化を目的として導入されていることが示されました。

「生成AIを導入して、その効果に満足していますか?」と質問したところ、約9割の方が『とても満足している(30.4%)』『やや満足している(58.0%)』と回答し、生成AI導入の満足度が非常に高いことがうかがえます。

「生成AIを導入してみて課題を感じましたか?」と質問したところ、約8割の方が『かなり課題を感じた(19.5%)』『やや課題を感じた(58.1%)』と回答しました。

生成AI導入の満足度は高いものの、課題を感じている方も多いことが明らかになりました。

導入理由別の結果は以下の通りです。

かなり課題を感じた
リサーチ・分析のため(40.6%)
『顧客対応の自動化のため(40.1%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(38.6%)』

やや課題を感じた
リサーチ・分析のため(34.5%)
『顧客対応の自動化のため(32.7%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(29.1%)』

あまり課題を感じなかった
情報収集のため(25.8%)
『顧客対応の自動化のため(24.7%)』
『リサーチ・分析のため(24.2%)』

まったく課題を感じなかった
情報収集のため(34.3%)
『顧客対応の自動化のため(28.6%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(25.7%)』
『設計・デザイン案作成のため(25.7%)』

リサーチ・分析、顧客対応の自動化、メール・企画書などの文書作成を理由に生成AIを導入した方の中では『課題を感じた』と回答した方の割合が高いのに対し、情報収集を理由に生成AIを導入した方の中では『課題を感じなかった』と回答した方の割合が高いことが明らかになりました。

情報収集など導入の目的がシンプルなら課題を感じにくい一方、リサーチ・分析や、顧客対応の自動化など、精度や質が求められる目的の場合、課題を感じやすいことが分かりました。

課題のトップ3は『データプライバシー』『情報漏洩・セキュリティ』『ハルシネーション』

生成AIを導入して『かなり課題を感じた』『やや課題を感じた』と回答した方に、「生成AIを導入してみてどのような点に課題を感じましたか?¥」と質問したところ、『データプライバシーの懸念(37.0%)』が最も多く、次いで『情報漏洩・セキュリティ面の懸念(36.8%)』『ハルシネーションの発生(30.8%)』と続きました。

データプライバシーや情報漏洩・セキュリティ面に関する懸念を持つ方が多く、機密情報の保護が重要な課題となっていることがうかがえます。

また、ハルシネーションの発生によって事実とは異なる情報が生成されるリスクも問題とされているようです。

生成AIの利用ルールを整備することで解消できる課題/残る課題が判明

これらの課題を感じている方に「社内では生成AIの利用についてルールを整備していますか?」と質問したところ、課題別に以下のような結果になりました。

ハルシネーションの発生
すでにルールを整備している(45.2%)
『現在、ルールの整備を検討している(35.7%)』
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(13.7%)』

情報漏洩・セキュリティ面の懸念
すでにルールを整備している(29.9%)
『現在、ルールの整備を検討している(45.8%)』
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(19.8%)』

データプライバシーの懸念
『すでにルールを整備している(30.1%)』
現在、ルールの整備を検討している(41.2%)
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(25.3%)』

『データプライバシー』『情報漏洩・セキュリティ面』を課題だと感じている方は、社内ルールが整備されていないケースが多く、ルールの整備が課題解決に繋がる可能性が示されました。
一方、『ハルシネーションの発生』を課題とする方は、既にルールが整備されている割合が高いにもかかわらず課題が残っていることが明らかになり、ルール整備以外の対策が必要であることが示唆されました。

調査概要

調査概要:「企業の生成AI導入」に関する実態調査
【調査期間】2024年10月3日(木)~10月5日(土)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,007人
【調査対象】調査回答時に有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者と回答したモニター
【調査元】株式会社Helpfeel
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

出典元:株式会社Helpfeel

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000360.000027275.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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