猫の日とは
猫の日は、猫と人間の関係を深め、猫への感謝を表すために制定された記念日です。この日は、全国各地で猫に関連したイベントが開催され、SNSでも猫の写真や動画が多く投稿されています。
世界各国でも猫の日があり、例えばアメリカでは10月29日、ロシアは3月1日です。猫は古くから人間と共生してきた動物であり、日本では「招き猫」など縁起の良い存在とされてきました。現代ではペットとしての人気が高まり、猫をテーマとした商品やキャンペーンも多く展開されています。
カインズにゃん祭り2025
ここからは、「猫」とそれに関連するワードを検索する人はどのような人なのかデータから考察していきます。
なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行える株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
猫検索者は飼育法と健康が気になる
猫検索者像を把握するために、猫とよく比較される「犬」の検索者と比較していきます。
初めに直近2年間の「猫(猫・ねこ・ネコ)」「犬(犬・いぬ・イヌ)」検索者数の推移を見ていきます。

「猫(猫・ねこ・ネコ)」「犬(犬・いぬ・イヌ)」検索者数推移
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
猫の検索者数が犬の検索者数を上回っていることがわかりました。また、直近2年間では、犬と猫の検索者数がいずれも減少している傾向が見られます。
一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和5年全国犬猫飼育実態調査(https://petfood.or.jp/data-chart/) 」によると、犬と猫の飼育頭数は、犬が年々低下しており、猫は横ばいが続いているようです。
ペットの世話に時間を割けない人が増えたことや、都市部でペットの飼育環境が制限されていることなどのライフスタイルの変化やペットの飼育費用の増加が影響していると考えられます。このような状況が、検索者数の減少にも影響しているのではないでしょうか。
続いてそれぞれの検索者の属性をみていきます。

「猫(猫・ねこ・ネコ)」「犬(犬・いぬ・イヌ)」検索者の男女割合(左)年代別割合(右)
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
性別については、猫検索者と犬検索者の間で顕著な違いは見られませんでした。両者ともに、女性の割合が全体の6割強を占めています。年代別の割合を見ると、ネット利用者全体と比較して、特に30代から50代の割合が高いことがわかります。
続いて猫・犬それぞれの検索者が犬猫の何に関心があるのかを知るために掛け合わせワードを大まかにパターンにわけて表したワードネットワークを見ていきます。

「猫(猫・ねこ・ネコ)」「犬(犬・いぬ・イヌ)」検索者のワードネットワーク
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
両者のワードネットワークには、それぞれ「猫」や「犬」といったワードが出現しており、これにより猫と犬の検索者が比較されていることがわかります。
猫に関心がある人が検索しているキーワードには「トイレの躾(しつけ)」などが多く、犬に関心がある人は「散歩」に関する検索が目立っています。この違いは、猫と犬の性格や飼育方法に対するアプローチの違いを反映しているのかもしれません。
猫は一般的に独立心が強く、手間のかからないイメージがある一方で、犬は人懐っこく、飼い主とのコミュニケーションが重視される傾向にあります。そのため、猫に関する検索者は、やはり「トイレの躾」や「飼育方法」に特に関心を寄せているのかもしれません。
また、具体的には、「ロイヤルカナン」という猫のフードが検索されていることから、猫の健康管理に注意を払っている様子が伺えます。健康や食事に関する関心が高いことがうかがえる結果といえるでしょう。
そのほか、猫の検索者は「種類」に関連する情報も調べており、猫の品種や特徴についての関心が高いことを示しています。これらの結果を踏まえて、続いては、猫飼育に関連するグッズや、猫の種類に関する調査を進めていきます。
人気の猫飼育グッズ
ここでは、猫の「健康管理」と「トイレ」に焦点を当ててみていきます。
■健康管理
まずは、猫の健康管理についてです。さきほどあげたワードネットワークから「ロイヤルカナン」を検索する人が多いことがわかりました。
ロイヤルカナンは個々の犬と猫のニーズにきめ細やかに応える栄養バランスとサービスを提供しています。その中でもどのようなページがみられているのでしょうか。

