ナーチャリングとはマーケティング施策
ナーチャリングとは、直訳すると「育成すること」を意味します。ここで育成とは、見込み顧客の育成ということ。展示会やWeb広告で集客したリードに対して、継続的にアプローチをすることで、購買意欲を高めます。
これまでのマーケティングでは、広告やテレアポなどを通じて、見込み顧客を集めてアプローチする手法が一般的でした。その点ナーチャリングでは、将来顧客になる可能性がある個人や企業に対して、購入のモチベーションを育成し、購入につなげます。
潜在顧客や見込み顧客の段階から、コミュニケーションやサービスの利用を介し、質の高い優良顧客に育てます。またナーチャリングでは、購入した顧客との関係を維持してライフバリューを高めることも目的とします。
ナーチャリングを行う重要性
以前ではほとんど耳にすることがなかったナーチャリング。しかし2011年頃からナーチャリングの重要性が注目されるようになり、日本でも一般的になりました。ナーチャリングの重要性が高まっているのは、インターネットの普及における情報環境の変化が主な要因です。
■購買プロセスの長期化
インターネットの普及に伴って、顧客自身でも必要な情報を検索できるようになりました。そのため製品やサービスを購入する場合には、事前に下調べをしてから購入するケースが多くあります。
ユーザーは製品やサービスのメリットやデメリットを比較するようになり、購買プロセスが長期化しました。この間にリードを放置するのか、ナーチャリングをしっかりと実施するかは、優良顧客の獲得の成否を分けるでしょう。
■顧客データを活用する
顧客データが活用できていないケースが多いことも、ナーチャリングを行う重要性を高めます。名刺を集めたとしても、フォローできていない見込み顧客がいる可能性があるからです。
これまで活用していなかった顧客データに対しても、ナーチャリングを行うことで新規の顧客を獲得できる可能性が高まります。集客したリードを活用することは、マーケティングの施策の基本とも言えるでしょう。
■ネットの活用で顧客が比較しやすくなった
先ほども少し触れましたが、インターネットの普及により顧客自身がサービスや商品を比較することが多くなったことも、ナーチャリングの重要性を高めました。そこで、顧客がサービスや製品を比較した段階からナーチャリングをすることで、購入意欲を高めることができるのです。
顧客には「無理に売り込まれたくない」「自分に合った商品を自分で見つけたい」という心理があるため、あらかじめ商品やサービスを調べています。購入までのプロセスが細かくなるのに合わせて、ナーチャリングすることで優良顧客に育てられるでしょう。
ナーチャリングを行うアプローチ法
実際にナーチャリングを行うアプローチ方法を見てみましょう。
■メール
メルマガやステップメールも、ナーチャリングの1つの方法です。メールマーケティングを実施している企業は多いのですが、配信時間帯やタイトル、本文などを改良していく必要があります。配信時間帯を変えるだけでも、レスポンスに大きな差が生じることもあります。
ツールによっては、ステップメールの設定が可能です。ナーチャリングの効率を高めるには、ステップメールの設定を調整したり、ツールの選定を慎重に行うべきでしょう。
■セミナー
セミナーはメルマガで集客して、ナーチャリングを行うことが一般的となります。最近では地域に関係なくWeb上でセミナーに参加できる、「ウェビナー」もあります。
担当者が実際に顔を合わせて、直接話すことができるので、ナーチャリングの効果も高くなるのが特徴です。
■ソーシャルメディア
見込み顧客とつながりやすいソーシャルメディアは、ナーチャリングのハードルが低いとも言えるでしょう。どのメディアを使うのが、自社のナーチャリングに効果的なのかを判断する必要があります。
生活に密着しているのがソーシャルメディアですし、他のユーザーへの拡散力の高さが特徴です。SNSの生活との密着度が高まるにつれて、これからさらに効果を期待できるナーチャリング方法です。
■Webトラッキング
リードをトラッキングすることで、スコアリングやグレーディングという指標でセグメント化します。トラッキングで得られた情報を元に、メール配信をすると、関心に合わせた情報を提供することが可能です。
顧客がインターネット上でリサーチをすることが多くなっているため、トラッキングはナーチャリングに不可欠な要素となっています。インターネット上での行動を分析し、的確な施策ができるツールを活用することで、ナーチャリングをより効果的に行えます。
ナーチャリングで効果的なマーケティングを!
ナーチャリングは、リードの関心を高め、育成を行うことで、優良顧客に育てる活動です。これはBtoBマーケティングの中でますます重要視されています。顧客が自分で製品やサービスを比較することが増えているので、MA(マーケティングオートメーション)といったツールを活用することで、より質の良いリードを獲得することができるでしょう。
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