「猫(猫・ねこ・ネコ) ロイヤルカナン」検索者の流入ページ
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
ロイヤルカナンは総合栄養食も展開する中で、食事療法食のページを訪れる人も多く、猫の食事を通した健康サポートを目的としてロイヤルカナンを利用している人が多いことがわかりました。
猫は腎臓に負担がかかりやすい体構造をしているため、腎臓病になりやすいといわれており、その対策もしくは治療をしていると考えられます。
ロイヤルカナンは犬用製品も多数展開していますが、猫の掛け合わせ検索でのみ上位にあがっているため、どちらかといえば猫飼育者からの支持が高いといえるかもしれません。
■トイレ
続いて、「猫 トイレ」と検索した人が流入したページの上位10つを見ていきます。

「猫(猫・ねこ・ネコ) トイレ」検索者の流入ページ
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
猫用自動トイレや猫用システムトイレへの関心が高いようです。
最近では、シートと一緒に使用するシステムトイレや、猫が上から出入りできる構造で飛び散りを防ぐ工夫が施されたトイレ、さらには自動で猫の排泄物を処理してくれる全自動タイプのトイレも登場しており、選択肢が非常に多様になっています。猫を飼う上でのネックとなっていたトイレの問題が解決しやすくなったと言えるでしょう。
マンチカンは30代に人気、ミヌエットはペット好きから支持
ワードネットワークでは猫の種類を検索している人が多いことがわかりました。ここからは、猫種別で関心者にどのような違いがみられるのかを調査していきます。
『みんなの子猫ブリーダー』が発表した2024年の成約件数をもとにした人気の猫種ランキングによると、人気の猫は1位スコティッシュフォールド、2位マンチカン、3位ミヌエットだそうです。ここでは、これらの3種類の猫に注目して関心層を比較していきます。

各猫種の外見と特徴
それぞれの猫種別に関心層はどのような違いが見られるのでしょうか。なお分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用います。

「スコティッシュフォールド」「マンチカン」「ミヌエット」検索者の男女割合(左)年代別割合(右)
期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:パソコン・スマートフォン
男女割合は、スコティッシュフォールド、マンチカンはほとんど半々で、ミヌエットは女性人気が高いことがわかりました。
それぞれの品種ごとに年代割合を見ていくと、マンチカンを検索している30代の割合が高いことが特徴的でした。また、スコティッシュフォールドは幅広い世代に人気と言えるかもしれません。
続いてそれぞれの関心者像をもっとよく理解するために、興味関心についてみていきます。以下はそれぞれの猫検索者が興味関心をもつカテゴリを可視化したデータです。アンケート結果をもとにリーチ率*を縦軸、特徴値*を横軸にとっています。
*リーチ率:対象者のうち、アンケートで当該項目に回答した人数の比率
*特徴値:対象者のリーチ率−ネット人口全体のリーチ率

「スコティッシュフォールド」「マンチカン」「ミヌエット」検索者の興味関心
対象期間:2023年1月~2024年12月
デバイス:パソコン・スマートフォン
ミヌエット検索者は「ペット」への関心が高い点が特徴的です。一方でスコティッシュフォールド、マンチカン検索者は音楽鑑賞やアニメなどに比較的関心があり、意外にもペットへの関心は高いとは言えないことがわかりました。
ミヌエットは比較的新しい品種であるため、認知度が他2種と比べては低めであり、ペットへの関心が高い層に興味を持たれて検索されているのかもしれません。
まとめ
「猫の日」が制定されるほど人々から愛されている猫。猫検索者は主に「飼育法」や「健康管理」に関心が高いことが分かりました。特に猫の食事やトイレに関連する検索が目立ち、健康サポートを意識した「ロイヤルカナン」の検索や、自動トイレの関心が高いことが予想されます。
また、猫の種類についても注目が集まり、スコティッシュフォールドやマンチカンは男女問わず人気ですが、ミヌエットは女性に特に支持されており、ペット全般への関心が高い層に人気があることが分かりました。
2025年入社予定の大学4年生です。